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10月8日(土曜日)<br />ラオスを離れ、タイへ。カオサンロードが見つからない<br /><br /> 1本の道。2台の自転車。600キロメートル。4日とちょっと……バンコク。<br /><br /> 我々の目の前にはタイ=ラオス友好橋が、タイ国があった。風にはためく2枚のタイ国旗を目指し、僕らはラオスを後にしてメコン川を越えた。イギリスと同じ左側通行のタイの道路についに上陸したのだ。そして、アメリカ人が建設し、1988年に再舗装された、ラオス国境からバンコクまで600キロに渡って伸びる広大な友好ハイウェイを、ときおり車に轢かれそうになりながら気持ちよく自転車を走らせた。<br /><br /> 白鷺が舞い、バッファローや聖なる牛が反芻するなか、僕らは首都を目指した。周囲の地形は、奇妙な形のヤシの木やバナナの木があることを別にすれば、イングランド東部のイースト・アングリアによく似ていた。<br />

ジェイミー&ベン 自転車で南極へ23 ラオスを離れ、タイへ。カオサンロードが見つからない

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2005/10/08 - 2005/10/08

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ジェイミー&ベン

ジェイミー&ベンさん

10月8日(土曜日)
ラオスを離れ、タイへ。カオサンロードが見つからない

 1本の道。2台の自転車。600キロメートル。4日とちょっと……バンコク。

 我々の目の前にはタイ=ラオス友好橋が、タイ国があった。風にはためく2枚のタイ国旗を目指し、僕らはラオスを後にしてメコン川を越えた。イギリスと同じ左側通行のタイの道路についに上陸したのだ。そして、アメリカ人が建設し、1988年に再舗装された、ラオス国境からバンコクまで600キロに渡って伸びる広大な友好ハイウェイを、ときおり車に轢かれそうになりながら気持ちよく自転車を走らせた。

 白鷺が舞い、バッファローや聖なる牛が反芻するなか、僕らは首都を目指した。周囲の地形は、奇妙な形のヤシの木やバナナの木があることを別にすれば、イングランド東部のイースト・アングリアによく似ていた。

同行者
その他
交通手段
自転車
  •  チームとしては特に旅を急ぐつもりはなかったが、チベットの山道のあとでは、きれいに舗装された道路上ではありえないほど速くペダルをこげるのだった。ただし、自転車に乗れる時間には少し制約があった。どうしても朝早く起きられないため、仮に午前9時に出発して、夕方6時に日が沈むとすると、だいたい9時間。そのうち昼食に1時間かかるから、自転車に乗れるのは8時間だ。いや、そうじゃない。実質もっと短くなる。1時間おきに、道ばたの小屋で15分ぐらい水分補給タイムをとらなきゃならないからだ。それでも、気温35度の暑さと、あたかも自分が雨雲になったかのように体中からしたたり落ちる汗との戦いのなかでも、3日連続で150キロずつ走破することができた。<br /><br /> 最後の日にいたっては、強い追い風の助けもあって、時速40キロを達成した。ところが、ドスンという大きな音とともにベンの自転車が急停止。後ろにくくりつけておいたハイキングシューズが車輪に挟まったのだ。車体が路肩に向かって急にそれたが、ベンはなんとか振り落とされずに済んだ。大声で悪態をつき、シューズを取り出す。自転車にも靴にもダメージはなく、僕らは再び強風に煽られながらの旅を続けた。

     チームとしては特に旅を急ぐつもりはなかったが、チベットの山道のあとでは、きれいに舗装された道路上ではありえないほど速くペダルをこげるのだった。ただし、自転車に乗れる時間には少し制約があった。どうしても朝早く起きられないため、仮に午前9時に出発して、夕方6時に日が沈むとすると、だいたい9時間。そのうち昼食に1時間かかるから、自転車に乗れるのは8時間だ。いや、そうじゃない。実質もっと短くなる。1時間おきに、道ばたの小屋で15分ぐらい水分補給タイムをとらなきゃならないからだ。それでも、気温35度の暑さと、あたかも自分が雨雲になったかのように体中からしたたり落ちる汗との戦いのなかでも、3日連続で150キロずつ走破することができた。

     最後の日にいたっては、強い追い風の助けもあって、時速40キロを達成した。ところが、ドスンという大きな音とともにベンの自転車が急停止。後ろにくくりつけておいたハイキングシューズが車輪に挟まったのだ。車体が路肩に向かって急にそれたが、ベンはなんとか振り落とされずに済んだ。大声で悪態をつき、シューズを取り出す。自転車にも靴にもダメージはなく、僕らは再び強風に煽られながらの旅を続けた。

  •  最終日のラスト50キロはとにかく忙しかった。激しい交通量で知られるバンコクの街は、まさに大渋滞だった。これに匹敵するのは、地下鉄ストが行われる日のロンドンぐらいじゃないだろうか。ジェイミーは果敢にも、前のパニアバッグに付けたカメラでその一部始終を撮影していた。一方、ベンの自転車の後輪の空気漏れのせいで、たびたび空気を入れるために休憩をとらなければなかった。やがて日が落ちたが、僕らは目的地である悪名高きカオサンロードを見つけられずに、路頭に迷っていた。「もう無理だ」そう弱音を吐きたくなるのをぐっとこらえる。相変わらず、エンジンと鳴り響くクラクションの音ばかりが聞こえていた。

     最終日のラスト50キロはとにかく忙しかった。激しい交通量で知られるバンコクの街は、まさに大渋滞だった。これに匹敵するのは、地下鉄ストが行われる日のロンドンぐらいじゃないだろうか。ジェイミーは果敢にも、前のパニアバッグに付けたカメラでその一部始終を撮影していた。一方、ベンの自転車の後輪の空気漏れのせいで、たびたび空気を入れるために休憩をとらなければなかった。やがて日が落ちたが、僕らは目的地である悪名高きカオサンロードを見つけられずに、路頭に迷っていた。「もう無理だ」そう弱音を吐きたくなるのをぐっとこらえる。相変わらず、エンジンと鳴り響くクラクションの音ばかりが聞こえていた。

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