2012/06/02 - 2012/06/03
11位(同エリア27件中)
極楽人さん
フランス国境に近い東のパンプローナから西端の聖地サンチャゴ・デ・コンポステーラまで、『巡礼の道』(北の道)に沿って1週間の旅をしました。
サンティリャーナの正式名は“Santillana del mar”、「海の・・・」とついていますが、海からは少し離れています。ひなびた石造りの町並みは南仏やイタリア北部でよく見かける感じですが、今回の行程では唯一の静かで落ち着いた田舎の村。中世のたたずまいがそのまま残り、石畳の上を時間がゆっくりと流れます。昔から、長旅の巡礼者にやさしい休息を与える宿場だったのでしょう。
全体の行程:MADRID(1泊)~PAMPLONA(1泊)~SAN SEBASTIAN(通過)~BILBAO(1泊)~SANTANDER(通過)~SANTILLANA DEL MAR(1泊)~OBIEDO(通過)~LEON(1泊)~SANTIAGO DE COMPOSTELA(1泊)~SALAMANCA(1泊)~MADRID(1泊)の、7泊8日です。
- 交通手段
- 高速・路線バス
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09:30 ビルバオのバスターミナルからサンタンデールに向かいます。
バス会社は大手のALSA、片道6.23ユーロ。 -
バスは海岸に沿って西へ。
ときどき右窓に、青い海が見え隠れします。 -
10:55 サンタンデールのバスターミナル着。国鉄(Renfe)駅に直結しています。
ここで目的地のサンティリャーナ行きバスに乗り換えます。
すぐ隣に私鉄の駅もあります。鉄道の場合はトーレラベガ駅(Torrelavega)まで行くと、サンティリャーナ行きの路線バスが出ています。 -
今回は接続がいいので、バスで行きます。
11:30 サンタンデール出発。片道2.45ユーロ。
驚いたことに、出発までにほぼ満席になりました。 -
所要時間は約45分。
バスは、サンティリャーナ旧市街のすぐ外側にある古い教会の前で停まりました。ここは博物館にもなっているようです。 -
宿はバス停から徒歩2分の、『Los Hidalgos』。朝食付きで1泊30ユーロ。
近くには『ロス・インディオス』という宿もあるようです。
ロス・インディオスが唄う『♪コモエスタ赤坂』はカラオケでずいぶんお世話になりました。迷いましたが、結局近い方のこの宿に決めました。
因みに、私の好きな『ロス・プリモス』はありませんでした。 -
外装が新しいのは最近のリーフォームによるものらしく、内部はクラシックな造りのまま。部屋はコの字の変形ですが、自分には好ましく感じられました。
ハイ・シーズン前なので、どの宿にも部屋に余裕があります。
また多くの訪問者は“日帰り”らしく、バスで一緒だった人たちも夜には帰ってしまうようです。 -
2つある窓の一方は、お隣の家が。
もうひとつは裏通りに面していました。
旅程中、唯一インターネットが使えない宿でしたが、この村の雰囲気からすればむしろその方が良いとも感じました。 -
これはバー。簡素な朝食もここでとります。
そうそう、バス停横の観光バス駐車エリア(広場)に一軒だけスーパーがあり、昼食などはそこで調達できます。
荷物を置いたら、さっそく旧市街へ向かいます。
空は低く雲が垂れ込めていて、小雨でも降ってきそうです。 -
バスを降りたすぐ先に、旧市街への入口がありました。
中世への玄関口! -
中心に向かう通り沿いの、貴族の屋敷跡は12〜13世紀のもののようです。
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200mほど歩くと村の中心、マヨール広場。
ロマネスク風の落ち着いた建物が周囲を囲んでいます。 -
左が市庁舎、中央は味のあるお土産屋さん。
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市庁舎のベランダは花で飾られています。
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その裏に、パラドールもありました。
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広場を突っ切って真直ぐ進むと、すぐ村はずれ。
草原の中に古い教会が佇んでいます。 -
マヨール広場に戻り、今度は右の道を進みます。
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なだらかに湾曲して、村でいちばん繁華なメインストリートに繋がります。
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ゆるい起伏の道。
両側はカフェやレストランが連なっています。 -
みやげ物店。
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古井戸。
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子供たちの遊びも、昔のままなのでしょうか。
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突き当たりの教会では、結婚式が行われていました。
『参事会教会』と言うそうです。これも12〜13世紀のロマネスク様式。
人が多いので見学は後回しにして、その先に進みます。 -
更に古そうな建物、あるいは手入れがされていないのか。
ここで村はおしまい。 -
繁華な通りに戻ると、辻にはこんなもの。
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こんなもの。
観光に力を入れています。
あるいは、刑場だったのかもしれません。 -
ゆるい坂道を登ったあたりで・・・
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教会を出てきた新婚の行列に遭遇しました。
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ところで、村の郊外には動物園があるようです。
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そしてもうひとつ、あの『アルタミラの洞窟』があるのです。
中学だったか高校だったか、旧石器時代の牛の写真が教科書に出ていました。こんなところにあったとは・・・ -
村を出て、街道を表示に従って住宅街の中へ踏み入れます。
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住宅を通り越して、更にのどかな丘の道を進むと・・・
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ここが『アルタミラ博物館』
村からはおよそ2km、ゆっくり歩いて25分くらいかかりました。
洞窟自体は非公開ですが、建物の中に精密なレプリカが展示されています。 -
あたりは豊かな牧草地。
地質は、穴を掘りやすい石灰岩だそうです。
18000年前の人々も、温暖で豊穣なこの地域に居を構えたんですね。 -
洞窟は、1879年に領主の娘マリアによって偶然発見されました。
岩で入口が塞がれ外気から遮断されていたことで、壁画が良好な状態に保たれていたと言います。絵のモデルは、この牛の祖先かもしれません。 -
いったん宿に戻ったあと、夕食に出かけました。
夜7時、スペインの夕食時間には少し早くどのレストランにもまだ人の気配がありません。メインストリートの一軒を選んで、思い切って入店しました。 -
大ジョッキのビール、ワインにサラダ、メインは地豚のソテーとジャガイモ。デザートのアイスクリーム。特別な味ではないけれど、ただひとりの客を気遣ってウエイターやウエイトレスが話しかけに来てくれます。
これで13.2ユーロ。チップを含めて15ユーロの晩餐でした。 -
夜9時のマヨール広場。
日帰り観光客の姿はもうなく、いつもの静かな夜を暖かい色の電燈が照らしていました。 -
市庁舎。
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参事会教会。
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街角。
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通りの賑わいも、もうありません。
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人通りの絶えた、石畳の道。
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これは次の日の早朝。
焼きたてパンの配達があるようです。 -
もう一度、参事会教会。
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村を出る道を少し歩いて、振り返ったところです。
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10:15 サンティリャーナを出発。
バス停留所は降りた教会の向かい側、この建物の前です。
行き先ごとに停留所が決まっているようで、確認が必要です。 -
10:55 サンタンデールに到着。
レオンまで行く予定ですが、直行便は夜までありません。オビエドでバスを乗り換えることになります。
次のバスは12:15発なので、少し時間があります。 -
それで、バスターミナル周辺を散策。
港がすぐ近くに。一帯は緑の公園になっています。
カスティーリャ王国の繁栄を支えた貿易港であり、現在まで街の隆盛を支え続けています。 -
付近には、大きく立派な建物がいっぱい。
1941年に大火災があったといいますから、多くの建造物はその後に再建されたものでしょう。
スペイン最大の銀行サンタンデールもここが本拠地です。
(つい最近、格下げされましたが・・・) -
カテドラルでしょうか?
避暑地として、また絵画展や音楽祭でも名高い街です。 -
市庁舎と思われます。
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これが街並み。堂々の大都会です。
コーヒー&サンドイッチの昼食をとった後、12:15発のバスでオビエド経由レオンに向かいました。
(つづく)
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