知床爆走おひとり様ツアー④知床五湖、フレペの滝ネイチャーウォッチング

2010/09/23 - 2010/09/23

２２日
新千歳空港１１:３０～夕張（下車）～日高～日勝峠（下車２０分）～足寄（下車）～オンネトー（下車１５分）～１８：００阿寒の森鶴雅リゾート花ゆう香にて宿泊～千本たいまつ行進、アイヌ古式舞踊

２３日
阿寒湖班温泉７：３０～摩周湖（下車２０分）～オシンコシンの滝（下車２０分）～オロンコ岩（車窓）～プユニ岬（車窓）～知床峠（下車１５分）～知床五湖散策６０分　一湖二湖ネイチャーガイド付きで　～知床半島クルーズ（硫黄山航路）９０分【まさかの欠航】代わりに、フレペの滝散策　～オンネベツ川（下車１０分、鮭の遡上見学）～オホーツクバザール（２０分）～１８：３０網走かに本陣　友愛荘宿泊

２４日
網走７：３０～能取湖サンゴ草（下車１５分）～層雲峡：銀河流星の滝（下車１５分）～美瑛～ファーム富田（下車３０分）～新千歳空港

テーマは、「自分のお気に入り北海道を探す旅」。
はなかみno王子さんと仰るトラベラーさんが名付けて下さいました。
帰宅した今、心に残るのは、物語のある風景。
過酷な自然の中で生き抜く動植物の物語。
そこに暮らす人々の物語。
北海道ならではの自然、風土、歴史から紡ぎだされる物語は、胸を打ちます。

ただの看板や田んぼ、延々と続く単調な草原や林など、私一人ならばそのまま素通りしてしまうのでしょうが、バスガイドさんやネイチャーガイドさんのお話を聞きながら見ると、何もかもが、もっとよく見てと自己主張してきます。

なお、トラベラーで北海道方面の神様、ツーリスト今中様より細やかなアドバイスをいただいて行って参りました。この場を借りて深く御礼申し上げます。

さらに、王子さま始め多くのトラベラーさんの旅行記を参考にさせていただきました。どうもありがとうございました。

エリア 知床・ウトロ(北海道)

知床自然センターにて昼食。
テーブルに鮭のちゃんちゃん焼き付き弁当が並んでいる。
添乗員さんが、「２名様こちらで〜す、４名様はこちらへどうぞ」と席を割り振ってくれる。

おひとり様は、二人掛けのテーブルにお弁当が１個のっているからすぐに分かる。

写真は、自然センターに飾ってあったオブジェ、知床の冬。

弁当写真は撮り忘れた。不覚。

隣のテーブルを見ると、もう一人のおひとり様がいる。
「ご一緒してもいいですか？」と声をかけるとにっこり笑顔が返ってきた。
席を移動し一緒にランチタイム。

聞くところによると、彼女は、初ひとり旅でいきなり知床へ２泊３日。チャレンジャーだ。
私は日帰りから始めて徐々にここまできたのに。すごいなあ。

団体ツアーではない本当のひとり旅において、一人であることに違和感を感じたことはないが、団体のなかに入ると、かえって一人であることを意識させられる。
昨夜のご飯は、周りの視線が何となく痛くって・・・
女ひとりというのは、やっぱり変わっているのかなあ

写真は、自然センターに飾ってあったオブジェ、知床の夏

昼食が済んだら、いよいよ知床五湖だ。
バスは、森の中の道を湖へ。
車窓からエゾジカと何度も対面。
そのたびに乗客から歓声。

キタキツネ。
大歓声。

知床五湖、１３時半。
この日は祝日のうえ、知床クルーズが欠航となり多くの観光客が詰め掛けているらしい。
バスガイドさんによると、ＧＷのような混雑で駐車場渋滞が起きているらしい。

バスを降りると、我々バス２台分の団体は３つのグループに分かれ、それぞれにネイチャーガイドさんが付いて散策する。

一湖と二湖を巡る、約１時間の自然観察。

ここは、ヒグマたちの住むところ。
そこに人間が入れてもらっているのだからと、様々なルールがある。

まず、禁煙。
そして、飲食禁止。
持ち込みも禁止。お菓子もダメ。ガムや飴を口に入れての散策も不可。クマがにおいにつられて出てきてしまうかもしれないから。それに、ごみの問題もある。

バッグの中のこんなものは、車の中に置いて行きましょう。

万が一ヒグマに出会ってしまったら、大きな声を出さないこと。後ろを向いて慌てて逃げないこと。
これらの行動に出会うと、クマは反射的に相手を襲ってしまう。らしい。

万が一ヒグマに出会ってしまったら、そのまま静かに目を合わせたまま、あとずさり。
でも、会わないようにすることが肝心。
鈴を持つ、手を叩くなどで、こちらの存在を早くから知らせれば出くわすことはない。
らしい。

が、この日はすごい人出。
ガイドさんいわく。
「こんなに人の多い日には、人の気配がいっぱいだからヒグマはでないでしょう。」

このような木道を１列になって歩いて巡る。
意外と狭く段差も多い。
落ちたら沼地なので大変だ。
高齢の方は、途中でＵターン。

空は雲に覆われ、蒼い湖とはいかなかった。

森の中で時々立ち止まりネイチャーガイドさんの説明を聞く。
これが感動的。森の生き物がすべて繋がって生きていることを実感する。
森の中には、無駄なものは何一つない。
すべてが互いを支えあっているのだ。

知床五湖を出発、１４時。
次は知床クルーズの予定だが、午後便も欠航が決まり、フレペの滝散策に変更。
みんなからため息。

昼食をとった知床自然センターに戻り、フレペの滝へネイチャーウォッチング。
まずは、エゾジカがお出迎え。

枯れたワラビの中に入ると同じ色でどこにいるのか分からなくなる。

森の中では、時折このような木に出くわす。
エゾジカの食害から木を守るためだそうだ。
近年エゾジカが繁殖しすぎてしまい、このような措置をとっているのだとか。

少し色付き始めた木も。

落葉樹は、葉を落とすことで休眠し幹の内部の水分も最低限に減らしてしまう。

一方、針葉樹は冬も葉を付けているため絶えず水を必要とする。樹幹内部にも多くの水を蓄えている。知床のような極寒の地では、この水分が凍るため幹が裂けてしまうことがあるんだって。

ガイドさんのお話だけど、多少違っていたら、ごめんなさい。この後のコメントもそうです。

トドマツの幹の赤茶色の部分は、エゾジカが角を研いだ跡。
エゾジカの角は毎年生え変わるが、もとは茶色なんだって。それをマツで研磨して白く立派な角にするんだそう。

エゾジカも美白してたのね

森の中の針葉樹は地上から１ｍ５０cmほどの高さまで、葉がない。
これは、エゾジカが食べてしまったかららしい。
が、それより上の葉は、雪を避ける屋根になるため、シカたちも食べないんだそう。

フレペの滝。
　この滝には川がなく知床連山に降った雪と雨が地下に浸透し、垂直に切り立った約100mの断崖の割れ目から流れ落ちています。ホロホロと流れ落ちるさまが涙に似ていることから、地元では「乙女の涙」という愛称で親しまれています。
知床自然センターから遊歩道を歩いて片道20分程です。また、積雪期は、歩くスキーやスノーシューなどでトレッキングができます。
【斜里町 商工観光課ＨＰより】
http://www.town.shari.hokkaido.jp/shiretoko/point/8p_furepe.htm

この日は、ほとんど無風であったが、いつもは強風が吹きすさぶらしい。

ワラビの枯れ野原の１本道を、さあ、自然センターへ戻ろう。

この草原は、エゾジカが育児をする大切な場所。
親ジカは、生まれたばかりの仔ジカをこの原っぱに隠してえさを探しに行く。
ヒグマという脅威とともに暮らすエゾジカの仔は、枯葉の色に守られて育つのだ。
それに親ジカが常時に仔のそばにいて哺乳していると、乳のにおいによってヒグマに感づかれてしまうから、かえって危険度が増すというわけ。

ワラビの枯れ葉の下に大きなきのこを発見。
直径２０cmほどはあるだろうか。

まだ青々としたワラビも。
でも知床の冬はすぐそこ。
すぐに枯れちゃうんだって。

ところで、このワラビ、エゾジカは見向きもしないんだって。
どんなにおなかが空いても食べないそうだ。
でもそのお陰で、そのまま枯れ残り、子育てのためのベビーベッドになるのだから、自然ってうまく出来ている。

タンポポを発見。
ところがこれ、北海道の固有種ではないそうだ。
今や日本中にはびこるセイヨウタンポポが、ここ知床にも。
人にくっついて入ってきてしまったものらしい。

ひと房だけ残る山ぶどう。
山ぶどうはヒグマの大好物で、何日か前まではもう少し残っていたらしいが、今はこれだけに。
少し高い位置にあったので、立ち上がっても背が届かなかったのかもしれない。

自然のままのシラカバ。
白樺は多株化しやすく、自然のまま手を入れないとこのような樹形になるんだとか。

また、シラカバは燃えやすく、いったん山火事になるとシラカバ林はあっという間に燃え広がってしまうらしい。
が、森の木々の燃えた灰は、肥料となり、豊かな森の原動力なるんだとか。

ネイチャーガイドさんのお話を聞きながらの散策は、すべてのお話が興味深く感動のひとときだった。
花の名前も木の名前もなかなか覚えられない自然オンチだが、皆いとおしく思った。

知床で船に乗れなかったのは残念だが、これはこれで充実した時間だった。

オンネベツ川。
河口でカラフトマスの遡上を見学。

この旅行記へのコメント （10）

• kuritchiさん 2010/10/02 09:03:48

  おひとり様のツアー参加もいいですね。。。

  ゆうこママさん、はじめまして＾＾
  おひとりで、ツアーに参加されて北海道を激走！ではなく、爆走！！されたのですか。。。
  
  霧のない阿寒湖の景色もよかったですが、
  ネイチャーガイド付きの知床五湖散策され、知床の自然に触れられ…
  （知床半島のクルーズは残念でしたが…）フレベの滝に…
  カニ尽くし♪のお食事。。。
  すっかり、秋の気配の北海道を満喫されましたね＾＾
  
  今まで、おひとり様のツアー参加を躊躇っていましたが、私も挑戦してみようかな。。と思わされました＾＾
  
  また、お邪魔させていただきます＾＾
  
  kuritchi
  
  

  ゆうこママさん からの返信 2010/10/02 09:33:51

  RE: おひとり様のツアー参加もいいですね。。。

  おはようございます。
  バスは東へ西へ走りに走り、私は短時間の下車見学時間にトイレに走り美しい景色探しに走り・・・
  慌ただしかったです。
  団体ツアーは見どころ満載で、北海道旅行のダイジェスト版といった感じでした。
  
  > 今まで、おひとり様のツアー参加を躊躇っていましたが、私も挑戦してみようかな。。と思わされました＾＾
  
  是非お試しを。
  追加料金は痛いですが、その分、バスの座席はゆったり。
  お部屋もゆったり。
  但し、夕食がちと寂しい。
  カニの時には、もう一人のおひとり様と相席にさせていただき、二人で盛り上がりました。
  
  ご訪問＆ご投票、どうもありがとうございました。

  kuritchiさん からの返信 2010/10/02 09:58:38

  RE: RE: おひとり様のツアー参加もいいですね。。。

  再度、おはようございます＾＾
  
  > バスは東へ西へ走りに走り、私は短時間の下車見学時間にトイレに走り美しい景色探しに走り・・・
  > 慌ただしかったです。
  > 団体ツアーは見どころ満載で、北海道旅行のダイジェスト版といった感じでした。
  
  団体ツアーは、下車時間が短かったりするのが難ですよね…。
  その割に、お土産屋さんでのお買い物時間がたっぷりだったりして…（笑）
  
  > > 今まで、おひとり様のツアー参加を躊躇っていましたが、私も挑戦してみようかな。。と思わされました＾＾
  >
  > 是非お試しを。
  > 追加料金は痛いですが、その分、バスの座席はゆったり。
  > お部屋もゆったり。
  > 但し、夕食がちと寂しい。
  > カニの時には、もう一人のおひとり様と相席にさせていただき、二人で盛り上がりました。
  
  ケチ！なのでおひとり様追加料金で悩んで…、もうちょっと足したら2人分の料金！と思っていました（笑）
  そうなんですよ…。夕食 TIME がちょっと…。
  でも、もう一人おひとり様がいらしたら、二人で盛り上がれるんですね＾＾
  いいツアーが見つかったら、チャレンジしてみたいです＾＾
  （でも、ダンナがひっついて来たりして…＋＋；）
  
  kuritchi
  

• さや犬さん 2010/10/01 20:28:58

  クルーズは残念でしたけど、、

  私も知床は駆け足でいったので、フレペの滝やオシンコシンの滝を見ただけ。一度クルーズいってみたいなあと思っています。今夏も知床を計画したのですが、予算の事情があり、あきらめましたＴ。Ｔ
  でも、せっかく知床に時間をとっていったのだったら、クルーズは乗りたかったですねー。ま、次回のお楽しみが出来たということで★
  
  久々に見た知床大自然、素敵でしたー。

  ゆうこママさん からの返信 2010/10/01 22:33:08

  RE: クルーズは残念でしたけど、、

  こんばんは。ようこそお越しくださいました。
  
  知床だけでなく北海道全体を東西駆け足でした。
  慌ただしい旅行でした。
  
  知床クルーズがキャンセルになったのは、返す返すも残念。
  それに曇天だったのも。
  青空の下の知床五湖を見てみたかったです。
  またいつか必ず、です。
  

• はなかみno王子さん 2010/09/28 06:55:59

  フレベの滝

  おはようございます。
  真冬のフレベです。。
  http://4travel.jp/traveler/prince_of_hanakami/album/10223787/
  白い世界は表情違います。。
  
  王子

  ゆうこママさん からの返信 2010/09/28 20:32:26

  RE: フレベの滝

  こんばんは。
  こちらの旅行記へは、知床へ行く前にお邪魔してました。
  ご挨拶もせず、無言訪問、失礼いたしました。
  
  帰宅後、あらためて拝見すると、北海道前と北海道後とは、見え方がちがうのに自分で驚いてます。
  
  すべてが雪で覆われてしまうのですね。
  雪の白さも格別の純白に見えます。
  エゾジカが元気そうなのも、うれしいです。
  春まで頑張ってと声をかけたくなりました。
  

  はなかみno王子さん からの返信 2010/09/28 22:52:35

  RE: RE: フレベの滝

  ゆうこママさま
  
  > こちらの旅行記へは、知床へ行く前にお邪魔してました。
  > ご挨拶もせず、無言訪問、失礼いたしました。
  
  ノープロブレムです。いつでも断り無しで訪問OKです。
  
  > 帰宅後、あらためて拝見すると、北海道前と北海道後とは、見え方がちがうのに自分で驚いてます。
  
  今回は、お気に入り探しの事前チェック、目的を果たされた
  のではないかと思います。
  ガイドブックだけでは良し悪し判断難しいですよね。。
  
  王子は阿寒ではオンネトーが大好きです。
  湖は既に3周くらいしてますが、夕方訪れるとこんなふうに
  見えるんだと逆に関心！！
  
  > すべてが雪で覆われてしまうのですね。
  > 雪の白さも格別の純白に見えます。
  
  白い北海道はまた最高に格別ですよ。。
  もちろんクマは冬眠していません。。
  
  王子
  

• ツーリスト今中さん 2010/09/28 00:20:18

  欠航でも結構だったような、、、

  五湖の散策路、世界遺産登録後、そして高架木道出来る前は
  常にこんな感じの混み方でした
  高架木道が出来てから少なくなってホッとしていたのですが
  この日はこんなんだったんでうねぇ
  （駐車場から五湖に向かって左側に高価そうな木道が
  ご覧になれたかと思います）
  
  ネイチャーガイドもなかなか良いものでしょ？
  「ただの穴」「ただの傷」がそうでないんですものね。
  
  わらびって言っていましたか？
  シダの仲間だけれどわらびではないような、、、（自信ありません）
  ゼンマイ（ヤマドリゼンマイなど）かと思うのですが、、、、
  
  欠航は残念でしたがフレぺの滝への振り替えならまずまずでは？
  悪天候だったら自然センターの「ダイナビジョン」で
  誤魔化されてしまったかも、、
  （映像は悪くありませんが実際に自然をみるのとは大違い）
  高波での欠航は時々ありさほど珍しい事ではないかと思います。
  
  

  ゆうこママさん からの返信 2010/09/28 19:42:18

  RE: 欠航でも結構だったような、、、

  > 五湖の散策路、世界遺産登録後、そして高架木道出来る前は
  > 常にこんな感じの混み方でした
  
  そうなんですか。
  来年からは、厳重な入場規制がかかるようですね。
  あのような人波、知床の自然にとっては、うれしくないでしょうからね。
  これだけ自然保護が叫ばれているのに、タバコの吸殻が捨ててあるのを見かけ、怒りが込み上げてきました。
  
  とにかくすんごい人で、駐車場から木道入口まで、はぐれないように歩くのに必死。
  で、せっかくの「高価」な木道を見逃してしまいました。
  
  > ネイチャーガイドもなかなか良いものでしょ？
  
  良いです。自然オンチの私には、あのようなガイドさんがいないと、ただの雑木林と雑草の野原にしか見えなかったでしょう。
  
  
  > わらびって言っていましたか？
  > シダの仲間だけれどわらびではないような、、、（自信ありません）
  > ゼンマイ（ヤマドリゼンマイなど）かと思うのですが、、、、
  
  ガイドさんはわらびって言ってました。
  オンチに分かりやすいようにかもしれないです。
  
  > 欠航は残念でしたがフレぺの滝への振り替えならまずまずでは？
  
  これが、思いのほか感動的でした。
  それも、滝よりもあの草原に感動。
  厳しい自然のなかで生き抜く動植物の物語をガイドさんから聞いて、胸の奥が痛くなる思いがしました。
  もっと多くのお話を聞いたのですが、私のあやふやな記憶では再現できません。
  
  > 高波での欠航は時々ありさほど珍しい事ではないかと思います。
  
  そのようですね。
  私と１日違いで知床を訪れた知人家族は、羅臼のホエールウォッチングに２日間で３回チャレンジし、やっと１回だけ乗れたとか。
  たった１度きりの機会では、しょうがないですね。
  
  >