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フランクフルトからバンガロールに到着した週末、デリーを訪れた。デリーは3回目であるが、唯一訪れていなかった世界遺産のラール・キラーを訪れるのが目的である。もちろん世界遺産だけが素晴らしいと思っているわけではないが、ユネスコが文化的価値を認めていると言う意味で、一定の尺度としてもいいと思う。ラール・キラーについては別の旅行記を書いたので、この日に訪れたジャーマー・マスジット・モスクと、デリーのへそと言われるコンノート・プレイスについてご紹介する。<br /><br />まずアクセスであるが、インディラ・ガンディー国際空港からエアポート・エクスプレスでニュー・デリー駅まで約20分、そこから市内地下鉄線の2号線で北へ2つ目のチャンドニー・チョウク駅が最寄駅である。このエアポート・エクスプレスは当初の予定では、一昨年夏に開通予定だったが遅れに遅れ、ようやく昨年2月に開通した。インドにあってインドでない、素晴らしく清潔で管理された鉄道であり特筆に値する。料金は80ルピーとインドではかなり高いが、他国の大都市と比較すれば安いと言える。<br /><br />市内の地下鉄線は3路線が運行されている。エアポートエクスプレスは料金も別体系で、ニューデリー駅で市内線に乗り換えるとインドの現実に近づく。電車そのものは比較的きれいではあるが、混雑はひどく、乗り込み方の無秩序さはインド特有である。そして地下鉄駅を出て、少し町を歩くと無秩序と喧騒、ゴミだらけの町とそれを貪る野良牛、インドの現実と直面する。ジャーマー・マスジットまでは駅から徒歩10分ほど、リキシャに乗るまでもない。<br /><br />ジャーマー・マスジットとは「世界を見渡す(ことができるほど大きな)モスク」という意味でインドでは最大、中庭では25,000人が礼拝できる。タージ・マハールを建造したムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンによって建設され、1656年に竣工した。シャー・ジャハーンの居城であるラール・キラーは1648年に完成しており、徒歩圏内にあるため、ラール・キラーの一部、とも言える。なお、この巨大なモスクの建設には5000人の労働力と6年以上の歳月を要したという。<br /><br />シャー・ジャハーンはこの他にもデリー各所やアーグラ、アジメール、ラホールに主要なモスクを建立している。ラール・キラーの内部に建設されたモーティー・マハール・モスクは、信心深いシャー・ジャハーンがジャマー・マスジットに出かける手間を省くために建設されたとも言われる。モスクはメッカのある西側に向けて作られている。それ以外の三方を開放式の柱廊が取り囲んでおり、各辺の中央部分にはそびえ立つような形の入場門が設置されている。屋根部分には白と黒の大理石で覆われた3つのドームを持ち、さらにドームの各頂上部分には黄金が用いられている。その両翼部分には高さ41メートルのミナレットが2棟あり、内部には130段の階段がある。ミナレットの外壁は白大理石と赤砂岩で縦縞状に彩られている。<br /><br />2006年にジャーマー・マスジッド内部で2カ所連続爆破事件が起きたことは記憶に新しい。少なくともこの爆破事件で13人が負傷した。ヒンドゥー教が多数を占めるインドであるが、イスラム教はそれに次ぎ巨大な人口を持つ。大戦後、イスラム教国のパキスタンが分離し、戦争状態が今でも継続しており、かつては最も核戦争が起こる可能性が高いと言われた。もともとヒンドゥー教徒のインド人には、ムガール帝国は北部から来たよそ者が築いた帝国、という意識が強く、あのタージ・マハールでさえ積極的に訪れるというインド人は多くはない。<br /><br />ジャーマー・マスジットから南に下り、ニューデリー駅の南にあるコンノート・プレイスは、インドのデリーにある経済、商業、ビジネス、ショッピングの中心的なエリア。このエリアには、インドの企業の本社も多くある。名称はコノート公爵にちなむ。1929年に建設が開始され、1933年に完成した。今日のデリーで最も活気のある商業地区で、交通の要衝でもあり、デリーメトロの中心駅があり市内各方面へのバスが発着する。中心は公園になっており、市民の憩いの場である。デリー門がシャンゼリゼを意識して計画されたのと同じように、コンノート・プレイスはパリの街並みを意識して都市計画されたことは明らかである。しかし土地所有権の問題、乱雑で行き当たりばったりの開発、渋滞などの問題が生じており、中途半端である、との印象を拭い去ることはできない。<br /><br />コンノート・プレイスを南に500mほど歩くと、ジャンタル・マンタルという不思議なモニュメントがある。18世紀に建てられた天体観測のための遺跡で、およそ20の修復された装置のセットが含まれている。天体の位置を肉眼で観察するためにデザインされている。天文学マニアであったジャイプル王ジャイスィン2世により1724年に建造された。ジャイプールにも同様のジャンタル・マンタルがあり、こちらは世界遺産に登録されている。ムガル朝末期の王宮の学者王子の天文技術と宇宙観を示しているそうである。街並みにマッチしないところがインド的である、と言えるかもしれない。

デリー滞在記No.2:ジャーマー・マスジット・モスクとコンノート・プレイスの周辺(改訂版)

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2012/02/05 - 2012/02/06

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ハンク

ハンクさん

フランクフルトからバンガロールに到着した週末、デリーを訪れた。デリーは3回目であるが、唯一訪れていなかった世界遺産のラール・キラーを訪れるのが目的である。もちろん世界遺産だけが素晴らしいと思っているわけではないが、ユネスコが文化的価値を認めていると言う意味で、一定の尺度としてもいいと思う。ラール・キラーについては別の旅行記を書いたので、この日に訪れたジャーマー・マスジット・モスクと、デリーのへそと言われるコンノート・プレイスについてご紹介する。

まずアクセスであるが、インディラ・ガンディー国際空港からエアポート・エクスプレスでニュー・デリー駅まで約20分、そこから市内地下鉄線の2号線で北へ2つ目のチャンドニー・チョウク駅が最寄駅である。このエアポート・エクスプレスは当初の予定では、一昨年夏に開通予定だったが遅れに遅れ、ようやく昨年2月に開通した。インドにあってインドでない、素晴らしく清潔で管理された鉄道であり特筆に値する。料金は80ルピーとインドではかなり高いが、他国の大都市と比較すれば安いと言える。

市内の地下鉄線は3路線が運行されている。エアポートエクスプレスは料金も別体系で、ニューデリー駅で市内線に乗り換えるとインドの現実に近づく。電車そのものは比較的きれいではあるが、混雑はひどく、乗り込み方の無秩序さはインド特有である。そして地下鉄駅を出て、少し町を歩くと無秩序と喧騒、ゴミだらけの町とそれを貪る野良牛、インドの現実と直面する。ジャーマー・マスジットまでは駅から徒歩10分ほど、リキシャに乗るまでもない。

ジャーマー・マスジットとは「世界を見渡す(ことができるほど大きな)モスク」という意味でインドでは最大、中庭では25,000人が礼拝できる。タージ・マハールを建造したムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンによって建設され、1656年に竣工した。シャー・ジャハーンの居城であるラール・キラーは1648年に完成しており、徒歩圏内にあるため、ラール・キラーの一部、とも言える。なお、この巨大なモスクの建設には5000人の労働力と6年以上の歳月を要したという。

シャー・ジャハーンはこの他にもデリー各所やアーグラ、アジメール、ラホールに主要なモスクを建立している。ラール・キラーの内部に建設されたモーティー・マハール・モスクは、信心深いシャー・ジャハーンがジャマー・マスジットに出かける手間を省くために建設されたとも言われる。モスクはメッカのある西側に向けて作られている。それ以外の三方を開放式の柱廊が取り囲んでおり、各辺の中央部分にはそびえ立つような形の入場門が設置されている。屋根部分には白と黒の大理石で覆われた3つのドームを持ち、さらにドームの各頂上部分には黄金が用いられている。その両翼部分には高さ41メートルのミナレットが2棟あり、内部には130段の階段がある。ミナレットの外壁は白大理石と赤砂岩で縦縞状に彩られている。

2006年にジャーマー・マスジッド内部で2カ所連続爆破事件が起きたことは記憶に新しい。少なくともこの爆破事件で13人が負傷した。ヒンドゥー教が多数を占めるインドであるが、イスラム教はそれに次ぎ巨大な人口を持つ。大戦後、イスラム教国のパキスタンが分離し、戦争状態が今でも継続しており、かつては最も核戦争が起こる可能性が高いと言われた。もともとヒンドゥー教徒のインド人には、ムガール帝国は北部から来たよそ者が築いた帝国、という意識が強く、あのタージ・マハールでさえ積極的に訪れるというインド人は多くはない。

ジャーマー・マスジットから南に下り、ニューデリー駅の南にあるコンノート・プレイスは、インドのデリーにある経済、商業、ビジネス、ショッピングの中心的なエリア。このエリアには、インドの企業の本社も多くある。名称はコノート公爵にちなむ。1929年に建設が開始され、1933年に完成した。今日のデリーで最も活気のある商業地区で、交通の要衝でもあり、デリーメトロの中心駅があり市内各方面へのバスが発着する。中心は公園になっており、市民の憩いの場である。デリー門がシャンゼリゼを意識して計画されたのと同じように、コンノート・プレイスはパリの街並みを意識して都市計画されたことは明らかである。しかし土地所有権の問題、乱雑で行き当たりばったりの開発、渋滞などの問題が生じており、中途半端である、との印象を拭い去ることはできない。

コンノート・プレイスを南に500mほど歩くと、ジャンタル・マンタルという不思議なモニュメントがある。18世紀に建てられた天体観測のための遺跡で、およそ20の修復された装置のセットが含まれている。天体の位置を肉眼で観察するためにデザインされている。天文学マニアであったジャイプル王ジャイスィン2世により1724年に建造された。ジャイプールにも同様のジャンタル・マンタルがあり、こちらは世界遺産に登録されている。ムガル朝末期の王宮の学者王子の天文技術と宇宙観を示しているそうである。街並みにマッチしないところがインド的である、と言えるかもしれない。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
交通
4.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
3万円 - 5万円
交通手段
タクシー 徒歩 飛行機
航空会社
ジェットエアウェイズ (運航停止)
旅行の手配内容
個別手配
  • エアポート・エクスプレスの車内、清潔で管理されている

    エアポート・エクスプレスの車内、清潔で管理されている

  • 各駅はガラスで保護されており、電車の写真を撮ることは難しい

    各駅はガラスで保護されており、電車の写真を撮ることは難しい

  • エアポート・エクスプレスのニューデリー駅の内部

    エアポート・エクスプレスのニューデリー駅の内部

  • 地下鉄2号線の電車、比較的きれいではあるが、混雑はひどい

    地下鉄2号線の電車、比較的きれいではあるが、混雑はひどい

  • チャンドニー・チョウク駅からジャーマー・マスジットに向かう街路、インドの現実に直面する光景

    チャンドニー・チョウク駅からジャーマー・マスジットに向かう街路、インドの現実に直面する光景

  • もう一枚同上の写真を掲載しておく

    もう一枚同上の写真を掲載しておく

  • ジャーマー・マスジットの巨大なドームが見える

    ジャーマー・マスジットの巨大なドームが見える

  • ジャーマー・マスジットのファサード、均整のとれた建築である

    ジャーマー・マスジットのファサード、均整のとれた建築である

  • ジャーマー・マスジットからラール・キラーを遠望する

    ジャーマー・マスジットからラール・キラーを遠望する

  • ジャーマー・マスジットの礼拝場

    ジャーマー・マスジットの礼拝場

  • ジャーマー・マスジットの礼拝場のアーチ

    ジャーマー・マスジットの礼拝場のアーチ

  • ジャーマー・マスジットの礼拝場のシャンデリア

    ジャーマー・マスジットの礼拝場のシャンデリア

  • ジャーマー・マスジットの回廊

    ジャーマー・マスジットの回廊

  • ジャーマー・マスジット前の広場、25,000人が礼拝できる広さ

    ジャーマー・マスジット前の広場、25,000人が礼拝できる広さ

  • 人懐っこい子供達から写真をせがまれる

    人懐っこい子供達から写真をせがまれる

  • 女性はこのような肌を隠す服をまとう

    女性はこのような肌を隠す服をまとう

  • ラール・キラーの近くのジャイナ教の寺院

    ラール・キラーの近くのジャイナ教の寺院

  • ラール・キラーの近くのジャイナ教の寺院

    ラール・キラーの近くのジャイナ教の寺院

  • コンノート・プレイスの中心にある公園

    コンノート・プレイスの中心にある公園

  • コンノート・プレイスの環状道路にある建築

    コンノート・プレイスの環状道路にある建築

  • コンノート・プレイスの環状道路にある建築

    コンノート・プレイスの環状道路にある建築

  • コンノート・プレイスの環状道路にある建築

    コンノート・プレイスの環状道路にある建築

  • ジャンタル・マンタルの不思議なモニュメント

    ジャンタル・マンタルの不思議なモニュメント

  • ジャンタル・マンタルの不思議なモニュメント

    ジャンタル・マンタルの不思議なモニュメント

  • ジャンタル・マンタルの不思議なモニュメント

    ジャンタル・マンタルの不思議なモニュメント

  • ジャンタル・マンタルの不思議なモニュメント

    ジャンタル・マンタルの不思議なモニュメント

  • ジャンタル・マンタルの不思議なモニュメント

    ジャンタル・マンタルの不思議なモニュメント

  • コンノート・プレイスの地下にある地下鉄駅

    コンノート・プレイスの地下にある地下鉄駅

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