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<br /><br /> それにしても東京、いや、本州の道路は、どうしてこんなに狭いんだ。<br /><br /> ほんとうに二台すれ違えるのかという道の路肩は、南極大陸のクレバスのように深い溝が口を開けている。<br /><br /> 「どうしてここが一方通行じゃないんだ!信じられん。」<br /><br /> びびる私をにらみつけながら、RVのお父さんが忌々しげに横をすり抜けます。<br /><br /> 「ふーっ。」<br /><br /> 「まだ、運転になれていないだけだよ。」<br /><br /> レンタカーは、便利なんですけどね……。<br /><br /> それだけ、北海道での生活が長くなったということですか……。運転の荒いことで有名な(ホント?)茨城で免許を取った私は、こんな道「へ」とも思ってなかったはずなのですが。<br /><br />

御陵の紅葉

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2011/12/06 - 2011/12/08

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ちびのぱぱ

ちびのぱぱさん



 それにしても東京、いや、本州の道路は、どうしてこんなに狭いんだ。

 ほんとうに二台すれ違えるのかという道の路肩は、南極大陸のクレバスのように深い溝が口を開けている。

 「どうしてここが一方通行じゃないんだ!信じられん。」

 びびる私をにらみつけながら、RVのお父さんが忌々しげに横をすり抜けます。

 「ふーっ。」

 「まだ、運転になれていないだけだよ。」

 レンタカーは、便利なんですけどね……。

 それだけ、北海道での生活が長くなったということですか……。運転の荒いことで有名な(ホント?)茨城で免許を取った私は、こんな道「へ」とも思ってなかったはずなのですが。

同行者
カップル・夫婦
交通手段
レンタカー スカイマーク 私鉄 徒歩

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  •  それにしても、あれですね、カーナビっていうのはホント、たいしたものですね。<br /><br /> 今更何だと思う方が多いのでしょうが、こういう電子機器に対しては「奥手」という人間もいるのです。<br /><br /> だいたいいつも、地図が読めないヨメ(私の)が地図を持ち、運転の嫌いな私がハンドルを持っているわけです。<br /><br /> 「あっ、さっきの道ひだりだったかな。」<br /><br /> 「今更いわれても困るんだよね。」<br /><br /> しばらくするうちに険悪な空気が漂うのですが、知り合いから借りたカーナビのおかげで夫婦円満、楽々目的地に到着。<br /><br /> 買っちゃおうかな、カーナビ。<br /><br /> 東京の実家に着いた翌日はよく晴れて、母を誘って多摩御陵を訪れてみました。<br /><br /> 四年前に父が亡くなる少し前、夫婦でここを訪れたのだそうです。<br /><br /> 「そこのお店で買った弁当を、やけにうれしそうに食べていたのよ。安い弁当なのに。」<br /><br /> 母は、いろいろ思い出したようです。

     それにしても、あれですね、カーナビっていうのはホント、たいしたものですね。

     今更何だと思う方が多いのでしょうが、こういう電子機器に対しては「奥手」という人間もいるのです。

     だいたいいつも、地図が読めないヨメ(私の)が地図を持ち、運転の嫌いな私がハンドルを持っているわけです。

     「あっ、さっきの道ひだりだったかな。」

     「今更いわれても困るんだよね。」

     しばらくするうちに険悪な空気が漂うのですが、知り合いから借りたカーナビのおかげで夫婦円満、楽々目的地に到着。

     買っちゃおうかな、カーナビ。

     東京の実家に着いた翌日はよく晴れて、母を誘って多摩御陵を訪れてみました。

     四年前に父が亡くなる少し前、夫婦でここを訪れたのだそうです。

     「そこのお店で買った弁当を、やけにうれしそうに食べていたのよ。安い弁当なのに。」

     母は、いろいろ思い出したようです。

  •  ずいぶん足下がおぼつかないな、と母もぼんやり思ったようです。<br /><br /> それからまもなく、そうとう進行した肺ガンが見つかって三月でなくなりました。<br /><br /><br /> 御陵へと続く銀杏並木を行くと、門の脇に詰め所があって、その上にかかる紅葉が空を覆い尽くす西陣織のようにあでやかです。

     ずいぶん足下がおぼつかないな、と母もぼんやり思ったようです。

     それからまもなく、そうとう進行した肺ガンが見つかって三月でなくなりました。


     御陵へと続く銀杏並木を行くと、門の脇に詰め所があって、その上にかかる紅葉が空を覆い尽くす西陣織のようにあでやかです。

  •  母は、この紅葉が気になっていたようです。<br /><br /> 「朝の光より、午後の光の方が、本当はきれいなのよね。」<br /><br /> 「でも、これもまた鮮やかだね。」

     母は、この紅葉が気になっていたようです。

     「朝の光より、午後の光の方が、本当はきれいなのよね。」

     「でも、これもまた鮮やかだね。」

  •  ここに来るのに、カーナビの地図を検索しようと、子供の頃に言いなじんだ「たまごりょう」と入れても、検索結果なし、でした。<br /><br /> 後で知りましたが、多摩陵は大正天皇、そして前回来たときはなかった昭和天皇の武蔵野陵が新たに加えられていたのです。<br /><br /> 「時は、いつしか平成の世に変わっていたか。」<br /><br /> 妙なところで、がらがらと時代のセットが入れ替わりました。我ながら間抜けな独り言です。

     ここに来るのに、カーナビの地図を検索しようと、子供の頃に言いなじんだ「たまごりょう」と入れても、検索結果なし、でした。

     後で知りましたが、多摩陵は大正天皇、そして前回来たときはなかった昭和天皇の武蔵野陵が新たに加えられていたのです。

     「時は、いつしか平成の世に変わっていたか。」

     妙なところで、がらがらと時代のセットが入れ替わりました。我ながら間抜けな独り言です。

  •  初めて来た道産子の妻は、忽然と現れた異空間に興味津々です。<br /><br /> 三者三様の思いを胸に

     初めて来た道産子の妻は、忽然と現れた異空間に興味津々です。

     三者三様の思いを胸に

  •  二人の天皇とそれぞれの皇后を埋葬した陵へ続く参道を歩きました。<br /><br /> 広大な杉の回廊を行くと、昨日降った雨を存分に飲み込んだ巨木が、芳香性の吐息を送ってきます。

     二人の天皇とそれぞれの皇后を埋葬した陵へ続く参道を歩きました。

     広大な杉の回廊を行くと、昨日降った雨を存分に飲み込んだ巨木が、芳香性の吐息を送ってきます。

  •  で、翌日は新宿駅での乗り継ぎ。<br /><br /> ほかの方のブログで知った、都庁の無料展望台に上りました。<br /><br /> 受付のインフォメーションで若い女性職員に尋ねます。<br /><br /> 「展望台に行くには、どうしたらよいですか?」<br /><br /> 「あちらに見えますエレベーターを使っていただければ、展望台直通となっております。」<br /><br /> そちらを見ると、空港のチェックインカウンターのようにロープを張った先にエレベーターが見えました。<br /><br /> 「なるほど。」<br /><br /> 「もしくは、あちらかも北展望台にあがっていただけます。」<br /><br /> 都庁というのは、ツインタワーになっているわけですね。<br /><br /> 「どっちが、おすすめですか……って、おんなじですかね。」<br /><br /> すると受付嬢は、ちょっと笑みを浮かべて<br /><br /> 「南、の方が360度見渡すことができるんです。」<br /><br /> 「了解、ありがとうございました。」

     で、翌日は新宿駅での乗り継ぎ。

     ほかの方のブログで知った、都庁の無料展望台に上りました。

     受付のインフォメーションで若い女性職員に尋ねます。

     「展望台に行くには、どうしたらよいですか?」

     「あちらに見えますエレベーターを使っていただければ、展望台直通となっております。」

     そちらを見ると、空港のチェックインカウンターのようにロープを張った先にエレベーターが見えました。

     「なるほど。」

     「もしくは、あちらかも北展望台にあがっていただけます。」

     都庁というのは、ツインタワーになっているわけですね。

     「どっちが、おすすめですか……って、おんなじですかね。」

     すると受付嬢は、ちょっと笑みを浮かべて

     「南、の方が360度見渡すことができるんです。」

     「了解、ありがとうございました。」

  •  天気は曇り、ですが遙か彼方まで見渡せます。<br /><br /> かつて日本一だったことがある京王プラザホテルは、見下ろす形になりました。<br /><br /> 「中学生の時、あそこのプールで泳いだことがあるんだ。」<br /><br /> 「へえー。」<br /><br /> 「おくむら ちよ、がプールサイドのビーチチェアにサングラスをして寝そべっていたな。」<br /><br /> 「だれ?」<br /><br /> 「……、知らないか。」

     天気は曇り、ですが遙か彼方まで見渡せます。

     かつて日本一だったことがある京王プラザホテルは、見下ろす形になりました。

     「中学生の時、あそこのプールで泳いだことがあるんだ。」

     「へえー。」

     「おくむら ちよ、がプールサイドのビーチチェアにサングラスをして寝そべっていたな。」

     「だれ?」

     「……、知らないか。」

  •  展望ルームには、ここの高さをそのまま名前にしたカフェがあります。<br /><br /> 軽食もできるようですが、おすすめ、ではないですね。

     展望ルームには、ここの高さをそのまま名前にしたカフェがあります。

     軽食もできるようですが、おすすめ、ではないですね。

  •  そろそろお昼です。<br /><br /> どうも雲行きが怪しくなってきました。<br /><br /> 今回天気に恵まれたのは、中一日だけでした。<br /><br /> 「東京に来るときは、いつも雨だね。」<br /><br /> 「まあ、きのう晴れたからいいじゃない。」<br /><br /><br /> これまた、ほかの方のブログで知ったセンタービルの53階のレストランをめざしました。

     そろそろお昼です。

     どうも雲行きが怪しくなってきました。

     今回天気に恵まれたのは、中一日だけでした。

     「東京に来るときは、いつも雨だね。」

     「まあ、きのう晴れたからいいじゃない。」


     これまた、ほかの方のブログで知ったセンタービルの53階のレストランをめざしました。

  •  最初に目についた東天紅。<br /><br /> ランチ1050円。<br /><br /> エビチリはエビの生きが良く、麻婆豆腐は山椒がきいておいしかったです。<br /><br /> 東京は、高いところ(ビルの)が好きな人間にやさしいところです。<br /><br /> 高くて安い!<br /><br /> 札幌は、こうはいきません。

     最初に目についた東天紅。

     ランチ1050円。

     エビチリはエビの生きが良く、麻婆豆腐は山椒がきいておいしかったです。

     東京は、高いところ(ビルの)が好きな人間にやさしいところです。

     高くて安い!

     札幌は、こうはいきません。

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