引き裂かれた南北の痛みを背負って暮らす老人の話に、改めて朝鮮半島の現実を知りました

2012/04/21 - 2012/04/21

「板門店」は、韓国軍やアメリカ軍を中心とした国連軍と、北朝鮮軍との共同警備区域です。
韓国も北朝鮮も行政管轄権を持たない特別な場所で、両国停戦のための軍事境界線上（国境）にあります。
「中立国監視委員会」「軍事停戦委員会」があります。

ここに行くには、日本人はソウルから出発するツアーに参加するのが一般的です。

ツアー参加に際して、厳しい注意事項があります。

破れたジーンズ、革服、ミニスカート、体に密着した服、ブランドロゴ入り服などが禁止され、ナイフ、かさ、火気などが持ち込めません。またパスポート番号を事前に届ける必要があり、当日一致しないと参加が出来ません。

生憎の雨、雨がっぱを着込んでの見学となりました。

見学前には軍人による服装チェック、また誓約書にサインをさせられます。

「敵の行動により危害を受ける、または死亡する可能性がある。軍事境界線を越えて北朝鮮が管理する共同警備区域に立ち寄る事や、北の人間と親しく付き合うことを禁止する内容などが書かれています。最後に「これを読み、指導に従う。敵の挑発による身体、財産上の被害に対する補償は請求できない事を確認する」の項目にサインをします。

何だか物々しい雰囲気になりました。

「北側の人間に手を振ってはいけない」亡命したいという意味になる。
「北側を指差してはいけない」ピストルと間違えられて撃たれる可能性がある。

との注意を受けます。



決められた場所以外は写真撮影は禁止です。
必要な者はポケットにしまい、手ぶらで列を乱すことなくと聞かされ、2列になり軍人と韓国人ガイドの後に列を乱さずついていきます。


厳戒下の中、不思議なことがひとつ。

外で停戦協定厳守の監視を行っている軍人には近づく事もできませんが、「軍事停戦委員会」の本会議室の中でテコンドウの格好で微動だにせずに警備している軍人とは並んで写真撮影が出来ます。（近づきすぎるな、との事ですが）

ここだけ観光化されたゆるい空間です。

この本会議場の中の中央にテーブルがあり、中心にマイクがあります。それが北と南の境界線です。
会議場に中で境界線を越えることが許されます。


同行した韓国人女性ガイドの父親は元脱北者。
共産主義から逃れて韓国に渡って半世紀以上が経ちます。現在91歳。

これほど南北の分断が続くとは思ってもいなかったと言います。
両親はすでに他界。兄弟親戚は北で暮らしています。

「撃たれても良いからイムジン川を渡って北へ戻りたい」と望郷の念に苛まれていると言います。

引き裂かれた家族が南北の痛みを背負って、今なお暮らしている現実がありました。

【航空券】
4/20　DL579　NRT19：50-ICN22：35
4/22　DL578　ICN10：40-NRT13：10

DLのHPより予約　43620円（税、サーチャージ込み）

【DMZ＆板門店ツアー】
コネスト予約
8200円

【宿泊】
シロアムサウナ　W13000（953円）
グリーンレジデンスW50000（3666円）

ANA修行中ですが、デルタに乗りたい事情がありました。

エリア その他の都市(韓国)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 航空会社: デルタ航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

夕方出国なので、ゆっくり家を出ました。

成田空港では、デルタラウンジへ。
ここにはお粥が置いてあって、結構お気に入りです。

数日前になって、手違いでゲストハウスが初日だけ予約がされていませんでした。
今更取ろうとしても、高いホテルしか残っていません。

一人旅だし、翌日は板門店ツアーで朝から晩までソウルにいないので、高いホテルに泊まる気はさらさらありません。

仁川空港地下一階の「SPA ON AIR」へ。
ところがプライベートルームが予約で満室とか。

ここって予約なんかしていたんですね〜。知っていれば予約したかった。
スパと垢すりで時間をつぶせますが、どうも気が乗らなかったので、ソウルへ移動。

ソウル駅徒歩数分の「シロアムサウナ」へ。すでに夜中の12時を回っています。

入場料Ｗ13000（953円）サウナ、浴室など
垢すりＷ18000（1296円）

まず靴箱に靴を入れて、スーツケースをフロントの前で預かってもらいます。
ロッカーの鍵と室内着、タオルを貰います。
サウナを利用する前に、室内着に着替えて、女性用仮眠室をのぞきに行きました。
かなり広い薄暗い部屋に二段ベッドがたくさんあり、時々係りのおじさんが見回りに来ているようでした。

ベッドはマットが敷かれています。タオルケットと枕が置かれていたので、自分の寝床を確保。と言っても持参したバスタオルを置いただけですが・・。

ドライヤーは有料（Ｗ200）ですがあります。ただ電源が使えなかったので、携帯を充電できませんでした。有料で良いから出来なかったのかな？
化粧水は置いていました。使い捨て歯ブラシは置いていません。

サウナはシャワーの前に石鹸が置いてありましたが、シャンプーは見当たりません。
持参したものを利用しました。

垢すりは雑。人にもよるのかもしれないです。

あの環境の中、結構眠れました。

朝、地下鉄で明洞に移動して「グリーンレジデンス」へ行き、スーツケースを預かってもらいます。

そのビルの前の神仙ソルゲンタンでお粥を注文。
今日は1日ＤＭＸ＆板門店のツアーに参加するため、キムチは控えめに。

８時、集合場所のロッテホテル本館６階の国際文化サービスクラブへ。

生憎の雨です。

ツアーバスは前の席に日本人、欧米、韓国人は後ろの席に割り当てられました。
日本語と英語のガイドが乗って、交互に説明をします。

第三トンネルに行くには荷物をロッカーに預けるので写真撮影は出来ません。

都羅山駅

ソウルからここまで数本の電車が来ています。韓国最北端の駅です。

都羅山駅構内

ここの売店で雨かっぱを買いました。

板門店では傘は使えません。

臨津閣

昼食はプルコギ。人が多かったので写真は撮っていません。

韓国らしい座布団カバーでした。

ＤＭＺだけ観光の人はここでＵターンします。

板門店の観光です。

旅行記の概要に書いたように、厳戒態勢の中の観光です。

向こう側に見えるのが北朝鮮側の建物、手前の青い建物が韓国側の建物です。

「軍事停戦委員会」本会議室の中。
この軍人とは写真撮影が許されます。

え？っと思うほどゆるい一面です。
テーブル真ん中のマイクが北と南を分けます。

本会議室内では、北と南の境界線を越えることが出来ます。

窓の外を見ると右が韓国、左が北朝鮮。

ポプラ事件、帰らざる橋を車窓から観光。
雨だったので、見難かったです。

明洞に帰ってきました。

ゲストハウスの中。
狭いですがシャワールーム、トイレが付いて、立地も良く、この値段（3600円）はコストパフォーマンスが良いです。

食堂には冷蔵庫、自由に使える電子レンジ、食器などが揃っています。

朝は簡単なパンやゆで卵などが提供されるようですが、食べていません。

廊下はせまいですが、充分。

ＰＣルームもあり、プリントできます。

ランドリールームもあります。

雨なので夜の明洞は空いています。

明洞餃子へ。

キムチは辛いです。

イテォン駅５分の「in toto」へ。

ここで靴とカバンをオーダーしました。

来月も来るのでそこで引き取ります。楽しみ☆

またご報告しますが、結果的に大満足でした。
去年オーダーした「p.s mery jane」よりかなり良いです。
コネストクーポンを利用して１割引。

靴11000円　カバン30000円位でした。

ソウル駅のロッテマートで買い物。

いつもこのカウンター式のところでトッポギを注文します。

３日とは言え、行きは夜着、帰国は早朝だったので、実質１日でした。板門店ツアーに参加するのが目的だったので、目標達成できて満足です。

この旅行記へのコメント （6）

• はむじさん 2012/06/10 10:50:40

  有難うございました。

  お早うございます。私の旅行記「 初めて利用したマイレージ　。韓国旅行」
  に投票下さり有難うございます。
  
  4トラベルはまだ機能が飲み込めなくて、中々慣れません。（笑い）
  
  どんな方が、投票して下さったのかと思いお邪魔しました。
  
  あっぷるさんは相当旅慣れていらっしゃいますね。そして板門店の現実も
  写真から緊張感が伝わってきました。
  
  これからも一人旅には充分、お気を付けてお楽しみ下さい。

  あっぷるさん からの返信 2012/06/10 13:32:32

  RE: 有難うございました。

  こんにちは。
  
  最初はシステムに慣れませんよね。私も最近ようやく・・です。（笑）
  
  最近はまって定期的に行っている韓国の旅行記は参考になりました。
  
  > これからも一人旅には充分、お気を付けてお楽しみ下さい。
  
  ありがとうございます。
  今月もひとりシンガポールに旅立ちます。

• ムロろ～んさん 2012/06/05 16:40:23

  お久しぶりです。

  あっぷる様
  
  ムロろ〜んです。お久しぶりです。
  この度はチベット旅行記に投票をして下さいましてありがとうございます。続きも書いていきますので、今しばらくお待ち下さい。
  
  あっぷるさんの旅行記を拝見し、私も昨年、ツアーで参加したので懐かしく思いました。特に板門店の所です。自然がそのまま残っている雰囲気がなんとも言葉に表現することができないです。あの場所で緊張状態が続いているのということが不思議でなりませんよね。
  
  そう思うと、「平和」のありがたみを感じてしまいます。平和だから旅できることの幸せを感じました。
  
  お邪魔しました。
  
  ムロろ〜ん(-人-)

  あっぷるさん からの返信 2012/06/06 08:27:29

  RE: お久しぶりです。

  ムロろ〜んさん
  
  
  こんにちは。
  色々なところに飛んでいますね〜。（笑）
  
  チベットはいずれ行きたい場所です。
  興味深く読ませていただきました。
  
  板門店は友人に「情勢悪化でいつなくなるかわからないよ」と言われて
  慌てていきました。
  
  南北分断の現実を生で感じられえて、本当に行って良かったです。
  
  では、また続きも読ませて頂きます。
  

  ebisugaoさん からの返信 2012/06/09 21:02:42

  板門店

  　板門店ですか。懐かしいですね。
  私が行ったのは１９７６年に起こった
  ポプラ事件より前で、今から３６年
  前のことです。
  　あそこは何かエアポットみたいな
  所で、もちろん個人ではいけません。
  誓約書は書かされましたが、確か
  パスポートをアメリカ軍兵士に
  預けたように思います。
  臨津閣（ここから先韓国人は入れない）
  を通り「帰らざる橋」を渡ると不気味な
  静寂さ、が…。
  　南北境界線にまたがる会議場の様子も
  変わっていませんね。あっぷるさん
  が撮られた韓国人兵士のヘルメット
  に書かれた「ホンピョン（＝憲兵）」
  というハングル文字も当時と同じです。
  　この「憲兵」は日本ではとっくに
  死語になっているのに、韓国では
  今も生きているのですね。
  　「トラサン」という電車の駅は
  当時はありません。ソウルから
  バスで行きました。帰りに
  イムジンガンの河畔を通ると
  宣伝合戦のためにばかデカい
  マイクが設置されていました。
  　同じ民族が今もいがみ合っている
  のは本当に悲劇ですね。
  　では
  　
  　
  　
  　

  あっぷるさん からの返信 2012/06/10 08:53:05

  RE: 板門店

  ebisigaoさん
  
  板門店へはかなり前に行かれたのですね。
  ポプラ事件前とは驚きました。
  
  その頃から板門店ツアーがあったのですね。
  
  今はパスポートチェックだけです。
  ポケットに入らずにバスの中に置いていく羽目になりました。
  
  ポケットに入るだけしか持ち込めないとの事前情報もなかったので、カメラを入れるのが精一杯。
  知っていたら、もっとポケットのある服装で行きました。
  
  > 韓国人兵士のヘルメット
  > に書かれた「ホンピョン（＝憲兵）」
  > というハングル文字も当時と同じです。
  
  憲兵という意味なんですね。
  
  
  華やかなソウルばかりに行っていましたが、南北の分断を生で感じられる場所に行って良かったと思います。