2011/12/06 - 2011/12/08
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ちびのぱぱさん
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八十二になった、と本人は主張しますが、たぶんまだ81歳の母が、風邪をこじらせたといって、気弱な風です。
そういえば、もう三年ほど東京の実家に顔を出していませんでした。親不孝をしたもんです。
そんなことがあって、札幌から茨城にスカイマークが飛行機をとばすようになったと聞いて、青春時代を過ごした茨城経由で東京に行くことを思い立ったのです。
茨城空港って、どこにあるんですか。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー スカイマーク 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
前日までの雪が道央道をしめらせて、頻繁にウインドウォッシャーを使ったのがまずかったです。液が切れてしまいました。
汚れの残るフロントガラス越しに、朝焼けがきれいです。
「久しぶりだね、朝焼け。」
妻がぽつり。
「今までは、朝がわたしを迎えに来た。でも、今日からはわたしが朝を迎えに行く、なんちゃってね。」(一昔前のラジオCMのパクリです)
「客にやるウォッシャー液なんかありません。」
民間駐車場の男性は、視線を逸らしながらそう言いました。一番安い駐車場を選んだのは私です。でも次からは、いつも使っている駐車場に戻ろう、送迎のおんぼろのバンに乗り込みながらそう思いました。
でも、バンの運転手は至って親切な男性でした。 -
出発時刻の15分ほど前に、ブリッジに朝日を浴びた飛行機が到着すると、乗客がわらわらと降りてきました。
「機材の到着が少々遅れまして、お急ぎのところまことに申し訳ありませんが、10分ほど出発が遅れます。」
どうやら、これに折り返し乗ってゆくようです。
遠くの滑走路から、機体をきらきらさせながら全日空機が飛び立ってゆくのが見えました。直線を描いて、冬の北海道の弱々しい晴天の彼方に消えてゆきます。久しぶり、二年ぶりのフライトに、少々胸が躍ります。 -
「の〜みものは、べつりょうき〜ん。」
200円で250ccカンを購入。旭日を眺めつつ、一万メートルの上空で飲むのは格別です。
「つまり、これで6千円だね。」
「飲み物や、お菓子とかつけばいいのに。」
「無理だね、こんなに安くして、その上そんなサービスできません。そもそも、この眺めを見ながら200円でビールが飲めるのに、文句を言いなさんな。」
「それもそうか。」 -
-
「ありゃ?ありゃりゃりゃ?」
「なに?」
「ありゃ、まさしくスカイツリーでないかい。」
茨城空港からは、東京駅まで500円でシャトルバスが出ています。(飛行機利用者のみで、それ以外はもっと高い。)
バス発着所の脇にファントムか何かが二機展示されています。そういえば、向こうの滑走路からまるで鉄砲玉のように、それはそれは非常識な速度で発射する戦闘機が見えました。ここは、航空自衛隊の百里基地が共用しているようです。
それに比べると、旅客機の上昇してゆく様は、まるでカタツムリのように見えます。
「あれ、一機で百億円とかするんでしょう。ひいふうみい、……あそこにあるだけで一千億は下らないね。」
なるほど、主婦にかかればそういう感覚になるのか。
バスが走り出すと、道ばたに真っ赤な花を咲かせた木が、点々と見えます。
「今時期、何の花だろう。」
狭い狭い田舎道で、ようやく信号に止まったところにその花をゆっくり見ることができました。
「つばき、いや、さざんかかな。」
「きれいだね、バラみたい。」
あるものは血のように赤く、あるものはいつか見た夕焼けのような緋色、そして、祭りの日に初めて化粧した少女のように白く、さっと紅を引いたような朱が混じる。(表紙の写真)
「こみたま?」
いえいえ、小美玉(おみたま)市です。
道路の標識で、ここがどこか分かりました。石岡市の南にあります。霞ヶ浦に近く、いつかこのあたりもゆっくり旅してみたい。
石岡のインターチェンジから高速に乗った我らがバスは快調に走ります。
やがて、前方に見たことのある塔が……。 -
いつの間にか、バスは隅田川沿いに入っていたようでして、茨城空港から東京駅までのバスからは、ついでにスカイツリー見物もできるのです。
あわてて運転席の脇に行って写真を撮りましたが、私らの向かいの席で、カーテンを引いて眠りこけていた30くらいの女性が、あきれ顔でこちらを見ていました。
この際、そんなのには目もくれず、しっかりとその姿を目に納めたのです。
「どうだった?」
「えっ?」
「テレビで見たのと、なんか違った?」
「……。」
「さんざんテレビで見たから、なんか感動が薄いね。」
「そういうことじゃないでしょ、この目でじかに見ることがたいせつでしょ。」
「なんか、違った?」
「……、いや、おんなじだった。」
確かに、最近の大画面テレビで見ていると、何だが実際に見ているようなのでした。
ぶつぶつ言っている私を尻目に、妻は隅田川に目を落とします。
「このあたりが、浅草ってことだね。」
-
バスは、日本橋のインターで降りると、あっという間に東京駅は丸の内側入り口につけました。時計を見るとちょうど午後一時、空港を出て一時間40分ほどです。
「意外に近いんだね。」
東京駅で昼食になります。
-
札幌にもあるんですが、なんとなく東京で食べるとまた違うような……。
「おんなじだよ。あーさくさく感がたまらないね。」
880円のロースカツ定食、アサリの味噌汁おかわり(無料)。 -
東京生まれなんですが、生まれて初めて皇居に来ました。江戸城は、太田道灌が最初に造ったんですね。それも、初めて知りました。
東京駅からまっすぐに来ると、写真の桜田二重櫓が目に入ります。 -
桔梗門。
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二重橋。
「結構歩くんだね。」
「そうだね、地図で見るのと大違い。」
皇居、つまり江戸城の規模は桁違いです。改めて徳川家康の権勢を思い知らされた形です。 -
やっとこ、桜田門。
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桜田門といえば、井伊直弼。
ずいぶん堅牢な門です。 -
思いがけず、歴史の勉強ができました。
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都会の中に忽然と、かなりシュールです。
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がんばって、霞ヶ関の駅に行けば丸ノ内線に乗れます。
本当は、国会議事堂駅まで行こうと思いましたが、桜田門のところから、国会議事堂がちらっと見えましたから、それで良しとすることにしました。
もう、かなり足に来ています。
警視庁前まで来れば、あと少し……。 -
なにやら、前方が騒がしいです。
カメラノホウレツ? -
後で分かりましたが、かつてオリンピックの英雄だった人が護送されるのを、待ちかまえているのでした。
目の前で見ると、とても生々しく、もの悲しくもあるのでした。
人の一生とは何なのでしょうか。
本当に価値のあるものって何なのでしょうか。
いつの間にか、空から雨のしずくが落ちてきて、霞ヶ関駅へと急ぐ頬に、ぽつりと落ちました。
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