藤田邸跡の庭園は現在は大阪市立藤田邸跡公園となっている。この庭園は戦後放置され森となっていたのをＪＲ東西線建設工事時に木が伐採され、東西線開業後に大阪市によって公園として整備されたもの。藤田邸跡公園は夕方以降は閉門され、夜間は入園することが出来ない。美術館は1年の半分は休館しているが、藤田邸跡公園は通年入場することができる。<br />藤田家本邸は１９１２年に当地にあった大長寺の敷地を買収して建てられた。美術館正門（現在の藤田邸跡公園のゲート）は大長寺の山門。大長寺は北に３００mほどの場所に移転した。大長寺は近松門左衛門の『心中天網島』で小春・治兵衛が心中した場所で小春・治兵衛を供養する比翼塚も同時に移転した。したがって本来の小春・治兵衛が心中した場所『心中天網島』の舞台は現在の藤田美術館、藤田邸跡公園の場所だ。<br />藤田邸跡公園は藤田伝三郎男爵の邸宅跡に遺されていた庭園遺溝を修復し、毛馬桜之宮公園の一部として再生されている。広大な敷地に現在の市長公館や藤田美術館、太閤園にあたる部分等に豪邸を構えていた。その本邸跡に築山や石積みなどの当時を忍ばせる庭園の一部が残っていた。<br />　藤田伝三郎は、明治初期より関西実業界の中心人物として活躍し、大阪経済の基礎を築いた人物で、造園趣味家でもあり武者小路千家の茶道を修め、邸内に茶室や花畑を設けて自ら花を生けるという、当代を代表する文化人でもあったといわれている。大阪の庭師、梅園梅叟（ばいそう）が作庭した庭園は、平坦な地形に起伏に富んだ地形を人工的に作り出し、築山、滝、流れ等で構成されていた。本邸跡は長年放置され植物に覆われていたが、豪快な石組みなどが遺されていた。これらを現在の造園技術によって復元している。<br />　（写真は藤田邸跡公園）<br /><br />

日本の旅　関西を歩く　大阪, 大阪市、藤田邸跡公園周辺

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2012/02/27 - 2012/02/27

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#歴史・芸術

さすらいおじさんさん

藤田邸跡の庭園は現在は大阪市立藤田邸跡公園となっている。この庭園は戦後放置され森となっていたのをＪＲ東西線建設工事時に木が伐採され、東西線開業後に大阪市によって公園として整備されたもの。藤田邸跡公園は夕方以降は閉門され、夜間は入園することが出来ない。美術館は1年の半分は休館しているが、藤田邸跡公園は通年入場することができる。
藤田家本邸は１９１２年に当地にあった大長寺の敷地を買収して建てられた。美術館正門（現在の藤田邸跡公園のゲート）は大長寺の山門。大長寺は北に３００mほどの場所に移転した。大長寺は近松門左衛門の『心中天網島』で小春・治兵衛が心中した場所で小春・治兵衛を供養する比翼塚も同時に移転した。したがって本来の小春・治兵衛が心中した場所『心中天網島』の舞台は現在の藤田美術館、藤田邸跡公園の場所だ。
藤田邸跡公園は藤田伝三郎男爵の邸宅跡に遺されていた庭園遺溝を修復し、毛馬桜之宮公園の一部として再生されている。広大な敷地に現在の市長公館や藤田美術館、太閤園にあたる部分等に豪邸を構えていた。その本邸跡に築山や石積みなどの当時を忍ばせる庭園の一部が残っていた。
　藤田伝三郎は、明治初期より関西実業界の中心人物として活躍し、大阪経済の基礎を築いた人物で、造園趣味家でもあり武者小路千家の茶道を修め、邸内に茶室や花畑を設けて自ら花を生けるという、当代を代表する文化人でもあったといわれている。大阪の庭師、梅園梅叟（ばいそう）が作庭した庭園は、平坦な地形に起伏に富んだ地形を人工的に作り出し、築山、滝、流れ等で構成されていた。本邸跡は長年放置され植物に覆われていたが、豪快な石組みなどが遺されていた。これらを現在の造園技術によって復元している。
　（写真は藤田邸跡公園）

エリア

大阪城・京橋(大阪)

交通手段: 自家用車徒歩

美術館正門（現在の藤田邸跡公園のゲート）。大長寺の山門だった。大長寺は北に３００mほどの場所に移転した。大長寺は近松門左衛門の『心中天網島』で小春・治兵衛が心中した場所で小春・治兵衛を供養する比翼塚も同時に移転した。したがって本来の小春・治兵衛が心中した場所『心中天網島』の舞台は現在の藤田美術館、藤田邸跡公園の場所だ。
大阪市立藤田邸跡公園に面す大阪市公館。
藤田邸跡公園の光景。
大阪市立藤田邸跡公園に面す大阪市公館。
藤田邸跡公園の光景。
藤田邸跡公園の光景。
藤田邸跡公園の光景。
藤田邸跡公園の光景。
藤田邸跡公園の梅の花。
藤田邸跡公園の光景。