2008/11/30 - 2008/12/02
5位(同エリア12件中)
オセアジアさん
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56日目
今日も夜明けとともに起床。400キロ南のオパールの町クーバーピディを目指す。カルゲラの町を出てすぐに州境があり、ここで南オーストラリア州に入る。サマータイムの時差があるので時計も1時間進ませる。昼頃になっても気温はそれほど上がらず順調に進み、南オーストラリア州の最初の町マーラに到着。ここでただ一つあるガソリンスタンドでエンジンオイルを補給しようと思ったが、なんとバイク用のは一切なし。今まではどんな田舎の町でもあったのに。しかたなく80キロ先になるガソリンスタンドまで走る。昼過ぎに到着しエンジンオイルを探すがここにもない。この先の町まで140キロあるから、もうここで補給しないと無理。店主に何とかならないかと尋ねると数分後にどこかから少しオイルを取ってきてくれる。補給してお礼を言うと、12ドル払ってくれと言う。やっぱり、ただではなかったか。休憩後にクバーピディまで残りの140キロを走ろうとすると、途中でなんとエンジンが急に止まり、砂漠のど真ん中で立ち往生。セルを何度かけてもエンジンは二度とかからない。キックでスタートさせてもだめ。ガソリンもエンジンオイルもあるのに原因はなんなのかわからない。休憩を取ってすぐなのでオーバーヒートでもない。ひょっとしたらスパークプラグの火花が飛んでいないと思ったが、ハイウェイの道端ではどうしようもない。ここからバイクを押してさっきのガソリンスタンドに戻るのは、この暑さでは無理。やっぱり助けを呼ぶしかない。もちろん携帯電話は圏外なので、通りがかりの車を止めるしかない。よりによってこんな場所でエンジントラブルとは最悪。無事に町までバイクと一緒に行けるのか不安だったが、10分後向こうから一台の車がやって来る。しかし、止まらないでそのまま行ってしまう。さらに5分後今度はロードトレインが猛スピードでやってくる。さすがにこれは止めたくない。止まってくれそうな車が来るまで待とうかと思っていたところ、1台のキャンピングカーがやってくる。ここで手を振って合図する。その車は近づくとスピードを緩め、バイクの前の路肩に停車してくれた。ドライバーに訳を話すと、バイクの重量は何キロあるのか尋ねられ、車の中に入れてクーバーピディまで乗せてあげると言う。なんとありがたい言葉。本当に感謝。彼らはドイツ人のカップルでキャンピングカーを借りてオーストラリアを旅行中とのこと。しかも喉が渇いてないかと水までもらう。まじで命の恩人だ。バイクを車の中になんとか収納して、クーバーピディまで直行。あっとういうまに1時間後に到着。砂漠の上にオパールを掘ってできただけあって埃っぽい殺風景な町だ。彼らはキャラバンパークに今晩は泊まるので、そこでバイクを降ろす。俺はBPに泊まりたかったので、そこで別れることに。せめてガソリン代だけでも払わせてくれと言うと、払わなくてもいいと言う。なんていい人達だ。とにかくお礼を言って、歩いてBPに行く。この人たちの名前とこの恩は一生忘れないと思う。BPに歩いて何とか到着すると、自転車でオーストラリアを縦断しているという日本人の青年と出会う。今まで自転車でオーストラリアを旅行している人を何人かハイウェイ上で目撃したが、同じ宿に泊まるのは初めてなので、いろいろ話を聞く。この灼熱のアウトバックを旅行するのはバイクでも大変なのに、自転車だともっと危険だ。途中に水分を補給できるガソリンスタンドの間隔が数百キロあるので水を20リットル携帯しながら走らないと死に繋がる。暑さの上に向かい風や上り坂で体力を激しく消耗するし、途中に雷雨に遭ったらひとたまりもない。この日の走行距離は約300キロ。
57日目
泊まっているBPはオパールの町らしく採掘した後の地下を利用して、部屋が何室かあり中はとても涼しい。ずっと中にいると寒くなって毛布なしでは寝られない。地下の室温は常に20度前後に保たれてるので、夏の暑い日は涼しく、冬の寒い日は暖かい。ただ電気を付けないとずっと真っ暗なので、時計がないと時間の感覚が全くわからない。今日の午前中はまずバイクの修理。とりあえず自分でやってみて、直らなければ町の小さな修理工場に持っていくしかない。一番の原因として考えられるプラグをマニュアルに書いてある通りにエンジンから抜き取ってみる。思ったとおり、プラグの火花が出る先端が焼けていて隙間が全く塞がっている。これではエンジンがかけられないはずだ。新品に交換するしかない。しかしこんな小さな町に、同じプラグが見つかるのか不安だったが、とりあえず町に3軒あるガソリンスタンドに行って探すことに。保存状態の悪いいろんなプラグの中から一つだけ同じプラグを発見。古いのかしらないけど安くて4ドルだった。さっそく新品に交換してエンジンに差し込む。すると一発でエンジンがかかり、今まで以上にスムーズに動いた。これでなんとか再び旅を続けられる。修理が無事終わったので町を観光することに。やはりオパールに関するものが多く、地下にある教会やバー、砂漠の中のゴルフ場など。今日から12月になり日没の時間もかなり遅くなり、21時頃まで外は明るい。この日の走行距離は約20キロ。
58日目
夜明けとともに起床して南に370キロ離れた町ピンバに向けて出発。クーパーピディの町を出るとそこはもう草木も生えていない砂漠地帯。そこを道路が地平線のかなたに続いている。ただ、風が冷たくいつもの砂漠特有の猛暑にはならないので、全く喉が渇かない。昼頃に250キロ離れたガソリンスタンドがあるグレンダンボに到着して昼食休憩。その後さらに南に向かう。ここからは周囲に巨大な塩湖があちこちで見ることができる。そのうちの一つハート湖では道路のレストエリアから直接湖面に降りて歩くことができる。辺りは塩で真っ白。というのもこの湖に注いだ川の水は、常に降り注ぐ太陽の熱でどんどん蒸発していくので、塩分だけが残り堆積していく。オーストラリア最大の塩湖エアー湖もこの近くにある。ピンバの町まで15キロほどのところで一昨日出会った自転車の青年に追いつく。彼は、昨日の未明にクーパーピディを先に発ち途中でキャンプをして今晩はピンバに泊まるとのこと。ということで、今晩は二人でピンバのガソリンスタンド(寄付制)で野宿することに。もちろんここにテントを張って泊まる人は他に誰もいない。食料と水を買いにすぐ近くの町ウーメラのスーパーに行く。幸いにも今日は遅くまで営業していたので間に合った。テントを張った場所が悪かったせいか、蝿や蚊が大量にいてすごかった。この日の走行距離は約380キロ。
59日目
チャリダーの彼は日の出とともにガソリンスタンドを発つ。俺もすぐに準備して1時間後に出発して、途中で追いつき荒野の路上でお別れ。ダーウィンからメルボルンまで自転車の大変な長旅だが、なんとか無事に頑張ってゴールして欲しい。長かった砂漠のアウトバックの旅もお互い今日で最後になる。あと残り170キロで海に面した町ポートオーガスタに着き、そしてそこがアウトバックを縦断するスチュアートハイウェイの終点となる。ポートオーガスタに近づくにつれ次第に周囲の砂漠の赤土に草木が生い茂り緑が増えていく。そしてついにポートオーガスタに到着!ダーウィンから3000キロ、大陸を縦断して反対側の海に出た。久しぶりの信号機に車と人の多さが懐かしい。昼食は久しぶりにハングリージャックで食べる。ここで今夜は泊まろうと思ったが、時間があったのでさらに南の町に行くことに。ここから先アデレードまでは、町が多数点在してるので、ガソリンや食べ物の補給が安く容易にできる。ガソリンは今までの最安値の1.1ドル。多分、世界的に原油の価格が下がったと思うが、かなり安い。(日本円で約60数円)。ただここから車の数が多く、特にロードトレインがどんどん後ろから追い越してくるので怖い。周囲の景色はいつの間にか、見渡す限りの赤土の荒野から黄金色の草原地帯に変わっていて、牛が放牧されている。日が暮れたのでハイウェイ沿いにあるキャラバンパーク(14ドル)でテントを張って寝ることに。曇っているせいか余計に寒い。この日の走行距離は約300キロ。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩 バイク
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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赤線・・・バイク
黄線・・・鉄道
橙色・・・車/バス
青色・・・飛行機 -
ハイウェイ沿いにあった州境の記念碑。ここから南オーストラリア州に入る。
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線路をまたぐ高架の上から撮影。ダーウィン〜アデレード間の鉄道もハイウェイの近くを並行している。
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ハイウェイ沿いには牛が放し飼いにされていて、日本語で注意の看板が建っている。
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天気が良い日にアウトバックを走行しているとたまにみかけるツムジ風。十数キロ手前からまるで竜巻のように移動しているのがはっきりわかる。バイクで一度これに巻き込まれて、ハンドルを取られて転倒しそうになった。
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ススで完全に隙間を塞がれたスパークプラグ。おそらくバイク用以外のエンジンオイルを使ったのが原因かも。
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クーバーピディの街全体がオパールの採掘跡なので、緑がなく埃っぽい。
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採掘跡を利用したBPに宿泊。中は暗くて涼しい。
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こちらは採掘跡を利用した教会。
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観光施設のビッグウインチ。
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砂漠を利用した、グリーン以外はバンカーというふざけたゴルフ場。誰もプレーしていなかった。
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街を一歩出るとそこは草木が一歩も生えていない砂漠。
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ハイウェイ沿いから塩湖がいくつか見えた。
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ハート湖。近くを鉄道も通る。
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ハート湖の岸辺は白い塩の結晶で、まるで氷が張ったように見える。
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このあたりで降った雨が川となって海には注がず、こういったところに湖となって貯まり、強烈な太陽で水分だけ蒸発していったらしい。
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塩湖の中にそびえる山。アイランドラグーンと呼ばれているらしい。
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ウーメラの街は砂漠の中にあるにもかかわらず新しくて計画的。このあたり一帯は立ち入り禁止区域になっており、試験飛行や軍の実験が行われていて関係者が住んでいるらしい。
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ピンバで見た朝焼け。
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ピンバの近くを走る貨物列車。この付近はアデレード〜パース間の鉄道。
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高速のロードトレインに抜かされる自転車。こういうシーンに遭うたびに怖くなる。ここでチャリダーの青年とお別れ。
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Mtコナーみたいな山を発見。ポートオーガスタに近づくにつれ緑が増えていく。
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ポートオーガスタにあったスチュアートハイウェイの記念碑。
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こちらはナラボー平原を超えてパース方面に繋がった鉄道の記念碑。
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ポートオーガスタ駅舎。
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ポートオーガスタの桟橋。久しぶりに海を見た。
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ポートオーガスタを超えると辺は黄金の草原地帯へ。
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ポートピエリの街の様子。
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