2005/10 - 2005/11
13位(同エリア43件中)
漣さん
世界遺産旅行記もはや100件目に突入しました。
記念すべき100件目は10ヶ国の共同登録という世界遺産史上最も広大な範囲に及ぶ1人の男の足跡を追ってみました。
-
地球は正確な球体ではなく楕円である。遥か昔から議論されてきた地球史の謎にメスを入れるべく実測という途轍もない一大作業に乗り出した男。
この遺産はその男の半生をかけた偉業を知る事のできる広大な測地跡で形成されています。
今回の旅行で訪れたのはその内4ヶ所。本当はもう1つ、そこの町にあるという情報だけで行ったものの辿りつけなかった場所があるんですが、何故辿りつけなかったかは後ほど。
まず最初に訪れたのはラトビアのイェカブピルス(Jekabpils)。この町にある、という情報だけで訪れ運よく見つける事が出来たものです。町自体はリガからバスが頻発しているので難なく行けます。
バスの停留所は町外れにあり、何の情報も無いままとりあえず町の中心へ行けば大丈夫だろうと変な自信がありましたが、案の定捜索は四苦八苦。町の誰に聞いてもそんなものは知らないと言われてしまいます。
なんとか辿りついた町の広場にあった地図をつぶさに見ると・・・ついに!シュトルーヴェの名前を冠した公園を発見。 -
そこに無かったら諦めて帰ろう、そう決めて歩き出しました。歩くにつれ息が荒れてだんだんと早足になっていくのが分かります。そろそろだなと思った時にふと電柱に設置された公園までの案内板。もうすぐそこです。
-
息も絶え絶えに辿りついたそこは・・・何の変哲もないどこにでもあるような公園でした。
しかし、案内板はこの公園で間違いないと言っています。ゆっくりと何も見逃さないように歩いて行くと・・。 -
ベンチの脇に何やら石枠で囲われた仰々しい石を発見。もしかして、と思い近づいてみます。
-
ありました!これがシュトルーヴェの測地弧の1つ、ヤコブシュタットポイントです。
実はこの遺産、このように地面に露出した岩に刻まれた穴や十字刻印がほとんどなんです。
測地をする際測定機を使って正確な位置を計測するのですが、その測定器の位置をずらさないよう地面に掘られたものがこれらの穴というわけです。
当然このようなものは地元の人の興味を惹く訳も無く誰に聞いても知らない、自分で探そうと思っても見つからない。前述の見つからなかった1件が存在するのもこういった事情からです。 -
ほとんどがこの様な穴だけなので何か目に止まるような記念碑的なものは無いかと調べた結果、5ヶ所においてそのようなものがあると判明しました。
測地弧最北のノルウェーはハンメルフェストの記念碑、スウェーデンの国境沿いのフィンランド側にあるアアヴァサクサの観測塔、同じくトルニオにあるアラトルニオ教会、エストニアのタルトゥにある天文台、そして登録範囲最南端のウクライナはネクラシフカの記念碑。
今回の旅行で行けそうな場所としてまずフィンランドの2ヶ所に目を付けました。北欧地域は強烈な物価高の為、最短ルートに目途を付けての訪問を目指します。
夜行バスで国境近くの町ケミ(Kemi)へ向かいそこからバスを乗り換えトルニオ(Tornio)へ向かいます。そこからさらにバスを乗り換え・・なのですがその日は運悪くアアヴァサクサ(Aavasaksa)へのバスは運休。仕方ないので最寄りの町へ行きタクシーを探すことに。
トルニオからは急に人口も減り最寄りの町といっても歩いている人も殆どいない寒村地帯に突入します。タクシーを探そうにも本当に見つかるのかといった感じでしたが町の人がタクシーを呼んでくれて無事アアヴァサクサに着く事が出来ました。フィンランドの人はどこに行っても温かい人が多いです。 -
アアヴァサクサは町ではなく観測塔があるだけの場所です。しかも結構小高い丘の上にあり、最寄りの町でタクシーを探すといった行動はある意味正解だったようです。
-
観測塔脇には世界遺産の碑が設置されています。
-
観測塔の内部は狭い螺旋階段を登りきると小さな展望台と1ユーロ必要な望遠鏡(日本製!)が設置されているのみで別段見所というものはありませんが・・・。
-
珍しい風景が見られます。写真の川より向こう側はスウェーデン。
そうです、国境マニア(いるのか?)には堪らない光景を独り占めする事が出来るのです。 -
こうして見学を終え、次に向かったのは経由してきた町トルニオです。
-
この町にも建造物として登録された物件、アラトルニオ教会があります。といっても他の物件同様そこにある、という情報と勢いだけで来てしまった為どこにあるのか全く分かりません。
町のインフォメーションセンターも生憎の休みと来ていて誰も場所を知らない。帰りのバスの時間も近づき諦めかけていたその時、霧がかっていた川の向こうに見えたあれはまさか・・・、急いで直行します。
トルニオの町外れにあったそれは果たしてあの教会でした。 -
何故この教会が登録物件に入っているのでしょう?シュトルーヴェが埋葬されているんでしょうか。
その答えは簡単。この教会の尖塔の中心が丁度計測点としてピッタリだったからです。この教会の歴史云々建築学的云々でなく、たまたま計測の条件に合っていて実際ここで観測が行われたということでこの教会は登録されているのです。 -
フィンランドで滅多に観光客の来ない2件を堪能しエストニアへ帰った後は最後にこの物件で最も重要な場所でありシュトルーヴェの仕事場でもあったタルトゥの天文台へ向かいました。
タルトゥの町自体はエストニア第二の都市と言われる通り大きく訪問は容易です。天文台の場所もガイドブックに載っています。 -
天文台の前にはシュトルーヴェの記念碑も建っています。
-
天文台内部の見学に際してはこの隣接するかつてのシュトルーヴェの住居にある事務所に申請を出します。申請、といっても要は中の人に見学したい旨伝えるだけです。
-
いよいよ中へと入ります。
-
内部にはシュトルーヴェが測地に使った計測器を始め天体望遠鏡などの展示があります。
-
訪問した時は補修の時期で作業員が出入りしていた慌ただしい時でしたが、運の良い事に職員と思われる方が案内して下さり普通では入る事が出来ない最上階の天体望遠鏡室や・・・
-
屋上にまで行く事が出来ました。
-
この旅行記を始めた時から100ヶ所目の旅行記はここにしようと決めてはや数年、ついに達成する事が出来ました。
その偉業に触れるには一筋縄ではいかない場所にばかりあるマニアック遺産シュトルーヴェの測地弧。
そこには地球と向き合った1人の男の人生が凝縮されています。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- どんぴさん 2010/06/20 00:53:21
- 100冊目おめでとうございます
- どうも、どんぴです(^~^)γ
旅行記100作目がシュトルーヴェの測地弧とは…さすが漣さんです。
チョイスが渋すぎます。
しかも3ヶ国にまたがる超大作とは…
文句なしの一票でございます。
ではまた。
- 漣さん からの返信 2010/06/20 10:09:22
- RE: 100冊目おめでとうございます
- ありがとうございます。
この旅行記を書き始めたころから100ヶ所目はここと決めていましたが、やっと折り返し地点に到達しました。
あと100ヶ所以上書く場所が残っていますが、気長にお付きあい頂けたら幸いです。
これからもたま〜に見に来てやって下さいw
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
タルトゥ(エストニア) の人気ホテル
エストニアで使うWi-Fiはレンタルしましたか?
フォートラベル GLOBAL WiFiなら
エストニア最安
568円/日~
- 空港で受取・返却可能
- お得なポイントがたまる
2
21