2011/04/09 - 2011/04/09
33位(同エリア75件中)
ころっつさん
今年はどうも桜の開花が遅い…。どこか美しい一本桜を見に行きたいと思っていたのですが、まだ早そう。
年度替わりで忙しかったのですが、一日だけ休みが取れたので、広島県東部に日帰り小旅行に出かけました。
帝釈峡に続き訪れたのは、古いまちなみを持つ府中市上下町。散策をした後、B級グルメ府中焼きと鶏肉チャーシューが特徴の笠岡ラーメンを賞味しました。
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車
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上下は広島県東部の府中市の北部を構成する町で、平成の市町村合併で府中市となりました。市街地を貫く旧銀山街道に沿って、歴史情緒のあるまちなみが残っています。
古いまちなみを訪ねるのが好きなので、そのユーモラスな地名とともに、以前から気になっていた場所でした。 -
上下というまちの名前は、瀬戸内海にそそぐ芦田川水系と日本海にそそぐ江の川水系の分水嶺になっていること、川が上(北)と下(南)に分かれて向かうことに由来しているそうです。
まちなみのシンボル的な建物である教会近くに無料の駐車場があります。 -
上下キリスト教会は、元々は明治時代に栄えた財閥の蔵として建築されたもので、第二次大戦後から教会として転用されています。
商店街を飾る春の桃の枝のオブジェとともに…。 -
教会は上下のまちなみを彩るシンボリックな建物です。
和風の白壁の蔵の屋根の部分に教会の鐘塔が加えられています。 -
上下は、江戸時代初期の福島正則による備後支配の改易後、福山藩の支配を経て、幕府の天領となった地です。
石見銀山から瀬戸内海側の福山を結ぶ石見銀山街道の宿場町のひとつでしたが、中継地として両替商などの金融業で大いに栄えたまちです。 -
旧家を改築して、上下歴史文化資料館として活用されている建物があります。田山花袋の名高い小説「蒲団」の女性モデルとなった岡田美千代が育った屋敷だそうです。
小説の題名と作者名だけは知っていましたが、資料館の人におおまかなストーリーを教えてもらいました。妻子ある中年小説家(=田山花袋)が弟子として同居する若い女性(=岡田美千代)に恋心を抱くものの、恋人がいることを知り、嫉妬し、故郷に返した後、彼女が寝ていてにおいが残っている蒲団を抱きしめる…というストーリーだそうです。 -
備後・備中の幕府領5万石を支配する代官所が置かれ、中央の文化が早く伝わり発展した由緒ある歴史と文化を持っていたのが、ここ上下のまちです。
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昔ながらの銅版の看板が掲げられている薬局。
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通りに面する家々の格子戸や軒先などに色紙に書いた俳句が掲げられています。まちづくり活動の一環でしょうか。
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古くからこの地方の経済の中心地として栄えたことから、明治以降も金融業が発展したとのことでした。路地沿いにも白壁の建物が残っています。
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黒漆喰を地になまこ壁の装飾を持つ建物もあります。
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玄関前に昔ながらの常夜灯を模したものがあります。
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桜が咲いています。
新しい建物もまちなみに配慮されて造られているようです。 -
旧田辺家は、江戸時代には上下でもっとも大きな御用商人の屋敷で、金融業を営んでいました。その後明治時代に入り酒造業もはじめたそうですが、現在は家具の展示場と喫茶店として活用されているそうです。
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旧田辺家の玄関入口前には「指物 濱一」という家具屋の暖簾が掛かっています。
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明治時代に警察署として建築された建物。見張り櫓が当時のまま残されている風情ある外観で、キリスト教会とともに、上下のランドマーク的な建造物です。現在は食事処として活用されているようです。
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まだ4月の上旬ですが、少し時期の早い鯉のぼりが軒先で泳いでいます。
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300mほど続く白壁の道を曲がっていくと、白壁の道よりも少し新しい昭和の初期ぐらいの建物が並んでいます。
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旅館であったような建物。軒先の屋根が少し湾曲しているのがわかります。
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瓦の先端には鬼ならぬ…七福神でしょうか、が飾られています。
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格子状のほか、修景された手裏剣のような模様のなまこ壁もあります。
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かつての銀山街道であったことを示すサインが道端に建てられています。そして昔ながらの丸ポストもまちなみの中に何箇所か残っていました。
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白壁の道を折れ、まっすぐの道を進んでいった突き当たりにあるのは、翁座という建物です。大正時代に建てられたもので、芝居や映画などの興行が催される劇場として昭和40年代まで活躍していたものだそうです。
以前は土休日を中心に内部の見学もできていたようですが、現在は外観のみの見学だけとなっています。 -
翁座に掲げられている「映画実演」の看板。
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翁座から今歩いてきた道を戻っていきます。
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なぜか龍馬の古写真が玄関に掲げられていますが、修景された建物でしょうか、古書を取り扱っている店のようです。
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行灯の部分にハート型の下地に「上下」の文字をかたどった常夜灯。
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妻入の商家も残っています。
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悠久の歴史を刻み、重厚感を持つ黒漆喰の壁の建物。
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歴史文化資料館に飾られているひな人形。つい先日までひな人形を軒先に飾るひな祭りが開催されており、1か月以上の開催期間中には多くの人が訪れたとの話でした。カメラを抱えた観光客らしき人もちらほらいましたが、そんなにまだ知名度が高くないせいか、少なめでした。
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上下町を後に、同じ府中市内の中心地・府中地域に南下してきました。
府中市街地も銀山街道が通っていたことから、随所に古いまちなみが残っています。
府中は、その名のとおりかつて備後国の中心地として発展しましたが、福島正則の改易後、福山藩の成立により、府中に住んでいた商人や職人の多くが福山への移住を強制され、府中のまちは衰退したとのことです。
まちを南北に貫く国道と川沿いにある桑田醤油醸造場の屋敷が歴史を感じさせてくれます。 -
おなじく桑田醤油の近くには古くからの雰囲気を持つ旅館の建物もあります。この辺りにある旧銀山街道(石州街道)の出口通りには、古くからの情緒あるまちなみも残っています。
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府中は、広島県にあるのでお好み焼きの店が多くあります。特に、豚や牛肉のミンチを使用し、キャベツをふんだんに入れたお好み焼きを「府中焼き」といい、ご当地グルメとして知名度が向上してきています。
上下の資料館で、おすすめの店として教えてもらった老舗の古川食堂に行きました。 -
「府中焼き」をご当地グルメとして売り出しており、B1グランプリにも出場しているようです。
○備後府中焼きサイト
http://www.fuchucci.or.jp/okonomi/ -
夕方の5時前でしたので、客は少なかったのですが、昼間はかなり込み合うようです。お好み焼きメニューのすべてが、いわゆる「府中焼き」で、トッピングするものの内容で値段が変わってきます。
いずれも500〜800円程度なので、広島市街地の千円を超えるのが当たり前のお好み焼きと違ってお手頃です。
ミンチ肉を使っているので、しっかりとした肉の食感ではなく、脂汁がジワっと溶け込んだ粉モノの味です。 -
続いて、市街地にある「恋しき」という建物に向かいます。元々ここは、明治初期に営業を開始した備後地方随一の料亭旅館で、平成2年までは実際に営業していたそうです。その後廃業し、取り壊しの話も出ていたようですが、地元での保存運動が行われ、中心市街地のイベント等を行う複合施設として平成19年に「こころのふる里恋しき」としてリニューアルしました。
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木造3階建ての重厚感のある建物で、内部も見学できるようなのですが、既に開館時間を過ぎていましたので、入れませんでした。
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大きな暖簾が掛かる玄関と古くからの旅館であったことを物語る格子戸が印象的です。土地取得を含めて、2億円ほどの改装整備費がかかったそうです。
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建物の裏手には、300坪ほどの日本庭園があり、多くの樹木が植えられているほか、水が流れる水路や池には色鮮やかな鯉が泳いでいます。
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庭園には離れの建物があり、喫茶コーナーが設けられています。
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庭園にある手水鉢。
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府中からさらに南下し、福山に。
陽が沈んだ後の夜桜見物客でにぎわう福山城に向かいました。
福山城は、JR福山駅のすぐ北にあり、毛利氏など西国大名に睨みをきかす拠点として江戸時代に築城され、水野氏や阿部氏など幕閣を輩出する譜代によって統治されました。
天守は明治維新後も残っていましたが、太平洋戦争により焼失、昭和40年代に再建されたものが現在の天守です。 -
福山市民が憩う桜の名所のようで、いろんな場所で夜桜見物のための場所取りシートが敷かれていました。今日たどってきた北部では咲いていなかった桜も、ここでは満開に近い状態でした。
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福山城の夜桜見物を後に、隣の岡山県に入り、カブトガニの生息地で有名な笠岡に。
笠岡は、ご当地ラーメン「笠岡ラーメン」で知名度が上昇してきたまちで、
養鶏が盛んであった土地柄から、鶏ガラ醤油味のラーメンスープと豚肉ではなく、鶏肉(かしわ)のチャーシューを入れるのが特徴です。
今回立ち寄ったのは、港近くにある「おっつぁん」という店です。
○笠岡ラーメンHP
http://www.kasaoka-ramen.jp/ -
ラストオーダーが午後8時50分で、その30分ほど前でしたが、多くの人で店内はにぎわっていました。なぜかプロレスラーのサイン色紙が多く貼られていました。
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こちらが笠岡ラーメン。あっさりとしていながら味もなかなか濃い鶏がらスープは最後の一口までおいしくいただくことができました。そして、鶏肉でできたかしわチャーシューは、豚よりも脂身が少ないせいか、なかんか歯ごたえがありました。これまで食べたご当地ラーメンの中でも、個人的には上位にランクインする代物でした。
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この旅行記へのコメント (6)
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- 旅猫さん 2011/05/05 12:50:27
- 帝釈峡
- ころっつさん、こんにちは。
帝釈峡、良さそうなところですね。
近くの鍾乳洞もちょっと気になる。
この連休、このあたりも狙っていたのですが、急遽北東北に変更になりました。
上下という町は、なかなか風情のあるところなのですね。
確かに、街道沿いの職場町の雰囲気がありますね。
個人的に、好きな街並みです。
中国地方の山沿いには、近いうちに足を向けようと思っています。
旅猫
- ころっつさん からの返信 2011/05/08 00:33:54
- RE: 帝釈峡
- 旅猫さん、こんばんは。
ご訪問ありがとうございます!今年のGWもいよいよ終わりですね…。
帝釈峡は新緑や紅葉の頃が色鮮やかでもっといいのでしょうが。
鍾乳洞は正直期待していなかったのですが、価値ありましたよ。
私も古いまちなみ巡りが好きなので、マイナーなところも含め、いろいろなところを回っていますが、上下は思った以上に歴史を感じさせる家並みが残っていました。
よい旅を続けてくださいね〜♪
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- 天星さん 2011/05/01 09:14:53
- 春を行く
- 白壁づくりや格子戸の
銀山街道を行く旅人ころっつさん
キリスト教会、元警察署
おもしろい建物ですね
久しぶりにお好み焼き
食べたくなりました〜(ジュウジュウ)
府中焼き、うまそうです
天☆
- ころっつさん からの返信 2011/05/03 09:33:33
- RE: 春を行く
- 天星さん、おはようございます。
GWはいかがお過ごしですか。私は出かけられても1日ぐらいかな…と思っております。
今回は上下のまちなみと、B級グルメ本で見つけた「府中焼き」と「笠岡ラーメン」を食するために日帰り旅行をしました。
府中焼きは、夕方に訪れたのですが、にぎわう程ではなかったものの、小さな食堂に観光客らしきお客さんも何組かいました。今回は運転手を確保していたので、粉モノを食すると欲しくなるビールを手酌しながら、美味しくいただきました。
賞味した古川食堂さんは、地元の方のオススメの老舗だけあって、素直においしかったです。しかもお値段も手ごろなのが嬉しかったです♪
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- 横浜臨海公園さん 2011/05/01 08:48:36
- その名も上下
- 子ろっつさま、おはようございます。
広島県上下町は、JR福塩線を境に川が瀬戸内海側と日本海側に流れる町に分水嶺が在る所で知られております。
小生も、25年前に上下を訪れ、遠目に川が反対に流れる姿を見て、そして、白壁造りの家屋に通りが鍵十字状になっていたりと江戸期末期の姿を連想させられた記憶が残っております。
兎に角、列車で訪れると不便極まりませんでしたが、それを補う価値がある所だと思っております。
横浜臨海公園
- ころっつさん からの返信 2011/05/03 09:25:39
- RE: その名も上下
- 横浜臨海公園さま、おはようございます。
GWに入りましたが、私の住んでいるところは黄砂でかすんでいます。
上下のまちは、正直期待していた以上のまちなみでした。
教会とちょっとしたまちなみぐらいであろう…と思っていたのですが、白壁や格子戸の家並みが多く残っていたので驚きでした。
まだまだ全国には知らない、よい雰囲気を持つまちなみが残っているんだなあ…と思いました。
確かに列車で行くと、府中から先は極端に便数が少なくなり、不便なところだと思います。JR西日本のローカル線の列車削減は、近年加速度的に行われているような気がします。
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