オビエド_Oviedo　レコンキスタ発祥の地！スペインはこの小さな王国から始まった

2010/01/02 - 2010/01/02

スペイン北西部、アストゥリアス州の州都であるオビエドを訪れました。8世紀初頭、イスラム教徒に追われたキリスト教徒達は、この地にオビエドを首都とするアストゥリアス王国を築きます。レコンキスタ発祥の地となるこの地のキリスト教聖堂等が、「オビエドとアストゥリアス王国の建造物群」として世界遺産に登録されています。
★歴史的街並みと新市街が調和した街を歩く
★郊外にあるアストゥリアス王国時代の教会へ

エリア オビエド(スペイン)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: レンタカー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

冬場は雨が多いこの地方、あいにくの天気の中でオビエドに到着。

まずやって来たのはアルフォンソ2世広場（Plaza de Alfonso?）。

クリスマスシーズンになるとスペイン各地で見られる「ベレン（Belen）」、ここにも飾ってあります。1月になっても暫くは見ることが出来ます。

「ベレン」とは、イエスが生まれた地であるベツレヘムのスペイン語ですが、キリスト生誕の場面を再現したこれらの人形飾りもそのように呼ばれているようです。

この広場には、「サン・サルバドール大聖堂（Catedral de San Salvador）」が鎮座しています。この大聖堂は、スペイン内戦後に再建されたものだそうです。

1936年に始まったスペイン内戦において、ここオビエドは北部の重要な工業都市であったため、反乱軍と政府側との激戦が繰り広げられ、多くの古い町並みが破壊されてしまったとのこと。

現在あるものは再建ですが、元々は9世紀にアルフォンソ2世の命で建てられ、14世紀以降にゴシック様式で増築されたもの．．．

．．．なので、世界遺産では無いということでしょうか。

サンチアゴへ巡礼の道（海岸ルート）上の街であるアビレス（Aviles）への接続を示した看板。

アルフォンソ2世広場にほど近いところにあるポルリエル広場（Plaza de Porlier）。

少し北へ歩くと、「フォンカラダの泉（Fuente de Foncalada）」があります。9世紀のアルフォンソ3世時代に造られたプレ・ロマネスク様式で、なりは小さいですが世界遺産です。

ここらでちょっと街並みを歩きましょう。

「カンポアモール劇場（Teatro Campoamor）」、毎年スペイン皇太子賞の授賞式が毎年行われる新古典主義建築の劇場です。ここは2011年10月21日に、東日本大震災にともなう原発の事故に立ち向かったフクシマの英雄達が、スペインの「アストゥリアス皇太子賞」（平和部門）を受けた場所です。

素性不明、でも趣あり。

ペラーヨ通り（Calle de Pelayo）を歩いてみます。謎のモダンアートが．．．

ここにも。

この辺りは、並行するウリア通りなどとともにショッピングストリートになっています。

ペラヨ通りを抜けたところにある、「サン・フアン・エル・レアル教会（iglesia de san juan el Real）」。

通りに面した凝ったデザインの建物。（素性不明）

オビエド・ウリア駅。

車に乗り、北へ1kmほど離れたナランコ山へ。ここには、世界遺産の2つの教会がひっそりとたたずんでいます。

「サン・ミゲル・デ・リリョ教会（San Miguel de Lillo）」と．．．

「サンタ・マリア・デル・ナランコ教会（Santa Maria del Naranco）」。
ともに先出のフォンカラダの泉と同様のプレ・ロマネスク様式。後にヨーロッパ聖堂建築の一時代を築くロマネスク様式の先駆けとなった様式です。

ここオビエドの世界遺産群は非常にこじんまりとしていて豪華さや迫力はありません。これらが歴史遺産として価値があるのは、レコンキスタ（国土回復運動）発祥の地であり、スペインの原点とも言える場所だから．．と言えます。

8世紀初頭、イベリア半島はイスラム勢力に占領され、アストゥリアス地方に追いやられたキリスト教徒は、洞窟に立てこもって戦いイスラム軍を撃退することからレコンキスタが始まりました。（別途、「カンガス・デ・オニス」の旅行記でも紹介）
https://4travel.jp/travelogue/10636852
小さなカトリックの王国は徐々に国土を回復しながら、やがてスペイン王国へと発展していきます。スペイン全土を回復する1492年まで実に800年近くに及ぶ戦いでした。その基点であるオビエドは、スペインにとってある意味聖地と言えるのですね。