中国・長沙で高速鉄道に乗る旅（２：高速鉄道編）

2012/08/03 - 2012/08/03

8月2日で現地での会議は終わり。3日はテクニカルツアーということで、当地湖南省ゆかりの毛沢東が過ごした韶山という街を訪ねる遠足が企画されていました。

それはそれで興味深かったのですが、もう一つ現地でしたかったのが高速鉄道への乗車。長沙は北京と広州・香港とを結ぶ大動脈上にあり、高速鉄道も早くから整備されていたのです。せっかくの機会ということで、テクニカルツアーには参加せず、高速鉄道に乗ってくることにしました。

長沙から北へは1時間半で武漢、南へは3時間半で広州に行くことができますが、折からの暑さと疲れもあり、無理せず武漢往復にとどめておくことに。

■全日程■
　7/31（火）：東京⇒（航空機）北京⇒（航空機）長沙
　8/01（水）：長沙（国際会議出席）
　8/02（木）：長沙（国際会議出席）
●8/03（金）：長沙⇒（高速鉄道）武漢⇒（高速鉄道）長沙
　8/04（土）：長沙⇒（航空機）北京⇒（航空機）東京

エリア 長沙(中国)

• 旅行の満足度: 3.5
• ホテル: 4.0
• グルメ: 2.5
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス タクシー 徒歩
• 航空会社: 中国国際航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

8:40、ホテル前のバス停から長沙南駅行きの路線バス124路に乗車。20分ほどで、高速鉄道が発着する長沙南駅に到着します。

長沙南駅 駅

周辺に目立った建物もない広大な土地にドーンと現れる建物。空港のターミナルビルかと思うほどの巨大な駅舎が出迎えてくれます。

そう言えば2008年に台湾を訪問した時も、台湾高速鉄道の駅周辺はガランとしている所もありました。これから開発が進んでいくのでしょう。

長沙南駅 駅

まずは切符売り場で武漢行きのチケットを購入します。購入には身分証明書が必要なので、外国人である我々はパスポートを提示しなければなりません。そのため、いくつか並んでいる自動券売機は使えず、辛抱して長い列に並ぶ必要があります。

並んでいたのは30分くらいでしょうか。お目当ての武漢行き1等車のチケットをお買い上げ。265元、およそ3200円也。在来線のチケットはなかなか入手が難しいのですが、高速鉄道のチケットは特にピーク時でもない限り当日でも購入しやすいのが○。

ちなみにここ長沙南駅でも武漢駅でも、切符売り場の列はきちんと守られていたように思います。

長沙南駅 駅

手荷物検査を受け、待合室へ上がっていきます。

鉄道で手荷物検査というのは、ここ中国のほかにアメリカのアムトラックくらいでしか体験したことがありません。

長沙南駅 駅

広大な待合室。でけぇー。

空港のようにカウンターなどが並んでいるわけではなく、また柱も少ないので、本当に広く感じられます。

そして中央には列車の発着案内。これから乗車するのは、9:57発の武漢行きG1106列車です。

長沙南駅 駅

ずらりと並んだ改札口。中国の特に大きな駅では、写真のようにホームごとに改札口が分かれており、乗車する列車が発車するホームの口に並ばなければなりません。

長沙南駅 駅

発車15分前になり改札開始。

駅構内には8本（だったかな？）ものホームが並んでいますが、どうやらメインで使用されているのは中央の2本だけの模様。今後高速鉄道がさらに整備された暁にはその他のホームの活躍も始まるのでしょうが、現状では多少持て余し気味。

乗客の多くは2等車の位置で長い列を作っています。一方で1等車側は人の姿もまばら。実はこの辺りには列車が停まらないんじゃないか？と不安になるくらい。

長沙南駅 駅

9:54、ほぼ定刻に広州南発のG1106列車が入ってきました。数人の下車客の後に乗車。

長沙南駅 駅

長沙南駅では客の出入りがそれほど多くありませんでしたが、車内がそこそこ賑わっているのを見るに、どうやら1等車はかなり長い区間を乗車する人が多いようです。

私の席は11D。切符購入時に窓側通路側の選択はできないので、希望の位置に座れる確率は1/2。

1等車ですもの、フットレスト付き。日本ではもうほとんど見かけなくなってしまいました。

座席幅も広くてゆったり。

気になる車内サービスですが、発車してすぐにアテンダントさんによる検札があり、同時にジュースとお菓子、お手拭きが配られました。

残念ながら英語は通じませんでしたが、かなり丁寧な接客が好印象。

例の事故の後、最高速度は抑えられているようで、今回乗車した列車は往復とも300km/h前後が最高でした。

あまり起伏もなく、カーブもない線路の上を走っていきます。

ほとんど揺れがなく、コンスタントにトップスピードで走る列車。高速走行しているという実感があまり湧きません。

11:27、何と定刻より2分早く終点の武漢駅に到着。車内アナウンスでは外気温が37度と言っていてウンザリ…

この武漢駅も高速鉄道用に造られたもので、やはり10本近くのホームがずらりと並んでいます。ただしこちらは一部在来線も乗り入れているようで、特快列車や快速列車の姿も。

武漢駅 駅

白鳥をイメージしたという武漢駅の駅舎。これまた巨大。

1階のフロアが到着口で、上のフロアが出発階。写真の通り、上のフロア正面には道路も通っていて、まさに空港ターミナルと同じような構造をしています。

武漢駅 駅

さて、今回の目的はあくまでも高速列車乗車。なので武漢で何をするでもなく、さっさと長沙へ帰ります（えぇっ！？）

ここ武漢駅の切符売り場は何箇所かに分かれているようで、列もさほど長くなく、あっさりと帰りの切符をお買い上げ。12:30発の広州南行きG1137列車、武漢にはわずか1時間の滞在でした。

武漢駅 駅

長沙南駅と同じく、荷物検査を通って待合室へ。

武漢駅 駅

武漢駅でもやはり改札はホームごとに。

乗車予定のG1137列車は『正点』、つまり定刻発車予定です。

武漢駅 駅

発車15分前に改札開始。列車の待つホームへと降りて行きます。

武漢駅 駅

今回乗車した車両は往復ともにCRH380-A型。その名の通り最高速度380km/hで走行できる車両なのですが、今では最高速度が抑えられています。

これ以外の車両も走っていたのでできれば違うタイプの車両にも乗りたかったのですが、残念ながら他の形式には乗車できませんでした。

列車は定刻に武漢駅を発車。往路とは異なりかなりガラガラの車内。ジュースとお菓子の無料配布のほか、この列車では車内販売も見かけました。

武漢駅 駅

14時過ぎ、定刻に長沙南駅着。

驚いたのは、到着の少し前にアテンダントさんが下車駅であることを知らせに来てくれたことでした。毎度そういうサービスが行われているのかは分かりませんが、思わず感心。

長沙南駅からは路線バス63系統でホテルまで戻ったのですが、途中の長い下り坂で運転手さんは何とエンジンを切り重力走行…。途中でバス停にも停車したのですが、一切エンジンで加速することなく重力でソロリソロリ。アイドリングストップもここまで徹底しているとは恐れ入りました（？）。

長沙南駅 駅