友のいるサンタクルーズへ[16] ヨセミテ：マリポサグローブ

2011/06/30 - 2011/06/30

Ｃさんの脚の調子がよくないので、5日目に帰宅することになりました。


最終日、カリービレッジをチェックアウトし、ヨセミテ公園の南端にあるマリポサグローブと呼ばれる、ジャイアント・セコイアの森に向かいます。

ジャイアントセコイアは、漢字では「世界爺」と書き、世界最大の生き物と言われています。シェラネバダ山脈の西側斜面、1500〜2100ｍ地点にしかない木だそうです。

この木だけでなく、中が焼けている木が多いですが、これは火災がないと生き残れないという、ジャイアントセコイアの驚くべき習性のためだそうです。
セコイアのコーン（松ぼっくり）は、火事の熱に逢わないと落下せず、しかも山火事跡の灰の中でしか発芽しない！
セコイア自身は、50cmもある燃えにくい厚い樹皮により身を守っている。
さらに、セコイアの根は浅いので下草がはびこると倒木の危険があるため、定期的に山火事が起きることは、セコイアが生き残るために、どうしても必要なことなのだというのです。

セコイアの保護を始めた頃は、山火事があると消して守ろうとしたのですが、巨樹の倒木被害が多くなり、保護の仕方が間違っていたことに気づきました。
その後は、山火事は消火せず、自然に任せるようになり、さらに最近では人為的に小規模の山火事を起こしているそうです。


山火事に逢わなければ、絶滅していたであろうジャイアントセコイアの巨木たち。
感慨深いです。
この旅行記を書こうと思わなければ、知らないまま終わったことです。
有り難う、４tra.


興味のある方は、「横浜巨樹古木研究会」のブログをご覧ください。

http://www5e.biglobe.ne.jp/~hama-fuj/sequoia.htm

エリア ヨセミテ国立公園周辺(アメリカ)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: 友人
• 交通手段: レンタカー
• 旅行の手配内容: 個別手配

5日目、最終日の朝。



今日は好い天気です。

すっかりおなじみになった駐車場から見る岩山とも、お別れ。

あのグレイシャー・ポイントからの眺め、忘れません！

チェックアウト


9時ごろ。

さよなら、ヨセミテ！！

いまさらですが、有名なトンネルビュー。

左手前の岩がエルキャピテンで、右の方にハーフドームが見えます。





でも、朝はきれいに写りません。。。

残念なので、せめてトンネルの写真。。。

ワオナ・ホテル





手前のポールに人がいるのは、独立記念日用に旗を立てようとしている？

独立記念日の飾りも控えめで、気持ちのよさそうなホテルです。

前には、ゴルフ場が

こんなところでプレイしたら、いい成績が出そう。。






ま、私には関係ありませんが。

11時ぐらいにマリポサグローブに到着しました。

Mariposa Grove









駐車場のそばの木も、大きい！！

大勢の人が待っているので、不思議に思うと、トラムを待つ人々でした。

乗っていったのは、ほとんどジジ・ババでした。







若い私たちは、歩くことにしました。

ほとんどアップダウンがない道で、ゆっくり歩いて2時間ぐらいでした。

11時〜

木の根を守るためでしょう、木のそばには入れません。






右下の白い人と大きさを比べてください。

中がうろになっていますが、この木はダメージが少ないですね。

倒木の根。

piquetさんのブログによると、300年前に雪の重みで倒れた木だそうです。


浅く広く、広がった根が、よく分かります。
横には広がっても、深さはせいぜい２ｍぐらいなのだそうです。

そりゃ、倒れやすいは。。。

「横浜巨樹古木研究会」さんが、「まるで岩の上に生えた樹木のように」根が浅いと書いていますが、なぜそんなに浅くしているんですか？？


下に伸びれないわけではないのに、なぜ下に行かないんでしょう？？

根さえ深ければ、下草を燃やす火事を待ったり、幹の耐火性を強くしたりする苦労はいらないはずなのに。。。

地下２ｍにどんなバリアーがあるんでしょう？？？



ジャイアントセコイアさんに聞いてみたいものです。

後ろの車と、大きさを比べてください。

セコイアは腐りにくいので、巨木がすべて朽ちるまでに数百年から千年もかかるそうです。

下草がないので、本当に明るい森になっています。



サンタクルーズのレッドウッドの森との違いが、今、分かりました。

（お勉強、大切です。　帰ってからでも発見がいっぱい！）

道のすぐそばで、燃え尽きた木々。



新しい柵との対比が印象的です。

新しい柵を作ったり、

新しい道？　を作ったり、




しっかり手入れされています。

働いている人の中には、女の人もいます。





暑い中、ご苦労様です。

独身男と、三美神　　？？

独身男の脚、象さんみたくないですか？

木の高さは、１９階の建物ぐらいあり、ジャンボジェットより、自由の女神より高いのだそうです。



私としては、自由の女神の高さにびっくり！

この森で一番大きいグリズリー・ジャイアントの前でたくさんの人々が写真を撮っています。

なんとか木の上まで入れようと、がんばっていますが…





たぶん、、無理。

私は始めから２枚に分けます。


グリズリー・ジャイアント　　　Grizzly Giant


樹高：64ｍ　　　
根元直径：11ｍ
根元周囲：29.4ｍ
推定年齢：2700年　（1800年説もあり。。）

ちなみに、世界最大の木は、同じジャイアントセコイアながら、セコイア国立公園にある「ジェネラル・シャーマン」という、樹高83.8ｍの木だそうです。


ジャイアントセコイアは、500〜700年で70〜90ｍになり、その後は伸びず、ひたすら幹を太くするのだそうです。

だから、世界最大の巨木といっても、高さではなく、体積でのことのようです。

ジェネラル・シャーマン　：1487立法メートル
グリズリー・ジャイアント： 886立法メートル

カリフォルニア・トンネル・ツリー

2代目のトンネルツリー

19世紀後半、巨樹にある火事跡の穴を広げてトンネルを作るということが行われました。最初は馬車が、後では車がそこを通る写真が有名になり、多くの観光客を集めました。

マリポサグローブがヨセミテ公園に編入されるのにも、トンネルツリーの存在が大きく貢献したそうです。


でも、初代ワオナ・トンネルツリーは、1881年にトンネルを掘られ、88年後の1986年に積雪の重さに耐えられず、倒れてしまいました。

「音もなく倒れた」そうです。。。
推定樹齢、2300年の木でした。

このカリフォルニア・トンネルツリーは、1895年にトンネルが掘られたそうなので、その後100年以上も生きていることになります。

トンネル上部には、「血の涙」と呼ばれる赤い樹液が染み出していました。

今では、車こそ通しませんが、人は通っています。

それも根を傷めるでしょうに。。



根の弱さを知らなかった私も通ってしまいました。
喜んで。


ごめんなさい。。。

新しい木が育っています。

木の幹にある緑の苔のようなもの、

落ちているのがとても可愛いです。

ワオナ・ホテルのお土産屋さん


サンドイッチを買って昼食にして、帰路に着きます。


2時

途中、車の調子がおかしく、修理屋さんに寄りましたが、大丈夫でした。

枯れ草の山を通り、

散水している農地を通り、サンタクルーズに戻りました。

夕飯は、家の近くのインド料理屋さんで。





7時半

マトンなど食べました。


美味しかったです。

次の日、新聞を見てびっくり！

ヘッチヘッチー湖の橋で死者・行方不明者が出たという記事！
リスクを冒すには自分で責任を持てと。。。



Ｃさんによると、他にもあちこちで死亡事故があったそうです。
それでも、あくまでも自己責任。

よかったー、無事に帰れて。
水量豊富はいいけど、あそこまですごくなくてもよかったなーと思った、ヨセミテ旅行でした。


おしまい。

この旅行記へのコメント （7）

• わんぱく大将さん 2013/05/09 07:06:34

  自然豊富な国

  くまゆさん
  
  アメリカはヨ―ロッパに比べ国としての歴史は浅いですが、自然は豊富で。でも、行くときはいつも大都市ばかりで。　でも、いつかは行きたいヨセミテ。
  
  　大将

  くまゆさん からの返信 2013/05/26 12:59:06

  RE: 自然豊富な国

  
  > アメリカはヨ―ロッパに比べ国としての歴史は浅いですが、自然は豊富で。でも、行くときはいつも大都市ばかりで。　
  
  そうなんですよね、歴史の浅さにどうも魅力を感じられなくて、行き渋っていたんです。
  友達がロスに住んでいる時、ほんの少しだけ行ったことがありますが、大都市はつまらんので、もういーかな、と思ってしまいました。
  
  
  ＞でも、いつかは行きたいヨセミテ。
  
  そう、でも、ヨセミテはいいーーーです。
  是非行ってください！
  
  
  くまゆ

• サウスピーチさん 2013/05/05 11:27:42

  ヨセミテ、濃い内容の旅行でしたね♪

  くまゆさん、こんにちは！　
  
  とうとうヨセミテ、最後まで辿り着きましたョ。　もうすぐ欧州旅行だし、その前には読み終えないと・・・と意を決して！　
  （なんて、そんな大げさなものではありませんでしたけど。　笑）　
  しかし、随分と時間がかかってしまい、申し訳ありませんでした・・・。
  
  シリーズを通して、ヨセミテの雄大な景色と、大雨のせいで水量の多かった川や滝。　本当に楽しませて頂きました。
  それにしても、今回も水に濡れながら滑りそうな状態で、よく滝を見に行かれましたね！
  あんな滝から水がはみ出ているようなところから下を覗くだけでも怖いのに、あの場所にあった柵、
  私はまず信用できないですね。（笑）　
  
  虹もたくさん見れて・・・。　なぜか虹って見れるとラッキーな気分になりますよね♪
  
  ジャイアントセコイアの特性、初めて知りました。　非常に興味深いですね・・・。
  くまゆさんがあれこれ本人（ジャイアントセコイア）に聞きたくなるのも分かる気がしますｗ
  
  旅行から帰ってきたら、まずはお約束の知床から・・・。
  
  サウスピーチ　：）
  

• フルリーナさん 2013/02/16 13:52:00

  初めまして

  くまゆさん、
  はじめまして・・でしょうか？
  
  こちらの旅行記ですばらしい木の生命力とパワー、元気をいただきました。
  
  わたしも、同じ県の日光の木に、とても元気をいただいたことがあります。
  http://4travel.jp/traveler/fururina/album/10606474/
  
  ヨセミテのマリポサグローブ、行ってみたくなりました♪

  くまゆさん からの返信 2013/02/16 14:24:57

  RE: 初めまして

  フルリーナさん、
  初めまして、です。
  
  フルリーナさんの旅行記、oneonekukikoさんから飛んでいき、拝見させていただきました。
  前にもお邪魔したことがあるのですが、ずぼらの人見知りで、投票すらしていませんでしたが、ソーリオの旅の予告編、あまりの美しさに、ついにポチしてしまいました。
  ゆっくり見せていただきますね。
  
  マリポサグローブ、投票有難うございます。
  何よりも、興味を持っていただいて嬉しいです。
  後付けの勉強のおかげですかね。（舌）
  
  フルリーナさんの日光の木、すごいパワーですね。
  私も久しぶりの日光に行きたくなりました！
  なんだか、知り合いの人に会いに行く気分で行けそうです。
  有難うございました。
  
  今後ともよろしくお願いいたします。
  
  くまゆ
  
  
  

• oneonekukikoさん 2012/08/13 20:11:20

  ジャイアントセコイア

  くまゆさん
  いよいよ、ヨセミテも完成ですね。
  紆余曲折があったけど
  ヨセミテへのくまゆさんの思いがたくさんつまった
  旅行記でした。
  ゆっくり読ませてもらいました。
  
  それにしても
  くまゆさん
  勉強家ですね。
  ジャイアントセコイア
  これまで丁寧に調べてくれてありがとう。
  お手本にしなければね。
  ４トラでは随分たくさんの情報を手に入れました。
  
  松ぼっくりが火災によってこぼれるなんて
  あんな巨木の根が浅いことも
  「横浜巨樹古木研究会」の存在も。
  いろいろ知ると
  すべてがいとおしくなりますね。
  
  これからもよろしく。
  
  oneonekukiko

  くまゆさん からの返信 2012/08/13 21:57:22

  RE: ジャイアントセコイア

  oneonekukikoさん
  
  はい、やっと、ヨセミテを完成しました。
  
  勉強の大切さを、改めてしみじみ感じました。
  何も勉強せずに行ってしまったヨセミテ旅行でしたが、旅行記を書くために、本当に色々なことを知ることができました。
  
  「横浜巨樹古木研究会」、是非、ごひいきに！
  
  今の気分は、もっと勉強して、また行きたい！　です。
  あまり感慨を持たずに通ってしまったカリフォルニア・トンネルツリーに根をふんづけてごめんなさいと謝りたいし、ワオナ・トンネルツリーの倒木もあったはずなのに、写真すら撮らなかったので紹介できなかったことも謝りたいし。。。
  
  本当に、いろいろ知ると、すべてがいとおしくなりますね！
  
  これからも、いろいろなことを愛おしみながら、生きていきたいと思います。
  今後ともよろしく！
  
  くまゆ