2012/07/19 - 2012/07/19
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yukibxさん
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ヴェルサイユ宮殿は、過去の遺産として眠っているわけではなく、いろいろなイベントを
開催して話題性に事欠きません。ブルボン朝の子孫を怒らせた村上 作品展、夏には
噴水と花火の饗宴コンサートなどなど。
そして今年は6月から9月30日まで、ポルトガルの女性アーテイスト、ホアナ ヴァスコンセロス/Joana Vasconcelos
の作品展が開かれています。
彼女の作品の写真をみて、絶対に行こうと思いましたが、7月中旬やっと行くことができました。
ヴェルサイユ宮殿は数回観に行ったことがありますが、今回も小さな発見があったり、かなり
楽しめました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- その他
- 交通手段
- 鉄道
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
パリはモンパルナス駅からランブイエ(Rambouillet)行きの急行に乗り、約20分のヴェルサイユ駅で下車。駅から宮殿まで歩いて15分ほど。標識があるので、問題なく
宮殿まで行ける。
あっもう宮殿が見えてきた。時間は午前11時位だったが、ぞくぞくと観光客が宮殿をめがけて歩いている。ロシア語、スペイン語、中国語、日本語、米語が耳に入る。
残念ながら天気は曇りだった。 -
1789年、フランス革命の際、人々がヴェルサイユ宮殿へと向かっていった。正面2階が王の部屋。3階が召し使いの部屋。2階の部屋からマリーアントワネットが群衆をみて、「パンがなければブリオッシュを食べればいいじゃない」と言ったとか。でもこれは事実ではないらしい。
-
バルコニーには至るところに、この金のモチーフが見られる。太陽王ルイ14世のシンボル。
ここ数年、金細工は金が塗られ、ヴェルサイユ全体がピカピカしている。 -
ヴェルサイユ宮殿で一番いやなのはなにをするにも行列しなくてはならない。切符を購入。切符をもって、長い長い行列の一番最後に並ぶ。
サンドイッチを買うんだって、W.C,に行くんだって、行列さらに行列。 -
さあ、いよいよ、ホアナ ヴァスコンセロス女史の作品展のはじまり。
とはいうものの、宮殿を見に来た観光客と押し合いへし合いで見るのです。ま、
10分もすれば慣れますが。 -
なんと、目に飛び込んでくるのは、巨大な、しかし、シックなハイヒール!
-
そうなんです、ステンレスのおなべでできています。
-
ヒールから見たところ。サイズの異なるおなべが重なっています。全体のできはすばらしい。シンデレラのガラスの靴もステンレスのおなべのハイヒールも、ハイヒールというのは、やっぱり女性のシンボルなのでしょうか・
-
隣の部屋には、赤い色をした可愛い心臓が高い天井から吊り下がっています。
心を惹きつける心。心臓の音が聞こえてくるようでした。
「赤い独立している心」というタイトル。 -
かの有名な「鏡の回廊」には相変わらず人人人で一杯でした。色とりどりの服を着た、色んな国の人達。
-
シャンデリアは、昼間でも充分優雅。
夜に光がともされたら、洗練された空間になるのだろう、シャンデリアの光が
鏡に反射され、さぞかし優美な雰囲気を醸し出すのだろう。 -
「衛兵の獅子」女王の守衛の間に置かれています。
獅子といってもレースで覆われている不思議な獅子たち。
どうしてこんな発想が生まれるんだろう。 -
衛兵というよりペット化した可愛い獅子。
それにしてもレース編みできれいに覆う技術の見事さに驚きました。 -
この白と黒のロブスターは「Le Dauphin et La Dauphine 王太子と王太子妃」という作品で、これも表面をレースで見事に編まれています。
ヴェルサイユでの豪華な食事を大胆に、そしてユーモラスに表現したもののようです。 -
写真を拡大して、レース編みの見事さや繊細さをご覧下さい。
固いロブスターの素材とはほど遠いレースとの組み合わせの意外性!
発想がすごいと何度も思いました。 -
レースといえば、ヴェルサイユ宮殿には数えきれないほどの胸像がありますが、写真はルイ18世の胸像。
私の目を引いたのは、ルイ18世の着ている服。レースです。大理石で表現された繊細なレース。 -
細工をしている最中に大理石が割れたりしないのでしょうか。
-
先ほど、赤い心臓を見ましたが、対照的に、これはブラックの心臓。
-
みるものが多すぎる宮殿。人が大勢で酸欠になりそうです。それゆえに
ところどころ窓が開けられていて、涼しい風が入ってきます。
しかも庭園が見下ろせるスポットにもなっています。 -
広い「天井の間」には、ワルキューレをテーマにした3点の作品が天井から吊り下げられいた。
写真はその内の一点。個人的には一番いいワルキューレ。
タイトルは「ワルキューレの道具一式入れ」(邦訳はもっと練る必要アリ)
ワルキューレとは、北欧の神話で、「戦場の乙女達」の意味。 -
「戦場の乙女達」は、戦場で倒れた勇士を救って、宮殿バルハに連れてくる。そして世界終末の巨人軍との決戦に備えるために、彼らをもてなすそうだ。
ヴァスコンセロスの作品は、傷ついた勇士を宮殿に運ぶ乗り物らしい。。
こんな可愛い「てるてる坊主」君も一緒。 -
編み物と布地、アップリケで作られている。ソフトで暖かい「彫刻」!
それにしてもこんな大作をつくるには、相当の体力がいるだろう。 -
そして極めつけはショッキング・ピンクの羽で創られたヘリコプター。
作者、ヴァスコンセロは、「リリコプテール」と呼んでいる。 -
こんなヘリコプターを実際に飛ばしたい!!
ホアナ・ヴァスセロスは、ヴェルサイユの豪華できらめく生活を、彼女のビジョンで表現している。ユーモラスに、漫画チックに、溢れるばかりのファンタジーで。 -
リリコプターの脚の部分。ダイヤモンド入り。しかも大きなダイヤ!
-
では庭園にでよう。
「テイーポットの家」という鉄製の大きなポットが置かれていた。
私はこの作品の写真を見て、このアート展に行きたいと思ったから、
実物を見るのが楽しみだった。
テイーポットは、背景の庭園を見透かしてくれる。 -
この日は曇りだったので、光が充分になく、思うように写真がとれなかった。巨大なTeapotの写真がDOMUSのサイトにあったので、拝借します。
http://tinyurl.com/c9qqjyk
この作品を見ると、「不思議な国のアリス」にいるような気がしてくる。 -
テイーポットのバリエーションとして、ワインの貯蔵容器の作品もある。
-
フト、日本語がきこえるので振り向くと、年配の日本人の夫婦観光客が写真を撮っている。奥さんがご主人にカメラを構えると、ご主人は突然、獅子のような構えをしてポーズをとった。なんだろうと思ったが、なるほど、かれは巨大ワイン入れを檻に見たてているのだった!
なんか微笑ましくて、笑ってしまった。 -
庭園にはもうひとつの作品、「青い塔」が水の中に置かれていました。しかし、
人が多かったので、遠くから写真を撮ったのみです。 -
以上がホアン・ヴァスコンセロスの作品でしたが、宮殿の中の作品は、常設のものの中に置かれているので、ほかのものも鑑賞できた。ホアン・ヴァスコンセロスの作品は、ヴェルサイユの王侯貴族の生活を誇張したような雰囲気がある。
常設絵画のひとつ、有名なマリーアントワネットと王子と王女が描かれている絵の前を通る。
長女の王女はマリーテレーズ、王子はルイ・シャルル。後にルイ17世となるが、10才で病死。彼は両親をギロチンでなくした後、姉のマリーテレーズと共にパリのタンプル塔で幽閉された。彼が8才の時。 -
しかし、すぐに姉とも引き離され、ひとりで幽閉される。1日一回食事が運ばれたが、それを食べながら、薄暗い牢獄でひとりですごす。非衛生きわまりなく、最終的には10才で結核となり、亡くなってしまう。この上なく可哀想で残酷な短い一生。
マリーアントワネットは噂とは反対に、子供思いの母親だったという。ルイ・シャルルと近親相姦をでっちあげられ、裁かれ、その記録が残っている。悔しかったと思う。
今は発見された王子のひからびた小さな心臓がDNAのおかげで、本物と断定されパリのサンドニ教会に奉られている。 -
写真は、王のデイナー用食器。ゴージャスであるのは言う間もないが、銀細工をつくった職人達の腕の高さが印象的。
すべて革命前のことではあるが。 -
職人の腕といえば、宮殿の隅にカーテン生地の複製と思われる厚い生地がサンプルとしてなのだろう、展示されていた。これも見事だ。
ヴェルサイユは、庭師、ガラス職人、石工、絵師、木工細工師、裁縫職人などなど、職人芸のオンバレードでもある。 -
当時のヴェルサイユの情景の描かれた絵を見つけました。現在の宮殿とはやや異なっています。さぞ優雅な生活がここで繰り広げられたことでしょう。
しかしながら、超特権階級のみが知る狭い世界、嫉妬とか野心、おべっか、虚栄、などが詰まる窮屈な生活でもあったとも想像されます。 -
宮殿の中におみやげ品の小さなショップがありました。宮殿の真っ只中なので、ちょっとびっくり。
50年後に来たら(それまで生きているとして)ヴェルサイユがショッピング・センターになっているかもしれませんね。
写真はマリーアントワネットのポートレートをあしらえたちょっとキッチなトートバッグ。 -
写真はT-シャツ。これもジーンズといっしょに着たら面白いでしょうね。
-
だだっぴろい宮殿では常時リニューアルをしています。
写真は、リニューアル中の部屋の前に貼られたリニューアル内容説明ボード。 -
リフレッシュしたばかりの天井画。絵の具の色が新鮮で鮮やかであるが、個人的には
数世紀を経て、時間がしあげをしたような絵の雰囲気の方が好みですが。 -
ヴェルサイユの回廊にはどの部屋にも数多くの胸像が置かれているので、すぐに食傷気味になってしまいます。結果としては誰も見る人がいないという。。きらびやかでないし。
でもちょっと気をつけてみると、私達が学校で習ったり、耳にしたりした人物が大勢いるのに、気がつきました。
この胸像はイソップ寓話を元にした詩、「寓話」で有名なラ・フォンテーヌ。(google JAPANでラフォンテーヌで検索するとショット・バーとかレストラン、パン屋の名前としてでてくる) -
「我思う、ゆえに我あり」の言葉で有名な哲学者、デカルト。
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我が街、ボルドーの市長で、哲学者のモンテーニュ。ちょうどペストが大流行でボルドーの人達がバタバタ死んでいく中、こんなことを日記に書いている。「貴族の人達は死の床で、泣いたりわめいたりするが、貧しい庶民の人達は、それとは対照的に、苦しみの中、死を静かに受け止めている。高貴なのは、むしろ庶民だ」と。
-
宮殿内の見学をひととおり終わり、庭園に出ようと階段を下りようとしたとき、踊り場に大きな絵画が展示されているのを見ました。
これは誰の作品なのでしょうか?文様、色使いからして日本人作家のように
思えます。もしかしたら、先日展覧会を終えた村上 氏の作品?とおもいましたが、周囲の装飾とあまりにミスマッチで可笑しくなりました。 -
ヴェルサイユの庭園は、ご存じ広大ですが、大小の数えられないほどの噴水、植木鉢(と、日本風にいってよいやら)ひとつひとつ丁寧にみると
一週間はかかりそうです。
そんな中、夫婦一体を象徴する装飾がありました。
ご夫婦が背中合わせになっています。 -
その中で忘れられないのは、この天使です。半神半獣の形をした天使。頭をかしげたポーズ、そして幼さにも関わらず、知性を感じさせる表情。
-
こんな感じで数世紀以来、じっと考えごとをしている様子です。
-
一方、フランスの北にある、アラス市(ARRAS)では、来年の11月10日まで華麗な幌つき4輪馬車の展覧会を開催しています。
-
ヴェルサイユ宮殿では10月14日まで、「トリアノンの女性達Les Dames de Trianon」という展覧会を開催しています。ヴェルサイユにこれから行かれる方は
ぜひ、どうぞ。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- ムロろ~んさん 2012/10/12 21:33:26
- 初めましてこんばんは
- yukibxさま
初めましてこんばんは、ムロろ〜んと申します。
この度はコミュのオフ会旅行記に投票をして下さいましてありがとうございます。弾丸日帰りでしたが、何とかオフ会を楽しむことができ、仲間との親睦を図ることができました。
ヴェルサイユ宮殿の旅行記を拝見しました。
行ったことがなかったので本当に豪華な内装に驚くばかりです。
結構人が多いようですね。入るのには並ぶようですね。でも機会あれば行ってみたいですね。
今後も旅行記を書いていきますので、お時間あればどうぞご覧下さればと思います。何卒宜しくお願い致します。
ムロろ〜ん(-人-)
- yukibxさん からの返信 2012/10/13 07:44:20
- RE: 初めましてこんばんは
- ムロろ~んさん、こんにちわ。
黒部峡谷と立山アルペンルートの旅行記は、とても楽しい旅行記でした。
旅を丁寧に追われている事と、ムロさんの愛すべき人柄とが味わいがありました。
大阪でのスピードオフ会の旅行記も同じです。
これからもいい旅を続けてくださいますよう。
yukibx
yukibxさま
>
> 初めましてこんばんは、ムロろ〜んと申します。
> この度はコミュのオフ会旅行記に投票をして下さいましてありがとうございます。弾丸日帰りでしたが、何とかオフ会を楽しむことができ、仲間との親睦を図ることができました。
>
> ヴェルサイユ宮殿の旅行記を拝見しました。
> 行ったことがなかったので本当に豪華な内装に驚くばかりです。
>
> 結構人が多いようですね。入るのには並ぶようですね。でも機会あれば行ってみたいですね。
>
> 今後も旅行記を書いていきますので、お時間あればどうぞご覧下さればと思います。何卒宜しくお願い致します。
>
>
> ムロろ〜ん(-人-)
-
- badia35さん 2012/08/06 10:07:52
- 不思議の国
- yukibxさん、ご無沙汰しております。
不思議の国のアリス、ものすごくよくわかります!
表紙のお写真をみて、私もそう思いました。
今にも帽子屋さんやトランプが出てきそう。
こういった歴史ある建造物での現代アート、素敵ですね。
素敵な旅行記、楽しみました!!
badia35
- yukibxさん からの返信 2012/08/07 05:28:28
- RE: 不思議の国
- badia35さん、こちらこそ、お久し振りです。
ちょっと4travelをさぼっていましたが、やっとヴェルサイユのアート展
鑑賞を旅行記にしたいな、という気になってアップしました。
早速、badia35さんがいらしてくださって、嬉しいです。
ともすれば、現代アートは日本では敬遠される方も多いようですが、
その辺はフランスはアートに対して冒険心が旺盛で面白いもの
が時々みつかります。いわんやヴェルサイユ宮殿との組合わせ、
はじめはびっくりしていた観光客もすぐになじんで楽しんでいました。
badia35さんに共感していただいて、とても嬉しいです。
また、優しく暖かいお人柄の滲み出るbadia35さんの旅行記を楽しみにして
います。(旅行記は旅する人の人柄が出ているものに一番惹かれます!)
yukibx
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