2010/12/05 - 2010/12/05
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【鉱石の道】とは、かつて全国有数の鉱山として栄えた兵庫県の山間部に位置する明延(あけのべ)・生野(いくの)・神子畑(みこはた)の3鉱山を繋ぐ道です。
この地区の鉱山は、国内のスズや銅の主力産地として日本の近代産業を支えました。
現在、この地域には、明治初年のレンガ積みの事務所、鋳鉄橋、一円電車の軌道等、当時の産業遺構を多く有しています。
去る2010年12月5日に、J-helitage(http://j-heritage.org/)さんの主催による【鉱石の道ツアー】に参加したときの記録です。
行程は以下の通り。
08:00 全但バス神戸(県庁前)バス停
09:30 ◎銀山まち歩き
11:45 マロニエにて昼食(生野ハヤシライス)
12:30 生野エリア出発→神子畑エリアへ移動
13:00 ◎神子畑選鉱場跡見学(シックナー内部見学、鋳鉄橋、ムーセ旧居)
14:10 神子畑エリア出発→明延エリアへ移動
15:00 ◎明延鉱山跡見学(小休憩、探検坑道、1円電車)
17:00 あけのべ自然学校(終了の挨拶、アンケート記入)
19:00 全但バス神戸(県庁前)バス停
△朝来市旧生野鉱山職員宿舎HP(http://asago-net.jp/users/kousyataku/index.html)
△生野ハヤシライスHP(http://www.ikuno-akindo.com/hayashi_rice/index.php)
△一円電車の運行や、明延鉱山跡見学は「あけのべ自然学校」のHP(http://www.fureai-net.tv/akenobesizen/)へ。
- 同行者
- 社員・団体旅行
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
-
【鉱石の道】案内図。
朝来市はこの近代化遺産を観光資源とすべく、力を入れています。 -
まず、銀山で栄えた生野のまちを散策しました。
この洋館は、1886(明治19年)に建てられた警察署です。
幼稚園への転用を経て、現在では公民館として使用されています。 -
こちらは寺がズラリと並んだ通り。
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このつるつるした石は、カラミ石といって、鉱石を精錬する時に出た廃棄物をブロック状に固めたもの。
明治時代中期に多く製造され、建築資材として使用されていました。
他の地域に出回っていないのは、重すぎて運ぶのが困難だったからだそうです。 -
「生野まちづくり工房井筒屋」。
1832(天保3年)築です。 -
江戸時代、生野銀山には外部の人間の宿泊は認められておらず、公用でやってきた役人の為だけの宿として営業していたそうです。
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現在は、建物が無料公開されており、また土産物屋も兼ねています。
ここはオオサンショウウオの生息地でもあることから、お土産はオオサンショウウオ押し。
現地では「あんこう」と呼ばれていました。
私は「あんこうクッキー」を購入。
大1枚100円・小3枚100円とお手頃。とても好評でした。 -
この地方特有の赤い生野瓦、茅葺屋根、昭和初期のセメント瓦などを堪能・・・。
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町を散策していると川に到着。
このアーチは何と、鉱石を運んだトロッコ列車の跡だそう! -
川沿いに残るトロッコ軌道跡を後にして、生野鉱山の社宅に向かいます。
「旧生野鉱山職員宿舎」は、朝来市が歴史的文化遺産として整備し、今年9月にオープンしました。
△朝来市旧生野鉱山職員宿舎HP(http://asago-net.jp/users/kousyataku/index.html) -
道路からは、赤みがかった生野瓦が見えます。
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職員宿舎は計4棟を改修する形で、建設当時の明治時代と、三菱合資会社(当時)が経営していた大正時代、昭和初期の3つの時代の間取りや建具を再現してあります。
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職員宿舎は通称「甲社宅」と呼ばれ、官営時代は身分の高い鉱山技師らが、三菱時代は上級社員向けに使われていました。
いずれも木造平屋建て。甲7号、8号、9号は1876(明治9)年に、甲19号は96(明治29)年以前に建築されました。
ピーク時には18棟がありましたが、建て替えや取り壊しが続き、現存するのは6棟となっています。 -
こちらは明治9年に建てられた元官舎で、当時の生野瓦で葺かれた寄棟。
俳優・志村喬さんの生家だそうで、内部は出演作品の資料、遺品などが展示されています。
建具などは大正期の時代設定で復原されています。 -
生野銀山入り口。
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官営なので菊のご紋です。
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そして謎の木造ロッジ風洋館。渋い・・・。
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生野銀山には今回行きませんでしたが、その手前にあるレストラン「マロニエ」で昼食。
生野のまちには、東京から赴任してきた鉱山職員が持ち込んだハイカラなものがたくさんありました。
そのうちのひとつ、都会育ちの奥さんが作った手づくりの洋食・ハヤシライスの復刻が街ぐるみで行われています。
生野ハヤシライス部会の加盟店は10軒で、それぞれに味を競い合っています。
「マロニエ」のは、地元産の玉葱と大きなお肉が特徴。そんなに期待していなかったのですが・・・かなり美味しかったです!
他の店のも食べ歩いてみたくなりました。
△生野ハヤシライスHP(http://www.ikuno-akindo.com/hayashi_rice/index.php) -
生野の町を後にし、神子畑にやってきました。
神子畑選鉱場は、養父市大屋町の明延(あけのべ)鉱山から産出される鉱石を選鉱する場所として1919年(大正8)年に建設されました。
山の斜面を利用した施設は22の階層があり、幅110m、長さ170m、高低差75mありました。 -
明延鉱山の鉱石をスズ、銅、亜鉛などに分け、全国の製錬所に送っていましたが、1987年明延鉱山閉山とともに操業停止しました。
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施設の多くは閉山後も残されていましたが、ネット上にUPされた写真を三菱の方が見られ、それがきっかけで2004年に撤去され、今は基層だけが残っています。
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建物は何もないですが、その巨大さは今でもとても迫力があります。
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鉱石を運搬などに使用していたインクライン(ケーブルカー)の跡もあります。
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またここには、かつて鉱山の事務所や診療所として使われていた洋館「ムーセ旧居」が移築されています。
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内部は、鉱山資料館「ムーセハウス写真館、ムーセ旧居資料館」として公開されていて、操業当時の神子畑選鉱場の模型も見ることができます。
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神子畑選鉱所の続きです。
神子畑選鉱所には、【シックナー】という施設の跡が2基あります。 -
イチオシ
シックナー(thickener)とは、微細な個体の混じった液体から液体を除いて、固体物を得る非濾過分離装置のこと。
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普段は立入禁止となっていますが、今回はガイド付きの公式な見学です。
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まるで遺跡のように美しい内部。
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残留物も多数あります。
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何だか本当に美しくて、廃墟の美を実感できた施設でした。
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続いては、明延鉱山。
奈良・東大寺の大仏鋳造の際に、明延産出の銅が使用されたと言い伝えが残る古い鉱山です。
明延鉱山では明治42年に錫鉱が発見されて、「日本一の錫の鉱山」として栄えました。
昭和62年に閉山しましたが、坑道総延長550kmのうち、650mが【明延鉱山探検坑道】の名前で保存されており、むき出しの岩肌や地面、削岩機など、当時のままの姿を見学することができます。 -
現在は、道路の脇に入り口があるだけですが、以前はここにも鉱石搬出用のトロッコ軌道がありました。
道路を横切る白い部分がそれです。 -
入ってすぐにあるのは、江戸時代の手掘りの跡。
今から150年ほど前のもので、地表にまで続いています。 -
まだ残る鉱脈。
「天盤の鉱脈」と呼ばれる巨大鉱脈で、エメラルドグリーンに見えるのは酸化した銅(緑青)。
白いのは炭酸カルシウム(鍾乳石)。 -
奥まで続くトロッコ跡。
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坑道内に張り巡らされた鉄パイプ。
直径約25センチで、圧縮空気を通して産業機械を動かしたり、坑道内の送風の動力源でした。 -
産業機械の数々。
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地下700mへとつながる大寿立坑に残るエレベーター。
人が乗る時は150m/ 分、貨物の時は300m/分の速度で運用されていました。 -
酒造メーカーの長期熟成蔵。
年間通して12℃という安定した気温を利用して、日本酒の熟成をしています。 -
坑道を出あと、薄闇の中、鉱山への通勤に使用されていた「一円電車」に乗せて頂きました。
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昭和20年から昭和60年まで、明延鉱山から神子畑選鉱場間の6キロメートルを運行していたそうです。
大きさはマイクロバスくらい。とても狭かったです。
内部は木造でした。
養父市役所の方が数名、これを動かすための研修を受けられたそうで、今後も観光資源として活用されるようです。
※現在不定期にイベント時のみ運行ですが、定期運行に向けて動き出すそうです。
神戸新聞の記事「一円電車、常設レールで本格復活へ 養父」(http://www.kobe-np.co.jp/news/tajima/0003533334.shtml)
△一円電車の運行や、明延鉱山跡見学は「あけのべ自然学校」のHP(http://www.fureai-net.tv/akenobesizen/)へ。 -
こちらは、生野銀山前に展示されている一円電車。
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以上でツアーは終了。
とても楽しく、充実したツアーでした。
今度は個人的にゆっくり廻ってみたいなと思います。
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