2010/10/18 - 2010/10/20
4位(同エリア195件中)
Katsyさん
- KatsyさんTOP
- 旅行記22冊
- クチコミ1件
- Q&A回答4件
- 162,504アクセス
- フォロワー22人
2005年にジャイアントパンダを始めとする中国の野生動物たちを撮影したくて訪れた陝西省・秦嶺山脈。
しかし、期待していた中国の秘境では鬱蒼とした森と厳しい(反面豊かな)大自然に阻まれ、思いどおりの写真は撮れずに小生の夢ははかなくも破れた。
そんな惨敗の旅から5年、リベンジを誓った小生は再び現地を訪れた。
前回の失敗から、2010年は渡航時期も夏を避け晩秋に設定して臨んだ。
撮影目的地も中国で最も野生パンダの生息密度が高いといわれる佛坪国家級自然保護区一点に絞り込んだ。
かつてNHKの自然ドキュメンタリー番組の取材チームが何度も訪れ、5年前には小生も撮影に挑戦したエリアで、いざサファリへ!
はたして、今度こそ理想のワイルドポートレートを撮ることはできるのか…
この旅行記では、「西遊記」に登場する孫悟空のモデルといわれているサル・キンシコウを撮影したときの様子などをお伝えします。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 航空会社
- 中国国際航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
2005年は楊凌を出発して自然保護区に向かったが、2010年の旅では西安が基点となった。
-
ホテルの窓から見える西安の朝の街並み。
陝西省の省都・西安は人口700万を超える大都市で、言わずと知れた中国の歴史上重要な古都でもある。 -
西安から秦嶺山脈に向かう車窓の景色。
畑などの田園風景は5年前とあまり変わらない。
遠くに目的地の秦嶺山脈がかすむ… -
車は秦嶺山脈へと入っていくが、やはり前回同様、途中のレストランで休憩をとった。
-
山間を流れる黒河にかかる橋。
5年前を思い出すなぁ… -
途中、雑貨屋でチョットした買出しをするツアースタッフ。
飲料水などを購入する。
中国ではありふれた路傍の情景。 -
さて、車で西安を出発して3時間ほど。
ようやく我々は、目的地の佛坪国家級自然保護区に着いた。
ここは、キンシコウの貴重な観察ポイント「金絲猴大峡谷」の入口。
野生のキンシコウたちを調査しやすくするために2008年に保護区内に開設された。
ここでなら、100%ほぼ確実にキンシコウたちを撮影できるという。 -
小生を先導してくれるドライバー。
現場へは、写真のような沢というか狭い岩場の道をひたすら登っていく。 -
道中にはご覧のような標識も点在している。
現場への道程は、距離も高低差もそれほど大したことはない。 -
そして、ついに待ちに待った野生のキンシコウとのご対面!
キンシコウは、正式和名をチベットコバナテングザルといい、中国では国家一級重点保護野生動物に指定されている。 -
彼らはほとんど樹上で過ごしているので、撮影するとカメラのポジションによっては逆光気味の写真になってしまうおそれもある。
そうした事態を避けるためには、なるべくならサルたちが地上に降りてくるのを待ってみたほうがいいだろう。 -
キンシコウたちのために餌の果物を用意する現地レンジャースタッフ。
この大峡谷でキンシコウたちを確実に撮影できる理由は、サルたちが餌付けされているからだった。
普段キンシコウたちは、餌を求めて各群れごとのテリトリー内を素早く移動しているので、研究者ですらなかなか追跡して観察することは困難らしい。
そこで、サルたちの行動パターンを観察しやすくするために定時に果物などの餌付けをする決まったエリアを政府の研究機関が特別に設営したわけである。
ちなみに、この大峡谷の周辺には4つの群れが存在することがわかったそうだ。
このレンジャーが果物を撒くとキンシコウたちはたちまち木から降りてきて、小生のカメラの前に出てきてくれた! -
ここ金絲猴大峡谷は、小生が初めて秦嶺山脈を訪れた5年前の2005年にはまだなかった…
始めは研究目的で作られた場所だが、今は一般にも公開されている。
そのおかげで一般観光客にもキンシコウの生態をジックリ観察してもらうことができ、ひいては秦嶺山脈の自然のすばらしさを理解しやすくするわけだ。
実際に小生も、かなり近くからキンシコウたちの様々な表情を撮ることができた。
しかも、ここに来るのは飼育されているわけではない野生のキンシコウたちである。
彼らはニホンザルと同じく常に群れで行動し、観察してみるとその群れ社会の中にも個々の立場や順位があることがわかった。
さらに、オスとメス、オスとオス同士、親子など関係性が変わる度に見せる表情もまちまちであることがとても興味深く、カメラを向けていても飽きない被写体だった。
つまり、この大峡谷はキンシコウの社会性を知るには最適のスポットといえる。
餌付けすることによってサルたちが留まっているのは約2時間ほど。
その間は近くからジックリ観察ができ、撮影も満足するまでできるだろう。
ただし、サルたちに餌付けできるのは特別な資格を持ったレンジャーだけで、一般人はできない。
その点では、オーストラリアのイルカやワラビーなどとは違うケースといえる。
いずれにしても、このような施設ができたことはとても有意義なことだと感じた。
ここでは、キンシコウの他にイワリスや小鳥類なども撮れた。
キンシコウたちの写真は「アニマル・ワールド」にてご覧いただけます。
( http://animalworld.starfree.jp/ からトップページを開いて、“世界の動物たち”をクリック、世界地図上の⑮または、右ウィンドウの中国をクリックして中国のページを開いてお楽しみください。) -
ところで、金絲猴大峡谷の周辺には他にも動物保護関連の施設がある。
ここは秦嶺雉繁殖センター。
秦嶺山脈には現在6種類のキジの仲間が生息しているといわれる。
この施設では、それらのキジ類を繁殖させ保護区内に放鳥する試みが進められている。 -
橋の向こう側に見えるのはキンケイ舎。
ネットの中ではキンケイが飼育されている。 -
禽舎内のキンケイを撮影しようとしてみるが、フェンスが邪魔になって思うようには撮れない。
-
それでも、思いっきりフェンスに近づいて網目の隙間からキンケイを狙ってみるが、キジ自体に近づけないのでやはり小さいサイズになってしまう。
どうもキンシコウの撮影とは勝手が違うようだ。
鳥類なので飛んで逃げてしまわないように厳重管理されているのだろう…
まあ、仕方がないか…
キンケイは、メタリックな黄色いカンムリ羽に目立つ鮮紅色のボディが強烈な印象を与える最も美しいキジの一つ。 -
そしてここではさらに大きなプロジェクトが行われている。
ジャイアントパンダを野生に帰すための施設、秦嶺大熊猫野化培訓佛坪基地。
ジャイアントパンダは中国では大熊猫(ター シュウ マ)と呼ばれている。
施設内ではパンダたちが一般公開されているので動物園のような印象だがそうではない。 -
もともとは、親とはぐれてしまったり病気にかかり往き倒れ状態に陥っていたパンダたちを救済し、本来の野生に復帰できるようにリハビリをさせるために建てられた。
実はパンダを保護していく上でこうした施設は欠かせない。
実際にはパンダの野生下での詳しい生態はよくわかっていないので、このような施設で観察・研究を重ねていく必要があるからだ。
四川省の成都や九寨溝近くの臥龍にも同じような研究基地があるが、それらの施設に比べればここ佛坪の規模は小さい。 -
しかし反面、来訪者も少ないのでパンダの撮影には集中できるだろう。
飼育場内にも遊具などの人工物が少ないので、背景も野生のフィールドに近いイメージにしやすい。
ただし、肝心のパンダは臥龍や成都に比べるとあまり人馴れしていないようで、撮影しにくい面もあるかも。
つまりはその分、パンダも野生に近い状態だったといえる。
キンシコウと同じく、今回も野生のフィールドで撮影できるかどうかがわからないので、ここでパンダの写真をなるべく多く撮っておくことにした。
撮影コンディションもよく、暗い山中の森の中で撮影するよりは確実にきれいに撮れることには間違いない。
ここでリハビリを受けたパンダたちが、いつかは無事に野生に復帰してほしいものだ。
さて、この後いよいよ三官廟で本物の野生のパンダやキンシコウの撮影にトライすることになる。
続きは三官廟編で紹介しますのでお楽しみに!
キンシコウやジャイアントパンダなど、佛坪国家級自然保護区の金絲猴大峡谷とその周辺で撮影した野生動物たちの写真は、小生のホームページ「アニマル・ワールド」( http://animalworld.starfree.jp/ )の中国編で公開中!
ぜひ、見にきて下さい!!
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
20