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ロシア、サンクトペテルブルクに出かける途中、ルフトハンザの乗り継ぎ地であるフランクフルトに滞在、シュテーデル美術館を訪れ、お目当てのフェルメールの「地理学者」を見る機会を得た。<br /><br />フランクフルトは人口は約67万人、政治都市である首都ベルリンに対する経済、金融、交通の中心都市である。旧西ドイツのほぼ中央部にあり、ルフトハンザドイツ航空がフランクフルト空港をハブにしているため、訪れる機会は圧倒的に多い。第2次世界大戦では他のドイツの主要都市同じく灰燼と帰した。戦後の復興の過程で、フランクフルトはアメリカの都市計画を取り入れ、町の中心部にはドイツの都市には例外的に超高層ビルが建ち並ぶ。ミュンヘンが戦前の街並みをほぼ忠実に再現したこととよく比較される。<br /><br />ドイツ最大の空港を擁するため、鉄道の路線も非常に発達しており、国内の主要都市にはドイツの誇る超特急ICEでネットワークされており、短時間に移動することができる。逆に言えば、周囲に魅力ある観光地が目白押しのため、フランクフルトをじっくり観光するという方は少ないのではないだろうか。かく言う私もこの町で、レーマーと大聖堂、ゲーテ博物館、アルテオーパーと歌劇場を除けばこれまでの滞在はほとんど素通りに近い。<br /><br />そんなことから今回の滞在はシュテーデル美術館を訪れることに決めていた。お目当てはフェルメールの「地理学者」とレンブラント、ボッティチェリである。この美術館はフランクフルトの銀行家ヨハン・フリードリヒ・シュテーデルの遺言により設立されたために、この名がある。1818年に開館、1878年に博物館・美術館の集積する現在地に新館を建てた。1937年の不幸なナチスの時代、「退廃美術狩り」によって、ゴッホの『医師ガシェの肖像』など油彩77枚と版画700点が宣伝省に没収された。1939年にはコレクションは戦争を避けるため市外に疎開したが、建物は連合軍の大空襲で完全に破壊され、1966年に現在の姿に再建された。<br /><br />この美術館は通常10時から18時(除く月曜日)、水、木曜日は21時まで開館しており、フライトの限界までゆっくり鑑賞できる。入場料12ユーロは安くはないし、もちろん規模的にエルミタージュ、ルーブル、メトロポリタンやボストンと比較すべきではないが、いわゆる珠玉の作品が展示されている。そしてこの美術館で特筆すべきは、内壁の大胆な配色である。地下の近代絵画室は白色であるが、2、3階の中世、フランドル、ルネッサンスから印象派にかけての展示室は、大胆な赤、青、緑、紫の強烈な色が使ってある。日本ではあまり見られないし、好みを分けることであろうが、意外と悪くはない。一度ご覧になっていただく価値はあると思う。<br /><br />この美術館では、数少ないフェルメールの作品「地理学者」、ボッティチェリの「女性理想像」、レンブラントの「サムソン(シムソン)の目潰し」、作者は知られていないがティッシュバインの「ローマ、カンパーニュのゲーテ」、ゴッホ、ルノワール、マネ、モネその他印象派の主要作家の名作が並んでおり、見逃せない。なおストロボを使わなければ撮影は許されている。<br />

フランクフルト・アム・マイン滞在記No.3:シュテーデル美術館でフェルメールの「地理学者」を見る(改訂版)

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2012/09/26 - 2012/09/26

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ハンク

ハンクさん

ロシア、サンクトペテルブルクに出かける途中、ルフトハンザの乗り継ぎ地であるフランクフルトに滞在、シュテーデル美術館を訪れ、お目当てのフェルメールの「地理学者」を見る機会を得た。

フランクフルトは人口は約67万人、政治都市である首都ベルリンに対する経済、金融、交通の中心都市である。旧西ドイツのほぼ中央部にあり、ルフトハンザドイツ航空がフランクフルト空港をハブにしているため、訪れる機会は圧倒的に多い。第2次世界大戦では他のドイツの主要都市同じく灰燼と帰した。戦後の復興の過程で、フランクフルトはアメリカの都市計画を取り入れ、町の中心部にはドイツの都市には例外的に超高層ビルが建ち並ぶ。ミュンヘンが戦前の街並みをほぼ忠実に再現したこととよく比較される。

ドイツ最大の空港を擁するため、鉄道の路線も非常に発達しており、国内の主要都市にはドイツの誇る超特急ICEでネットワークされており、短時間に移動することができる。逆に言えば、周囲に魅力ある観光地が目白押しのため、フランクフルトをじっくり観光するという方は少ないのではないだろうか。かく言う私もこの町で、レーマーと大聖堂、ゲーテ博物館、アルテオーパーと歌劇場を除けばこれまでの滞在はほとんど素通りに近い。

そんなことから今回の滞在はシュテーデル美術館を訪れることに決めていた。お目当てはフェルメールの「地理学者」とレンブラント、ボッティチェリである。この美術館はフランクフルトの銀行家ヨハン・フリードリヒ・シュテーデルの遺言により設立されたために、この名がある。1818年に開館、1878年に博物館・美術館の集積する現在地に新館を建てた。1937年の不幸なナチスの時代、「退廃美術狩り」によって、ゴッホの『医師ガシェの肖像』など油彩77枚と版画700点が宣伝省に没収された。1939年にはコレクションは戦争を避けるため市外に疎開したが、建物は連合軍の大空襲で完全に破壊され、1966年に現在の姿に再建された。

この美術館は通常10時から18時(除く月曜日)、水、木曜日は21時まで開館しており、フライトの限界までゆっくり鑑賞できる。入場料12ユーロは安くはないし、もちろん規模的にエルミタージュ、ルーブル、メトロポリタンやボストンと比較すべきではないが、いわゆる珠玉の作品が展示されている。そしてこの美術館で特筆すべきは、内壁の大胆な配色である。地下の近代絵画室は白色であるが、2、3階の中世、フランドル、ルネッサンスから印象派にかけての展示室は、大胆な赤、青、緑、紫の強烈な色が使ってある。日本ではあまり見られないし、好みを分けることであろうが、意外と悪くはない。一度ご覧になっていただく価値はあると思う。

この美術館では、数少ないフェルメールの作品「地理学者」、ボッティチェリの「女性理想像」、レンブラントの「サムソン(シムソン)の目潰し」、作者は知られていないがティッシュバインの「ローマ、カンパーニュのゲーテ」、ゴッホ、ルノワール、マネ、モネその他印象派の主要作家の名作が並んでおり、見逃せない。なおストロボを使わなければ撮影は許されている。

旅行の満足度
4.5
観光
4.0
ショッピング
4.5
交通
4.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
30万円 - 50万円
交通手段
鉄道 徒歩 飛行機
航空会社
ルフトハンザドイツ航空
旅行の手配内容
個別手配
  • 航空機から眺めるフランクフルトのスカイラインは明らかに他のドイツの都市と違う

    航空機から眺めるフランクフルトのスカイラインは明らかに他のドイツの都市と違う

  • 空港アクセスのSバーンからのベストアングル、撮影のタイミングは難しい

    空港アクセスのSバーンからのベストアングル、撮影のタイミングは難しい

  • マイン川と歩行者専用のホルバイン橋

    マイン川と歩行者専用のホルバイン橋

  • マイン川の渡り鳥

    マイン川の渡り鳥

  • マイン川と大聖堂カイザードーム

    マイン川と大聖堂カイザードーム

  • シュテーデル美術館のファサード、フランクフルトの銀行家ヨハン・フリードリヒ・シュテーデルの遺言により設立されたために、この名がある

    シュテーデル美術館のファサード、フランクフルトの銀行家ヨハン・フリードリヒ・シュテーデルの遺言により設立されたために、この名がある

  • シュテーデル美術館のファサード、

    シュテーデル美術館のファサード、

  • 外観と比べ意外に明るい美術館の内部

    外観と比べ意外に明るい美術館の内部

  • 地下の近代作品の展示室

    地下の近代作品の展示室

  • 作者は知られていないがティッシュバインの「ローマ、カンパーニュのゲーテ」

    作者は知られていないがティッシュバインの「ローマ、カンパーニュのゲーテ」

  • エルンスト・デッガーの「若い女のポートレート」

    エルンスト・デッガーの「若い女のポートレート」

  • ドガの「オーケストラの奏者たち」、なじみ深い絵だ

    ドガの「オーケストラの奏者たち」、なじみ深い絵だ

  • ピカソの「女の顔」

    ピカソの「女の顔」

  • 数少ないフェルメールの作品「地理学者」

    数少ないフェルメールの作品「地理学者」

  • レンブラントの展示室、名作「サムソン(シムソン)の目潰し」がある

    レンブラントの展示室、名作「サムソン(シムソン)の目潰し」がある

  • レンブラントの「サムソン(シムソン)の目潰し」全体

    レンブラントの「サムソン(シムソン)の目潰し」全体

  • レンブラントの「サムソン(シムソン)の目潰し」の生々しい描写

    レンブラントの「サムソン(シムソン)の目潰し」の生々しい描写

  • ヴェロッキオの「聖母子」

    ヴェロッキオの「聖母子」

  • ボッティチェリの「女性理想像」、すごいタイトルだ

    ボッティチェリの「女性理想像」、すごいタイトルだ

  • ぺルジーノおよびラファエロの作「聖母子」とある、聖母の表情はあまりラファエロらしくない

    ぺルジーノおよびラファエロの作「聖母子」とある、聖母の表情はあまりラファエロらしくない

  • 赤い配色の内壁

    赤い配色の内壁

  • 緑色の内壁

    緑色の内壁

  • 大胆な紫色の配色

    大胆な紫色の配色

  • 赤、青、緑の内壁が見える

    赤、青、緑の内壁が見える

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この旅行記へのコメント (1)

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  • tadさん 2012/10/02 15:24:58
    これはまだみていない!
    この美術館はまだ行っていません。最近、フェルメールの全作品リストの載った本でチェックしたら、23作は現地でみたことがわかりました。まだ3分の1残っています。

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