『燃える大地』＜ゴンドワナの大陸を旅して＞（８４）アデレード中央駅。

2010/04/25 - 2010/05/10

キングウイリアム通りの外れ、昨日泊まったブルーガラホステルから歩いて４−５分の場所にアデレード中央駅がある。豪州各都市に見られるゴシック風の重厚な建物で、この国（州）の若かりし頃、開拓時代の未来にかける意気込みなども感じられる。

この駅ビルの２階には、カジノが併設されていて、昨夜、トレンス川散歩の帰りに立ち寄ってみたが、中の感じは、ラスベガスにあるような暗い照明の中で、スロットのマシンだけが異様に光り輝き、チカチカしていて、大音響を立てている。以前韓国でも同じ様な光景を見たが、これはこれで、ラスベガス発の世界標準になっているのかも知れない。

ここからは南オーストラリア州各都市への郊外型電車が出ていて、通勤、通学型の軽快な電車が出入りしているが、大陸横断鉄道、縦断鉄道は、ここから少し離れた郊外のケズヴィック（Keswick）駅まで行く必要がある。

駅舎に入ると、事務量などは随分と合理化、コンピューター化されていて、キップ売り場など１箇所程度しかなく、自動販売機も３台しか設置がなく、にも拘らず、並んで待つ、ということもない。

その販売機をよくよく見ると、キップの種類が極く単純化され、日本の様に、どの駅からどこまで、と細かく再分化されていない。１日キップとか、何キロ以上先まで、とか、凡そ３−４種類のキップに集約されているから、キップを買うのに時間がかかることもない。だから、案内窓口も極く小さく、駅員も一人しかいない。後は、全て自動改札になっている。

成る程、人件費の合理化とか、斜陽化した鉄道をどの様に活性化するかとか、この国も日本同様に悩み、結果、物事をシンプルにすることにより、人件費の削減と、乗客数の増大が図られ、見事に復活しているに違いなく、こうした点、日本も見習うべきことと思った。

駅のシステムに感心し、次に市内を循環している市電、トラムに乗り、この町の美しい海岸、グレネルグへ向うことにする。トラムの市内の一定区間から無料で乗車できるが、グレネルグ（Glenelg）は市電の終点であり、Free　Zoneの外にあるようだ。

エリア アデレード(オーストラリア)

• 旅行の満足度: 4.5

アデレード中央駅。重厚な建物だ。この２階、３階がカジノになっている。

建てられてから百数十年、流石に時計は止まっているようだ。

駅舎の向こう側に昨日歩いたトレンス川沿いのフェステイバルセンターの屋根が見える。

駅前で客待ちするタクシーの姿は日本と変わらない。

駅舎の横にはカジノへの入り口もある。日本では凡そ考えられない光景。駅舎にカジノを作るなど、一般市民からの大反対が起こるであろう。

アデレードは人口１００万人を越える豪州第３位の大きな町であるが、駅内はそれ程混雑していない。
左側の窓口に駅員が一人いるだけで、あとは全て自動改札。

チケット購入も数種類に単純化されていて、１日券を買ったら、どこへ何回乗っても良い。ちなみに１日券、乗り放題は２９ドル、約４５００円。

これからトリム（市電）に乗って、郊外のグレネルグまで行く。僅か２ドル、３００円。

トリムは近代的で清潔。空いていて、乗り心地も良い。

終点、グリネルグまでは約１５分、終点のタワーが見えろ。