2010/06/18 - 2010/06/18
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frau.himmelさん
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グムンデン市庁舎の程近くにカンマーホフという古い建物があります。
現在は市の博物館として使われており、ここでヨーロッパトイレの歴史を展示していました(常設かどうかは知りませんが)。これがとても面白かったのです!
本来ならグムンデン散策の中に組みこむ内容なのですが、トイレの歴史単独で投稿するのも面白いのでは?と思いました。
幸いに皆様の旅行記を検索させていただいたところ、トイレの歴史に付いての投稿はありませんでしたので、それではひとつ…、と。
ただ、人間にとっていかに重要な事柄とはいえ、内容が内容だけに、お食事中の方はごめんなさい!って表現もあるかと思います。スミマセン…。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
-
グムンデン市庁舎広場の程近くにカンマーホフという建物があります。
1278年に建てられた古いもので、1527年にはフェルディナント1世が、塩役所(?)としての機能を持たせたこともあります。
建物の壁にある市のワッペンはグムンデンの産業を表しています。
下から塩、薬草、魚、船、一番上はグムンデン焼きですね。 -
建物の一角に博物館の入口があります。
カンマーホフ、K-Hofと呼ばれています。
ここに入りました。 -
入口の案内図。
博物館は歴史、政治、経済、産業、地理、グムンデン陶器などいろいろな分野の部屋に分かれているようです。
エレベーターで1番上に上がり、下に順に見学しながら降りることにします。
ところで、最上階のKlo & Soって何? -
答えはトイレ博物館でした。
グムンデンは陶器で有名なのでトイレ?って思いましたが、どうもそれだけではないらしい。
ヨーロッパのトイレの歴史をここで見ることが出来ました。
イヤー、見ごたえがありました。
写真は壁掛けの手洗い洗面台や洗面器、水洗トイレなどの比較的新しいものです。
それでは、私なりに古いものから順に並べてみましょう。 -
ヨーロッパのトイレの歴史は古く、紀元前の古代ローマ時代は、下水道の技術が発達しており、水洗トイレがありました。
ところが古代ローマ帝国が滅亡して、ヨーロッパではかなり遅く近世の頃まで排泄物に気を使わないトイレ残酷時代が続いたようです。
排泄はもっぱら外か、このような「おまる」に頼らざるを得ませんでした。 -
貴族や金持ち用にはこういうきれいな「おまる」もありますが、これとて原理は同じです。
-
さしづめこれは「おまるセット(笑)」。
上の洗面器は何に使うのでしょうね?
文字通り顔を洗ったり手を洗ったりするのでしょうね。
まさか、排泄後の下半身の洗浄に使用されたのでは?ってあらぬ想像をしてしまいます。 -
わーキレイ!
何も知らなければこれで水でも飲みそうです(笑)。
それでイッパイになった中身はどうするのでしょう?
何と窓から下の通りに捨てたのですって!
捨てる人は「上から水が降ってきます、気をつけてください!」って下に声を掛けながらバシャーっと捨てました。
その言葉を聞くと下にいた人は一目散に逃げ出したそうです。
警告なしに汚物を捨てた人は罰金を取られたそうです。 -
これは進化したおまるでしょうか?
12〜13世紀のパリでは、道路の中央が傾斜しており汚物はそこに流れていき、最終的にはセーヌ川へ…。
それだけでは処理しきれないので、汚物を食べてくれる豚を放逐したりもしたそうです。
雨が降ったりするとそれはそれは無惨なもので、道路はベチャベチャのドロドロ…。
とても歩けるものではありませんでした。
ブーツやハイヒールもその状態を回避するために生まれた知恵だとか…。
決しておしゃれ用ではなかったのです。 -
あの豪華絢爛なヴェルサイユ宮殿にトイレがなかったことはよく知られていますね。
舞踏会で豪華な衣装に身を包んだ紳士や淑女も、その時は建物の隅や庭の植え込みに用を足したそうです。
この頃の女性のスカートは下の部分が大きく膨らんでいますが、これも排泄しやすいように工夫されたものだとか。
王侯貴族はさすがにこれでは恥ずかしいと思ったのか、おまるに椅子が付いた便座が作られました。 -
でも、個室で用を足すという風習には程遠く…。
部屋の片隅にこれを置いて、客人と会ったり仕事をするのも、用を足しながら…、だったそうです。 -
その後、宮殿にも大広間に足つきおまるが並べられました。
皆さん、仲良く並んでコンニチハ!
もちろん中身はお庭に放棄…。
さぞ、臭いのほうもカグワしかったでしょうね。
フランスではこの臭いを消すために香水が発明されたのだとか。
太陽王ルイ14世は、その臭いに耐え切れなくて、ルーブル宮殿からヴェルサイユに引っ越したという説もあります。
ヴェルサイユもこんな状態だったら次はどこへ? -
一方で、排泄を恥ずかしいこととみなすキリスト教では、中世の修道院や城館で個室トイレが作られたところもありました。
でも、それはほんの一部。 -
おっ!、これは初期の水洗トイレでしょうか?
19世紀に入り、産業革命を迎えても、汚物にまみれた街並みはしばらく続きます。
これが改善されたのは1830年台のコレラの大流行からです。
ようやく上下水道は急速に整備され、水洗トイレが発明されます。 -
こういう豪華な水洗トイレも作られました。
上から見ると中まで絵付けされていて、マイセンで出来たトイレ?と見まがうよう…。 -
正面はこのように鷲の形になっています。
カイザーのトイレなの? -
そして、立派な豪華絢爛な個室に取り付けられました。
まるで美術品を並べてあるようなトイレです。 -
トイレセット
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時代が前後するかも知れませんが、1903年に製造されたユーゲントシュティール様式の壁掛け手洗いと、コーナー手洗いです。
芸術品の域です。 -
一方、水洗トイレを初めて見た庶民は使用法が解からない。
いったいこれは何ぞや?
きっとこれは目を洗う器に違いないと…(笑) -
街には公衆トイレも出来ました。
扉はなく一列に並んで皆さん用を足しています。
一応、男女の別には別れているようです。 -
現代のホテルでよく見るタイプのバスルーム。
このようにトイレの歴史は移り変わりました。
あー、面白かった! -
トイレ博物館に時間を取られてしまったので、グムンデンの歴史についてさらっと流していきます。
フランツ・ヨーゼフ1世。
バート・イシュルに夏の避暑地を構えて、グムンデンにもたびたび訪れていました。 -
ハプスブルク家の「双頭の鷲」の紋章。
周りは当時ハプスブルク家が所有していた領土の数々。
オーストリア、スイス、スロヴェニア、ハンガリー、フランスのアルザス地方の一部など、いかに膨大な領地を所有していたかがよくわかります。 -
マリア・テレジア
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この方は?
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1186年頃までグムンデンは周囲を壁で囲まれていた街でした。
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中世の頃のグムンデン焼きの様子。
グムンデン周辺には、陶土など良質な材料が豊富にあったことから、300年以上前から生産が行われていました。 -
グムンデンは重要な塩工業の中心地でした。
ザルツカンマーグートの塩鉱で発掘された塩が、トラウン川の船運搬によりグムンデンに集められました。 -
集積された塩は、皇帝フェルディナンド1世により創設されたカンマーホフの塩役所(?)で税金を課され、鉄道馬車によってリンツ方面に運ばれるか、カンマーホフの倉庫に収納されました。
-
ザルツカンマーグートとは塩の御料地という意味。
一帯の塩鉱がハプスブルク家の直轄地でした。
この立派な双頭の鷲の紋章は「租税の台帳?」 -
1600年代にはピンスドルフの戦いと呼ばれる農民一揆なども起こり、政情は平穏ではありませんでした。
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1626年11月14日、Pappenhaimという男が現れ、反乱農民を打ち負かした。
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展示してあった宝物
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旧約聖書の「足洗木曜日の儀式」でフランツ・ヨーゼフ1世が使った壷
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売店にやって来ました。
グムンデン焼きの陶器が多数飾ってあります。
これは白地に緑色の緑の炎と呼ばれるデザインで、ぼってりとした素朴な柄が特徴。
他に黄色の炎、青の炎のデザインもあります。 -
小花模様。
グムンデン焼きは製造工程全て手作りで、1点1点異なった顔を持っています -
グムンデナー・ケラミック社のマーク。
オーストリアで最大の由緒ある陶器メーカーです。 -
いつものことですが、すっかり博物館に時間を取られてしまいました。
窓から見えるトラウン湖。
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この旅行記へのコメント (2)
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- はなかみno王子さん 2013/07/14 18:23:09
- これは一級の旅行記ですね
- frau.himmelさん
はじめまして。
ベルリン旅行記からお邪魔していくつかヨーロッパの興味ある旅行記拝見させていただきました。
中でもこのトイレの博物館は面白いですね。
一番身近なものですから興味深く拝見しましたよ。
絵柄付き。。。どうして〜なくなったんだろうーーー。
あれば楽しいトイレタイムになるのにね。
日本人は古代から「穢れ」を嫌う習慣がありますが、ヨーロッパの国々には無いってことが良く解りますね。そしてコレラ流行が与えた意味合いは生活歴史上大きいですね。たいへん勉強になりました。
おうじ
- frau.himmelさん からの返信 2013/07/15 11:17:21
- RE: これは一級の旅行記ですね
- はなかみno王子さんさま はじめまして。
何度も訪問してくださっていますのに、ご挨拶が遅れまして申し訳ありません。
私の駄作に、過分なるお褒めの言葉・・
どうしましょう(笑)。
トイレの博物館をお褒め下さりありがとうございます。
何の気なくその博物館に入場したのですが、これが面白い・・。
旅行記にするので、写真を整理して文章をつけて・・、この作業も面白い。
ネットで調べたり、説明文の写真を辞書を片手に翻訳したり・・
人間の一番身近な「排泄」に関すること、私自身も楽しかったです。
あの取り澄ましたパリ社交界の紳士淑女が、庭の片隅で・・なんて想像するのも、また窓から外に向かって汚物を投げ捨てるというのも面白かった・・。
ずいぶん前にアップした旅行記ですが、お陰さまで、思い出させていただきました。
おうじさまは日本全国いろんなところに行ってらっしゃいますね。
私もお邪魔させていただきます。
どうか今後ともよろしくお願いいたします。
himmel
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