2012/09/05 - 2012/09/05
775位(同エリア2942件中)
YUMEさん
ANAの機体整備工場の見学を申し込んでいましたが、幸運にも当選し実現しました。
場所は羽田の第一、第二ターミナルの手前の駅、新整備場から徒歩10分位の所にあります。A滑走路(3000M)の南端、D滑走路(2500M)の北側に位置したところに、巨大な旅客機がすっぽり入る格納庫があります。
その中で多くのスタッフが航空機の整備してくれていて、ビジネスマンやトラベラーの空旅の安全を担保してくれています。
どんなところでしょうか?
他のトラベラーも投稿されてますがそう写真が多くないので、枚数を増やし写真掲載の許可をANAに頂きましたのでご紹介します。
ラッキーなことに国際線仕様のボーイング777と最新のボーイング787が丁度の整備でドックインしてました。
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このメンテナンスセンターは6か月前からNetで予約受付をしており
応募が多いと抽選となり見学が決まります。
これはセンター受付で頂いた参加証で、開始は午後1時からでした。 -
浜松町から出ているモノレールに乗り新整備場で降りるとメンテナンスセンターに行くことができます。
駅を降りて地上に出ると案内板があります。
左手が北で右上方面が南で、多摩川の下流、東京湾側となります。
時計回り90度を連想して下さい。 -
地上に出てすぐ左側は3000mあるA滑走路です。
ちなみにA,B,C等の滑走路は風向きでどこを使用するか決めているようです。 -
A滑走路を背にして写真手前の方に歩いて10-15分位歩くと左側にメンテナンスセンターがあります。
奥が駅方面、左側は他社のセンターです。 -
左手がメンテナンスセンターの玄関です。
ガードマンに見学予定であることを伝えて中に入り受付を済ませます。 -
入口左手のロビーにはANAの旅客機、A321機の模型が飾られています。
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DC-3(ダグラス ディーシースリー、Douglas DC-3)は、アメリカ合衆国の航空機メーカーであるダグラス・エアクラフト社(現ボーイング社)が開発した双発のプロペラ旅客機・輸送機です。
DC-3型のエンジン(R1830Twin Waspエンジン)はPratt&Whitney社製2列14気筒星型エンジンです。(ANAで使用した期間は1955.11〜1964.3)
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展示品はANAの創立50周年に際し、Pratt&Whitney社より両社の友好の証として2002年12月に寄贈されたものです。
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ボーイング787に採用されたブリジストンの新軽量タイヤも展示されています。
タイヤの溝は車と違い滑走路の雨水でスリップしないように縦方向だけです。推力はジェットエンジンなので、加速はタイヤで路面に伝える必要はありません。
ANAでは200回から500回(約2ヶ月間)に交換をしているそうです。
B747-400で1本で24tを支えているそうです。 -
入口右側には実物大と思われるコックピットが展示してあります。
これはロッキード社製 L-1011型機(トライスター)のもので、一等航空整備士養成訓練のためのコックピットです。 -
コックピット右側には多くの計器が見られます
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入口正面に飾られているのはANA仕様のガンダムです。
隣には石川 遼君がいて出迎えてくれました。
この横には小さな売店があり記念品やギミックを購入できます。
他店より20%程安く買えるようです。 -
受付を済まし左側のセミナールームに案内されるともうすでに見学者が席についています。この日の参加者は60名。
参加者のうち約3割程が小さなお子さんとお母さん方、そのほかは会社の同僚グループ、ご夫婦とご両親と多彩です。子供さんは意外と殆ど女の子でした。
実際の見学の前に講義があり、シアトルのボーイング社の航空機の製造風景などの紹介を受けます。
学校休んでもこういう社会科見学は面白くていいと思う。 -
セミナールームの左側には人気モデルなど展示品が並びます
「冬の北海道キャンペーン」のマスコットにスヌーピーを使ってきた全日空。
1996年晩秋に姿を現した「スヌーピー号」 -
ポケモンジェット1998 運行終了
過去、北海道に行くことも非常に多かったのですが、何故か沖縄旅行の時のポケモンジェットが記憶に焼き付いています。 -
航空タイヤの切断模型です。
このように旅客機のタイヤは内部に空気を詰めたチューブレスタイヤが使用されています。
タイヤは上空で−50度、着陸時200度程度まで加熱されます。
ガス抜き用に6か所に針穴があけられています。 -
横風の影響も考慮し、ふつう機首の両側面に設けられるB747のピトー管(速度計)
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A320のコックピットスライディングウインドウ
バードストライクにも耐える強度が要求され、一般的にはワイパーが付いている空気カーテンによるジェットブラストやレインペイント(撥水剤)を吹き付けるものもあります。
エアバス社は電熱線を入れている -
機外照明:航空灯・ストロボ
航空機には数々の照明が付いてます。
航空灯、衝突防止灯、着陸灯、着氷監視灯など
写真は航空灯で船舶同様右翼端が緑色、左翼端が赤色になっていて前方左右共に110度と決まっています。
尾部は白色灯で左右70度ずつ140度です
ちなみに夜よく見かける点滅灯は衝突防止灯で1秒間に70回ほどフラッシュしてます。 -
超短波通信用アンテナ
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客室窓
外側からストレッチ・アクリル板、非ストレッチ・アクリル板、ポリカーボネイト板の合計3枚
外側の2枚が失われても残り1枚で客室内の最大与圧荷重、空気力、温度効果を加味した荷重に耐えられる強度になっています。 -
ここからは60名の参加者が3班に分かれ、青いヘルメット着用でいよいよドック整備を見学します。写真は機体整備工場の内容を記載した資料の表紙です。
整備の流れ
①ドックイン:トーイングカーに牽引されドックインします。
②スタンドセット:整備作業が安全に行われるように足場をセットします。
③ドック整備
③-①:外観・機能点検~エンジン内部はボアスコープで点検
③-②:保守~オイルやフィルター交換など
③-③:修理・改造
③-④:作動点検
④ドックアウト:点検を終え格納庫を出ます
⑤ランプイン:整備を終え万全の状態で空港に戻され、出発前の点検を受けます。 -
格納庫から南、東京湾方面をみてます。
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ドックイン前で待機する機体
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②スタンドセット
ボーイング777
777‐300では全幅60.9M、全長73.9M、全高18.5Mです。
装備座席数:514席
左主翼に5枚のスポイラーが見えます
※巡航高度から降下する時に、速度を上げずに高度を下げる目的で時々使われます。機種によっては操縦系統上スピードブレーキと呼び、操作レバーもスピードブレーキレバーと名付けられています。 -
ドックの内側に付けられた時計
直径2M位はあるのですが -
左側が前、コックピット方面
右側が左水平尾翼 -
垂直尾翼と水平尾翼
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機体後方から水平に伸びた水平尾翼は、上下の運動をコントロールするための翼
昇降舵を上げると水平尾翼に負の揚力が働いて尾部が下がり,主翼の迎え角が増加して揚力が増すので,機体は上昇 -
垂直に立っている垂直尾翼は左右の運動をコントロールするための翼
固定された部分(垂直安定板)とヒンジ(蝶番)によって可動の操縦面(方向舵(だ))からなり,船の舵(かじ)と同様 -
ボーイング777のジェットエンジン
エンジンの前方には「ファン」と呼ばれる大きな羽があり、これが回転することで空気が後方へ送り込まれます。取り込まれた空気は「コンプレッサー」と呼ばれる空気を圧縮する装置で圧縮されます。コンプレッサーは何重にも羽が重なり、この羽は後方へ行くほど小さくなります。圧縮された空気は温度が高くなり、高温になった空気は燃焼室に送り込まれ、燃焼室で爆発します。その爆風はタービンを回転させながら機体後方へ流れ、その反作用で機体は前に進みます。 -
燃料に要求される性質
揮発性が高い。
発熱量が大きい。
安定性が高い。
水分が少ない。
燃料はガソリンではなく灯油で、「ケロシン」といわれるものです -
ケロシンは40℃以上でなければ引火しないため、事故発生時の火災を最小限に抑えることができるということで安全性に優れていると言えます。また上空1万メートルではマイナス50℃にもなり、水分が多いと燃料が凍ってしまいます。そこでなるべく水分を含まない油が必要となります。
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ドックのすみでもきちんと整頓されています
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B747/B767/B777に使う大型のジャッキです。
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小型機に使うジャッキです。
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整備士のドックオフィス
自転車は安全性等を加味して全て三輪車 -
ドック内の移動用車両
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タイヤ保管場所
全て使用機種がマークされてます。 -
エンジンカバー
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ボーイング787の隣のドック風景
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ボーイング787
ANAが50機を確定発注したためボーイング社が正式に開発製造を決定したそうです。中間期でありながら飛行速度マッハ0.85は高速民間旅客機に匹敵するそうです。
燃料効率は20%向上し、貨物スペースは60%増加したそうです。
全幅60.2M、全長56.7M、全高16.5M、航続距離約11000km
ロサンゼルスからロンドン、あるいはニューヨークから東京路線をカバーするのに十分であり、東京からヨハネスブルグへノンストップで飛ぶことも可能です。
我々としたら安全で安く旅行ができたら嬉しい限りです。 -
ボーイング787
構造部材
機体の約50%を炭素繊維の複合材で製造しています。
素材は日本企業が開発したもので。アルミの半分の重さで、丈夫で錆びない特性を持っています。
機体部品の約35%は日本製であり主翼は日本企業が担当しています。 -
ボーイング787
装備座席数264席
座席も取り外し点検整備です -
ボーイング787
旅客機の床面にはシートトラックと呼ばれる1インチごとに穴が空いている金属製のレールが何本も前後方向に埋め込まれていて、横につながった数席の客席ごとにこのレールにはめ込まれて後脚側でロック・ピンによりその穴に前後方向に固定されます -
ボーイング787
機首のレドーム内には気象レーダーの他に2本ずつのローカライザ用とグライドスロープ用のアンテナが収められている
1.気象レーダー送受信用SHF帯
2.ローカライザーVHF受信用
3.グライドスロープチャプチャ受信用UHF帯 -
ボーイング787
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ボーイング787
主脚のメインギアのタイヤは4個、前脚のノーズギアのタイヤは2個 -
ボーイング787
後ろから見た垂直尾翼、水平尾翼 -
ボーイング787
主翼先端
三菱が主翼、川崎が前方胴体・主翼固定後縁・主脚格納庫、富士が中央翼・主脚格納庫の組立てと中央翼との結合を担当しています。 -
ボーイング787
JA ・・・ JAPANの略、
最後のA ・・・ ANAとAKX共同事業機を意味します。
801から考えると整備機813は13台目になります。 -
ボーイング787
客室の窓にはシェードがなく、代わりにエレクトロクロミズムを使った電子カーテンを使用し、乗客各自が窓の透過光量を調節することができます。
客室内はLED光により、様々な電色が調整できます。 -
ボーイング787
客室は従来より天井が20cm高くなっています。従来比1.6倍の大型の窓が採用され、窓側でなくとも外の景色を見ることができるそうです。 -
ボーイング787
エンジンはロールス・ロイス plc製トレント1000とゼネラル・エレクトリックのGEnxが用意されています。これらのエンジンも国際共同開発でローンチカスタマーの全日本空輸はロールスロイス製エンジンを選択しました。 -
ボーイング787
エンジンナセル後端のギザギザのシェブロンパターンは、「シェブロンノズル」と呼びファン流と燃焼ガス流をうまく混合させ騒音を低下させる効果を狙ったものです。 -
ボーイング787
電気接続のインターフェースを標準化したため、これら2種類のエンジンの交換が可能とされ、技術進歩により高性能エンジンが開発された際には異なるメーカーのエンジンと取り替えることが可能になっています。 -
ボーイング787
このエンジンは機体の軽量化などによる効果と併せてねえ亮効率を20%向上させるとともにCO2二酸化炭素、NOx窒素炭化物などの排出ガスを約15%削減しています。 -
ボーイング787
太い胴体のため、床下貨物室にLD-3コンテナを2個並列に搭載可能です -
ボーイング787
開口部下縁にラッチ受け金具が見えます
ドア全体が胴体側のフレームと連接されることで与圧から受ける大きな力を支えられます -
ボーイング787
貨物室のドアを閉めた状態 -
ボーイング787
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遠く滑走路の向こう側に見えるのは国際線ターミナルです。
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一定期間フライトした機体は、安全な運行の為に定期的な点検・整備が行われ次のフライトを迎えます。
毎日行われる運航整備以外の定期整備はフライト時間ごとに整備が行われています。
A整備:375〜600時間〜15人程度の整備士が6時間ほどかけて行われています。
C整備:3000〜6000時間〜約1週間ドックの中で多くのパネルや部品を取り外して本格的に整備が行われます。
HMV整備:4から5年〜機材の長期使用に伴って発生する機体構造の点検、防蝕
作業等の整備です。
航空機をよく利用していると機材が遅れたり、国際線仕様の機材になっていたりします。今後も事故が起こらないように整備士の皆さんよろしくお願いします。
トラベラーの皆さんも一度、見学体験をお奨めします。
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