2010/10/16 - 2010/10/16
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sikizakuraさん
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「第三回浅草奥山こども歌舞伎まつり」が始まりました。
初日(10月16日)の公演は、埼玉県小鹿野町より出演の子ども歌舞伎「寿曽我対面 工藤館の場」でした。
その様子を芝居の流れに合わせて、歌舞伎の基礎知識を交えながら、ここで紹介します。
(この公演の様子を4トラで旅行記として紹介することについては、
著作権を保有している小鹿野町役場の方より許可をいただきました。
ありがとうございました。)
場所>> 浅草寺本堂の脇、公演の観劇は無料。
開催日時>>11月14日までの毎土、日の午後1時と3時。
この後は栃木県、東京都、群馬県、山梨県の子ども歌舞伎が出演する予定です。
※小鹿野歌舞伎に関してより詳しく知りたい方は下記のHPをご覧ください。
http://www.town.ogano.lg.jp/menyu/kankou/kankou/o_kabuki/kabuki.htm
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土曜とあって、仲見世通りは、人であふれていました。
王子から、「池袋駅東口発浅草雷門行き」の都営バスに乗って来ました。仲見世通り 名所・史跡
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こども歌舞伎の舞台は、ここの特設会場です。
隣は浅草寺本堂です。浅草寺 寺・神社・教会
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開演時間となり、多くの人が集まってきました。
今日の演目は、「寿曽我対面 工藤館の場」
曽我兄弟が、工藤祐経の館で父の仇と狙う祐経と対面する場面です。
見どころは、
父の仇を目前にして、血気にはやる弟五郎と、それを制止し冷静沈着に振る舞う温厚な兄十郎を役者がどう演じるか、でしょうね。 -
まずは、主催者のあいさつから。
三回目の今回は、浅草寺さんのご厚意によりこの場所で開催できることに感謝の意を述べられておりました。浅草寺 寺・神社・教会
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続いて、本日の出演者側からのあいさつです。
埼玉県小鹿野町の歌舞伎保存会の人です。
小鹿野町は伝統芸能の宝庫秩父地方の山間にあり、特に歌舞伎の町として有名です。小鹿野の子ども歌舞伎は、第一回から連続して出演しているそうです。 -
舞台の幕が開きました。 パチパチ
最初は口上です。 -
口上は、小学二年と小学三年の二人です。
かなり緊張している様子が表情からうかがえます。 -
しかし、長い口上を間違えもせず、ユーモアも交えて、
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二人とも、見事にやり遂げました。
観客から大拍手! パチパチ!! -
その同じ口上でも、先の一回目と違い、二回目では、二人ともやや余裕がその表情から見てとれました。
とてもかわいい二人でした。 -
本番の幕開きです。
子ども歌舞伎を楽しみましょう。 -
中央が工藤祐経、その左右に遊女、そして、両端に工藤の家来。
時は、鎌倉時代初め。 -
工藤祐経は、頼朝の寵臣であるが、曽我兄弟の父の仇。
この役は、「座頭級の役者が受け持ち、動きこそ少ないが、他の役者を圧倒するだけの貫禄を持つことが求められる」そうです。
その大役を演じるのは、中学一年のT君。最年長です。 -
工藤祐経の右は、大磯の廓から祝いにかけつけた遊女虎御前。立女形の役。兄の曽我十郎とは恋仲とも夫婦ともされてます。
その役を演じるのは、小学六年の○○さん。 -
その左は、鎌倉化粧坂の廓から祝いにかけつけた遊女の一人、化粧坂少将。若女形の役。弟五郎の恋人でもある。
その役を演じるのは、小学五年生の○○さん。 -
右端は、工藤祐経の家来 近江小藤成家。
これを演じるのは、小学三年の○○君。三兄弟の真ん中だそうです。
かなり緊張しています。 -
左端は、同じく家来の八幡三郎行氏。
小学二年の○○君。大人向けの衣装を無理やり着せられたため、こんな恰好になっているそうですが、それがより可愛く見えますね。 -
そして、みんなの後ろに、梶原景時。
工藤祐経が、富士の裾野での巻狩りの総奉行に命ぜられたことを祝いにかけつけた御家人の一人。正装しています。
演じるは、小学一年の○○君。三兄弟の末で、今回初出演だそうです。 -
祝いの席に入ってきたのが、小林朝比奈三郎義秀。三浦氏の一族である和田義盛の子で、剛勇大力で知られた士であった。
役どころは、道化方で、曽我兄弟を工藤祐経に引き合わせる侍
これを演じるのは、小学六年のS君。 -
鎌倉時代の武将。和田義盛の三男。豪力無双であることから、木曽義仲の愛妾だった巴御前が、和田義盛の捕虜となった後に産んだ子と伝えられ、ここでも、そういう設定になっていました。
しかし、これは史実ではないようです。 -
この顔は、隈取といって、歌舞伎独特の化粧法です。もともとは顔の血管や筋を大げさに表現したものです。
小林朝比奈の隈取は、ざれ隈(戯隈)で、おどけた感じの隈で、三枚目役が用いるものです。 -
そのざれ隈のなかの猿隈という猿のように見える隈取をするそうです。
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一同の祝いの言葉を受けるために高座につきました。
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そして舞台中央には、梶原景時、その左右には祐経の家来が座っています。
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梶原景時役は、小学一年生の○○君です。かわいいですね。初出演ということもあり、かなり緊張しているようです。
梶原景時というよりも、会津藩最後の藩主松平容保に似ていると思いました。 -
小林朝比奈が、工藤祐経に二人の若者にあってやってくれと頼みます。
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豪力振りを見せる場面です。
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この役どころは、道化方といって、
文字どおり滑稽な役。おどけて観客を笑わせる。つまりは三枚目。
この手の役は、見るからに道化と分かる奇妙な髪型のかつらをかぶっていたり、隈取をしていたりです。 -
「小林殿の頼みとあらば断われない」と言って祐経は承知します。
そして、いよいよ主役曽我兄弟の登場です。
先に兄の曽我十郎祐成が入ってきます。演じるは小学五年の○○さんです。三兄弟の頭です。
温厚で冷静沈着な兄十郎の役柄は、和事です。柔らかい身のこなしやせりふ回しが求められます。 -
続いて、弟の五郎時致。○○君同じく小学五年。
活発で剛毅な弟五郎の役柄は、荒事です。
荒事とは、元禄時代の江戸で初代市川團十郎によって創始された、荒々しく豪快な歌舞伎の演技を指します -
仇を目前にして血気にはやる弟と、これを制する兄。
このポーズは何度も出てきます。
「粗相のないようになあ〜」と制止するときの、おっとりとした物言いは好印象でした。 -
荒事役の五郎の隈取は、むきみ隈といわれるものです。
この隈取は、若々しく正義感の強い役に多く使われています。 -
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兄弟は、祐経から父を討ったいきさつを聞きます。
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化粧坂の少将、突然泣き出してしまいました。
最初は演技かと思いましたが、ほんとに泣いていたそうです。大人用のかつらは、小学生にはかなり重いから、さぞつらかったことでしょう。 -
小林朝比奈は、この機会に祐経から盃をもらうように取り計らいます。
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素直に盃を受ける兄十郎
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その兄を制止しようとして手を出す弟五郎
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その手を振り払う兄、
ここの演技も見せ場でした。とてもうまく演じてました。 -
ここで、「あれっ、あれっ」という声が。
小袖がうまく脱げないため慌てた○○君が思わず吐いた一言でした。これも観客には好印象でした。子ども歌舞伎では、こうしたハプニングも楽しみの一つです。演じている子供は必死でしょうが。
ちなみに、二回目の公演ではうまく脱げました。 -
苦労しましたがなんとか脱げたようです。
小鹿野のこども歌舞伎では、大人用衣装をそのまま無理やりにこどもに着せているそうです。
そのため、こうしたハプニングも。 -
無念さをこらえて、盃を受ける五郎。
ここから最大の見せ場です。 -
祐経の家来が酒を注ごうとすると、五郎は盃を反対側に差し出す。
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そこで、家来八幡三郎は、五郎の腕を掴まえて酒を注ぐ。
このシーンでは、客席から笑いが。
客席のこの笑いが、この二人には聞こえたのでしょうか? -
盃を両手に、飲もうとするが……
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結局、無念のあまりに盃を床に叩き付けてしまう。
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怒りをあらわにする五郎と、それを制止する小林朝比奈。
「成田屋」と、声を掛けたくなりました。 -
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これを見て、祐経は時節を待てとさとし、狩場の通行手形を投げ与える。
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「切手」とあるのは、通行手形のこと
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祐経は、お狩場で討たれてやるという本心をあかす。
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幕切れです。
幕切れは「絵面の見得」と呼ばれて、工藤が鶴を、五郎、十郎、朝比奈の三人が富士山を表しているそうです。
そう見えますか、見えますね。 -
パチパチ
※「絵面の見得」とは、歌舞伎の見得の一。
登場人物が動作をいったん止めてそれぞれ型をつけ、舞台全体に絵画的美しさを表現することです。 -
出演者全員が舞台上に勢ぞろい
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黒衣の方が、出演者一人ひとりに感想を聞いていきました。
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(ここから先は、観客の一人としての、僕個人の感想です。)
一年生なのに、よく頑張ったね。30分以上も同じ姿勢でじっとしているのはさぞつらかったことと思います。しかも、最後にちゃんと感想も言えたのには驚きました。 -
小鹿野の少年団十郎、頑張りましたね。
この演目の初めての公演で弟五郎を演じたのは、初代団十郎らしいですよ。
ところで、袴、歩きにくそうでしたね。つまづかないようにと公演中祈っていました。 -
祐経役、ご苦労さまでした。
この役は動きが少ないのに存在感を示さなければならないという、大変難しい役ですが、十分にその大役を果たしたと思います。 -
十郎役、見事でした。
「粗相のないようになあ〜」という言葉がまだ耳に残っています。 -
小林朝比奈役、ご苦労様でした。
道化方を演じるのは、大人でも難しい、まして小学生には無理と思っていましたが、よく頑張りましたね。 -
あれだけの口上をよく覚えたものだと感心しました。
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二回目では、出演者は全員立った状態で。
一回目よりみんな明るい顔をしていたのが印象的でした。無事に終わったという安堵感からでしょうね。
おつかれさまでした。 -
公演が終わり、裏から出演者が出てきました。
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これから、お練りの行列です。
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ありがとう、大変いいものを見せてもらいました。みんなの熱演を見ていて「花と歌舞伎と名水のまち・おがの」に行ってみたくなりました。
十一月の「歌舞伎・郷土芸能祭」での活躍を期待してます。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 風に吹かれて旅人さん 2010/11/02 06:23:50
- はじめまして
- 素晴らしい写真が一杯ですね。
地歌舞伎の様で..岐阜の明治座.村国座など
愛知の小原など写真のを撮っていて似ていて
とても懐かしく..近くだったら行きたくなります・
きっと歓声と拍手に包まれた様相が目に浮かびます。
私も sikizakuraさん写真で堪能しましたので
一票を投じて..ありがとうございました。
- sikizakuraさん からの返信 2010/11/03 06:34:27
- RE: はじめまして
- 風に吹かれて旅人さん、おはようございます。
返事が遅れて申し訳ありません。
書き込みして頂いた上に、過分なるお褒めの言葉をいただき、
大変恐縮しております。
ありがとうございました。
風に吹かれて旅人さんは、東海地方を中心に旅行記を
書いておられますね。しかも、旅行記は丁寧に作られています。
愛知県出身の僕にとっては、故郷の今の様子を知ることができ
るために、しばしば拝見させていただいております。
それと、長浜は、母の思い出が残る町です。妹が二十歳になった時と
結婚が決まった時に、一緒に長浜に行って着物を買って来た思い出が
あります。長浜は、絹の上質な着物が比較的安く買えると言ってました。
そんな母を思い出しながら、長浜の旅行記を拝見させていただきました。
これからも、よろしくお願いします。
sikizakura
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