1994/07/18 - 1994/07/25
3899位(同エリア4802件中)
北風さん
タイ北部の山間に位置する、タイ第2の都市「チェンマイ」は、赤茶けた城壁が現在も残る静かな古都だった。
つまり、バンコクが飛び抜けて発展していると言う事らしい。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
-
< CHIANG MAI(チェンマイ)>
チェンマイでランドマークになる赤い城壁。 -
チェンマイの裏通りは、南国ムード漂う、ほのぼのとした雰囲気。
琉球名物「こま犬」もどきまで、門から顔を覗かせていた。
・・・そう言えば、沖縄に似ている。 -
< JANGLE TREKKING in CHIANG MAI(ジャングル・トレッキング・ツアー)>
チェンマイ近郊の山岳地帯を2泊3日で廻る、ジャングル・トレッキング・ツアーに参加! -
トラックを改造したトランスポーターに、でかい白人連中とぎゅうぎゅうに押し込まれ、幾つもの山を越えてジャングルの奥地へ!
はたから見れば、ゲリラに誘拐されたツーリストに見えないこともない。 -
奥地へと進む程、道は険しくなる。
しかも、昨夜の大雨で突然田んぼのようなぬかるみが出現した。
勢いをつけてドライバーはアクセルを踏み込んだ!
激しくうなるエンジン、サスペンションは山道の凹凸を吸収しけれずに跳ね回る!
が、しかし、車内の騒々しさに比べて、外の景色は相変わらず同じだった。
・・・つまり、「はまった」と言う事らしい。
激しく空転する後輪が、後方にドロの雨を降らせる!
そして、タイヤは前に進む代わりに、地面へとめり込み続ける。
とうとう、人力に頼る事をドライバーが告げた。
全員、外に出て力の限り押し続ける。
・・・トレッキングはいつ始まるんだろう? -
やっと、泥沼を抜けて、曲がり角にさしかかると、次の泥沼が待ち構えていた。
しかも、先客付きだ。
どれほどのはまり具合か近寄ると、荷台のおばちゃんと目が合う。
「おばちゃん、結構はまっているねぇ」と、あいさつすると、
いきなり、「早く、掘って、押して!」とせかされた。
おばちゃん、俺は確かにタイ人に良く間違われるけど、れっきとしたツーリストなんだが・・・ -
<トレッキング・スタート>
今までの経過から考えると、この泥の坂をこの車で登るのは無理だと誰もが思っていた。
やっと、ガイドもあきらめたらしい。
「Go!」の掛け声が飛ぶ。
ここからトレッキングが始まるらしい。(既にブーツもズボンも泥だらけだが・・) -
とにかく、今回のメンバーが泥の坂の頂上に集合する事になった。
イギリス人、デンマーク人、インド人、日本人、それにホモのタイ人ガイドとバラエティ−に富んでいる。 -
さて、皆でスタートしようという時、ルートに黄色い紐が落ちていた。
・・・30分で人が殺せる、イエロー・スネークの死んだ奴だった。
俺達はこんなのがいるジャングルをさまようわけ・・・ -
ためらう暇もなく、ガイドが緑の海に飛び込んでいった。
-
やっと、今夜の宿泊地に到着!
待ちに待った夕食に、インド人ロビーが活発に動き出した。
「インド風の味付けだ」と渡された皿には、どう見ても焼き飯にしか見えないものがのっていた。 -
2日目は、あぜ道がトレッキングルートになっていた。
いいのだろうか?
どう見ても他人の庭先にしか見えないのだが?
・・・あぁ、田んぼが踏み荒らされていく。 -
2日目の宿泊村は、タイの中国系少数民族「メオ族」の村だった。
やっと、村の入り口にたどり着くと、民族衣装を着たおばさんが野良仕事をしていた。
カメラを向けるツアー客に、おばちゃんが仁王立ちで叫ぶ。
「5バァァ−ツ」
・・・なかなか商売に長けた民族なのかもしれない。 -
村の女性は、子供から大人まで黒地に派手な刺繍を施した民族衣装を着込んでいる。
しかも、この村では中国語が日常語で使われていた。
昔ながらのやり方で、農具に焼きを入れる村人も、一言もタイ語を話さなかった。 -
ツアー料金が少々高いのには、理由があった。
夕食後、休憩時、朝飯前、いつでも何処でも、ガイドのリュックからわんさか出てくる、
「オピウム」、「マリファナ」、「マッシュルーム」!
なんと健全なトレッキングなんだろう!
2日目になると、まともに歩いている奴などいやしない。 -
ニワトリを入れておく為の「チキンバスケット」、
竹の加工品。
竹は生活に生きている。 -
ロビーが、旧式のライフルを持って現れた。
村に置いてあったらしい。
無断で人のものを借りる事を、「どろぼう」と呼ぶのは、日本だけの事だろうか?
しかし、「ちょっと持ってみたい」という誘惑には逆らえない物がある。
映画で見たように、構えてみた。
横からロビーが「弾はいるか?」と聞いてくる。
見れば、どんぐりの様な鉄の弾を手の平にのせていた。
・・・ロビー、そこまで用意していたのか!
さすがに引き金を引く気はしないが、銃床にほほをあてて、先端の将星越しにジャングルに狙いを定めると、自分がハンターになった気がしてきた。
気分はアフリカだ。象まで見える。
・・・象?、本当に出てきた? -
ジャングルの中から、次々と象が現れ始めた。
先頭の象の上に乗っかっている少年がどうやら、象使いらしい。
この象、意外と小柄な方だと思うのだが、さすがに動物園とは違い、2m前をまるで地ならしマシンの様に重低音を響かせて通り過ぎると迫力満点だ。 -
気がつくと、野生の象に取り囲まれていた。
どうやら、ここはバス停ならぬ象停らしい。
ガイドが踏み潰されないように、皆を小川にかかる橋まで、後退させた。
1匹が川に飛び込んで、水浴びを始める。
そのうちに何を思ったか、俺の方へ近づいてきた。
野生の象が、ぐんぐん迫ってくる。
なんともすごい迫力だ!
もし、この象がダッシュをかけたなら、小さな橋は粉々になるんだろうなぁ。
・・・その時、俺の身体も同じ運命なんだろうなぁ。
奇妙に動く巨大な鼻が目前に迫る!
「ブゥオー、ブゥオー」とものすごい鼻息だ。
・・・まさか怒っていらっしゃる? -
手を伸ばせば届く距離まで、鼻が伸びてきた。
よせばいいのに、手を伸ばしている俺がいた。
初めて、象の鼻に触った!
蛇のようにクネクネとうごめくこの物体は、巨大な芋虫の腹側の様に生暖かく、プヨプヨしていた。
もはや、好奇心にターボがかかった俺の手は、巨大な芋虫をひっくり返したり、つねってみたりしている。
あまりにもいじり回した結果、「いいかげんにしろ!」と言われる代わりに、盛大な鼻水のシャワーの洗礼を受ける羽目になった。 -
旅日記
『象が来た!』
このトレッキングは、「象に乗ってジャングルトレッキング!」を売り物にしていた。
つまり、今がその時だろう。
確かに2日間もジャングルを歩き回って、象に乗るのが10分間ではあんまりだ。
俺に割り当てられた象が、ドスドスやってきた。
目前まで来ると、まるでリモコンでもついているかのように、ピタッと止まった。
象使いの少年が、なにげに手に持った鎌のような物を「ドスッ」と象の耳の後ろに打ち込む。
・・・人間だったら、即死かもしれない。
すると、象がペコッとお辞儀をした。
俺の中の日本人としての習性が、首の筋肉を瞬時に動かす。
次の瞬間、不覚にも俺はお辞儀を返してしまっていた。
インド人ロビーが不思議そうに、象に向かってお辞儀をしている俺を見つめる。
タイで日本の礼節が理解されるかどうかと言うレベルではなく、そもそも人類に属さない生物が頭を下げて挨拶などするはずもない。
つまり、これは「乗れ!」という仕草らしい。
タイの象は自動タラップ仕様だった。
固く、ザラザラとした手触りの頭がググッと持ち上がる。
見る見るうちに、視点が高くなり、ジャングルの緑の海を見下ろせるようになった。
これは、気持ちいい!最高だ!
何処からでもかかって来い!
今日この瞬間、「虎の威をかる狐」の意味を悟った。 -
象は当然、自分のサイズで進む。
象の背中のたんこぶとなって、乗っかっているツーリストの座高なんて考えるはずもない。
結果、象の頭上高く生い茂る枝が無数の障害物となってツーリストに立ちふさがる。
・・痛い! -
思っていたほど、乗り心地は悪くなかった。
らくだの数倍ましだ。
しかも、それほど揺れもない。
一番の特等席は、やはり背中ではなく、首の後ろだ。 -
もう2時間も、山道を登り続けている気がする。
-
象の行列は、ストライキも起こさず黙々と足を進めてはいるが・・
すこし、足元がふらついてきた気もするが・・ -
-
-
乗り方もだいぶコツがわかってきた。
ハンドルは、耳をガシッとつかんで左右に引っ張る。
アクセルは、頭をポコポコ叩きまくる。
ターボは、・・多分、マリファナでも咥えさせたらいいだろう。
さて、ブレーキは・・ -
旅日記
『象とマリファナ』
イギリス人2人と東洋人1人の体重をものともせず、母象はガンガン山道を登り続ける。
母象の側をつかず離れず、チョコチョコ付いて廻りながら、ガンガン草を食べ続ける小象。
母象の背に揺られながら、ガンガンマリファナを吸い続けるイギリス人2人。
ジャングルの緑の海の中で、三者三様のドラマが繰り広げられる。 -
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