2012/06/03 - 2012/06/04
38位(同エリア76件中)
極楽人さん
フランス国境に近い東のパンプローナから西端の聖地サンチャゴ・デ・コンポステーラまで、『巡礼の道』(北の道)に沿って1週間の旅をしました。
サン・セバスチャンから路線バスで海沿いにオビエドへ、そしてレオンへと進みました。レオンは古くからレオン王国の首都として、またサンチャゴ巡礼路への要所として栄え、現在もカスティーリャ・イ・レオン州レオン県の県都として商工業の中心的な役割を担っています。しばらく海沿いの巡礼ルートを辿ってきましたが、レオンで内陸ルートと合流しました。
全体の行程:MADRID(1泊)~PAMPLONA(1泊)~SAN SEBASTIAN(通過)~BILBAO(1泊)~SANTANDER(通過)~SANTILLANA DEL MAR(1泊)~OBIEDO(通過)~LEON(1泊)~SANTIAGO DE COMPOSTELA(1泊)~SALAMANCA(1泊)~MADRID(1泊)の、7泊8日です。
- 交通手段
- 高速・路線バス
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12:15 サンタンデールのバス・ターミナル出発。
目的地はレオンですが、このバスはオビエドまで。そこで乗換えです。
海沿いのハイウエーを真直ぐ西へ、天井のモニターに横一文字の赤い線が引かれています。
バスはALSA社、オビエドまで片道11.81ユーロ。 -
途中、ビスケー湾に面した美しい町で休憩しました。
車中から一瞬『GOBIERNO』(?)の文字を見ましたが、町の名かどうか分かりません。 -
ちょっとしたビーチと、リゾートモードの家並みが見えました。
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北スペインでは、バスの座席はチケットに指定されたとおりに着席するようです。今回の旅では運が悪く、このバスを含めてほとんどが通路側の席なので思うように写真が撮れません。
(南スペインでは、ほとんどの乗客が指定座席を無視していました。) -
ヒッチハイクのお兄さん。
路線バスが停まるはずがありません。
このあたりまで来ると、巡礼者が目立ちます。
レオンと並んで、オビエドから聖地サンチャゴに入る人も多いとか。 -
巡礼路は部分的に自動車道路と重なっているので、しばしばこうした危ない光景を目にします。
出現が急だったので、写真はピンボケです。 -
バスが海から離れて左にハンドルを切ると、まもなくオビエドです。
オビエドはレコンキスタ(キリスト教徒による国土回復運動)の最初の拠点として歴史に名をしるした街であり、重要な建造物も数多く残されています。
残念ながら、今回は“乗り換え”のみで通過してしまいます。 -
15:30 オビエドのバス・ターミナル到着。
ターミナルは街の北端にあり、観光するにはちょっと時間が足りません。
レオンまでのチケットを買い、ベンチでしばし人々を観察。
駅には沢山の別れがありますが、見送って別れた後の振る舞いは人それぞれで興味深いものがあります。男の場合は深刻そうに別れても、「ケリがついた」という感じで、だいたい軽やかに帰ってゆくので笑えます。 -
16:30 オビエド発。
バスはALIANZA社で、レオンまで片道8.8ユーロ。
天井のモニターが、ほぼ真下に赤い線を引きました。 -
ここからは険しい峠道です。
丘の中腹から霧がかかり、上空も雲行きが怪しくなってきました。 -
道は斜面に沿って曲がりくねり、昇ったり下りたり。
徒歩の巡礼者はもちろん、自転車で旅する人にも大変な苦行です。 -
道筋には不意に、いろんなものが出てきます。
でも、ほとんどカメラが間に合いません。 -
ここも、じっくり撮ってみたかった・・・
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花ざかりの丘があり、
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恐竜の背のような山並みがあり、
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18時を過ぎた頃、大きな都会が出現しました。
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18:30 レオンのバス・ターミナル到着。
すぐ横に鉄道駅(RENFE)も並んでいました。 -
バスターミナルも鉄道駅も、街の西端に位置しています。
このベルネスガ川を渡った東側が、街の中心となります。 -
レオンの旧市街、真ん中には天を突いて聳えるカテドラル。
中世レオン王国の首都としての、あるいは巡礼路の重要拠点としてのレオンの繁栄を象徴する壮大なゴシック建築です。 -
周囲の建造物と比べても、その大きさに眼を見張ります。
広い筈のカテドラル広場は“猫の額”に見え、うごめく人々は蟻の群れにも見えます。 -
大きさだけでなく外壁に彫りこまれた彫刻も繊細で美しく、これは同時代のフランスゴシック建築の特徴を受け継いでいるものとされています。
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内部は精巧な図柄のステンドグラス群で満たされています。
「太陽の動きで色を変える」とも言われ、
はるばる辿り着いた巡礼者には“神の光”にも見えたことでしょう。 -
カテドラルは過去から現在まで一貫してレオンの象徴であり、レオンの人々の精神的な支柱でもあるようです。
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広場ではいつも、何らかのイベントが催されているようです。
子供たちが仮設のステージで歌っています。 -
その輪の中央にいるのは、歌のお姉さんと市長さんでしょうか?
街の人も旅行者も、たくさんの人が足を止めて聴いていました。 -
カテドラルの広場を囲む、役所ふうの建物。
単体では立派な建造物ですが、カテドラルの横では霞んでしまいます。 -
広場から西へ伸びる道が、街でいちばん繁華な『フランコ将軍通り』。
まだ、こんな名前が生きているんですね。
両側はカフェやレストラン、たくさんの旅行者が歩く歩行者天国です。 -
通りの右側に、カサ・デ・ロス・ボティーネスという名の建物。
ガウディの設計で、現在は銀行だそうです。 -
左の辻に市庁舎。
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その先はサント・ドミンゴのロータリーになっています。
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これもロータリー周辺。
中世から現代まで、さまざまな時代の建造物が入り混じってひとつの街を構成しているようです。 -
ロータリーから放射状に伸びる道路は、一本間違えるととんでもない場所に行ってしまうので要注意です。
でも、こんな分かりやすい建物を目印にすると迷う心配がなくなります。 -
ふたたびフランコ将軍通りに戻って、
この路地にはバルが集まって、神田か新橋の風情。 -
こちらの路地はホテルやオフィス、閑散としています。
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そのまま進むと、旧市街の城門の外側に出ました。
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堅牢な城壁は街をぐるりと取り囲み、
その昔はイスラムなど外部勢力の侵攻を撥ねつけたものでしょう。 -
サン・イシドロ教会。
8世紀の建立以降に増改築を重ねて、さまざまな様式を併せ持つ建造物になりました。歴代王の霊廟として使われたそうです。
レオンを代表する建築物のひとつとされています。 -
これも目立つ教会ですが、現地でもらった観光地図にも名前が載っていません。
よく見ると、他のものよりは新しそうですね。 -
有名なのはこちら。
サン・マルコス修道院。
16〜18世紀に建てられた、とても均整のとれた建築物です。 -
もともとは、サンチャゴへの巡礼者を保護する施設だったそうです。
現在はパラドールとして、懐の豊かな旅行者の豪華宿泊施設になっています。
初志を貫徹して欲しかった・・・ -
サン・マルコス修道院は街の西端、ベルネスガ川のほとりにあります。
広い庭園の花畑や緑は川筋の公園にそのまま繋がって、格好の散歩道になっています。 -
レオンの宿も、すぐ近くです。
青い看板が出ている、HOSTAL DON SUERO。
朝食ナシの1泊24ユーロです。 -
巡礼者のためでしょうか、レオンには安くて清潔な宿がたくさんあります。
簡素ですが、狭すぎることもない清潔で静かな宿でした。
WiFi無料。 -
朝食も昼食も、宿のすぐ横のバルでとりました。
喫煙者なので通りのテラス席を選びますが、無愛想な割りに細かい気遣いのマスターがいいタイミングで周ってきます。
お昼のビールと今日のピンチョス(ポテトサラダ)、
セットで2ユーロ。
二度お代わりをして、満腹になりました。 -
通路に置かれたテーブルの下、このマークを見つけました!
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巡礼路への道筋を指し示す貝殻です。
注意してみると、交差点の手前、横断歩道の横、曲がり角・・・
短いところでは30m程の間隔で道路に埋め込まれていました。 -
これを頼りに、たくさんの巡礼者が聖地を目指してゆきます。
朝食時は特に多く、座っている間にも三組が目の前を通過しました。
朝から日の出まで、聖地を目指して歩き続ける彼らの原動力はいったい何なのでしょう? -
さて、自分もこの日は聖地サンチャゴを目指します。
原動力は好奇心です。 -
ベルネスガ川の石橋を渡り・・・
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駅に通じる広場を横切って、鉄道駅に向かいます。
バス便は夕方発(16:45)の深夜着(22:45)しかなく、鉄道を使います。
暗くなる前に到着すれば、それだけたくさん見られます。
運賃はいくぶん高くなりますが、鉄道の旅も捨てがたいものです。 -
駅の手前で、炭鉱労働者のデモに出くわしました。
オビエドからレオンにかけての一帯は石炭など豊富な地下資源に恵まれ、近年の工業化を下支えしてきたと聞いています。
呑気に観光をしている間も、労働者諸君は今日の糧・明日の生活のために必死で活動しています。なんだか申し訳ない気がします。 -
これが国鉄(RENFE)レオン駅。
サンチャゴ・デ・コンポステーラ行きは一日一本しかありません。
14:18出発で到着は20:00、運賃は33.6ユーロでした。
(つづく)
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