2010/06/17 - 2010/06/18
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frau.himmelさん
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私が前から気になっていた街バート・イシュル。
思っていたより数倍もステキな街で旅行記にもすっかり力が入ってしまいました。
◇◆
私がバート・イシュルに憧れを抱いたのは、6・7年も前になるだろうか、「地球の歩き方」オーストリア編で、ドイツ文学者池内紀さんのエッセイを読んだからである。
「池内紀のじっくり味わうオーストリア=バート・イシュル物語」と言うもので、2ページという短い中に中身の濃い文章を書いていらっしゃった。
皇帝フランツ・ヨーゼフとシシーの出会いの場所、音楽家達が集った街。優雅そうな街、豪華そうな街。
いったい本当はどんな町なのか、一度行ってみたい。
今回その機会が訪れました。
わずか1泊という短い滞在でしたが、バートイシュルは私の期待を裏切りませんでした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
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-
ザルツブルクからバスでバート・イシュルにやって来ました。
早速ホテルにチェックイン。
ホテル・ザルツブルク・シュタッツという家族経営の伝統的なホテル。
駅からは少し離れているものの、お部屋やホテル内部の調度品も、古い由緒ありそうな家具であふれていました。
私のイメージした通りのバートイシュルのホテル。
部屋の窓からは山の中腹にカイザー・ヴィラが見えました。 -
これからザンクト・ヴォルフガンクへ行きます。
ホテルから街散策をしながら駅まで歩きます。
ホテルの前の大通り、ザルツブルガー通りにでると、イメージの中のバート・イシュルが出現しました。
ベルがいくつも下がっている時計台(塔?街灯?)。
優雅です! -
時計屋さんの店先にいた時計満載のライオンの像。
バート・イシュルではライオンさんが街の象徴。
随所で見かけます。しかもステキにアートされています。 -
どういう謂れがあるのか知らないが、聖人の像のユーモラスな噴水。
お偉い方を前にして、表情がユーモラスなどと言うのも気が引けますが(笑)。 -
レハール・フィルム劇場とあります。
レハールのことは後ほど。
ピンクの垂れ幕には「Wir sind ein Familie」とあります。
すっかりベルリンの壁崩壊の[Wir sind ein Volk」がこちらでは有名語になっているのですね。 -
ピンク色の可愛い建物。
なんかとても優雅でバートイシュルって感じで…。
辞書で調べたら司教の館なんですって…。 -
司教の館の斜め前にあった豪華な装飾の建物、多分「ホテル・ツア・ポスト」ではないかと…。
-
私達はクアパークを抜けて行きます。
きれいに整備された雰囲気のいい公園です。 -
案内標識
街の中心は歩いて十分散策できる広さです。 -
素晴らしい彫像が…、どなたの記念碑?
これは第1次、第二次大戦でなくなった方々の慰霊碑でした。
ザンクト・ギルゲンにも戦没者の立派な慰霊碑がありましたし、こちらではよくこういう立派な戦没者慰霊碑を見かけます。 -
馬車(本物ではありません、モニュメント)が良く似合う白い瀟洒な建物はトリンク・ハレ。
バート・イシュルのバートは温泉のこと。
ここの温泉水は飲むことが出来ます。
かなり塩辛い温泉水で胃腸に効くということです。 -
またアートライオンです。
高貴な紫のお衣装をお召しです。 -
駅前に出ました。
あそこにオレンジ色の看板で「オイロ・テルメン・リゾート」とあり、その奥の方に立派な白い建物が見えます。
ここがカイザー・テルメといわれたバート・イシュルの代表的な温泉施設です。 -
旅行書にあった「カイザー・テルメ」の場所を探した所この看板がありました。
場所もここだから間違いないはずです。
帰ってから調べたら、旧カイザー・テルメが「オイロ・テルメン・リゾート」と名前を変えたようです。 -
ちょっとだけ中を覗いて見ます。
ここは温泉治療で滞在している人だけでなく、数時間単位で温泉プールを利用する人にも人気があるようです。
塩分が多いので、身体が浮くプールだそうです。
死海よりも塩分が濃いのだとか…。 -
入口のポスター。
ここを利用する人は水着をお持ちくださいね。
私達は水着も持ってきてないし、先を急ぐので入りません。 -
ザンクト・ヴォルフガング、ザンクト・ギルゲンを回ってバートイシュルのホテルに戻ってきました。
ホテルのレストランがとても感じが良さそうなので、ここで夕食をとりました。 -
-
夕食の後、うっすらと夕もや迫る夜の町に散歩に出かけます。
クアパークの中に入ります。
公園にあったどなたかの胸像。 -
大変きれいに手入れされた花壇。
その奥に灯りが煌々と輝いている建物が見えます。
そちらの方に歩いていく人影が…。 -
クアハウスです。
コンサート会場や国際会議場として使用されています。
ここで毎年夏開催されるオペレッタ・フェスティバルは有名です。
これを目当てに多くの観光客が押し寄せます。 -
今日も何か催し物があったのでしょうか?
人が集まっていますね。
近づいてみましょう。
「フランツ・レハール」という名のレストラン。
ウィンナーワルツやオペレッタで有名なフランツ・レハールは晩年このバートイシュルに住んでいました。 -
民族衣装を着けた女性が通りかかりました。
「写真を撮らせてください」ってお願いしたら、
「えー恥ずかしい、私達を撮るの…?」って言いながらもポーズをとってくれました。
笑顔のステキなお二人でした。 -
トラウン川にやって来ました。
夕もやの中に浮かんで見える向こう岸の景色がステキです。 -
エリザベート橋と、向こう岸にひときわ輝いている建物。
-
ライトアップされた「レハール・ヴィラ」です。
フランツ・レハールが晩年を暮らした家が記念館になっています。
ここには明日行くことにしましょう。 -
「エスプラナーデ」と名づけられたトラウン川の優雅な遊歩道を散歩します。
エリザベート橋の付近にこのような女性像があります。
夜になってますます華やかさを増してきたバートイシュルです。 -
目抜き通り、たぶんPfarrgasseのも灯りが煌いて…。
すてきな雰囲気です。 -
立派な建物。「ホテル・オーストリア」。
現在は市立博物館になっています。
実は、ここで初めてフランツ・ヨーゼフとエリザベートが出会ったのです。
1853年8月16日、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフとエリザベートの姉、ヘレーネがお見合いをしました。
ところがフランツ・ヨーゼフは付き添いで来ていた妹のエリザベートに夢中になり翌8月17日にプロポーズしたのです。
そしてこのホテルで婚約をしたそうです。 -
エスプラナーデにはまたこんなステキなカフェがあります。
1832年創業で、フランツ・ヨーゼフやエリザーベートのお気に入りお店でした。 -
回りもだいぶ暗くなって写真写りもいまひとつですが…、
カフェ・ツアウナーの入口にはコック帽を被ったライオンさん。
顔つきも今までのライオン達より上品な感じ。
なんたって皇室ご用達のお店のアイドルなのですから…。 -
夕暮れが遅い今の時期のヨーロッパ。
それでも9時半になるとさすがに夜のとばりに包まれ始めます。
エリザベート橋の近くにあるこのカフェ「シシー」の文字を、最後に写真に収めてホテルに戻ることにします。 -
6月18日
ホテルの朝食室。
伝統あるホテルと思わせる調度品が随所に…。
ここにも鹿や鳥の剥製が飾ってあります。
そういえばフランツ・ヨーゼフも狩猟が好きで、しょっちゅうバートイシュルの別荘カイザー・ヴィラを訪れていたそうです。 -
朝食は他所と比べてそんなに豪華と言うものではありませんでしたが、銀のお盆に一人ずつ銀のカンネに入ったコーヒーとミルクのサービス、食器も吟味してあり、満ち足りた優雅な朝食をいただきました。
-
朝食後、チェックアウト時間ぎりぎりまで、すっかりお気に入りになったバートイシュルの街歩きをいたします。
ホテルのフロントでカイザー・ヴィラの行き方を聞いて、さあ、出かけましょう。
フロント横の待合室。 -
ホテルのすぐ近くにイシュル川があり、その先がカイザー・ヴィラのようです…。
大通りには民族衣装の女性が歩いています。
クラシックな電話ボックスといい、この落ち着いた街並みによく似合います。 -
屋根の上に乗っている白いライオンさん。
頭には鹿の角と十字架が…。
どういう意味があるのでしょう? -
ここにこんな案内板…。
カイザーヴィラの入口のようです。
だけど9時半からしかオープンしないようです。
まだ8時40分ですね…。 -
カイザー・ヴィラの入口。
しっかり門扉が閉ざされています。
ガイドツアーは時間的に無理だけど、せめて建物だけでも見たいと思っていました。
◆◇
このカイザー・ヴィラは1854年フランツ・ヨーゼフとシシー(エリザーベート)の結婚記念として皇帝の両親から贈られたものです。
フランツ・ヨーゼフ皇帝はここがお気に入りで毎夏ここで過ごしました。
第一次世界大戦への宣戦布告書に署名したのもここだったそうです。 -
バートイシュル川に架かる橋。
この橋を渡るとカイザー・ヴィラにいけるのかしら?
でも、人っ子一人居ませんし、森で道に迷ったら…。
やっぱり諦めよう。 -
昨日通ったピンク色の司教の館付近にやって来ました。
朝市をやっているようです。
お花屋さんの色とりどりの花。 -
ボールのように形作られた花束。ステキです。
あの白い花はエーデルヴァイスかしら? -
郵便局
-
ソーセージ屋さんとそのお隣はチーズ屋さん。
これにワインがあればもう何にもいらない…。(オイオイ!) -
トリンク・ハレ。昨日も通りましたが、テントがあると雰囲気が変わります。
では、中に入って胃腸に効く飲む温泉水を試しましょう。
ここのところ飲み過ぎだったからちょうどいいわ! -
中は観光案内所にもなっています。
「あのーどこで温泉水が飲めるのですかー?」
答えは、飲めない…と。
まだ早すぎると言ったのか、今日はやっていないと言ったのか、私のドイツ語力では聞き取り不能でした。(泣) -
中を見学します。
ここのホールではコンサートなども開催されているようです。 -
トリンク・ハレの目の前にはまたまたピンク色の可愛い教会があります。
-
ここの方達はマルクトのお買物に民族衣装でいらっしゃっています。
なんかこの街をすごーく愛しているって感じでステキですね。
バートイシュルって街ますます好きになりそうです。 -
Pfarrgasseにやって来ました。
私のお目当てのお店があるのです。
あそこの国旗がはためいている建物は市庁舎。 -
市庁舎の先にあるこのステキなケーキ屋さんが、「カフェ・ツァウナー」です。
トラウン川沿いにもありましたね。こちらが本店です。 -
入口のショーウィンドーのオシャレな飾り付けと、その横には双頭の鷲の紋章。
ハプスブルク家ご用達の伝統あるケーキ屋さんです。 -
中に入りましょう。
200種類を越えると言うケーキやお菓子。豪華ですねー。
こんな上品なお店で写真を撮るのははばかられましたが、気付かれないようにそっとね…。
私はあんまりケーキは食べません。
と言うかこのトシになると、いろいろ身体にも不都合なことが出てくるので、お医者様から、ワインを飲むならケーキはお預け、ケーキを食べたかったらビールを飲んではいけないと言われているのです。 -
でも、ここは特別よね。
旅の途中で食べられるよう自分用にチョコレートとクグロフをお買い上げしました。
箱に入っているのがクグロフです。
◇◆
ここのクグロフ、皇帝フランツ・ヨーゼフの大好物だったんですってね。
カイザー・ヴィラでは、これと薫り高いコーヒーで朝食を摂るのが日課だったそうです。
しかも愛人のカタリーナ・シュタットと仲睦じくね。
許せない!
でもエリザーベートは旅行に明け暮れていたから仕方がないのかな。
彼女もある程度公認だったと言うし…。 -
私があんまりツァウナーでゆっくりしているものですから、夫はあきれて一人で先に行ってしまいました。
後を追いかけます。
後ろを振り返った風景です。 -
その近くには素晴らしいモニュメントがありました。
ペスト塔とはちょっと違うし何だろう?
ヨーロッパの旗があるということは、EUに関係したものなんでしょうか?
勉強不足ですみません。 -
このエリザベート橋を渡って向こう側に行きましょう。
何かで読んだのですが、このエリザベート橋は韓流ドラマの1シーンとして使われたのですって?
私は韓国ドラマを見ないので解からないのですが…。 -
エリザベート皇妃橋と名前があります。
たしかブタペストにもエリザベート橋と名の付く立派な橋がありましたね。
彼女の人気の程が窺われます。 -
ステキなトラウン川とバートイシュルの景色。
「時間よ止まれ!」。
しばらくこのまま眺めていたい景色です。 -
橋の途中にいらっしゃった聖人
-
橋を渡ると右手にホテル・ゴールデナーオクス(金の牛)が見えます。
-
左の方に進みます。
小路から出てきた車の後ろにいる民族服の男性、覚えておいてください。(小さくて見えないかもしれませんが…) -
レハール・ヴィラが見えました。
レハールという名前を聞いただけで「メリーウィドウー」のメロディーが浮かぶくらい有名な音楽家です。
彼は1919年から1948年になくなるまでこの家で暮らしました。 -
残念、ここもオープンは10時からのようです。まだ早すぎます。
◇◆
後日調べているうちに解かったことがあります。
実はレハールの奥様はユダヤ人だったそうです。
にもかかわらずレハールはナチスの庇護を受けました。
それはレハールの「メリーウィドウー」の曲はヒトラーの好きな曲だったからだそうです。
随分といいかげんな理由だったのですね。 -
そこへ、さっきの民族服の男性がこの看板を持って出てきました。
そして私達に向かって10時からだよ!って言って中に入っていきました。
レハール・ヴィラの関係者だったのですね。
◆◇
レハールはヒトラーから庇護されたことでいい思いをしただけではありません。
ユダヤ人の友人がレハールに、ナチスとの間を取り持ってもらおうとしたことで微妙な立場に立たされます。(収容所行きを免れたい…) -
金網越しにお庭を覗き込みます。すてきなお庭です。
◇◆
結局、友人は強制収容所行きとなりそこで亡くなります。
その件もあり、レハールはナチスの元では1曲も新作を発表しませんでした。
有名な音楽家とだけしか思っていなかったレハールも、歴史に翻弄された人だったのですね。 -
レハール・ヴィラのお隣にあったステキなレストラン、「アットヴェンダー」。
ブルックナーがよく訪れたレストランだそうです。
バートイシュルにはそのほか音楽家も多く訪れ、ヨハン・シュトラウスの旧邸、ブラームスの別荘などもあります。 -
そろそろホテルに戻ってチェックアウトしなければなりません。
クーアパークの中を通って…。
クアハウスにお別れして…。 -
ステキに手入れされた花壇の側を通って…。
-
駅にやって来ました。
フォア・タイルス・カードの件をここでも尋ねてみました。
やっぱりダメでした。
リンツまでのチケットを購入します。 -
少し時間があるので、駅から塔が見えるあの教会に行って見ました。
-
教会の入口。
-
教会の花壇に植栽されていた「ギボウシ」。
家のギボウシはちゃんと育っているかしら…。
俄かにホームシックにかかった私でした。 -
近くにあったポピーの花。
これを見るなり、「この時期にヨーロッパに来れてよかった〜!」
一瞬でホームシックから開放されたのでした。
旅はあと6日間。残り少なくなった旅を楽しみましょう。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- パンジーさん 2010/11/27 12:54:25
- 素敵なホテル
- frau.himmelさま
出来たてほやほやのバート・イシュル旅行記におじゃましています。
このホテル、すてきですね。
もろ好みです。
街もさすが皇帝の保養地だっただけあり 優雅なのですね〜
また行きたい所が増えてしまった。
池内紀さんは好きで、新刊がでるとつい読んでしまいます。
「歩き方」のエッセイ、「バート・イシュル物語」や「トルテ戦争」も
本当に面白いですね。
「歩き方」をひっぱりだして再読してしまいました。
パンジー
- frau.himmelさん からの返信 2010/11/27 22:24:08
- RE: 素敵なホテル
- パンジーさま こんばんは!
> 出来たてほやほやのバート・イシュル旅行記におじゃましています。
すみません。中途半端なものをお目にかけてしまいまして。
作成中、急遽出かける用事ができてしまい…
帰宅して、開いてみると、パンジーさんのコメントが…。(恥ずかしい〜)
あわてて続きを書き上げました。よかったら見てくださいね。
> このホテル、すてきですね。
> もろ好みです。
豪華なホテルではありませんが、古い家具がとても似合っていました。
写真ではベッドのところだけしか写っていなくて、
どんなホテルだ!って突っ込まれそうですね。(笑)
バートイシュル、オーストリアがお好きなパンジーさんのこと、
きっとお気に召すと思います。
私ね、こんなことを言うと笑われそうですが
バートイシュルって、イングリッド・バークマン(若い頃の)に雰囲気がぴったりだと思うんですね。
さっきから彼女のイメージが頭から離れないのです(笑)
機会があればもう一度と行って見たい街です。
ところでパンジーさん、新作発表なさいましたね。
ほやほやの時に見せていただきました。
足跡だけでコメント残さなかったのですが、
浅草の酉の市、やっぱりパンジーさんの手にかかると風情がでますね。
昔、子供達と新宿の花園神社の酉の市によく行きました。
もう行かなくなって何年経つかしら。
来年は、しばらくぶりに行ってみようかな〜。
なんて懐かしく思いながら読ませていただきました。
またお邪魔させていただきます。
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