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メッセルを発って次なる目的地はロルシュのアルテ・ミュンスター修道院跡である。メッセル駅からダルムシュタットまでRB(レギオナル・バーン)で約5分、ここからはハイデルベルク行きの幹線でベンスハイムまで約30分、ここからロルシュまでは再びローカル線のRBディーゼルカーで5分乗るとロルシュに着く。チケットはあらかじめ空港のDB(ドイツ国鉄)チケットオフィスでハイデルベルクまで8回の乗換え切符を購入しておいた。チケットの料金は28ユーロだった。<br /><br />今回あらためて快適でゆったりした車両、時間の正確さ、乗り換えの適切な接続時間設定など、ドイツの緻密な鉄道ネットワークに感心させられた。しかも駅でチケットを購入する際には、目的地の滞在時間を考慮し、また複数ある経由の中から最短で到着する列車など様々なルートをコンピューターではじき出してくれる。行列の次の人を待たせるのは恐縮であるが、窓口の係員はいやな顔することなく、色んな要望に合わせてルートを調べてくれる。日本のJRも新幹線を除けばここまで緻密なサービスはしてくれないと思う。<br /><br />世界3大ガッカリはブリュッセルの小便小僧、コペンハーゲンの人魚像、シンガポールのマーライオンである、と言うのが定説であるが、ここロルシュ修道院跡は間違いなくドイツ世界遺産の3大ガッカリに入ることだろう。何しろ三十年戦争と、フランスとの抗争の間に、主要な建物はほとんど破壊されており、「王の門」と呼ばれる楼門と修道院の一部が残るのみである。なお悪いことに当分の間改修中で、美しいと言われる楼門の本体はほとんど囲われて見えなかった。もともとドイツの世界遺産には、名の知られたノイシュヴァインシュタイン城もハイデルベルク城も、ロマンティック街道の中世都市も含まれていない。またドレスデンのエルベ渓谷が、新設された橋梁により美しい景観が失われたとして世界遺産から抹消されたなど、話題に事欠かないところである。<br /><br />ロルシュ修道院の歴史には、「ヨーロッパの父」と呼ばれ、ドイツ嫌いのフランスでさえシャルルマーニュ、イギリスでもチャールズ・ザ・グレートと呼ばれ敬愛されているカール大帝が関わっている。現代におけるEU統合地域はカール大帝の支配した地域とほぼ一致するため、EUは「カールの帝国の再現」とも言われている。以下はこの修道院の横にある博物館で入手したパンフレットからの引用である(何と日本語のパンフレットがおいてある!)。<br /><br />「ランゴバルド王国の征服(774)によりカール大帝はイタリア半島を統治し、また800年に神聖ローマ帝国皇帝となった。これによりキリスト教徒の庇護者としてビザンツ帝国皇帝と同等の権利を受け、西ローマ帝国の遺産を受け継ぐ権利を得た。カール大帝はこれを政治的および精神的任務と理解し、カロリング朝時代の建築物に反映させた。<br />(中略)<br />カール大帝はしばしば国内統治のためプファルツ(居城)、修道院、シュティフト教会に滞在したため、建築様式の指令が守られ、フランク王国内に統一した建築様式が確立した。現在まで残っているカロリング朝時代の建築遺構は僅かだが、アーヘンの大聖堂と並んで有名なのがここロルシュ修道院跡である。<br />(中略)<br />宗教改革時代には修道院は荒廃し、現在では入り口の「王の門」ロマネスク教会の一部、修道院の一部、マインツ大司教の管理下にあった時代の建物が残っているに過ぎない。しかしこの修道院はドイツにおけるロマネスク建築以前の最も重要な遺跡の一つである。」(先ほど口を滑らせた「3大ガッカリ」は撤回したほうがよさそうである)<br /><br />ロルシュ修道院の横には、修道院博物館、民俗学博物館、タバコ博物館を合体させた建物が建っており、興味深い展示がされているので、写真を参照いただけると幸いである。なおロルシュの滞在時間は約2時間、日が沈む前にシュパイヤー大聖堂を訪れておきたいため先を急ぐことにする。

ドイツの世界遺産No.10:ドイツの3大ガッカリ?ロルシュのアルテミュンスター修道院跡(改訂版)

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2012/01/28 - 2012/01/29

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ハンク

ハンクさん

メッセルを発って次なる目的地はロルシュのアルテ・ミュンスター修道院跡である。メッセル駅からダルムシュタットまでRB(レギオナル・バーン)で約5分、ここからはハイデルベルク行きの幹線でベンスハイムまで約30分、ここからロルシュまでは再びローカル線のRBディーゼルカーで5分乗るとロルシュに着く。チケットはあらかじめ空港のDB(ドイツ国鉄)チケットオフィスでハイデルベルクまで8回の乗換え切符を購入しておいた。チケットの料金は28ユーロだった。

今回あらためて快適でゆったりした車両、時間の正確さ、乗り換えの適切な接続時間設定など、ドイツの緻密な鉄道ネットワークに感心させられた。しかも駅でチケットを購入する際には、目的地の滞在時間を考慮し、また複数ある経由の中から最短で到着する列車など様々なルートをコンピューターではじき出してくれる。行列の次の人を待たせるのは恐縮であるが、窓口の係員はいやな顔することなく、色んな要望に合わせてルートを調べてくれる。日本のJRも新幹線を除けばここまで緻密なサービスはしてくれないと思う。

世界3大ガッカリはブリュッセルの小便小僧、コペンハーゲンの人魚像、シンガポールのマーライオンである、と言うのが定説であるが、ここロルシュ修道院跡は間違いなくドイツ世界遺産の3大ガッカリに入ることだろう。何しろ三十年戦争と、フランスとの抗争の間に、主要な建物はほとんど破壊されており、「王の門」と呼ばれる楼門と修道院の一部が残るのみである。なお悪いことに当分の間改修中で、美しいと言われる楼門の本体はほとんど囲われて見えなかった。もともとドイツの世界遺産には、名の知られたノイシュヴァインシュタイン城もハイデルベルク城も、ロマンティック街道の中世都市も含まれていない。またドレスデンのエルベ渓谷が、新設された橋梁により美しい景観が失われたとして世界遺産から抹消されたなど、話題に事欠かないところである。

ロルシュ修道院の歴史には、「ヨーロッパの父」と呼ばれ、ドイツ嫌いのフランスでさえシャルルマーニュ、イギリスでもチャールズ・ザ・グレートと呼ばれ敬愛されているカール大帝が関わっている。現代におけるEU統合地域はカール大帝の支配した地域とほぼ一致するため、EUは「カールの帝国の再現」とも言われている。以下はこの修道院の横にある博物館で入手したパンフレットからの引用である(何と日本語のパンフレットがおいてある!)。

「ランゴバルド王国の征服(774)によりカール大帝はイタリア半島を統治し、また800年に神聖ローマ帝国皇帝となった。これによりキリスト教徒の庇護者としてビザンツ帝国皇帝と同等の権利を受け、西ローマ帝国の遺産を受け継ぐ権利を得た。カール大帝はこれを政治的および精神的任務と理解し、カロリング朝時代の建築物に反映させた。
(中略)
カール大帝はしばしば国内統治のためプファルツ(居城)、修道院、シュティフト教会に滞在したため、建築様式の指令が守られ、フランク王国内に統一した建築様式が確立した。現在まで残っているカロリング朝時代の建築遺構は僅かだが、アーヘンの大聖堂と並んで有名なのがここロルシュ修道院跡である。
(中略)
宗教改革時代には修道院は荒廃し、現在では入り口の「王の門」ロマネスク教会の一部、修道院の一部、マインツ大司教の管理下にあった時代の建物が残っているに過ぎない。しかしこの修道院はドイツにおけるロマネスク建築以前の最も重要な遺跡の一つである。」(先ほど口を滑らせた「3大ガッカリ」は撤回したほうがよさそうである)

ロルシュ修道院の横には、修道院博物館、民俗学博物館、タバコ博物館を合体させた建物が建っており、興味深い展示がされているので、写真を参照いただけると幸いである。なおロルシュの滞在時間は約2時間、日が沈む前にシュパイヤー大聖堂を訪れておきたいため先を急ぐことにする。

旅行の満足度
3.5
観光
3.5
交通
4.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
20万円 - 25万円
交通手段
鉄道 徒歩 飛行機
航空会社
ルフトハンザドイツ航空
旅行の手配内容
個別手配
  • ロルシュ駅に到着するRB、女性運転手が運転する

    ロルシュ駅に到着するRB、女性運転手が運転する

  • ロルシュ駅はメッセル駅ほどではないがさびれたローカル駅

    ロルシュ駅はメッセル駅ほどではないがさびれたローカル駅

  • 珍しい手動の転轍機

    珍しい手動の転轍機

  • いかにもドイツらしいロルシュの町並み

    いかにもドイツらしいロルシュの町並み

  • 修道院の町だけあって至る所キリスト像がある

    修道院の町だけあって至る所キリスト像がある

  • ラートハウス(市庁舎)

    ラートハウス(市庁舎)

  • 市庁舎前のモニュメント

    市庁舎前のモニュメント

  • 教会前のモニュメント

    教会前のモニュメント

  • 改修中の「王の門」

    改修中の「王の門」

  • 改修中でなければこのような姿をしている

    改修中でなければこのような姿をしている

  • 改修中の修道院の遺構

    改修中の修道院の遺構

  • 改修中の修道院の遺構

    改修中の修道院の遺構

  • 十字架の前で祈る修道院関係者の人々

    十字架の前で祈る修道院関係者の人々

  • 修道院の遺構

    修道院の遺構

  • 修道院横の教会

    修道院横の教会

  • 修道院の横の博物館の内部

    修道院の横の博物館の内部

  • 修道院博物館の展示品

    修道院博物館の展示品

  • 修道院博物館の展示品の建物の装飾の一部

    修道院博物館の展示品の建物の装飾の一部

  • 民俗学博物館の展示品

    民俗学博物館の展示品

  • 珍しいパイプのコレクション

    珍しいパイプのコレクション

  • タバコ博物館の巨大なパイプ

    タバコ博物館の巨大なパイプ

  • タバコ博物館のタバコの葉

    タバコ博物館のタバコの葉

  • コロンブスに貢がれたタバコの葉

    コロンブスに貢がれたタバコの葉

  • 教会前のキリスト像

    教会前のキリスト像

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