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 「木曽のナ〜中乗さん 木曽の御岳なんちゃらホイ 夏でも寒いヨイ ヨイ ヨイ  袷(あわしょ)ナ〜 」ご存じ正調木曽節の歌い出しである。<br /> あえて「正調」と言ったのは一般に歌われる民謡木曾節と木曾で歌われる木曽節は若干違うのを知ったのは50年も前に溯る。<br /> 木曾の旧上松町で生まれ育った青年(私より少し先輩であるが。)が同じ職場に転入してきて、歓迎会の余興で披露してくれたのがこの正調木曽節である。よく耳にする木曽節は賑やかであるが、尺八の音に乗って流れる正調木曽節は哀調を帯び、とても手拍子を入れて聞けるものでなかったのを覚えている。<br /><br /> 木曾谷は道路など幹線が整備され、また観光開発などが行なわれ、過去の木曾谷のイメージは大きく変わったうように思う。<br /> 木曾福島から旧開田村に向かうには国道19号線から岐阜高山市を結ぶ361号線(木曾街道)で30〜40分で行ける。かつて難所だった峠道もトンネルで貫けるので、快適である。<br /> 今回かつて絶滅の危機に瀕した木曽馬の里と広大なそば畑の開花を開田高原で、また御嶽山に架かるロープウエイで御嶽山中腹標高2,150m地点まで登り、雄大な景観に浸るのが目的で出かけた。<br /> 開田高原観光案内所で、目的地それぞれのアクセスを確認し、まず木曽馬の里に向かった。木曽馬を実際に見るのは初めてである。<br /><br /> 木曽馬の里<br /> 木曽馬は木曾谷で主に農耕馬として飼育されていたが、次第に農耕用の機械器具の普及や、山林切り出しなどかつての面影がなく、一時は絶滅寸前までに至ったと言う。以来地元木曽馬の保存会などが主体になり保護目的で飼育されるようになった。<br /> 現在木曾地方に200頭ほど飼育されていると言う。<br /> 木曽馬は日本在来種の馬で、現在木曾地域と開田高原が隣接する岐阜県飛騨地方で飼育されており、本州では木曽馬が唯一の在来種らしい。<br /> 文献によれば、本州以外で飼育されている北海道道産子、野間馬(今治市)、御崎馬(宮崎県)、などで、それ以外すべて離島で飼育されている。トカラ馬、対馬馬、宮古馬、与那国馬、で木曽馬以外の在来種は7種類である。<br /> 数年前与那国島を訪れた。与那国島は東西に細長い島であるが、その東側の先端、東崎に放牧されている。島内周遊道路を車で走ると与那国馬が道路を横断する。むろん与那国馬が優先する。与那国馬もそうであるが、木曽馬もサラブレッドなどと比べると大きさは1回りも、2回り小さい。飼料は草だけでも十分育つという。<br /><br /> そば畑<br />そばの生産量で断トツが北海道、次いで福島県、山形県、長野県と続く。長野県を例にとってみると、その生産地は高原である。戸隠、安曇野、伊那高原、木曽開田高原などが主要な産地で、広大な畑で作付けされている。<br /> そばの花が開花するのは夏の終わりか、初秋に見ごろを迎えているようである。<br /> 木曾開田高原には広大なそば畑が点在するが、ほとんどが白い花の咲く通常のそば畑が一面に広がる。今回御岳スキー場のロープウエイの山麓駅に赤いそばの花が咲いているとの情報を得て向かった。赤い花のそばがどんな色の実をつけるのか、またその違いが何なのか知りたかったが、わからず仕舞い。ネットで見ると、ヒマラヤの高地などで栽培されているのがこの赤い花をつけるそばで、富士山より高い高地では通常の作物は育たないが、この赤い花のそばだけは育つのだそうである。<br /> 赤そばは長野県伊那地方高地で作付けされている。「高嶺ルビー」と呼ばれ信州大学教授が持ち帰り、より赤い花をつけるよう、品種改良が行なわれた、新品種である。原産地は中国奥地からヒマラヤなど高地と言うことである。<br /><br /> 御岳ロープウエイ<br /> 御岳ロープウエイは標高1,570m鹿ノ瀬駅から、標高2,150m地点飯盛高原駅まで運行されている。飯盛高原駅展望台からは快晴であれば、北アルプス乗鞍、奥穂、槍、常念など、浅間、蓼科、八ヶ岳などの信州東信地方の山々のほか、南アルプス甲斐駒、中央アルプス木曾駒、宝剣岳、空木岳などが見渡せられる。この日は残念ながら、ガスの晴れ間から南アルプス、中央アルプス方面が見渡せたにとどまった。<br /> 鹿ノ瀬駅周辺は広い花壇があり、ここに赤そばが作付けされている。伊那高原にみられるような広大なそば畑ではないが、鑑賞用の赤そば畑であった。<br /> 飯盛高原駅周辺は高山植物園があり極めて自然な形で鑑賞でき、各種秋の花々が鑑賞できた。<br /> また、飯盛高原駅は御嶽山剣ヶ峰(3,067m)の登山基地である。御嶽山は信仰の山であり、多くの登山者が行き交う。<br /> <br /> <br /> 

木曽御岳山と木曽馬の里開田高原

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2012/09/03 - 2012/09/03

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na1430

na1430さん

 「木曽のナ〜中乗さん 木曽の御岳なんちゃらホイ 夏でも寒いヨイ ヨイ ヨイ  袷(あわしょ)ナ〜 」ご存じ正調木曽節の歌い出しである。
 あえて「正調」と言ったのは一般に歌われる民謡木曾節と木曾で歌われる木曽節は若干違うのを知ったのは50年も前に溯る。
 木曾の旧上松町で生まれ育った青年(私より少し先輩であるが。)が同じ職場に転入してきて、歓迎会の余興で披露してくれたのがこの正調木曽節である。よく耳にする木曽節は賑やかであるが、尺八の音に乗って流れる正調木曽節は哀調を帯び、とても手拍子を入れて聞けるものでなかったのを覚えている。

 木曾谷は道路など幹線が整備され、また観光開発などが行なわれ、過去の木曾谷のイメージは大きく変わったうように思う。
 木曾福島から旧開田村に向かうには国道19号線から岐阜高山市を結ぶ361号線(木曾街道)で30〜40分で行ける。かつて難所だった峠道もトンネルで貫けるので、快適である。
 今回かつて絶滅の危機に瀕した木曽馬の里と広大なそば畑の開花を開田高原で、また御嶽山に架かるロープウエイで御嶽山中腹標高2,150m地点まで登り、雄大な景観に浸るのが目的で出かけた。
 開田高原観光案内所で、目的地それぞれのアクセスを確認し、まず木曽馬の里に向かった。木曽馬を実際に見るのは初めてである。

 木曽馬の里
 木曽馬は木曾谷で主に農耕馬として飼育されていたが、次第に農耕用の機械器具の普及や、山林切り出しなどかつての面影がなく、一時は絶滅寸前までに至ったと言う。以来地元木曽馬の保存会などが主体になり保護目的で飼育されるようになった。
 現在木曾地方に200頭ほど飼育されていると言う。
 木曽馬は日本在来種の馬で、現在木曾地域と開田高原が隣接する岐阜県飛騨地方で飼育されており、本州では木曽馬が唯一の在来種らしい。
 文献によれば、本州以外で飼育されている北海道道産子、野間馬(今治市)、御崎馬(宮崎県)、などで、それ以外すべて離島で飼育されている。トカラ馬、対馬馬、宮古馬、与那国馬、で木曽馬以外の在来種は7種類である。
 数年前与那国島を訪れた。与那国島は東西に細長い島であるが、その東側の先端、東崎に放牧されている。島内周遊道路を車で走ると与那国馬が道路を横断する。むろん与那国馬が優先する。与那国馬もそうであるが、木曽馬もサラブレッドなどと比べると大きさは1回りも、2回り小さい。飼料は草だけでも十分育つという。

 そば畑
そばの生産量で断トツが北海道、次いで福島県、山形県、長野県と続く。長野県を例にとってみると、その生産地は高原である。戸隠、安曇野、伊那高原、木曽開田高原などが主要な産地で、広大な畑で作付けされている。
 そばの花が開花するのは夏の終わりか、初秋に見ごろを迎えているようである。
 木曾開田高原には広大なそば畑が点在するが、ほとんどが白い花の咲く通常のそば畑が一面に広がる。今回御岳スキー場のロープウエイの山麓駅に赤いそばの花が咲いているとの情報を得て向かった。赤い花のそばがどんな色の実をつけるのか、またその違いが何なのか知りたかったが、わからず仕舞い。ネットで見ると、ヒマラヤの高地などで栽培されているのがこの赤い花をつけるそばで、富士山より高い高地では通常の作物は育たないが、この赤い花のそばだけは育つのだそうである。
 赤そばは長野県伊那地方高地で作付けされている。「高嶺ルビー」と呼ばれ信州大学教授が持ち帰り、より赤い花をつけるよう、品種改良が行なわれた、新品種である。原産地は中国奥地からヒマラヤなど高地と言うことである。

 御岳ロープウエイ
 御岳ロープウエイは標高1,570m鹿ノ瀬駅から、標高2,150m地点飯盛高原駅まで運行されている。飯盛高原駅展望台からは快晴であれば、北アルプス乗鞍、奥穂、槍、常念など、浅間、蓼科、八ヶ岳などの信州東信地方の山々のほか、南アルプス甲斐駒、中央アルプス木曾駒、宝剣岳、空木岳などが見渡せられる。この日は残念ながら、ガスの晴れ間から南アルプス、中央アルプス方面が見渡せたにとどまった。
 鹿ノ瀬駅周辺は広い花壇があり、ここに赤そばが作付けされている。伊那高原にみられるような広大なそば畑ではないが、鑑賞用の赤そば畑であった。
 飯盛高原駅周辺は高山植物園があり極めて自然な形で鑑賞でき、各種秋の花々が鑑賞できた。
 また、飯盛高原駅は御嶽山剣ヶ峰(3,067m)の登山基地である。御嶽山は信仰の山であり、多くの登山者が行き交う。
 
 
 

交通手段
自家用車
  • 木曽馬は本州唯一の在来種。<br />木曽町の郷土館に剥製保存されている第三春山号が最後の純血種木曽馬とされている。<br />

    木曽馬は本州唯一の在来種。
    木曽町の郷土館に剥製保存されている第三春山号が最後の純血種木曽馬とされている。

  • 木曽馬は洋種馬に比し、盲腸が太く長いと言われている。このため草のみで飼育が可能と言われている。

    木曽馬は洋種馬に比し、盲腸が太く長いと言われている。このため草のみで飼育が可能と言われている。

  • 木曽馬 休みなく草を食んでいる。

    木曽馬 休みなく草を食んでいる。

  • 短い芝を音を立てて食む。

    短い芝を音を立てて食む。

  • 木曽馬の記念ブロンズ。

    木曽馬の記念ブロンズ。

  • 中央が御嶽山9合目付近が見えている。<br />左稜線あたりが山頂剣ヶ峰に当たる。標高3,067m

    中央が御嶽山9合目付近が見えている。
    左稜線あたりが山頂剣ヶ峰に当たる。標高3,067m

  • カッコウアザミ

    イチオシ

    カッコウアザミ

  • カッコウアザミ

    カッコウアザミ

  • エゾリンドウ

    エゾリンドウ

  • エゾリンドウ

    エゾリンドウ

  • スカッシュ

    スカッシュ

  • スカッシュ

    イチオシ

    スカッシュ

  • ヤマハハコ

    ヤマハハコ

  • ヤマハハコ

    ヤマハハコ

  • 赤花シモツケ

    赤花シモツケ

  • 赤花シモツケ

    赤花シモツケ

  • ノコギリソウ

    ノコギリソウ

  • ソープワート

    ソープワート

  • カライトソウ

    カライトソウ

  • シラタマノ木

    シラタマノ木

  • 標高2,150m碑

    標高2,150m碑

  • ロープウエイ飯盛高原駅<br />標高2,150m<br />周辺は高山植物園

    ロープウエイ飯盛高原駅
    標高2,150m
    周辺は高山植物園

  • ブルーサルビア

    ブルーサルビア

  • ナナカマド<br />葉の紅葉はもうじきやってくる。

    ナナカマド
    葉の紅葉はもうじきやってくる。

  • ナナカマドの実<br />すっかり色づいている。やがて葉が紅葉する。

    ナナカマドの実
    すっかり色づいている。やがて葉が紅葉する。

  • 赤いコマクサ<br />通常コマクサは薄いピンクである、それこそ真っ赤である。

    赤いコマクサ
    通常コマクサは薄いピンクである、それこそ真っ赤である。

  • イワギキョウ

    イワギキョウ

  • 御岳ロープウエイ乗り場鹿ノ瀬駅標高1,570m<br />の花壇

    御岳ロープウエイ乗り場鹿ノ瀬駅標高1,570m
    の花壇

  • 千日紅

    千日紅

  • コスモスの花壇

    コスモスの花壇

  • コスモス

    コスモス

  • コスモス

    コスモス

  • コスモス

    コスモス

  • コスモス

    コスモス

  • 広大なそば畑

    広大なそば畑

  • 広大なそば畑<br />道路端に野生のコスモス

    広大なそば畑
    道路端に野生のコスモス

  • そばの花

    そばの花

  • そばの花

    そばの花

  • あかいそば高嶺ルビーの花<br />伊那高原には多く作付けされている。<br />

    あかいそば高嶺ルビーの花
    伊那高原には多く作付けされている。

  • 赤いそばの花

    赤いそばの花

  • 赤いそばの畑

    赤いそばの畑

  • 花壇

    花壇

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この旅行記へのコメント (3)

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  • マリアンヌさん 2015/06/14 10:15:38
    美しい花々
    はじめまして、na1430さん。

    旅行記にたくさんのイイねをありがとうございました。
    お礼が遅れてすみません。

    こちらの花々に惹かれ旅行記に辿り着きました。
    噴火の前でしょうか…
    木曽馬に高原の美しき花々いいですねぇ。

    今後ともよろしくお願いします。
    マリアンヌ

    na1430

    na1430さん からの返信 2015/06/15 10:07:24
    RE: 美しい花々
    マリアンヌ様
     お書き込みありがとyございま。
     何年も前御嶽山が突然噴火して驚きましたが、その時は水蒸気爆発だったらしく、人的被害はなかったように思います。長野県の周囲には活火山、休火山がゴロゴロあり、どこが突然噴火するかわかりません。
     が、浅間山は我が家から20〜30キロの距離にあります。しかし噴火による被害はありませんが、私の知る過去の噴火では火山灰が舞った程度のことはあります(積もったことはありません)。
     しかし日本は火山国であり、長野県においても噴煙が上がっている山(過去に上がっていた)は数々あります。
     
     私の子供のころ天明3年の浅間山の噴火により老婆を背負った青年が懸命に逃げ、小高い丘にあった石段を駆け上がったが、中断位上ったところで溶岩に飲み込まれたという伝説を先生に教えられました。後年発掘され歴史的事実と分かりました。
     私のURLをご覧ください。
     http://4travel.jp/travelogue/10899601

     マリアンヌさんはヨーロッパ、とくにイタリアがお好きのようですね。
     外国語がお堪能であることと推測していますが、それだからこその海外旅行とこれも推測しています。うらやましい!。私は在職中長期間の連休は不可能で、リタイア後それまでの鬱憤を晴らすがごとく始めましたが、それもいつの間にかヨーロッパが中心になってしまいました。最近は腰痛が激しく、海外旅行は躊躇しています。
     年齢相応のことで我慢しています。

     ありがとうございました。また、たびたび旅行記を覗きにまいります。よろしくお願いいたします。




    > はじめまして、na1430さん。
    >
    > 旅行記にたくさんのイイねをありがとうございました。
    > お礼が遅れてすみません。
    >
    > こちらの花々に惹かれ旅行記に辿り着きました。
    > 噴火の前でしょうか…
    > 木曽馬に高原の美しき花々いいですねぇ。
    >
    > 今後ともよろしくお願いします。
    > マリアンヌ

    マリアンヌ

    マリアンヌさん からの返信 2015/06/16 01:32:30
    RE: RE: 美しい花々
    na1430様

    浅間山の伝説のお話(というか実証された)拝読いたしました。
    浅間山から20〜30キロの距離にお住まいとのこと、とても身近なお話ですよね。語り継がれるべきお話です。
    確かに日本は火山国、美しき長野だからこそ噴煙が上がっている山が数々あるのですね。

    東北の震災ころから日本列島のあちこちで地震や噴火があるのは事実です。
    東京に通勤しながら漠然といつか関東大震災がと危惧してますが…
    3年前の3.11の時は勤務先から40キロ7時間ほど徒歩で帰宅しました。
    ですが、マンション12階のため食器棚が倒れる等家中割れ物だらけになっており、片付けが大変でした。
    震源が関東なら生き残れるか?

    旅行は西洋史が好きなので昔はツアーでヨーロッパへこの10年ほどは一人旅にチャレンジしています。イタリア語は勉強中でほんの片言、英語は全くダメです。(地図と時刻表が読めれば大丈夫)
    腰痛でいらっしゃるとのこと、海外旅行はきついですよね。
    でも美しい日本の自然に触れられる界隈にお住まいのご様子、羨ましいです。

    実はあと数年で会社生活卒業、長めに旅行へ行くのが夢です。
    とりあえず来週末からイタリアのマレンマ地方に出かけてきます。
    よろしければまた遊びにいらして下さい。
    マリアンヌ

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