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オセアニアの片隅、NEWZEALANDから始まった俺の旅、気の遠くなる様な広さのユーラシア大陸を縦断し、とうとうアフリカ大陸へとたどり着いた。<br /><br />そしてエジプト観光も終わった現在、このナイル沿いに場違いにたたずむ高層ビルと、その下に広がる迷路のようなモスリム街で、休養をしながらアフリカ南下ルートを探す事にした。<br /><br />

EGYPT/CAIRO (エジプト・カイロ)のエキサイティングな毎日 <アラブ式注射って何?>

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1995/12/01 - 1995/12/05

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北風

北風さん

オセアニアの片隅、NEWZEALANDから始まった俺の旅、気の遠くなる様な広さのユーラシア大陸を縦断し、とうとうアフリカ大陸へとたどり着いた。

そしてエジプト観光も終わった現在、このナイル沿いに場違いにたたずむ高層ビルと、その下に広がる迷路のようなモスリム街で、休養をしながらアフリカ南下ルートを探す事にした。

同行者
一人旅
交通手段
高速・路線バス
  • <ハンハ-リ市場><br /><br />歴史あるカイロの台所「ハンハ-リ市場」は人と物でごったがえしていた。<br /><br />胡散臭い巻物を広げるエジプト土産の定番「パピルス屋」を始め、「文房具屋」「スパイス屋」「肉屋」「八百屋」「服屋」等、ありとあらゆる物が売られている。<br /><br />

    <ハンハ-リ市場>

    歴史あるカイロの台所「ハンハ-リ市場」は人と物でごったがえしていた。

    胡散臭い巻物を広げるエジプト土産の定番「パピルス屋」を始め、「文房具屋」「スパイス屋」「肉屋」「八百屋」「服屋」等、ありとあらゆる物が売られている。

  • 驚いた事にエジプト綿で有名なこの国の洋服は高い!<br />長袖シャツが700円もする。<br /><br />ちなみに、貧乏ツーリスト御用達のエジプト版ファーストフード「コシャリ」(マカロニと米を混ぜた上にデミソースをかけたもの)は70円!

    驚いた事にエジプト綿で有名なこの国の洋服は高い!
    長袖シャツが700円もする。

    ちなみに、貧乏ツーリスト御用達のエジプト版ファーストフード「コシャリ」(マカロニと米を混ぜた上にデミソースをかけたもの)は70円!

  • 1839年の “ハンハ-リ市場” <br />今でも新しい店の影に古い街並みを見つける事ができる。

    1839年の “ハンハ-リ市場” 
    今でも新しい店の影に古い街並みを見つける事ができる。

  • 旅日記<br />『カイロ市内で牛の逃亡現場を目撃した日』<br /><br />カイロ市内の交通はかなり気合がいる。<br />信号機が少ない上にモスリムタウン独特の狭い小道を、おおざっぱなアラブ人がアクセルべた踏みで突っ走る殺人道路。<br /><br />小道を横断する場合、まず、向かってくる車が前を通過しない内に一歩踏み出す!<br />そのまま通り過ぎる車の後ろに身体を割り込ませ、次に向かってくる車のドライバーに、すばやくヤンキ-張りのメンタンをきる!<br />気合負けしてドライバーがアクセルを緩める瞬間、道路の中央までジャンプ!<br /><br />さすがに道路横断にも慣れて余裕を持って市内観光できるようになった、ある日、4つのタイヤをつけ、サイズは大型トラック並みの車が爆走していくのに目を奪われた。<br />多分、元は普通のトラックだろう。<br />・・・ボディさえあれば。<br />そう、その車にはボディが見当たらなかった。<br />何処までもフラットな板敷きの前方に、ちょこんと椅子だけが据えられ、ハンドルがにょっきり床から生えている。<br />窓ガラスどころか屋根もドアも見当たらなかった。<br />ある意味、究極のオープンカーなのかもしれない。<br /><br />このすごい車?に感動して足を止めると、信号待ちで一台の車が停車した。<br />これは普通の家畜運搬車だ。<br />・・・普通の。<br /><br />と、「もおぉぉぅ」と、いきなり中の牛が吼えた!<br />(牛でも気合を入れるらしい)<br />「ドガドガッ」と激しい音と共に、巨体が半分程フェンスを乗り越える!<br />「もおぉぉぅ」と、また気合一番!<br />前後左右に身体を揺すり、ロースやヒレの部分は既に外界へと自由を勝ち取った!<br />あとは、あまりうまくない部分の下半身だけなのだが・・・<br /><br />そこに血相を変えて、ドライバーが登場!<br />あまりの出来事に動転しながらも、牛の角を両手でがしっと握り、いきなり牛の頭頂部にジャンピング頭突きを食らわした。<br />(もう、どちらが牛かわからない)<br />しかし、これで牛の動きが停止。<br />(よほど頭突きが効いたのか?)<br />2人がかりで牛を押し込むドライバー達に通行人の拍手が起こる。<br /><br />エジプトはおもろい!<br />下手なコメディ映画を観るぐらいなら、カイロを散歩していた方が絶対良い事を今日学んだ。

    旅日記
    『カイロ市内で牛の逃亡現場を目撃した日』

    カイロ市内の交通はかなり気合がいる。
    信号機が少ない上にモスリムタウン独特の狭い小道を、おおざっぱなアラブ人がアクセルべた踏みで突っ走る殺人道路。

    小道を横断する場合、まず、向かってくる車が前を通過しない内に一歩踏み出す!
    そのまま通り過ぎる車の後ろに身体を割り込ませ、次に向かってくる車のドライバーに、すばやくヤンキ-張りのメンタンをきる!
    気合負けしてドライバーがアクセルを緩める瞬間、道路の中央までジャンプ!

    さすがに道路横断にも慣れて余裕を持って市内観光できるようになった、ある日、4つのタイヤをつけ、サイズは大型トラック並みの車が爆走していくのに目を奪われた。
    多分、元は普通のトラックだろう。
    ・・・ボディさえあれば。
    そう、その車にはボディが見当たらなかった。
    何処までもフラットな板敷きの前方に、ちょこんと椅子だけが据えられ、ハンドルがにょっきり床から生えている。
    窓ガラスどころか屋根もドアも見当たらなかった。
    ある意味、究極のオープンカーなのかもしれない。

    このすごい車?に感動して足を止めると、信号待ちで一台の車が停車した。
    これは普通の家畜運搬車だ。
    ・・・普通の。

    と、「もおぉぉぅ」と、いきなり中の牛が吼えた!
    (牛でも気合を入れるらしい)
    「ドガドガッ」と激しい音と共に、巨体が半分程フェンスを乗り越える!
    「もおぉぉぅ」と、また気合一番!
    前後左右に身体を揺すり、ロースやヒレの部分は既に外界へと自由を勝ち取った!
    あとは、あまりうまくない部分の下半身だけなのだが・・・

    そこに血相を変えて、ドライバーが登場!
    あまりの出来事に動転しながらも、牛の角を両手でがしっと握り、いきなり牛の頭頂部にジャンピング頭突きを食らわした。
    (もう、どちらが牛かわからない)
    しかし、これで牛の動きが停止。
    (よほど頭突きが効いたのか?)
    2人がかりで牛を押し込むドライバー達に通行人の拍手が起こる。

    エジプトはおもろい!
    下手なコメディ映画を観るぐらいなら、カイロを散歩していた方が絶対良い事を今日学んだ。

  • 旅日記<br /><br />『アラブ式注射って?』<br /><br />エジプト1周旅行のツケは、下痢、発熱、咳、そして腰痛となって、再び帰ってきたカイロにて精算する事になった。<br />アフリカ入国で義務づけられている「黄熱病の予防証明」(別名、イエローカード)の為に受けた、予防注射の副作用の症例に合致している気もするのだが・・・<br /><br />とにかく、地図を片手に必死に病院を探し出した時には、減量苦のボクサーの様な脱水しきったミイラになっていた。<br />このままピラミッドの埋葬されても不思議じゃない。<br /><br />どう見てもパピルスを売っている方が似合いそうな胡散臭いドクターだった。<br />一応医者らしく、あれこれ質問されたが最後に言い渡された結論は「原因不明」。<br />見事だ!<br />本当に期待を裏切らない医者がここにいた。<br /><br />さて、その後、コーヒー色の肌にしがみついている、もっさりした口ひげが「インジェクション(注射)」と踊っていた気がするのだが・・・<br /><br />そして、第2幕はコレステロールを白衣で包んだ看護婦が巨大な注射を片手に登場!<br />生まれてからずっと日陰者だった俺の尻を、いきなり白日の下にさらけ出した。<br />どうやら、日本では既に禁止となった尻への注射を決行する気らしい。<br />インドで学んだガンジー的無抵抗主義に気持ちを切り替えた瞬間、<br />「1ドル出せば、痛くないはずよ」<br />と、ナースの声が聞こえた気がした。<br />・・・これはチップの要求なのか?<br />病院だぞ!ここは!<br />44カ国まわった中で、これほど強引なチップの要求は初めてだった。<br />(アラビア語には「モラル」という言葉は存在しないのだろうか?)<br /><br />アラーの神が綴る今日という日は、ホラータッチらしい。<br />クライマックスで俺の視界に映ったのは、左手に1ドル札をしっかり握り、右手で注射をダーツの如く構えた茶色い手が、俺の尻めがけて投げるシーンだった!<br /><br />「アラブ式注射方法」=「投げる注射」の噂は聞いていたが、まさか本当だったのか!<br /><br />インシャアラー(神の御心のままに)

    旅日記

    『アラブ式注射って?』

    エジプト1周旅行のツケは、下痢、発熱、咳、そして腰痛となって、再び帰ってきたカイロにて精算する事になった。
    アフリカ入国で義務づけられている「黄熱病の予防証明」(別名、イエローカード)の為に受けた、予防注射の副作用の症例に合致している気もするのだが・・・

    とにかく、地図を片手に必死に病院を探し出した時には、減量苦のボクサーの様な脱水しきったミイラになっていた。
    このままピラミッドの埋葬されても不思議じゃない。

    どう見てもパピルスを売っている方が似合いそうな胡散臭いドクターだった。
    一応医者らしく、あれこれ質問されたが最後に言い渡された結論は「原因不明」。
    見事だ!
    本当に期待を裏切らない医者がここにいた。

    さて、その後、コーヒー色の肌にしがみついている、もっさりした口ひげが「インジェクション(注射)」と踊っていた気がするのだが・・・

    そして、第2幕はコレステロールを白衣で包んだ看護婦が巨大な注射を片手に登場!
    生まれてからずっと日陰者だった俺の尻を、いきなり白日の下にさらけ出した。
    どうやら、日本では既に禁止となった尻への注射を決行する気らしい。
    インドで学んだガンジー的無抵抗主義に気持ちを切り替えた瞬間、
    「1ドル出せば、痛くないはずよ」
    と、ナースの声が聞こえた気がした。
    ・・・これはチップの要求なのか?
    病院だぞ!ここは!
    44カ国まわった中で、これほど強引なチップの要求は初めてだった。
    (アラビア語には「モラル」という言葉は存在しないのだろうか?)

    アラーの神が綴る今日という日は、ホラータッチらしい。
    クライマックスで俺の視界に映ったのは、左手に1ドル札をしっかり握り、右手で注射をダーツの如く構えた茶色い手が、俺の尻めがけて投げるシーンだった!

    「アラブ式注射方法」=「投げる注射」の噂は聞いていたが、まさか本当だったのか!

    インシャアラー(神の御心のままに)

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