2012/04/12 - 2012/04/12
208位(同エリア481件中)
シベックさん
愛知県と静岡県の県境に、標高300m前後の弓状に連なるの丘陵帯があります。この丘陵帯は南アルプス赤石山脈の最南端に位置し、弓張山地と呼ばれています。約30年振りに、弓張山地の一部とその山懐にある葦毛(いもう)湿原を歩いてきました。葦毛湿原は「東海のミニ尾瀬」とも呼ばれ、山野草の宝庫です。湿原は、愛知県の天然記念物に指定され、野花の開花シーズンには数多くの市民が訪れます。
弓張山地の斜面で咲くイチゲキスミレ
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車
PR
-
葦毛湿原への取り付け道路
湿原は、標高70m前後の緩やかな傾斜地に広がる湧水湿地です。
面積は約3.2ha。
市街地近郊に広がる湿原は非常に珍しく、
貴重な植物が数多く生育していますす。 -
取り付け道路の路傍で
最初に目についた花・・。
白い花に、葉脈沿いに白い班があり、
葉裏がやや紫がかる
フモトスミレでした。
路面に腹ばいで撮りましたが、
多少ピンボケに・・。 -
次に目についた花は
ムラサキケマンでした。
固まって群生し、
まばらに点在していました。 -
葦毛湿原の前広場
案内看板が3基立ち、
テーブルやベンチが設けられていました。
看板の奥が葦毛湿原です。
今日の目的は黄花のスミレなので、
湿地は後で廻ることとし、
看板を左折し、
弓張山地への散策路を尾根に向かいます。 -
尾根への木道を
歩いていると、
水の流れる湿地で、草丈の高いスミレが咲いていました。
葉はタチツボスミレのようですが、
オオタチツボスミレかもしれません。 -
ダルマのような昆虫
山道は、昨夜の雨で川の様に水が流れていました。
岩だらけの、かなりの急こう配。
流水の切れた場所で一服・・。
岩に腰をかけて休んでいると
数匹の昆虫が、ひなたぼっこをしているようでした。
そっと近寄り観察すると、口の長いアブのようです。
花の前でホバーリングしながら
蜜を吸っている姿を時々見かけます。
後日調べると、ビロードツリアブと判明。
このビロードツリアブの幼虫は、
ヒメハナバチ科の幼虫に寄生するそうです。
休憩したおかげで、
ビロードツリアブの生態が少し見えてきました。
山道の下から登山者の声が聞こえてきました。
その声に急き立てられ
山登りを再開しましたが、かなり足にきています。 -
一息峠
勾配の緩くなった山道を少し登ると、
見透しのきかない尾根道に出ました。
先ほど一息入れたばかりですが、
名前の通り、また、ベンチで一休み。
後ろからやってこられた登山者は、
私より年配かと思える、元気なおばさん3人組。
少々雑談・・。
なんでも、東海道線の新所原駅(静岡県湖西市)から
歩いて弓張山地を登り、葦毛湿原に下り、
今、復路の途中だとか・・。
ヒエ〜!
驚くばかりの、おばさんパワーです。
お茶を飲んだだけで、すぐ歩いて
行かれました。
すごいの一言・・。 -
新緑の山道
これから先は、緩い登りだそうです。
最後に急な階段と崖地があるとか・・。
ここまで来たら、もう、行くしかありません。
黄色のスミレ見たさ一心・・。
頑張ります。 -
ミツバツツジの咲く尾根道
左側は、ゾクッとするほどの崖・・。
急こう配の階段を登ったあたりで、
籠を背負ったおじいさんに出会いました。
休憩がてらに雑談・・。
なんでも・・・この崖に、
太くて長い望遠レンズを落とした人がいたそうですが、
崖を下り、拾いに行かれたのでしょうか。
話の顛末は聞きそびれました。
この細い山道で、シャージ姿の
高校生50名ほどの一団とすれ違いました。
みなさん元気な足取り、挨拶の声が爽やかでした。 -
二川TV中継所
標高306mの一つのピークまで、やっとたどりつきました。
湿地から約240mの標高差。
運動不足の身にはこたえます。
足元には、カタクリが群生していました。
こんな乾燥している
山の天辺にも生えるとは驚きです。
そばには、ヤブツバキの群生も見られました。 -
ヤブツバキ
-
二川TV中継所から
四周が見渡せ、標高306mの山上に到着。
写真は、浜松市あたりの眺望です。
浜松駅前のアクトタワーが、うっすらと見えます。
アクトタワーは、地上45階、高さ212.77mの超高層ビル。
手前の水面は、浜名湖です。 -
306mからの浜名湖
遠方には、遠州灘が望めます。 -
淡いブルーのスミレ
多分、タチツボスミレかと思われます。 -
淡紅紫色のスミレ
路傍に咲くタチツボスミレ。
この花と、
淡いブルーの花が点在していました。 -
ミツバツツジ
山道のあちこちで咲いていた花。
葉に先立ち花を開きます。 -
ミヤマシキミ
関東地方から九州の林下に生える
ミカン科の落葉小低木です。
白い花のものをミヤマシキミ、
淡紅色ものをアケボノミヤマシキミというそうです。
秋には赤い実をつけます。 -
アリドウシの実
和名は蟻通し。アカネ科の低木で、暗い林内に生えています。
鋭い棘を持ち、小さな葉の間に、
赤く小さな実が、1年以上もついています。
棘は蟻も突き通すので蟻通しと呼ぶとか、実のなる期間が長いので有りどうしとも。
梅雨の頃、ラッパ状の白い花を咲かせます。 -
イチゲキスミレ
山地の明るく、乾燥気味の草地に生える
スミレ科の多年草で、草丈は10〜15cm。
黄花の中輪で唇弁と側弁に
横一文字の紫条が何本か入っています。
絶滅危惧?類に指定されているそうです。 -
一華黄菫
自生地は、東海地方以西・四国・九州地方。
日本での黄色のスミレは、6種類が自生するそうですが、
この種を除いてどれも高山性だそうです。
このキスミレは、
高山に登らなくても見られる唯一のスミレ。
自生地では散在の傾向にあるとか・・。 -
イチゲキスミレの群生
春、野焼きや草刈りの後に発芽、
4月頃開花し、5月頃には実を結び種子を飛ばし、
地上部は枯れるそうです。
ススキや笹が草丈をのばし、
地面への光が激減する夏場は、
地下の根だけで生き、
休眠状態になる生活をしている多年草。
スプリングエフェメラル。
ソメイヨシノが咲く頃、
キスミレも満開に・・。 -
マキノスミレとキスミレ
陽も西に傾いた頃、やわらかな光を浴びて咲くスミレ。
イチゲキスミレの群生を背景に、
紅紫色のマキノスミレが、咲いていました。 -
一息峠下から見る豊橋市内
キスミレ自生地からは、別ルートで一息峠に降りてきました。 -
ショウジョウバカマ
思っていたのより数は少なかったですが、
何株か見ることができました。
こちらの株は赤色が強いようです。 -
葦毛湿原
湿原は昔より、狭くなったような・・。
湧水の淀みには、アズマヒキガエルの黒く小さな
オタマジャクシが、たくさん群れていました。 -
ハルリンドウ
湿地の木道を行ったり来たりして探しましたが、なかなか見つからず、あきらめて湿地を出ようとした木道の端に、数輪が咲いていてくれました。
よく見ると蕾が沢山出ていたので、これから満開を向えるようでした。 -
ヒメウズの花
キンポウゲ科の花。花は少し、しおれかけていました。
終盤のようです。
花弁の色は、白色に近い紅紫で長さは3mmほどの小さな花。
オダマキなどの仲間です。 -
駐車場の土手で咲くクサイチゴ
-
長尾池の夕陽
久しぶりに訪れた弓張山地と葦毛湿原でした。
湿地で咲く花は、僅かでしたが、散策路での春花は結構ありました。
これからは、沢山の花や昆虫が季節の進行に合わせて姿をみせてくれます。
また、いつかのチャンスには、是非訪れたい場所の一つです。
〜おわり〜
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
29