2011/01/15 - 2011/01/16
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MILFLORESさん
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ブルゴス県のレルマ(Lerma)に
元公爵邸を利用したパラドールがあります。
昔からレルマには旅行帰りによく立ち寄っていましたが、
泊まってゆっくり散策することはありませんでした。
パラドールが2003年にオープンしてから、
いつか1泊してみたいと思っていました。
Parador de Lerma (4★)
http://www.parador.es/es/tratarFichaParadorCabecera.do?parador=110
ちょっと変ったユニークな部屋に泊まりました。
LERMA(レルマ)は17世紀に、フェリペ3世の寵臣レルマ公爵が
王が遊べる場所として繁栄させた、言ってみれば
町全体がフェリペ3世用のアミューズメントパーク(?)です。
今までに作成しているパラドール旅行記リスト ↓
サフラ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10156934/
アビラ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10260552/
レオン
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10262580/
トレド(食事のみ)
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10325154/
プラセンシア
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10374581/
モンフォルテ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10412568/
サント・エステボ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10417085/
カルモナ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10467976/
グアダルーペ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10475669/
オロペサ(食事のみ)
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10482557/
グラン・カナリア島 クルス・デ・テヘダ
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10494712/
テネリフェ島 テイデ国立公園
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10501539/
モンテ・ペルディド (ビエルサ)
http://4travel.jp/traveler/milflores/album/10537892/
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 3.0
-
Castilla y Leon 州
Burgos (ブルゴス) 県
Lerma (レルマ)
マドリードから200km弱
車で2時間
国道A-1上に位置しています -
近いし他の場所にに寄るつもりもなかったので、土曜日の朝はゆっくりとマドリードを出発。
マドリードも途中セゴビア県も快晴だったのに、ブルゴス県に入ったら濃霧!
結局、着いたレルマも霧の中。
週末2日ともこんな感じでした。
後で知ったのですが、この時期のレルマはいつもこんな感じなんだそうな。 -
PARADOR DE LERMA
Palacio Ducal de Lerma
レルマ公爵邸を修復改装したホテルです。
中世の古城を土台として1601-1617年に建てられた。
エレリアーノ様式というスペイン・ルネッサンスの建築様式。
エレリアーノ様式で一番有名な建物はエル・エスコリアル修道院です。 -
レルマに着くまでの道中、濃霧の中に入ると車の温度計が5度も下がった。
マドリードの好天気を信じて余り厚着をしてこなかったので、車から降りたら寒〜い!!
パラドールのレセプションにはこの寒さのためか、ウェルカム・ドリンクならぬ、ウェルカム・コンソメスープが置かれていました。
温まった〜♪ -
豪奢な館の中庭(パティオ・デ・ボラーニョス)は、天井窓から差し込む光があふれる快適なラウンジ兼カフェテリアになっています。
-
部屋がまだ用意されていなかったので、荷物を預けて、町散策に出掛けることにしました。
パラドールの目の前はプラサ・マヨール
Plaza Mayor
サラマンカのプラサ・マヨールより広いスペース。 -
レルマ公爵邸は四方に尖塔がある、貴族の館としては非常に珍しい造りです。
当時は4つの塔のある建物は国王の特権とされていたのですが、宮廷において絶大な権力を誇っていたレルマ公爵は国王フェリペ3世より特別に許可を得たそうです。
私たちの部屋は・・・その4つの塔の内のひとつ♪ -
パラドールの隣のサン・ブラス修道院
Convento de San Blas (1613-1617)
建築家は公爵邸と同じFrancisco de Mora。
現在はドミニコ会女子修道院。
ここの修道女は陶器を売っています。
(夫撮影) -
プラサ・マヨールの土産物屋
なんか面白い物を色々と売っていました。
中でも「誰がこんなに買うんだろう?」と不思議に思ったのが、真ん中に写っているビニール袋。
なんとワインコルク500個! 19.50ユーロ -
これ、ODRE(オドゥレ)と言います。
ヤギの皮で作られたドデカ水筒です。
水筒じゃないか・・・
入れるのはワインやオリーブオイルなんで。
形がそのままでちょっとイヤ? -
観光案内所で地図とパンフレットをもらい、夕方のガイドツアーの時間を確認しました。
-
サンタ・テレサ修道院 (1617)
今は一部は町役場として利用されているようです。 -
サンタ・クララ広場とアルコス見晴台
Plaza de Santa Clara / Mirador de los Arcos
アーチの上部はレルマ公爵の渡り廊下。
公爵邸からサン・ペドロ教会までの間をこんな歩道橋で繋ぎ、公爵や王が一般道に降りることなく移動できるようになっていた。
(夫撮影) -
主の昇天修道院 (1604-1610)
Monasterio de la Ascencion de Nuestro Sen~or
レルマで最初に創立された修道院。
現在はフランシスコ会の女子修道会クララ会の修道女が住んでいる。
カトリック離れが顕著なスペインでも珍しく人気の修道院で、レルマのこの会には70人もの修道女がいるらしい。
全員がここには住めないので、町の外にも他の修道院がある。 -
クララ会、スペイン語でClarisas。
「Clarear」(晴れる)という言葉との語呂合わせから、昔から結婚式や洗礼式などにお天気に恵まれるように、村人がこれまた語呂合わせから卵(スペイン語で卵白のことをClaraという)を修道院に届けて祈った。
そこで、集まる卵を使ってお菓子作りに励んだクララ会が多い。
(刺繍やお裁縫、製本などで生計を立てるクララ会もある)
ここの修道院のクッキーが美味しくて、昔スペインに住んでいた私の両親も旅行帰りにクッキーを買うためだけにレルマによく寄っていました。
外界との接触を避ける宗派のため、修道女の顔を見ずに、この回転盤を利用して商品とお金のやりとりをします。 -
商品リスト
クッキーのみでなく、ケーキやチョコレートもあります。
私たちは昔からクッキーしか買ったことないのですが。 -
これがレルマのサ・フランシスコ・クララ修道院名物のクッキー詰め合わせです。
昔と同じ味を保っています。
変ったのは・・・値段か
仕方ない、ユーロ導入後物価は高承するばかり。
修道女だって世間に合わせて生計立てなければ、ね。 -
修道院の左側の門が開いた、と思ったら・・・
-
あら、シスター達がお出かけするみたいです。
-
サント・ドミンゴ修道院
Monasterio de Santo Domingo
レルマには修道院(だった建物)がとても多い。
現在は文化センターとして利用されている。
ファサードの鐘楼部分(今は鐘ないけど)を見ると・・・
(夫撮影) -
コウノトリのツガイがいました
こうした歴史的建造物とコウノトリの共存は、スペイン中あちこちで見られます。
別に珍しい光景ではありません。
(夫撮影) -
「Se Permite Fumar」(喫煙可)というタイル看板に、手書きで「NO」を加えて「喫煙不可」と変えた。
これは、今年1月2日から導入された法令のため。
飲食店では一切喫煙不可になりました。
スペイン中のバールではこのために収入が減り、大打撃を受けています。
確かに他欧州国と比べて遅い法令導入なのですが、不況の真っ只中(スペインの失業率只今20%)での導入は、サービス業界での失業者を増やすと危惧されています。
2006年に初めて導入されたタバコ法令では、面積100?以上の飲食店は喫煙席を設ける場合は完全に禁煙席との境を扉などで仕切るよう定められました。100?以下の店舗では全禁煙にするか、喫煙可とするか選択できました。(喫煙可とした場合は未成年の入店を禁じた)
この時に、多くのレストラン・バールは喫煙者の消費を重視して、喫煙可とすることを選び、「喫煙可」という看板を出す店が多く出ました。
今回の完全禁煙法により、前回の時の店舗改装費用が無駄になったと憤る業界。
そして今度は、喫煙者が外で飲食できるようにストーブを置いたテラス席を設ける新しい投資をする店が多出。
飲食業界は厳しい2011年幕開けとなったのでした。 -
さて、昼食。
カスティージャ・イ・レオン州のこの地域に来たら、食べるものは決まっています。
Lechazo (子羊のロースト)
レルマにも専門店が数多くあります。
今回は道中、検索してコメントが悪くなかったこの店を予約しました。 -
Casa Anton カサ・アントン
狭い店舗に古いテーブル椅子ベンチ
壁には有名人が来店した時に撮った写真が所狭しと飾られている。 -
メニューは無し。
電話したときに「Asado(ロースト)か?」と確認されただけ。
何も言わずに、ハウスワイン(ローズ)とレタスだけのサラダが置かれた。 -
Lechazo レチャーソ
レチャーソはまだお乳しか飲まない子羊です。
とても肉が柔らかい。
1/4匹が2人分になります。
専門店は大抵どこでもミニマム2人からの注文になります。
大食いの私たちにはちょっと足りない(笑)
薪釜で何時間もかけてジワジワと焼き上げます。 -
デザートは選べました。
奥: Arroz con leche
アロス・コン・レチェ
ミルクで煮た甘い半粥みたいなもの
手前: Queso con membrillo
ケソ・コン・メンブリージョ
このフレッシュチーズはブルゴス県の名物、ケソ・フレスコ又はケソ・デ・ブルゴスと呼ばれます。
メンブリージョはカリンゼリーです。 -
食後、部屋を見にパラドールへ戻りました。
今回の予約は11月にしたのですが、その時にダブル・スタンダードの中に「塔の部屋」という選択が同じ値段であったので、迷わずそれを予約しました。
朝食ビュッフェ付きで100ユーロ -
いつもパラドールのHPから予約するのですが、今回は予約してすぐにレルマのパラドールから別に確認メールが届いた。
そのメール曰く・・・
「ご予約なさった部屋に行くには36段の階段を上がらなければなりません。バスルームは部屋の中にあり、寝室とは低い壁で仕切られているだけです。」
ちょっと特殊な造りらしい。
どれどれ、どんな部屋なんだ。 楽しみ
レセプションの女性が部屋に案内してくれた。
最上階の、他の部屋と変らない扉を開けると、その先には階段が。 -
36段上がってやっと部屋に着く。
塔の部分なので、四方が窓。
寒いから暖房はつけっ放しにしておくことをお勧めします、とのこと。
ベッドボードの向こう側がバスルームです。 -
バスルームから部屋の方を見るとこんな感じ。
限られた塔のスペースを、こうしてオープンにデザインすることで、広々した感じを与えています。
トイレだけはクローゼットの中にあるような感覚で窮屈だったけど。 -
塔の窓からの眺め
この515号室はパラドールの特別ルームに指定されていて、Torreon de Los Medinaceliと名前もついている。 -
外を見ていたら、コウノトリが飛んできた!
-
イチオシ
隣のサン・ブラス修道院の鐘楼の上のコウノトリでした。
-
部屋でしばらく休憩した後、観光案内所へ。
17時のガイドツアーに参加しました。
1人3ユーロ
観光案内所とガイドツアーはレルマ住人有志により運営されています。
ツアー料金は歴史的建造物の修復に利用されます。
観光案内所にあった説明パネルで、左のレルマ公爵邸から右のサン・ペドロ教会まで廊下でつながっていた様子が分かります。
王フェリペ3世はレルマによく遊びに来て公爵邸に滞在し、公爵主催の豪華な様々な催しを楽しみました。
王が外の通りを歩くということは、兵を一々出したりと大袈裟なしきたりがあったために、そういう面倒なしに町の教会まで楽に王と公爵が移動できるようになっていました。 -
「太陽の沈まない国」と呼ばれたスペイン帝国を築いたのは、初代スペインハプスブルグ家王カルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)と次のフェリペ2世。
その後を継いだ3代目のフェリペ3世は力不足。
お気に入りのレルマ公爵を側近とし、かつ全権を彼に委ねたのでした。
そのため、「怠惰王」と呼ばれます。
そのレルマ公爵ですが、王と同じかそれ以上の権力を持つようになります。
この公爵の肖像画は、権力に物言わせて、ハプスブルグ家の王の肖像画と同じ構図・衣装で描かせたもの。 -
ガイドツアーに参加しないと入れないサン・ペドロ教会。
Iglesia Colegial de San Pedro (1613-1617)
中は外より寒かった・・・
聖歌隊席上部には向かい合うように置かれた対のパイプオルガン。
17世紀のこの規模の町には非常に珍しい贅沢さで、これもレルマ公爵の力の証。
今は取り外されてないけれど、渡り廊下と繋がったテラス席が王と公爵の特別席として教会内部に作られていました。
また、主祭壇両側上部には修道女が入って聖歌を歌う隠れ部屋のようなものが設けてあります。上部から姿は見えないのに聞こえる歌声は、まるで天使の歌声のようだったそうです。 -
レルマの建物の多くには公爵の紋章が付いています。
(夫撮影) -
教会の外部
上、隣の女子修道院と繋がる渡り廊下。
ここを通って一般人に見られずに修道女たちが祭壇上の隠れ部屋に入った。
下の渡り廊下は公爵と王の廊下。
ただの廊下なのにこの中は、有名画家の絵画や豪華な家具で飾られていたそうです。 -
アルコス見晴台から、17世紀の町の外の様子の説明を聞きました。
-
王はここで狩や川遊びに耽った。
-
クッキーの修道院の教会も見せてくれました。
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プラサ・マヨールでは様々な催し物が開かれました。
17世紀初頭には今のような儀式だった闘牛はまだ出来上がっていませんでしたが、闘牛を広場に放して追って最終的には殺して皆で食べました。
その殺し方というのがちょっと残酷で、この左側の建物の今はちょうど土産物店になっている所に牛を追い込み、開け放した奥の扉から崖の下に落としたそうです。
落ちただけではまだ死なない牛を川の中で溺れさせたとか。
当時は牛肉を食べるなんて贅沢なことだったのに、王が頻繁に遊びに来てたレルマでは、この祭りのおかげで住民が牛肉にありつけたそうです。 -
パラドールは2003年にオープンしました。
パラドールの修復によって塔は復活しました。
それまでこの館は町人に様々な目的で利用されていたそうです。
スーパーが入っていたこともあるし、ガイドさんは若い頃この中で若者の会合や飲み会など開いたこともあったそう。 -
塔の部屋は屋根裏部分。
だから余り広くない。
その下の部屋の方が広そうだ。
多分スウィート。 -
イチオシ
サン・ブラス教会から我々の泊まった塔を写しました。
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ツアー終了後、日が暮れる前にもう少し散策することにしました。
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古そうなノッカー
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19世紀前半に大蔵大臣だった人の屋敷は今は宿になっています。
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この辺りは中世レルマの町の中心地
レルマ公爵が王の娯楽所として町開拓する前は、人口200人ばかりの小さな村でした。
急ピッチな建設ラッシュで周辺からの労働者も増えて、レルマの人口は3000人以上になったそうです。 -
Monasterio de la Madre de Dios
マドレ・デ・ディオス修道院 (1608-1610) -
中世の城門。
レルマがその昔城壁で囲まれていたことを物語る唯一の遺物。
17世紀には牢屋として利用されたことから、今はArco de la Carcel(牢屋のアーチ)と呼ばれています。 -
旧市街の家々
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サン・ペドロ教会に戻ってきました。
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イチオシ
日が暮れてまた霧が出てきた。
ライトアップされたパラドールが霧の中に浮かび上がってます。 -
パラドール友の会(Amigo de Paradores)の特権で、チェックインの時ドリンク券をくれます。
それを利用してバールで夕方ゆっくりするのが我々の習慣となってます。 -
その後はホテル探検♪
まるで王宮にありそうな主階段。 -
イチオシ
階段から中庭のラウンジを見る。
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廊下は他のパラドールよりも家具が少ないように思えた。
-
イチオシ
部屋から向こうの塔を見る。
光が霧に反射して幻想的です。 -
ディナーはパラドールのレストランで取りました。
が、余り美味しくなかったので写真掲載は1枚だけ。
説明はパスします。
子羊のローストは美味しそうだったけど、ランチに食べたのでこの時は注文しなかった。 -
朝食はディナーとは違う部屋でした。
パラドールのビュッフェ式朝食は非常に良いです。 -
絞りたて生オレンジジュース
この菓子パン美味しかった〜
ミニフライパンに盛られたホットミールが楽しい。
ブルゴスらしく、モルシージャ(血のソーセージ、ブルゴス県名産)もあります。 -
別々にメロンと生ハムをとってきて、一緒に食べる、Melon con Jamon。
フレッシュチーズとカリンゼリーは再登場。
ミガス(パン屑をチョリッゾなどと炒めたもの)はラ・マンチャ料理だけど。 -
部屋からの眺め
この日も霧 -
イチオシ
隣のサン・ブラス修道院のコウノトリも寒そうです。
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-
レルマの土産物屋で買ったもの。
La Chinataのオリーブオイル配合石鹸があったので、また買っちゃいました。
これPlasencia(エクストゥレマドゥラ州)のメーカーなんですが、マドリードに店あるけどわざわざ行かないので、こうして旅先で見かけると買いだめしてます。
おまけにこの店、La ChinataのHPで買うより安かった。 -
そして一目惚れしちゃった子羊のローストのマグネット!
右の豆料理は、この後行ったコバルビアスで買いました。
レルマ+α旅行記 1/3 (完)
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