2010/06/16 - 2010/06/17
189位(同エリア558件中)
極楽人さん
童話の世界を想わせる、とんがり帽子。
円錐形の屋根『トゥルッリ』が立ち並ぶ不思議な町の様子は、
近頃の旅番組や雑誌でたびたび見られるようになりました。
今や、南イタリアの人気スポットです。
"お伽の国"のようなアルベロベッロは、その過酷な歴史と裏腹に、どこか幼げでかわいい姿をしています。
“絶景好き”の自分が行く場所じゃない、と思っていましたが、「どうせ近くまで行くんだから」と考え直しました。
念願のマテーラ訪問のついでに、"数時間だけ"訪問してみようか、と。
アルベロベッロとマテーラは起点となるバーリを頂点にした二等辺三角形を形作リ、どちらへもバーリから私鉄で片道1時間半かかります。
底辺の二つの町を簡単に移動できれば、問題が解決するのですが・・・
そんは方法が、偶然見つかりました。問い合わせたアルベロベッロのホテルから、「マテーラまでの"送迎サービス”を実施する(有料)。」という返事をもらったのです。
と、いうことで、マテーラ2泊のうちの一泊をアルベロベッロに振り分けて、見事トゥルッリホテル宿泊が決まった次第です。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
- 航空会社
- 中国国際航空
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-
2010年6月16日午前8時45分、大きな荷物をローマのホテルに預けて、Termini駅からBariに向かいました。
この旅行一番の長い道のり、しかも朝早い時間のES利用なので、切符はあらかじめネットで買っておきました。早割り〔meno30〕で往復とも30%割引です。
発注の時期が6月と12月の夏冬ダイヤ変更期にあたり、イタリア鉄道の新ダイヤ発表が遅くて焦りました。 -
列車はいくつかの街を走りぬけ、短い停車駅ではきっちりタバコ休憩し・・・
-
東海岸に近いFOGGIAの街を過ぎて少しすると、左の車窓に海が見え隠れしてきます。アドリア海です。
海の向こうは、クロアチア、モンテネグロ、アルバニア、ギリシャと連なります。 -
列車は15分遅れでバーリ中央駅に到着。
この程度の遅れは、遅れではありません。 -
アルベロベッロ行きの私鉄スードエスト(Sud-est)線のホームは、FS(イタリア鉄道)のホームの地下通路を進んだ一番奥にあります。
切符はホームの端のこの建物で購入します。
片道ひとり2ユーロです。 -
電車は、1時間に1本程度あります。
沿線住民の足らしく、買い物帰りの奥さんや学生の姿が目立ちます。
案外、きれいな電車が来ました。
13:35発のマルティーナ・フランカ行き、アルベロベッロは途中駅です。 -
電車はオリーブ畑を突っ切って走り出しました。
車窓にカメラを向けていると、車掌さんが最後部に招いてくれました。
「ここからパノラマが撮れるよ」と言っているようです。 -
畑の中に、トゥルッリの三角屋根が現れては遠ざかります。
それらしい雰囲気が出てきました。 -
午後3時過ぎ、アルベロベッロ駅に到着。
約1時間半の道のりでした。
いま降りた旅行者は、我々だけのようです。
"人気スポット"と言っても、個人旅行には不便だし、専用バスの団体は嵐のように通り過ぎるだけだし・・・ -
駅前通りの両側には、きれいな新しい住宅が並んでいます。このあたりは新市街なのでしょう。
町の中心までは上り坂です。登りきった先に、予約したホテルのオフィスがあるはずです。 -
ここが新市街の中心。
左の建物がホテルのロビーにあたるオフィスです。
いま登ってきた道は画面中央から左に続いています。
つまり、鉄道駅は写真の道を左に400m下った外れにあります。
旧市街へは、写真右奥の方向へまっすぐ進みます。 -
チェックインの手続き後、担当の好青年が街を説明しながら宿まで案内してくれます。
このホテルでは、空いたトゥルッリをいくつもホテルに改造して運営しています。
写真は、新市街と旧市街の境の高台にある『ポポロ広場』です。 -
ポポロ広場の展望台から、
最初に眼に飛び込んだ旧市街の風景です。
ありました、ありました。
こんなにあるとは・・・
因みに、『アルベロベッロ』という不思議な名前は
「美しい木」という意味だそうです。
ケーキに飾る緑の木も、こんな形でした。
言われてみると、この町が"森"にも見えてきます。 -
この集落は『モンテイ地区』と呼ばれ、新市街から一段低い窪地から始まって、奥の方が高台になった斜面に張り付いています。
1000個を超えるトゥルッリがあるそうです。 -
とりあえず、ホテルへ。
私たちのトゥルッリは、このきれいな坂を登ったところだそうです。 -
これが今夜の宿。
「どうせ泊まるなら、トゥルッリでなきゃ」といったところです。 -
二人用の小さなものを頼んだつもりでしたが、案外広くて快適でした。
中央に食卓のある居間。
その向こうに寝室が二つ、カーテンで仕切られています。
天井は、外から見たとおりに尖がっていました。 -
小さいながらキッチン、トイレ、シャワーも清潔でした。
食器や調理器具も完備しています。 -
一休みしたら、さっそく町歩きです。
先ずは、知人に紹介された女性"Yokoさん"のお店(黄色の看板)を訪ねます。
この町に住む唯一の日本人の奥様で、地元出身のご主人と二人でお土産屋さんを経営なさっています。時間のあるときは、観光ガイドとしても活躍なさっているようです。
ご主人とは20年前、何気なく旅したこの町で出会って結婚なさったとか、映画のようですね。 -
お寄りするつもりはなかったのですが、メールで「我が家の屋上は絶景ですよ、是非・・・」と勧めていただきました。NHKなど、旅番組の取材も多いそうです。
写真は、屋上その1。
平たい石を積み上げただけの、古代からの建築法だそうです。
役人が重税を取りに来ると屋根を壊して「これは住居ではない。」と、税を免れたといいます。 -
屋上その2。
トゥルッリが、その構造や特徴までよく分かります。
この町の暮らし方や、おいしいレストランなどの地元情報をいっぱいいただいて、思わぬ長居をしてしまいました。
妻はめずらしそうに店内を物色し、名物の食材などをいくつか買い込んでいました。 -
モンティ地区は、どちらかというと観光エリア。
どの通りにも、お土産やさんやレストランが数多く並んでいます。 -
どの通りも、白壁がきれいに飾り付けられています。ここだけ見ていると、宮崎県のどこかの新興リゾート街にいるような錯覚を覚えます。
岐阜の白川郷と姉妹都市、というのもちょっと安易かな。 -
精巧なトゥルッリの模型を売るお店。
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店先に吊るされたポスター。
トゥルッリの屋根に刻まれた「謎」の解明に役立ちます。 -
これも特産品です。
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斜面を登ってゆくと、個性豊かなトゥルッリにも出会います。
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こちらは農家でしょうか、結構な"豪邸"です。
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豪邸2。
Yokoさんから、「とんがり屋根の数が、そのまま部屋の数」と教わっていました。
大きいトゥルッリは、20もの屋根を持っているそうです。 -
斜面の最上部にある教会も、トゥルッリでした。
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さて、今度はもうひとつのトゥルッリ集落『ピッコロ地区』に向かいます。
ポポロ広場の下を、右方向に登ってゆきます。
(写真はモンティ地区から新市街を見たところ。
左下の階段を登るとポポロ広場です) -
ピッコロ地区には400程のトゥルッリ。
こちらは現在も普通の住居として使われている、住宅街です。 -
静かに暮らす地元の人々と、遠慮がちに散策する観光客とが交差します。
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派手な飾りはありませんが、確かな生活の匂いが感じられます。
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人通りの途絶えた通り。
午睡(シエスタ)の時刻は過ぎているはずですが・・・ -
モンティ地区がほとんど新しく改装されているのに比べて・・・
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ピッコロ地区では、古いトゥルッリを大切に使っているようです。
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それにしても、これは相当古そうです。
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夕食は、Yokoさんにも薦められたレストランで。
別の資料でも、ここが一番おいしいと書いてありました。 -
狭い入口と裏腹に、内部は広い洞窟風。
大きな部屋の反対側では、日本の青年男女3人が熱っぽく語り合っていました。旅の情報交換ですか。 -
オードブル(写真の5皿)とパスタと肉料理を、それぞれひとつずつ注文。それでも食べきれない量です。ワインと水もとって、総額45ユーロは確かに"値打ち"でした。
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レストランを出て、夜10時。
にぎやかだった通りも、ひっそりとしています。 -
これは翌朝。
新市街と旧市街(モンティ地区)を分ける大通りには、まだ昨夜の灯が残っています。 -
ポポロ広場の教会の空を、おびただしい数のツバメが乱舞しています。
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広場下の公園に、ひっそりと佇むマリア像。
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早朝の散歩を、昨日も見かけたワン公が先導してくれました。私の進む方向を読んで先へ走り、確認を取るように立ち止まってくれます。
宿のトゥルッリまでついてきたのでパンをあげましたが、口に合わなかったようです。
「パンのために案内したんじゃない」という、誇り高きガイド犬でした。 -
この日(木曜日)は、盛大な朝市が開かれました。
衣類、靴、カバン、金物、骨董・・・ -
中でも魅力的なのは、野菜・果物のお店です。
こんなに採れるのに、どうして食事には新鮮な野菜を摂らないないのでしょうか。
勿体ない話です。 -
朝9時過ぎ、簡単な荷造りをして宿を出ます。
ホテルのオフィスまでの道、新市街まで朝市の賑わいが伸びていました。 -
オフィスにリュックを預けて、まだ見ていない新市街の見学に出掛けました。
先ずは、二本の尖塔を持つ教会。
オフィスのすぐ横にあり、ポポロ広場からもよく見えるので気になっていました。 -
サンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノ教会という長〜い名前の教会。
静謐で美しい内装でした。 -
続いて細道をくねくね曲がり、『トゥルッロ・ソヴラーノ』へ。道を尋ねたおばあちゃんが連れて行ってくれました。
ここは豪族の屋敷跡だとか、最上級のトゥルッリ邸宅だそうです。
さて、アルベロベッロはこれで終わり。
午前10時、オフィス前から、ホテルの"送迎サービス"を利用して次の目的地マテーラへと向かいます。
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