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愛知県と静岡県の県境に、標高300m前後の弓状に連なるの丘陵帯があります。この丘陵帯は南アルプス赤石山脈の最南端に位置し、弓張山地と呼ばれています。約30年振りに、弓張山地の一部とその山懐にある葦毛(いもう)湿原を歩いてきました。葦毛湿原は「東海のミニ尾瀬」とも呼ばれ、山野草の宝庫です。湿原は、愛知県の天然記念物に指定され、野花の開花シーズンには数多くの市民が訪れます。<br /><br />弓張山地の斜面で咲くイチゲキスミレ<br /><br />

小さな旅●豊橋・葦毛(いもう)湿原周辺散策 キスミレ・ハルリンドウ

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2012/04/12 - 2012/04/12

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シベック

シベックさん

愛知県と静岡県の県境に、標高300m前後の弓状に連なるの丘陵帯があります。この丘陵帯は南アルプス赤石山脈の最南端に位置し、弓張山地と呼ばれています。約30年振りに、弓張山地の一部とその山懐にある葦毛(いもう)湿原を歩いてきました。葦毛湿原は「東海のミニ尾瀬」とも呼ばれ、山野草の宝庫です。湿原は、愛知県の天然記念物に指定され、野花の開花シーズンには数多くの市民が訪れます。

弓張山地の斜面で咲くイチゲキスミレ

同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
自家用車

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  • 葦毛湿原への取り付け道路<br /><br />湿原は、標高70m前後の緩やかな傾斜地に広がる湧水湿地です。<br />面積は約3.2ha。<br />市街地近郊に広がる湿原は非常に珍しく、<br />貴重な植物が数多く生育していますす。

    葦毛湿原への取り付け道路

    湿原は、標高70m前後の緩やかな傾斜地に広がる湧水湿地です。
    面積は約3.2ha。
    市街地近郊に広がる湿原は非常に珍しく、
    貴重な植物が数多く生育していますす。

  • 取り付け道路の路傍で<br /><br />最初に目についた花・・。<br />白い花に、葉脈沿いに白い班があり、<br />葉裏がやや紫がかる<br />フモトスミレでした。<br /><br />路面に腹ばいで撮りましたが、<br />多少ピンボケに・・。

    取り付け道路の路傍で

    最初に目についた花・・。
    白い花に、葉脈沿いに白い班があり、
    葉裏がやや紫がかる
    フモトスミレでした。

    路面に腹ばいで撮りましたが、
    多少ピンボケに・・。

  • 次に目についた花は<br /><br />ムラサキケマンでした。<br />固まって群生し、<br />まばらに点在していました。

    次に目についた花は

    ムラサキケマンでした。
    固まって群生し、
    まばらに点在していました。

  • 葦毛湿原の前広場<br /><br />案内看板が3基立ち、<br />テーブルやベンチが設けられていました。<br /><br />看板の奥が葦毛湿原です。<br /><br />今日の目的は黄花のスミレなので、<br />湿地は後で廻ることとし、<br />看板を左折し、<br />弓張山地への散策路を尾根に向かいます。<br />

    葦毛湿原の前広場

    案内看板が3基立ち、
    テーブルやベンチが設けられていました。

    看板の奥が葦毛湿原です。

    今日の目的は黄花のスミレなので、
    湿地は後で廻ることとし、
    看板を左折し、
    弓張山地への散策路を尾根に向かいます。

  • 尾根への木道を<br /><br />歩いていると、<br />水の流れる湿地で、草丈の高いスミレが咲いていました。<br />葉はタチツボスミレのようですが、<br /><br />オオタチツボスミレかもしれません。

    尾根への木道を

    歩いていると、
    水の流れる湿地で、草丈の高いスミレが咲いていました。
    葉はタチツボスミレのようですが、

    オオタチツボスミレかもしれません。

  • ダルマのような昆虫<br /><br />山道は、昨夜の雨で川の様に水が流れていました。<br />岩だらけの、かなりの急こう配。<br /><br />流水の切れた場所で一服・・。<br />岩に腰をかけて休んでいると<br />数匹の昆虫が、ひなたぼっこをしているようでした。<br /><br />そっと近寄り観察すると、口の長いアブのようです。<br />花の前でホバーリングしながら<br />蜜を吸っている姿を時々見かけます。<br /><br />後日調べると、ビロードツリアブと判明。<br />このビロードツリアブの幼虫は、<br />ヒメハナバチ科の幼虫に寄生するそうです。<br /><br />休憩したおかげで、<br />ビロードツリアブの生態が少し見えてきました。<br /><br />山道の下から登山者の声が聞こえてきました。<br />その声に急き立てられ<br />山登りを再開しましたが、かなり足にきています。

    ダルマのような昆虫

    山道は、昨夜の雨で川の様に水が流れていました。
    岩だらけの、かなりの急こう配。

    流水の切れた場所で一服・・。
    岩に腰をかけて休んでいると
    数匹の昆虫が、ひなたぼっこをしているようでした。

    そっと近寄り観察すると、口の長いアブのようです。
    花の前でホバーリングしながら
    蜜を吸っている姿を時々見かけます。

    後日調べると、ビロードツリアブと判明。
    このビロードツリアブの幼虫は、
    ヒメハナバチ科の幼虫に寄生するそうです。

    休憩したおかげで、
    ビロードツリアブの生態が少し見えてきました。

    山道の下から登山者の声が聞こえてきました。
    その声に急き立てられ
    山登りを再開しましたが、かなり足にきています。

  • 一息峠<br /><br />勾配の緩くなった山道を少し登ると、<br />見透しのきかない尾根道に出ました。<br /><br />先ほど一息入れたばかりですが、<br />名前の通り、また、ベンチで一休み。<br /><br />後ろからやってこられた登山者は、<br />私より年配かと思える、元気なおばさん3人組。<br /><br />少々雑談・・。<br />なんでも、東海道線の新所原駅(静岡県湖西市)から<br />歩いて弓張山地を登り、葦毛湿原に下り、<br />今、復路の途中だとか・・。<br /><br />ヒエ〜!<br />驚くばかりの、おばさんパワーです。<br />お茶を飲んだだけで、すぐ歩いて<br />行かれました。<br />すごいの一言・・。<br /><br /><br />

    一息峠

    勾配の緩くなった山道を少し登ると、
    見透しのきかない尾根道に出ました。

    先ほど一息入れたばかりですが、
    名前の通り、また、ベンチで一休み。

    後ろからやってこられた登山者は、
    私より年配かと思える、元気なおばさん3人組。

    少々雑談・・。
    なんでも、東海道線の新所原駅(静岡県湖西市)から
    歩いて弓張山地を登り、葦毛湿原に下り、
    今、復路の途中だとか・・。

    ヒエ〜!
    驚くばかりの、おばさんパワーです。
    お茶を飲んだだけで、すぐ歩いて
    行かれました。
    すごいの一言・・。


  • 新緑の山道<br /><br />これから先は、緩い登りだそうです。<br />最後に急な階段と崖地があるとか・・。<br /><br />ここまで来たら、もう、行くしかありません。<br /><br />黄色のスミレ見たさ一心・・。<br />頑張ります。

    新緑の山道

    これから先は、緩い登りだそうです。
    最後に急な階段と崖地があるとか・・。

    ここまで来たら、もう、行くしかありません。

    黄色のスミレ見たさ一心・・。
    頑張ります。

  • ミツバツツジの咲く尾根道<br /><br />左側は、ゾクッとするほどの崖・・。<br /><br />急こう配の階段を登ったあたりで、<br />籠を背負ったおじいさんに出会いました。<br />休憩がてらに雑談・・。<br /><br />なんでも・・・この崖に、<br />太くて長い望遠レンズを落とした人がいたそうですが、<br />崖を下り、拾いに行かれたのでしょうか。<br />話の顛末は聞きそびれました。<br /><br />この細い山道で、シャージ姿の<br />高校生50名ほどの一団とすれ違いました。<br />みなさん元気な足取り、挨拶の声が爽やかでした。

    ミツバツツジの咲く尾根道

    左側は、ゾクッとするほどの崖・・。

    急こう配の階段を登ったあたりで、
    籠を背負ったおじいさんに出会いました。
    休憩がてらに雑談・・。

    なんでも・・・この崖に、
    太くて長い望遠レンズを落とした人がいたそうですが、
    崖を下り、拾いに行かれたのでしょうか。
    話の顛末は聞きそびれました。

    この細い山道で、シャージ姿の
    高校生50名ほどの一団とすれ違いました。
    みなさん元気な足取り、挨拶の声が爽やかでした。

  • 二川TV中継所<br /><br />標高306mの一つのピークまで、やっとたどりつきました。<br />湿地から約240mの標高差。<br /><br />運動不足の身にはこたえます。<br /><br />足元には、カタクリが群生していました。<br />こんな乾燥している<br />山の天辺にも生えるとは驚きです。<br /><br />そばには、ヤブツバキの群生も見られました。<br />

    二川TV中継所

    標高306mの一つのピークまで、やっとたどりつきました。
    湿地から約240mの標高差。

    運動不足の身にはこたえます。

    足元には、カタクリが群生していました。
    こんな乾燥している
    山の天辺にも生えるとは驚きです。

    そばには、ヤブツバキの群生も見られました。

  • ヤブツバキ

    ヤブツバキ

  • 二川TV中継所から<br /><br />四周が見渡せ、標高306mの山上に到着。<br />写真は、浜松市あたりの眺望です。<br />浜松駅前のアクトタワーが、うっすらと見えます。<br />アクトタワーは、地上45階、高さ212.77mの超高層ビル。<br />手前の水面は、浜名湖です。<br />

    二川TV中継所から

    四周が見渡せ、標高306mの山上に到着。
    写真は、浜松市あたりの眺望です。
    浜松駅前のアクトタワーが、うっすらと見えます。
    アクトタワーは、地上45階、高さ212.77mの超高層ビル。
    手前の水面は、浜名湖です。

  • 306mからの浜名湖<br /><br />遠方には、遠州灘が望めます。

    306mからの浜名湖

    遠方には、遠州灘が望めます。

  • 淡いブルーのスミレ<br /><br />多分、タチツボスミレかと思われます。

    淡いブルーのスミレ

    多分、タチツボスミレかと思われます。

  • 淡紅紫色のスミレ<br /><br />路傍に咲くタチツボスミレ。<br />この花と、<br />淡いブルーの花が点在していました。

    淡紅紫色のスミレ

    路傍に咲くタチツボスミレ。
    この花と、
    淡いブルーの花が点在していました。

  • ミツバツツジ<br /><br />山道のあちこちで咲いていた花。<br />葉に先立ち花を開きます。

    ミツバツツジ

    山道のあちこちで咲いていた花。
    葉に先立ち花を開きます。

  • ミヤマシキミ<br /><br />関東地方から九州の林下に生える<br />ミカン科の落葉小低木です。<br /><br />白い花のものをミヤマシキミ、<br />淡紅色ものをアケボノミヤマシキミというそうです。<br />秋には赤い実をつけます。<br />

    ミヤマシキミ

    関東地方から九州の林下に生える
    ミカン科の落葉小低木です。

    白い花のものをミヤマシキミ、
    淡紅色ものをアケボノミヤマシキミというそうです。
    秋には赤い実をつけます。

  • アリドウシの実<br /><br />和名は蟻通し。アカネ科の低木で、暗い林内に生えています。<br />鋭い棘を持ち、小さな葉の間に、<br />赤く小さな実が、1年以上もついています。<br />棘は蟻も突き通すので蟻通しと呼ぶとか、実のなる期間が長いので有りどうしとも。<br />梅雨の頃、ラッパ状の白い花を咲かせます。

    アリドウシの実

    和名は蟻通し。アカネ科の低木で、暗い林内に生えています。
    鋭い棘を持ち、小さな葉の間に、
    赤く小さな実が、1年以上もついています。
    棘は蟻も突き通すので蟻通しと呼ぶとか、実のなる期間が長いので有りどうしとも。
    梅雨の頃、ラッパ状の白い花を咲かせます。

  • イチゲキスミレ <br /><br />山地の明るく、乾燥気味の草地に生える<br />スミレ科の多年草で、草丈は10〜15cm。<br /><br />黄花の中輪で唇弁と側弁に<br />横一文字の紫条が何本か入っています。<br /><br />絶滅危惧?類に指定されているそうです。

    イチゲキスミレ

    山地の明るく、乾燥気味の草地に生える
    スミレ科の多年草で、草丈は10〜15cm。

    黄花の中輪で唇弁と側弁に
    横一文字の紫条が何本か入っています。

    絶滅危惧?類に指定されているそうです。

  • 一華黄菫<br /><br />自生地は、東海地方以西・四国・九州地方。<br />日本での黄色のスミレは、6種類が自生するそうですが、<br />この種を除いてどれも高山性だそうです。<br /><br />このキスミレは、<br />高山に登らなくても見られる唯一のスミレ。<br />自生地では散在の傾向にあるとか・・。<br />

    一華黄菫

    自生地は、東海地方以西・四国・九州地方。
    日本での黄色のスミレは、6種類が自生するそうですが、
    この種を除いてどれも高山性だそうです。

    このキスミレは、
    高山に登らなくても見られる唯一のスミレ。
    自生地では散在の傾向にあるとか・・。

  • イチゲキスミレの群生<br /><br />春、野焼きや草刈りの後に発芽、<br />4月頃開花し、5月頃には実を結び種子を飛ばし、<br />地上部は枯れるそうです。<br /><br />ススキや笹が草丈をのばし、<br />地面への光が激減する夏場は、<br />地下の根だけで生き、<br />休眠状態になる生活をしている多年草。<br />スプリングエフェメラル。<br /><br />ソメイヨシノが咲く頃、<br />キスミレも満開に・・。

    イチゲキスミレの群生

    春、野焼きや草刈りの後に発芽、
    4月頃開花し、5月頃には実を結び種子を飛ばし、
    地上部は枯れるそうです。

    ススキや笹が草丈をのばし、
    地面への光が激減する夏場は、
    地下の根だけで生き、
    休眠状態になる生活をしている多年草。
    スプリングエフェメラル。

    ソメイヨシノが咲く頃、
    キスミレも満開に・・。

  • マキノスミレとキスミレ<br /><br />陽も西に傾いた頃、やわらかな光を浴びて咲くスミレ。<br />イチゲキスミレの群生を背景に、<br />紅紫色のマキノスミレが、咲いていました。

    マキノスミレとキスミレ

    陽も西に傾いた頃、やわらかな光を浴びて咲くスミレ。
    イチゲキスミレの群生を背景に、
    紅紫色のマキノスミレが、咲いていました。

  • 一息峠下から見る豊橋市内<br /><br />キスミレ自生地からは、別ルートで一息峠に降りてきました。<br /><br />

    一息峠下から見る豊橋市内

    キスミレ自生地からは、別ルートで一息峠に降りてきました。

  • ショウジョウバカマ<br /><br />思っていたのより数は少なかったですが、<br />何株か見ることができました。<br /><br />こちらの株は赤色が強いようです。

    ショウジョウバカマ

    思っていたのより数は少なかったですが、
    何株か見ることができました。

    こちらの株は赤色が強いようです。

  • 葦毛湿原<br /><br />湿原は昔より、狭くなったような・・。<br /><br />湧水の淀みには、アズマヒキガエルの黒く小さな<br />オタマジャクシが、たくさん群れていました。<br />

    葦毛湿原

    湿原は昔より、狭くなったような・・。

    湧水の淀みには、アズマヒキガエルの黒く小さな
    オタマジャクシが、たくさん群れていました。

  • ハルリンドウ<br /><br />湿地の木道を行ったり来たりして探しましたが、なかなか見つからず、あきらめて湿地を出ようとした木道の端に、数輪が咲いていてくれました。<br /><br />よく見ると蕾が沢山出ていたので、これから満開を向えるようでした。

    ハルリンドウ

    湿地の木道を行ったり来たりして探しましたが、なかなか見つからず、あきらめて湿地を出ようとした木道の端に、数輪が咲いていてくれました。

    よく見ると蕾が沢山出ていたので、これから満開を向えるようでした。

  • ヒメウズの花<br /><br />キンポウゲ科の花。花は少し、しおれかけていました。<br />終盤のようです。<br />花弁の色は、白色に近い紅紫で長さは3mmほどの小さな花。<br />オダマキなどの仲間です。

    ヒメウズの花

    キンポウゲ科の花。花は少し、しおれかけていました。
    終盤のようです。
    花弁の色は、白色に近い紅紫で長さは3mmほどの小さな花。
    オダマキなどの仲間です。

  • 駐車場の土手で咲くクサイチゴ

    駐車場の土手で咲くクサイチゴ

  • 長尾池の夕陽<br /><br />久しぶりに訪れた弓張山地と葦毛湿原でした。<br />湿地で咲く花は、僅かでしたが、散策路での春花は結構ありました。<br />これからは、沢山の花や昆虫が季節の進行に合わせて姿をみせてくれます。<br />また、いつかのチャンスには、是非訪れたい場所の一つです。<br /><br />〜おわり〜<br />

    長尾池の夕陽

    久しぶりに訪れた弓張山地と葦毛湿原でした。
    湿地で咲く花は、僅かでしたが、散策路での春花は結構ありました。
    これからは、沢山の花や昆虫が季節の進行に合わせて姿をみせてくれます。
    また、いつかのチャンスには、是非訪れたい場所の一つです。

    〜おわり〜

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