2010/03/10 - 2010/03/13
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空飛ぶドクターさん
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【2回目のバンコク】
今年最初の海外旅行(3月10日から)は娘と二人でのタイ旅行になりました。いつものように、偶然が重なり必然になりました。大学生の娘にとっては春休みで、一応プロのキックボクシング選手の彼女はムエタイの本場、タイには当然の如く興味があります。私も昨冬のJENESYS(AFS)の仕事でバンコクからの留学生と知り合い、彼女の父親が名門チュラロンコーン大学の整形外科の医者と知り、是非訪問したいと思っていました。値段的にもタイは手頃です。もう15年も前、九大病院で働いていた時に学会でやって来たチュラロンコーン大学の泌尿器科主任教授の家族の接待係を任され、福岡タワーや太宰府を案内したことがあります。その時から日本の東大のようなチュラロンコーン大学の名前は知っています。
曜日の関係で福岡からのタイ航空の直行便は取れず、中華航空の台北経由でした。タイ航空の中国語表記は「泰國航空」で、前回の旅行のキャセイ航空は「國泰航空」です。ちょうどひっくり返した漢字です。自分の名前の「泰」が入っているのでタイ国には勝手に親近感を感じていましたが、今回はこういう面白いことに気が付きました。それにしても、台北の空港には乗り換えのために何度も来ています。前回のネパールの時も立ち寄りました。でも、こんなに近いのに何故か一度も空港以外に入国したことはありません。上海と同じで、そのうち仕事で来るような予感がしますので、今のところは自分で台湾旅行は予定していません。
以前タイに来たのは、アジア泌尿器科学会で後輩の医者二人と一緒でした。もう15年ほど前の話です。当時の空港は今回の空港とは違います。学会の後で、古都アユタヤまで船で行きました。そして、遺跡などを歩き回りましたが、根性のない一番若い後輩は「死の行軍」だと我々先輩二人をなじっていました。確かに36度程度の炎天下を歩き回りましたが。そして、帰りは鉄道マニアのもう一人の後輩のために、船をキャンセルしてわざわざ汽車に乗りました。どうせ、物価が安く汽車代も安かったと思います。若い後輩は疲れて座席で寝てしまいましたが、年配の我々二人は元気に立ったままでした。しかも、立っていた我々二人は現地のタイ人に少しからまれましたが、小柄なタイ人のこと、あまり怖くはなく適当にあしらった記憶があります。鉄道マニアの後輩はこの車両は日本の鉄道の払い下げで、車両番号かなんかまで解読していました。
その時印象深かったことがあります。アユタヤからバンコクまでは列車で数時間だったと思いますが、地図で見ると1時間もしないでかなりバンコクに近づいています。計算が合わないと思っていると、徐々に理由がわかってきました。市内に近づくにつれ、どんどん列車のスピードが落ちるのです。驚いたことに貧困者が線路沿いに住んでいるのです。ですから、列車の方が遠慮してゆっくりしか進めないのです。これはカルチャーショックでした。最近、新幹線の計画もあるベトナムの列車がテレビで紹介されていましたが全く同じでした。市内の線路沿いには貧しい人々が住み着いているのです。ですから、列車はゆっくりしか進めません。開発途上国共通のようです。
福岡から台北まで2時間半、そして1時間半ほどの乗り換え時間があり、台北から3時間半ほどでようやくバンコクです。着いたのはもう夕方です。空港からは空港手配代50バーツを払ってタクシーに乗り、合計75バーツの高速料金を払い、約1時間も乗ったのにメーターは400バーツでした。しめて合計525バーツ(1バーツは約2.8円)程度とかなり割安な感じです。現金はいつものように、空港に到着後にATMでクレジットカードでの現地通貨キャッシングです。私はこの方法が一番簡便で手数料が安いと信じています。
ホテルに到着しました。今回はいつもの旅行代理店にホテルも任せたので、私としては立派なホテルです。自分で直接予約するとつい安い所を選んでしまいます。早速、ぶらぶらします。近くの繁華街、MBKと言うショッピングモールの辺りへ行きます。平日なのに、日本のお祭りのような雰囲気で、路店が多く、人も賑わっています。福岡にもあり、家族でも時々行ったことのあるタイしゃぶのチェーン、MKレストランを見つけました。いつものようにメニューを覗いてみましたが、少し食材が違い、麺も黄色いのでなく、緑色の特殊な麺でした。娘と相談し、他にいい店がなければここにしようと決めました。
しばらく歩くとよさそうなレストランを見つけました。早速、楽しみにしていた辛いタイ料理を堪能します。もちろん、えびスープのトムヤムクンは必須です。期待通りの味でした。カニのカレー風味、魚料理などをメインディッシュとして頼みます。私は菜っ葉類が大好きですが、今回頼んだ HK kale oyster sauce が最高においしかったです。漢字で空芯菜と書いてありました。ほうれん草に似ていますが、中華タイ料理らしく小さく切らずに大きい野菜のままで、炒め具合が絶妙で芯の部分がほどよく、しゃきしゃきして食感が最高で、オイスターソースと絶妙のハーモニーです。「ケール」と言うのは、青汁の材料としては知っていましたが、野菜として食べたのは初めてですが、とにかく最高においしかったです。日本に帰って調べると、ケールとはキャベツに似ていると書いてあります。私が見たのはHK、つまり香港ケールでむしろほうれん草に似ていました。たぶん、少し種類が違うのでしょう。デザートも込みで二人で1100バーツでした。タイの物価から言えば贅沢なくらい食べました。
夜ホテルに帰ると、期待していたタイマッサージがあります。娘に聞くと、娘もトレーニングで筋肉痛があるので受けたいといいます。一緒に受けました。娘は1000バーツのアロママッサージで、私は半額の古式マッサージです。ボキボキやられるのを覚悟していましたが、日本で受けたことのあるタイ古式マッサージよりはソフトな感じでした。
【二日目】
今日は朝から観光です。Tuktukで風を切りながら、一番有名そうな寺院、ワット・プラケオへ行きます。王宮と一緒になっています。ここは宗教的にドレスコードが厳しく、ホットパンツの娘は巻きスカートを穿かされました。結構、似合っていました。普段、娘と写真を撮ることもないので、豪華絢爛な寺院をバックにたくさん写真を撮りました。彼女は相変わらず無邪気にVサインをして映ります。バカっぽいので私はあまり好きではありませんが。黄金に輝く仏塔、プラ・シー・ラタナー・チェディや尖塔や悪魔と猿神が支えるプラ・スワンナ・テェディなどがあり非常にカラフルです。本堂には、エメラルド色をした仏像があり、「エメラルド寺院」とも呼ばれているそうですが、残念ながらここだけは写真撮影が禁止されています。
次に、普通のタクシーでワット・ポーへ行きます。タクシーを降りると怪しい奴らが今日は国の ceremony で中は休みだと声を掛けてきます。地球の歩き方に書いていた通りです。どうせ嘘だと無視します。角を曲がって入り口へ着くと案の定開いていました。ここは以前に来たことがあるのをよく覚えています。巨大な涅槃像、つまり寝仏があります。
以前にバンコクへ来た時の思い出の一つに、横断歩道や信号があまりなく、道路を渡るのが怖くてしかたがなかったことがあります。ずうーっと観察していて(約1時間も)、横断するコツがようやくわかりました。自分のペースで躊躇せずまっすぐ同じペースで歩くのです。少し怖いですが、車も人を撥ねたくはないので止まったり、スピードを落としてくれます。でも、今回は横断歩道が増えてそんな苦労はありませんでした。しかも、信号では残りの秒数が表示されるのでわかりやすくなっていました。信号もほとんどないネパールに比べるとやはりかなり文明国です。
キックボクシングをやっている娘はたくさん買い物があります。途中で、マーライと呼ぶらしい造花の首掛けを探しました。リングで試合前に選手が首に巻いてるやつです。何軒か回っていい店を見つけました。どうも必ず線香などと一緒に売っています。仏具屋に置いてあるようです。やはり、キックボクシングもここタイでは宗教的なもののようです。値段は安く、一つ50〜60バーツ程度です。
昼食は小汚い普通の小さな食堂へ入りましたが、やはりタイ料理はレベルが高く値段も安く(600バーツ)それなりの味でおいしかったです。昨夜と同じケールも頼みました。昨日ほどではありませんが、おいしかったです。トムヤムクンも同様です。
一端ホテルへ戻り休憩した後、タクシーに乗りチャオプラヤ川の桟橋へ行きました。どうもタクシーがいい加減でこちらが調べた桟橋でなく、適当な所へ連れて行かれ、どうも仲間の Long tail boat を紹介されました。2000バーツと少し高いのですが、ぼられているのを覚悟でクルージングの船に乗り込みました。名前通り、細長い小船です。狭い運河から見飽きるほどのワット(寺院)を見、貧しいおんぼろ家もたくさん見れました。最後には、向かい側にワット・アルンが見えます。夕日がきれいだとガイドブックには書いていますが、それほどでもなかったです。対岸が終点で降ろされましたが、ちょうど午前中に観光したワット・ポーの近くでした。
夕方までにホテルへ戻り部屋で待っていると、約束通り7時頃電話があり高校の制服姿らしいヴァネッサがお母さんとフロントで待っていました。建興酒家(Somboon Seafood)というシーフードで有名な中華風タイ料理の店へ連れて行ってくれ、そこで父親と姉と妹の3人と合流しました。本音で言うと、少しだけ残念でした。どんな家に住んでいるか見たいので、自宅に招待してくれることを期待していたからです。お父さんが名門大学の准教授で、お母さんも女医、20歳の長女は医学部の学生、私が広島で知り合ったヴァネッサは医学部志望、そして10歳で眼鏡をかけた妹さんがいました。絵に描いたようなエリート一家のようです。ここのレストランもそうですが、中国系、つまり華僑のようです。
娘はイタリアには一年間留学しましたが、英語もそんなに得意ではなく、会話が弾むかと内心心配していましたが、杞憂でした。さすがに我が娘。自分のペースでキックボクシングの話など女の子同志で盛り上がっていました。タイ人とは言え、秀才の長女は何でキックボクシングなんかやっているのかと、興味津々で娘に質問していました。食事は最高で、魚料理、肉料理、フカヒレスープ、野菜料理とありとあらゆる物を楽しみました。最後は末の娘さんの大好物というデザート、Taro(暖かいケーキ)でした。これは特別なことはありませんでした。ここでも、トムヤムクンも頼んだのですが、これだけは昨夜のレストランの方が辛くておいしかったと娘と話していたらその理由がわかりました。お母さん曰く、ヴァネッサは(タイ人なのに)辛いのが苦手で、少しマイルドにするように頼んであるそうです。そう言えば、彼女は辛いのが苦手と日本でも言ってました。タイ人でも辛いのが苦手な人がいると知ったのは驚きでした。
【ムエタイ一色の三日目】
今日は娘のための一日です。ムエタイの試合は夕方からですが、彼女の目的のキックパンツなどを買いに行くため、朝からルンピニ公園のはずれにある有名なルンピニ競技場へ行きます。タイの地下鉄に乗って見たかったので、無料のホテルのTuktukで地下鉄駅へ行き、地下鉄で三つ目の駅のルンピニ・スタヂアムで降りました。競技場の回りには確かに何軒もキックボクシング用品を売っている店があります。でも、娘が楽しみにしていた夕方までにキックパンツに名前を刺繍してくれるサービスはありませんでした。それでも日本の値段の五分の一程度だと言って、頼まれた分も含めて6枚ほど買いました。もちろん、支払うのは私ですが。ついでに、キックのグローブとミットも一つ買いました。昼食は、せっかくホテルの無料券があるので、ホテルのレストランへ戻るとバイキングでした。本来、800バーツのようでした。
午後は昨日の涅槃像に対して立像のワット・イントラウィハーンを見に行きましたが、結局ガイドブックと合致せず、名前もあまり有名でなくあるべき所にはただの寺院しかありませんでした。狐につままれたような気分でした。娘に次にどこへ行こうかと相談すると、衝動的に虎が見たいと動物園へ行くことにしました。タクシーで行くと、ちょうど白いベンガル虎が有名なようでした。タクシーはメーターが35バーツから始まり、市内はせいぜい100から200バーツ程度です。Tuktukはもちろんメーターはありませんが、だいたい100バーツ程度が相場のようです。動物園自体はそんなに珍しくはありませんでしたが、動物園の一角に軍隊の基地があるようで、動物園内も若い兵隊さんがたくさん歩いていました。でもタイ人は小柄で優しい顔をしているので、全然迫力はありません、つまり怖くはありません。
まだ時間があるので、ショッピングセンターのBMKへ行きました。娘は「パチモン」のピアスやネックレス等を夢中になって買っています。念のため意味を尋ねると、偽ブランド品のことのようです。それから、娘がお土産用にとたくさんのタイのチョコレートを買っています。私はしょっちゅう海外へは行きますが、お土産の買い物は一切しません。Food centerを覗くと、私の大好きな屋台風の食堂が並んでいます。おやつ代わりに、麺と空芯菜をたったの35バーツで注文します。やはり、こういう所は安くておいしいです。そうすると、さっきのパチモンの若い店員がやって来ました。娘と写真を撮ってあげました。知らない人に見せたら、どっちが娘でどっちがタイ人かわからないでしょう。と言うのは、娘はショックを受けていましたが、今回の旅行で何度も現地の人から、娘はタイ人にそっくりだと言われているからです。
これを書いてる今は5月です。タクシン元首相支持派団体(赤シャツ隊)のデモと現政府での衝突がかなりひどくなっています。貧しい地方の農民に人気のタクシン元首相支持派と軍、政府、都会のエリート層の反タクシン派の衝突です。私が会ったバネッサの家族はもちろん反タクシン派のようです。何か、赤シャツ隊のことで困ったら電話してくれと言ってくれました。やはりコネがあるのでしょうか?ちょうどデモ隊に占拠されている地区はルンピニ公園を含む今回の我々の旅行先と重なっています。身近に感じます。
午後6時にいよいよタクシーでルンピニ競技場へ向かいました。朝、売り場をチェックしていましたが、リングサイド席は一人2000バーツとこの国の物価を考えると非常に高いです。そのせいか回りを見ると、リングサイド席は白人や日本人だらけでした。試合は何試合もあります。相撲の土俵入りと同じで、一試合ごとに試合前の宗教的な踊りがあります。最初は興味深く見ていましたが、段々飽きてきます。
早く試合だけを見たくなります。なかなかKO勝ちはありません。娘に聞くと、ムエタイはキックボクシングとは違い、偶然性のあるKO勝ちよりも全ラウンド闘って勝ったほうが評価が高いとのことです。でも、力の差があるらしくて、メインイベントのタイトル戦ではあっさりチャンピオンがKO勝ちしました。
終了後はもう9時45分を過ぎて遅いのですが、すぐ隣にナイトバザールのテント屋台があります。焼き肉兼タイシャブの店です。しかも、2人の場合、1人はたったの109バーツで食べ放題です。飲み物、デザートまで付いています。
【最終日】
実は私は今回の旅行の3週間前からあるメーカーの栄養食品(スープとジュース)を使ってダイエット中でした。割と簡単に2kg程痩せ、体脂肪率も23%から18%程度へ減っていました。しかし、今回の旅行中はせっかくのタイ料理ですから、ほとんど自由に食べました。でも、帰国して計ってみるとたいして変動していません。考えてみると、やはりタイ料理は一般的にヘルシーです。野菜が多いし、香辛料でうまく味付けしているので、油も控えめです。
今日は実質、帰国のみです。タクシーに乗ります。運転手はメーターを倒しません。嫌な予感がします。いくらぼられるのか冷や冷やしていましたが、要求されたのは500バーツだけでした。着いた時も、空港手配代50バーツと合計75バーツの高速料金込みで525バーツでしたから、ほとんど同じでした。何故か、空港へ向かう今回は高速料金は払ってないようでした。
台北では乗り換えの時間が4時間半もあります。でも、無料のインターネットを見つけたので、メールチェックができました。でもやはり、少し退屈です。
(終わり)
私は、日本で唯一の「旅行添乗専門医」です。「空飛ぶドク
ター」として商標登録しています。
興味のある人は私のウェブサイトを参照して下さい。
http://www.kanoya-travelmedica.com
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- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
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この旅行記へのコメント (2)
-
- あいあ〜るさん 2010/06/26 18:46:18
- 初めまして
- 空飛ぶドクターさん、初めまして。
15年ぶり2回目で、個人旅行は初めてだというのに、こんなに色々と行動されていることに驚きました。
医者の娘がボクシングをしているなんで、考えてみたらタイ人にとっては信じられないような出来事でしょうから、興味津津で聞いてくるのも納得できます。
タイ人家族のお父さんは、強烈な反タクシン派のようですね。
- 空飛ぶドクターさん からの返信 2011/03/07 01:25:48
- RE: 初めまして
- > 空飛ぶドクターさん、初めまして。
失礼しました。掲示板はほとんど来ないので、
気が付いていませんでした。
> 15年ぶり2回目で、個人旅行は初めてだというのに、こんなに色々と行動されていることに驚きました。
15年ぶり2回目というのは、タイへの旅行のことで、
他の旅行記を見ればわかるように、年に何回も海外に
行っています。個人旅行は初めてどころか、常に個人
旅行です。医者としての添乗以外はツアーなんか行き
ません。よかったら、他の旅行記も読んで下さい。
空飛ぶドクター(登録商標)
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