ハノイ　サービスアパートメント考

2012/04/03 - 2012/04/15

ハノイに住む。　仕事で異動を命ぜられ、ハノイに仕事で移り住む。
一般的に、「先進国」やアジアの中でも発展を先に遂げた国や地域に行くのとは異なり、ベトナムは、なかなかハードルが高い国として考えられるのではないだろうか。　特にホーチミン（サイゴン）＝南ベトナムと異なり、中部や、北部はかなり日本、特に首都圏や主要都市とは様相が異なる。　企業駐在員として、日本本社より派遣される人々の場合、ある程度の待遇が期待される。　企業によっては、ハードシップ手当、として国や地域により、地球規模でランク付けが行われ、その中でも「ハノイ」は低いジャンルにくくられる筈である。　各企業、それぞれ位置づけは様々なのだが、総じて「住みやすい場所」とはされていないのが実態だ。

ここでは、日本の企業プロパー（本社採用者）として、人事異動によりハノイに派遣された人々に付、どの様な場所に通常住むのかをざっと語っておきたい。

勿論、その中でも様々な考え方や常識感、企業内尺度が異なる。　体力（企業の規模）によっても、全く多種多様な見識の違いが見て取れる。　総じて、金融、総合商社、有名メーカーさん等は、待遇が良い様だ。　有力企業の一次メーカー、二次メーカー等、ある程度の「序列」によっても実際には処遇の優劣が異なるだろう。

そうした中で、今回、特に「帯同」（家族帯同）をするケースで考えてみたい。

エリア ハノイ(ベトナム)

• 旅行の満足度: 4.5
• ショッピング: 3.0
• 交通: 3.5

• 同行者: その他
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: タクシー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

ハノイ駐在員生活も５年５ヶ月を数え、本帰国も間近となった。　後任者が初回来越をした際に、「家族帯同」を前提に様々な生活環境、治安、交通や物価等、レクチャーを行なった際の画像を中心にお話をしたい。　いわゆる、初めてのハノイ、住居編である。　前提条件は、ご家族帯同。　お子さんは小学生程度、１，２名。
働くお父さんとして最も心配になるのは、教育、治安、と言う家族の安全確保度であろう。　矢張り日本と違い、色々なご苦労が家族側にも有り、それを如何に軽減してあげた上で、仕事に向かう事が出来るか、が重要なポイントとなる。

歴史が長く、海外常駐も歴代当然の事として進んできた企業なら、何の心配も要らないだろう。　むしろ当然に、前任者や現地総務担当者がすすめる場所の中から選び、「外野」が色々な首を突っ込まないだろうから。　さて、歴史の有る、海外常駐も普通の企業で体力も有る様な会社は、どんな場所を選ぶのか？　当然なあら、しっかりとセキュアされた場所、安全第一、であろう。　故に、数は限られた、外国人向けのアパート形式の場所が妥当だ、と言う事になる。　海外を渡り歩いて来られた方ならいざ知らず、初めての海外で帯同、となると、家族、ご本人共に負担感は大きい。　それらを軽減して、仕事に向かえる環境がのぞまれる訳だ。

そう言った意味では、ハノイには、幾つかの物件が有る。　フレイザー、セドナ、ココ、ゴールデン・ウェストレイク、シプチュア、サマセットグループ３ヶ所、アトランタ、ザ・メノー等である。　勿論、その他にも幾多と　「単身者・独身者」なら選択肢は有ろう。　だが、家族帯同で就学期（幼稚園・保育園を含み、小学校中学迄）のお子さんが居たら、守られた環境が絶対に必要であるし、日本から企業派遣で来る者の権利として、本社は福利厚生の一環としてそれらの環境を雇員に与える義務も有ろうと考える。　さて、お子さんが居ると、どうしてもある程度の「閉ざされた空間」となってしまうにしても、安全性第一、が初心者海外常駐としては望ましい。　その時点で、上記物件から更に選択肢は狭まる事となろう。

仮に、海外経験が浅く、主要メーカーの紐付け（子・孫・ひ孫）メーカーとして出ざるを得ずに来ている方々の場合、ご苦労も多い様だ。　子育ても終わり、老夫婦二人という事なら、まだハードルを多少低くして、ローカルアパート（マンション）に現地の方９割、等で住む事も許される（？）だろうが、大抵の場合、「帯同もするな」が結構常識だったりして、ご苦労が絶えない様だ。　更には、福利厚生としての帰国頻度も低かったりすると、数年間は家族関係断絶に近い状態だったりして、それはご苦労を通り超えている無理を感じざるを得ない。

何をズルズルと書き連ねているか、と言うと、本当に企業のナリによって、そのレジは全く異なるのが、海外社宅だからだ。　売上、利益と言った企業活動とは一線を画して、雇員の労働環境平等性、福利厚生、と言う視座で外地に送り込んだ本社雇員が如何に高いモチベーションで仕事をやってくれるか、を考える時、その企業の総務人事がどの程度の理解度を外地常駐に置くか、で全く状況が異なってくるからである。　公平性を保つ為に、国内同様の５−６０平米で家族３−４名で住め、と仮に担当者の「常識」がそこに有るとしたら、１２５平米の２ＬＤＫは非常な贅沢、となり、何を考えている、と言う話になる。　だが、実際に家族帯同でセキュアされた場所、と検索して行くと、本当に住む場所は限られてしまう。

ここにあげた幾つかの画像は、それら外国人が主体のマンション、となる。　西湖周辺を中心として、ハノイ市内中心部から少し隔離された場所になり、市内旧市街地から見れば北部にあたる。　日本で言えば、公団住宅風か、マンション風。　しっかりとした作りで、タイ、シンガポール、日本等が設計・施工監督をして作ったものが中心。　また、管理システムもしっかりしている場所が多い。　公共スペースのクリーンリネス（清潔性）や、セキュリティ度の高さにより、家族が日中、安心して過ごせる前提が無ければ、前線に立って戦う力が若干でも薄まるとしたら、矢張り本社総務は福利厚生を国内水準よりも高く保たなくてはならない、と言う事になろう。

西湖湖畔には、幾つかの外国人専用、または外国人が大多数を占めるマンションやホテル形式サービスの付いたアパート等が有ります。　ジム、プール、リネン交換サービスやコンシェルジェ付、と言ったものも有れば、高級マンションである事から、結果的に外国人主体で構成されているものも有ります。

こちらは、ホテル形式に近いスタイルのサービスアパートメント。　但し、入口はかなり開放的な為、セキュアの点でそれほど厳しくは無いかな。　前の画像もそうだが、プールとジムを囲む様に建物がコの字型になっている。

こちらは、デウホテル隣接のデウ・サービスアパートメントから見えるロッテ開発区、韓国はこうした目立ちやすい、見える投資、が得意です。　そして、宣伝の仕方も費用対効果をしっかりと期待してやります。　演出が上手になった、と言うか、見せ方次第で本当に「すごく」も見えたり、目立たなかったりするんですが、韓国式はこの10年かそれ以上、本当に色々な形で成功している、と感じる。

こちらは、ちょっとタイプが違う大型分譲住宅。　不動産屋さんを紹介して貰い、個々のオーナーとの交渉となる。　戸建　二階建てから、マンション迄、様々なタイプが有り、市内へのアクセスも良い、が現地の方も多く住んでおり、混在型。　サービスも特段ついておらず、単なる高級マンション。　初心者にはちょっとハードルが高いかも？？　

まあ、個別の固有名詞はあまり書かない事とした。　西湖周辺にそうした外国人向け物件が多い事と、付帯サービスもまちまちである、と言う程度のご紹介で終える。　と言うのは、契約内容によって、様々なオプションが有ったりするからだ。　そして、所属企業、団体によっては、最初っからそんな期待が出来ない、予算のキャップが低い設定である、と言うケースも有ろう。
日本程、日本本社所属派遣駐在員と、現地採用によって給与、待遇差が有る国も珍しいのではないか、とも思うが、現行の日本での就職制度、と言うか雇用形態に起因している為、それをここでとやかく論じるつもりも、無い。　但し、セキュアされた場所に家族が居なければ、なかなか戦いに出れない事は、容易に想像がつくだろう。