スペイン / エル・エスコリアル　世界遺産の王家の修道院を訪ねて

2012/03/09 - 2012/03/09

マドリッド近郊に、世界遺産の歴代王が眠る宮殿兼修道院、サン・ロレンツォ・デル・エスコリアルがあると知り旅の予定に組み入れました。

マドリッドを離れたら、どんどん、どんどん寂しくなる街並み・・・。
見渡す限りなーーーんにもない荒野を進むうち「こんなところに街が・・・、しかも王様たちのお墓があるような立派な街があるの・・・・？」と不安になった頃に、遥か向こうの山の斜面に、見えてきましたエル・エスコリアル！

「あったーーーー！こんな辺鄙なとこに？？？？」と驚きでした。


こんな山あいの小さな小さな街に、あまりにも壮麗な修道院。
そしてその中も「こんなものも？」「こんなものも？」の驚きの連続。

いやーーー、行ってよかったです。

エリア スペイン

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

電車が好きだから、電車移動はワクワク♪

このホームでいいはずなんだけど・・・、電車が来るたびに周りの人に「これか？」と聞いても違うと言われ、待つこと数本・・・。

ようやくキター！
エル・エスコリアル行き！！

終点だから間違いようがないわ♪
ウキウキ。

うふふ、スペインの電車〜。

モニター付いてるけど、駅名しか出てこない。
東京とはちょっと違う。

ずっと車窓から外の景色を見てるけど・・・・・・・・・・・・・・・。


ほんとーに、何にも無いのだよ・・・・・・・・・・・・・・。
あんなに行き先確認して乗ったけど、「ほんとに合ってる？この電車で・・・」と不安に・・・。

あれっ？？？？？
出て来たんでないかい？？？？？
街でないかい？？？

あれかい？あれかい？着いたかい？？？

着いたーーーーー♪
エル・エスコリアル！！

ああ嬉しい。

降りた人、数人。

駅前に、店数軒・・・。
なんとも長閑な街だわぁ。

ほんとにここにそんな立派な修道院が・・・？

駅前にタクシーも居たけど、やっぱ知らない街は自分の足で歩きたい！
上り坂とは聞いていたけど、歩く、歩くよ！！


・・・・・と思っていたけど、「あれ・・・・、結構な長道なのね・・・」と既に若干挫け気味・・・・・・(^_^;)

ま、まだ朝早いし、いいお天気だし、のんびり行くさ。

周囲のお宅を観察。

桜っぽい花が咲いてる。
こっちにもあるのかな？

門柱の装飾。
可愛い。

・・・とトボトボと歩いてきたら・・・
あれに見えるは！！

あった！

おっきーーーーーーーーーーーーい！！



唐突に現れる、この街にあまりにも不釣り合いなサイズの修道院。

か、カッコイイ・・・・・・・・・・・。

デカイ・・・・・・・・・・、デカ過ぎる・・・。

なんじゃこりゃ？

ここは本当に内部が素晴らしくて感動したんだけどね・・・、スペインの有名どころにありがちの「内部撮影禁止」なもんで、その感動が旅行記で非常−−−−にお伝えしづらい・・・。

正式名称はエル・エスコリアル　王立　聖ロレンソ修道院（REAL MONASTERIO DE SAN LORENZO DE EL ESCORIAL
）と言うんだそう。

1984年に世界遺産に登録されています。


建立したのは、当時シチリア、ナポリ、ネーデルランド、ポルトガルなども自身の統治下に治めていたスペイン黄金時代の王様フェリペ2世。

だからこそのこの規模、この豪華さなのでしょう。

内部は本当に広大で、歩いて周るのも一苦労です。

豪勢な教会や博物館、宮殿、図書館、そして何より歴代の王様たちや、王家の皆様が一堂に会して眠っている霊廟があるのです。



中は本当ーーーに静か。
世界遺産だというのに・・・、こんなにすごい建物なのに・・・、私以外に見学者は居ません・・・。


シーンと静まり返った建物の奥の奥までたった一人で、たまーに立ってる警備の人に「ウォッ！」とビビりながら・・・、自分の足音の響くコツーン、コツーンという音にさえビクビクしながら進んでいきました。

立派な絵画も、巨大なタペストリーも、古地図などもたくさん飾られています。

古地図は「昔は世界がこんな形をしてると思ってたんだ？」とか、「あのへんはこんな地名で呼ばれていたんだ？」とか、一枚一枚が本当に興味深かった。



そしてそんな美術品の数々の中に、とにかくめっちゃ興味深いものを見つけた。

西暦1500年代に作られたものらしいんだけど、いろいろな奇妙な怪物が描かれているもの。
当時の人々がどんなものを恐れていたのか、どんな怪物を思い描いていたのか、そういったことが分かる貴重な歴史的資料だと思った。

なんかね、そこらの怪物図鑑やSFもののハリウッド映画みたいに奇妙でへんてこなものがたくさん描かれてた。

足や胴体が鳥みたいで、クビがにょろ〜っとキリンみたいに長いのに、その先に鬼みたいな人間の顔が３つ付いてるとかね、ほんと「誰が考えたんだ？」っつー面白い想像上の生き物がいっぱい。

興味深すぎて隅から隅まで延々眺めてた。

今まで見て来たいろーんな美術品の中でも、そうとう印象に残るものだった。


なーんで写真、撮らせてくれないんだよう！（涙）

そうやって奥へ、奥へと進んでいくうちに、なにやら地下に延々下る階段が出現・・・。

「おお・・・、いよいよ・・・・。」と、これまで以上にドキドキしながらコツン、コツンと一歩一歩降りて行くと・・・。


円形の小さな部屋が現れた。
歴代の王様たちの棺が揃っておさめられている霊廟だった。

これは購入してきたガイドブックから拝借。

こんな感じで壁全体にビッチリ、歴代の王と王妃の棺が納められている。
あまりに独特のその光景に眩暈がした。

シーンと静まり返った冷たーい空気のその石造りの寂しい独特の部屋に、ぽつりと一人、何人もの王の屍に囲まれて立っているあの感覚・・・。
ゾッとするというのは、まさにこのこと。


しかしなんだね。
どうして王様たちをこんな小さなカプセルホテルみたいな部屋に、ギューギュー詰め込んだかね？
こんな広大な土地なんだから、一人に一部屋作って差し上げてもまだ余裕がありそうだよ？

しかももう空きが２個しか無かったよ？
この後の王様たち、どうするのかね？

気になるわぁ。

この部屋を出たところにも、他の王家のファミリーの皆さんのたくさんの棺桶が並んでいる部屋がいくつもあったけど、そっちのが広々してたような気もするよ？

教会も凄かった。
高ーーーい天井、広ーーーい内部。
43の祭壇と礼拝堂があるんだそう。



天井にものすごい大きな、美しいフレスコ画が描かれているところもあって、本当に隅々まで綺麗な修道院です。

ここで特筆すべきもう一つの見どころは図書館です。
こちらもガイドブックから拝借。

もう、入ったら「ぽか〜ん」とします。
ぽか〜んとするしかないです。
あまりにも綺麗で。
「こんな地球の裏側の、しかも主要都市からもだいぶ離れた、周りに何一つないこんな辺鄙なところまでわざわざ足を運んだ甲斐があった・・・・・・・・・・・」とジーーーンとしました。



これ見たら「あーーーー、あの有名ホテルのエントランスはこれを模しているんだ！」とよく分かりました。

本当に周りは何も無い。
見渡す限り建物は何一つないこの光景。


こんなところに、こんな立派なものをねぇ・・・・・・・・・・。

外観はほんとシンプル。

スペインの建物って、ほんと外観じゃないよね。
入ってみないと分からない。


だからこそスペイン観光局は、もっと内部を紹介して、もっと客寄せすればいいのに！
みんな外観だけ見てもこの美し過ぎる内部は全然想像もできないじゃん。



こんなに素晴らしい、最高のポテンシャルをお持ちなのに。
宝の持ち腐れ。
ああもったいない・・・、もったいなさ過ぎる。

裏っかわの全体が見渡せるところに来た。

いやーーー、素晴らしい修道院だった。
あの怪物の絵、持って帰りたい。


写真も撮れないしさぁ、ガイドもポストカードも買ったけど、あんな一作品載っちゃーいないしさ・・・。

また見たかったら、こんな地球の裏側の、スペインの、マドリッドの、さらに郊外の、見渡す限り遥か彼方まで何もない荒れた大地にぽつりと浮かぶ島のようなこの小さな小さな町の、この修道院まで来ないと見れないんだよね・・・。

悲しい・・・・・・。

遠過ぎる・・・・・。

やっぱり桜？

早咲きの桜なのかな？

名残惜しいけど、修道院を後にしてこの小さな街を巡ってみよう。

修道院よりさらに山を登って行く。

ああ、いい天気(*^_^*)

スナックスタンド。

綿菓子。

お腹すいちゃったなぁ。

とりあえずぐるっと一回りして良さげなお店を探す。

あちこちにテラスが。

外でのお食事、気持ちいいよね。
特にこんなお天気の日は。

綺麗な街並み。

お土産、何にしようかな〜？

お、お菓子屋さんだ。

このクッキー可愛い♪

見つけちゃった〜♪
めっちゃいいロケーションのテラス。

修道院を眺めながらのお食事。
最高じゃん。



座ったはいいけどね、メニューが全く読めないよ・・・。
英語も添えられてない。
お店の人も英語あんまり通じない。

世界遺産の街のくせに全然観光客ずれしてない。
それがいい！


とりあえずなんとか意味の分かったものをオーダー。

アーティチョークとか、マッシュルームとかたくさん入った野菜の煮込み。

これシミジミ美味しかった〜。
大きいなぁと思ったけど、完食。

メインはステーキ。

ここまででそうとうお腹いっぱいだけど・・・。

さらにこんな大きなデザート出て来たよ！

・・・まあ、全部食べたんだけど、結局・・・。


食べすぎです！



そよ風に吹かれ、美し過ぎる修道院の余韻に浸りながら食べたおランチ、美味しかった〜。
ごちそうさまでした〜。

お、このへんのポリスカー？

おお、柊。

クリスマスツリーではたいへんお馴染みだけど、本物は初めて見たよ。

市場を見つけたら、まず入ってみるよ。

吹き抜けがオシャレ。

フルーツ。

ナッツ。

お肉。

そして見つけると嬉しい子供の乗り物。

よし、もっと上に登って行ってみるよ！

けっこうな登りだよ・・・。

ふう・・・、ふう・・・、こんなに登ってきた。


おばちゃん・・・、足腰弱いの・・・。

あ、近くで見れる！

やっぱ桜だね。

上の方は更に急斜面だよ。

もう登らん。
断念。



住むなら車は必須だな。
・・・・だがしかし、冬場この道が凍結したら・・・。

運転を想像するだけで怖い。

この山を下りたら・・・・・・・・・


遥か彼方まで何もありませんよ！



・・・周りが街なら、とんでもなく綺麗な夜景を見渡せる絶好のロケーションなのに、ちょっと残念。

公園にも咲いてた。

この住宅街をお散歩しよう。

だーーーーれも居ない。

のーーーーんびり。

修道院を見下ろす。
だいぶ上まで来ましたなぁ。

スペインの分別事情。

いい雰囲気のベンチ。

下界へ戻ってきた。

建物の装飾が可愛いんだ。

こんなのとか。

こんなのとか。

こんなのとかね。

内部もこんなに凝ってたりして。

公園のブランコ。
安全ね。

ただし使える年齢は限られるわね。

ああ、楽しかった、エル・エスコリアル。

いい街、いい世界遺産だったわ。

詳しいガイドと、ポストカードもこんなに買ってきたよ。

詳しいよ・・・、いいガイドだけど・・・、もっといろいろ載せてもいいんだよ？

この旅行記へのコメント （4）

• スイカさん 2015/02/26 23:11:27

  石でできた街、ヨーロッパなんですね。

  こんばんは、ベイグラントさん。
  ヨーロッパは石でできた街ですね、すごく異国感があって魅力的です。
  歴史ある修道院は建物も壁画も神秘的で感慨深いですね。修道院には神父さんや修道僧やシスターがいるのでしょうか…。
  青い瞳をして、金色の髪の毛の人達が普通に歩いているヨーロッパ…、どんな感じになるんでしょう…、私ならちょっとオドオドしそうです。
  いつか、行ってみたい、見てみたいです。
  スイカ

  ベイグラントさん からの返信 2015/02/27 22:35:29

  RE: 石でできた街、ヨーロッパなんですね。

  こんばんは〜！
  そうですよ〜、重厚な石文化。
  道路もすごく古い石畳がつるつるになりながらも現役だったりしますよ。
  中国とはまた全く違った魅力が有ります♪
  
  スペインは特に、内部撮影禁止の建物が多過ぎて、全然魅力を伝えきれていませんが、一目見たら度肝を抜かれて立ち尽くしてしまうような、ものすごいスケールのデカい、絢爛豪華過ぎて眩暈のしそうな建造物の宝庫ですよ！
  超オススメ。
  是非機会を作って行ってみてください〜！
  
  ベイグラント

• ムーン・スターさん 2012/06/06 00:20:18

  穴・・・場！？＾＾

  すごいですね〜貸切ですか！＾＾
  でも広い館内でたった一人ってのはちょっと・・・
  おまけに魂の安置所ですものね。＾＾；
  
  でも街中も散策するのにとても良さそうなところで
  シーズンオフだからかもしれませんがのんびりできて
  本当に穴場的な町ですね。
  どこまでも続く坂道は私も途中でリタイアしそうですが・・・
  
  館内が見られないのは非常に残念ですね〜
  本当、ここで内部の写真アップできれば行きたいと思う
  人も出てくるでしょうに・・・
  だけど観光客が押し寄せて王様たちの静かな眠りを妨げない
  ための配慮かもしれません。（勝手な理由をつけて納得です。）
  
  他の人があまり訪れない街での貴重な思い出ができて
  よかったですね。（うらやましいです♪）
  
  ムーン・スター

  ベイグラントさん からの返信 2012/06/08 21:46:35

  RE: 穴・・・場！？＾＾

  ムーン・スターさん
  こんばんは〜
  
  そうなのですよ！
  ひっそり、ひんやり、なんとも寂しい状況でした。
  一人、周囲360°をぐるりとたくさんの王様の棺桶に至近距離で囲まれるあの感じ・・・。
  世界でもあそこしか無いんじゃないか？と思う不思議な造りでした。
  
  
  ほんと、宣伝が足りない！と思います〜。
  こんなすごい所なのに！
  ま、でもおっしゃる通り観光用に作られたものでなく、本当に王様たちの永眠のための聖なる場所なのですから、わさわさ人に来てもらうつもりで作ってないし、来てほしいとも思ってないんでしょうね。
  でも、ホンモノの凄さ、感じました。
  
  
  
  そうだ！前にアランフェス編もアップすると書いていた気がするのですが、このエル・エスコリアルのことと混同していました（笑）
  どっちも行こうとしてて、時間足りなくなってアランフェスは断念したのです。
  ごっちゃになった・・・。ほほほ、すみません〜、ボケボケで。
  なのでスペイン編はこれで打ち止めです〜。
  何度か足を運んでくださってありがとうございました〜！
  
  ベイグラント