1962/03/21 - 1962/03/21
134位(同エリア141件中)
ソフィさん
1962年3月21日(水)
カンヌの夕暮れ時、海岸通りを歩いていると、手の届くほどのところに、ビルほどの大きな船が座礁したまま、放置されている。
その異様さに足を止めてみていると、通りがかりの人がやって来て、説明してくれる。
「あれはイタリアの船で、一週間ほど前にこんなになってしまったのだよ」
その口調は、大きな船の無様さを嘲笑っているようで、侮蔑の念が言葉の片隅に込められている。
「人種差別の少ない国」と普段尊敬しているフランスだが、隣国への感情には特別のものがあるようだ。
街の空気は、私がしばらく暮らしていた熱海に似ていて、どこかしら遊興の匂いがしていて、物憂ささも感じられる。
そのような風が、バカンス客を呼ぶのだろう。
特筆したいのは道沿いにある花壇の見事さである。
街の命にシンボルと言った感覚で、シクラメンとシネラリアがこぼれるばかりに咲き誇っている。
「CASINO」と言うネオンに、つい怖いもの見たさで、引き込まれる。
中の雰囲気は明るくて、あまり殺気立ったりはしていない。
私は本来賭博好きと自覚しており、この空気に飲み込まれないよう自粛しながらの見物だ。
一番の花型はルーレットのようで、賭け率は2倍から36倍まで。
しかしカンヌのカジノは、賭け額を10フラン(2ドル)に制限している。
36倍が当たっても360フラン、2万円を少し出るくらいである。
場の空気が穏やかなのは、多分この賭け額の少なさのためだろう。
これから訪ねるだろうモンテカルロは無制限だそうだから、どんな雰囲気気だろうか興味がある。
当てた人は胴元に10%程度のチップを払い、残りを自分のポケットに入れる。
ディーラーがチップを集めたり、勝った人にチップを配る手つきは見事に洗練されていて、見とれるばかりである
盤を取り囲んで、何人かの人が、手帳の何かを書き込んでいる。
よく観察していると、当たり外れの波があり、その傾向をキャッチしようとメモっているようだ。
賭けている人はとても楽しそうで、目の色を変えている人はいない。
お金が動きまわることのスリルを、味わっているのだろう。
気が付くと、何もしないで見ているだけなのは私だけで、気まずくなり、早々に退散する。
ソフィーさんのマイページ」(訪問54カ国、文章1,590件 写真6,770枚)
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(2010.12.10片瀬貴文)
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