2010/05 - 2010/05
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花音さん
その昔、兄の雲の神に嫁いだ草木の神に横恋慕した土の神が自らの嫉妬心に耐えきれず家を出て遠い地に一人で暮らし始めた。
何も知らない雲の神は心配して妻を連れ弟を尋ねた。
土の神は草木の神への思いを断ち切れず、兄に
『貴方の妻は先に帰った。』
と告げる。
何の疑いもなく兄の雲の神は弟に挨拶をして家路に向かう。
弟は自分のついた嘘がばれるのが怖くなって大きな地震をおこすが兄はその地震で命を落としてしまう。
雲の神が亡くなり雨が降らなくなって夫の死を知った草木の神は毎日朝から晩まで泣き続けてやがて水の神が生まれた。
それでも草木の神が泣き止まないので土の神は
『私がどれだけ貴女の事を愛しているのか貴女には分からない。』とつぶやく。
草木の神は
『あなたは愛を知らない。』
と言いもっと悲しくなってそのまま枯れて死んでしまう。
愛しい草木の神の亡がらを抱いて土の神が大地を走ると風の神が生まれた。人はその姿を見て鬼が山からおりてきたと怖がった。
どんなに悲しんでも涙のでない土の神はそのまま枯れて縮んで行く草木の神のかつての美しい姿を少しでも取り戻してもらいたいと、まずナタで自分の手首を切り流れる血を草木の神の唇にたらした。
その血に浸り草の神は少し息をしてかすかに心臓が動いた。嬉しくなった土の神は今度はそのナタで自分の首を切り落とした。
激しく吹き出る土の神の血で草木の神は完全に命を取り戻したが溢れ出る血は川を真っ赤に染め海へ流れていった。
しばらくその川は血吸い川とよばれ砂鉄がとれ村に住む人の暮らしを少しだけ豊かにした。
*フィクションです。ご了承下さい。鬼ノ城の発掘は始まったばかりでその全容はまだ明かされていません。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 風神さん 2010/06/07 06:50:36
- 花音さん、始めまして。
- おはようございます。風神です、よろしくお願いします。
表紙のストーリー面白いですね。
私は「鬼ノ城」について、高地性集落との関係を考えています。
瀬戸内海沿岸の標高数十m以上の見晴らしの良い場所にある古い砦跡(と思われ)資格十分です。
今後発掘で、弥生晩期の遺跡であることと、鉄矛(てつほこ)等の武器が多数出れば決まりです。
興味を惹かれましたので昨日1票入れました。
風神
- 花音さん からの返信 2010/06/07 13:05:25
- RE: 花音さん、始めまして。
- 風神さん
書込みありがとうございます。
また票を下さり、恐縮です。
お恥ずかしい限りですが、
表紙にとりたてて書く事もなかったので
地元のよしみと言う事もあり、創作してみました。
集落の話、大変勉強になります。
弥生時代とは随分さかのぼり驚きました。
これからもどうぞよろしくお願いします。
花音*:..。o●☆゜.:,。*:..。o○☆*
> おはようございます。風神です、よろしくお願いします。
>
> 表紙のストーリー面白いですね。
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> 私は「鬼ノ城」について、高地性集落との関係を考えています。
> 瀬戸内海沿岸の標高数十m以上の見晴らしの良い場所にある古い砦跡(と思われ)資格十分です。
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> 今後発掘で、弥生晩期の遺跡であることと、鉄矛(てつほこ)等の武器が多数出れば決まりです。
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> 興味を惹かれましたので昨日1票入れました。
>
> 風神
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