2009/11/23 - 2009/11/23
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warajiさん
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今記録しているから言うけれど、父とのこれが今生の別れの旅路となった。
でもこの時はそんな事は全く思っていなかった。絶対まだ一緒に出かけられると信じて看病していた。絶対桜の咲くまでは生きようと言い合っていた。
父にとっても久しぶりの外出だった。これが最後にならない事を祈って。
もう以前の父の姿は無く、心もだんだん薄れていくのがわかるところまで来てしまった。もうどうする事も出来ない。母の方が心配だった。でもせっかくの家族旅行だ。楽しまなきゃ!
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 私鉄 自家用車
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大井川鉄道のSLに乗ろう!と予約を入れていた。甥っ子と母だけ切符を買い、父と私は車で追いかける。片道で十分だし、お金もかかる。その後の行動も大変なので2手に分かれたのだ。
大井川鉄道はメインの駅が新金谷である。JR金谷と接続しているが、SLはどうも新金谷からのようだったので改めて新金谷に寄って手続きを済ませた。
秋の観光シーズンだしものすごい人だった。2人を下ろすとすぐ川根に向う。
その途中にお茶のタイヤキで有名らしいお店が本川根町にある。桜のトンネルでも有名な場所の近くだが、花より団子、家山駅に来た。この近くにあると聞いていたので車を止めて探す事にした。
この駅自体も風情があっていい感じだった。小さな田舎駅だし車を勝手にしばらく止めても誰も文句は言わない。こんな静かな感じがまた旅情を誘う。 -
父を車に残し、辺りを散策。何も無い普通の田舎の風景だ。しばらく探してやっと見つけた。車などの止めるスペースは無く、近くの広いところを探して止めるしかない。
見た感じは知らなければ寄らないような店構えだった。 -
中に入ると雰囲気は一変!すごくいい感じ。タイヤキだけを目当てで行ったのだけど、食事も出来るしおでんもある。ああ、静岡だ!と思う瞬間。
常連や旅人にも人気があるようだった。ゆっくりくつろげる空間もあって居心地はよかった。
早速お茶のタイヤキを注文し、出来上がりを待ってアツアツのものを持って帰った。 -
タイヤキは皆で食べる為、出来立てを食べるのを我慢して川根温泉の近くまで来た。ここでSL!母たちはこのSLに乗っている。撮影をして再び終着の千頭駅を目指す。
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千頭に到着。以前とイメージが変わっている。昔の古びた感じがよかったな〜。近くには音の博物館があり、ここはのんびり出来るしお薦めの場所だ。
駐車場は奥にあり、音の博物館に隣接していた。意外に混んでいて驚いた。さすがシーズン中はすごい。
父は駅前で降りてもらい、車を入れる。思ったより早く止めれてラッキーだった。
ここでしばらく母たちの到着を待つことにする。 -
千頭駅であらかじめトロッコ列車の切符を買った。今日の最大の目的はこれ。
この時期は特に紅葉のシーズンで人気が高い。 -
トロッコ列車の発着所。
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SLが到着した。ものすごい人だ!
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機関車の内部も遠くから撮ってみた。まさしく機械って感じ。
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しばらくしてトロッコ列車が入線してきた。父の事もあったので急いで移動し、座りやすい一等席を確保した。
甥っ子は最初SLに喜んでいたようだが、急行なのにノロいと怒っていた。飽きてしまったようだ。
あと、SLの雰囲気だけを味わう人にはいいのかも知れないが、窓を開けっ放しとかあって怒鳴りつけたと母が言っていた。SLは煙がすごいのである。
SLもすごいがトロッコ列車も大人気。あっという間に人で一杯になった。ツアー会社の社員がお客相手に大奮闘していて大変そうだった。この区間は全くの自由席の為、ツアーとしては目玉であると同時に添乗員泣かせの区間でもある。
私もこんな仕事に就かなくてよかったとしみじみ思う。ツアーコンダクターは汗びっしょりになって数の確認や連絡に必死だった。 -
トロッコも動き出した。ここから先は完全な鉄道区間。楽しみでもあった。紅葉はどうかな?と思ったのだが、あまり良くなかった。終わってしまっていたのだ。ここ数年の例でいけば丁度見頃の予定だったのだが。
お昼になったので駅で皆が買っていた駅弁を買ったとのこと。父との旅行も毎回毎回が最終回なので今出来る最大の事はしていた。タイヤキも出して食べる。 -
お弁当の中味を拝借。結構ボリュームもある。名物弁当として売ってるらしい。
父は余り食べなかった。大好きなあんこのタイヤキも半分食べて残してしまった。 -
森林の中を走る
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車内はこんな感じ
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茶畑の風景も広がっていた。やぶきた茶の産地である。お茶も今では様子がすっかり変わってしまった。
風景は変わらなくてもそこに働く人々の生活は大きく変化している。お茶のブランド化も各地で広まり、静岡茶と言うだけではもう売れない時代になっている。農家も大変な仕事なのだ。 -
時々きれいな紅葉に巡り会った。
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普段走る道路を鉄道から見ると全く違う景色が広がっていた。
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長島ダムに近づいてきた。ここでアプト式の区間に入る。ダムは時間的にはだいぶ経ったとも言えるが、私の中では新しいダムだ。
このダムのおかげでこのトロッコ列車の人気は更に高まったと言える。個人的にはダムは反対だったが、出来てしまってから何と言っても仕方が無い。もう活用し、環境を考えていくしかないのだ。
よかったと言えば道路ぐらいか・・・・どこも同じ問題を抱えている。昔を知ってる分その変わりように驚く。
父はずっと無感動だったが、この辺りでやっと気持ちも落ち着いてきたのかきれいだねと話すようになった。 -
ダム湖はきれいだった。ダムアプト区間の長島ダム駅だったかな?ちょっと忘れたが、連結をする間休憩になり、トイレや写真撮影で人々が出てきて大にぎわいになる。ここで名物なのが柏餅。知ってる人は真っ先にこれを買いに行く。母も急いで買いに行った。
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線路の真ん中に歯車を噛ませる線路が余分についている。
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機関車も大きい。マニアがあちこちで写真を撮っていた。
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連結の様子
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長島ダムを登っていく。景色としてはこの辺りがハイライトみたい。
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ダムが見えてきた。思ったより大きい。車でも何度か来ているが、列車からはまた格別だ。
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ここでアプト式は終わる。この風景はダムから眺めた方が迫力がある。機関車を切り離し、普通のトロッコになった。
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大きなダム湖を渡る。ここが一番人気の場所と言われている。
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秘境駅の一つ、湖上駅。なんと、誰も利用者がいない駅で、ダム湖の真ん中にある駅なのだ。ここで見学タイムがある。
利用者はハイカーと鉄道利用の休憩だけ。しかしそれが大人気。この駅に来る途中に左側にいるとトロッコと湖の背景が美しく見れる区間があるので楽しもう。 -
高台まで登って遠景を楽しむ。ダムによって沈んだかつての線路も見える。
北海道糠平湖のタウシュベツ線橋群と同じだ。大井川鉄道も皮肉にも思わぬところで恩恵を受けた。
台湾の阿里山鉄道は大井川鉄道と姉妹関係にある。おんなじ感じの鉄道が走っている。使ってる車両も大井川鉄道だ -
線路を歩いてみた。ここで休憩して帰る人もいるしハイクの人もいる。
接阻峡と並んでハイカーが多い。 -
いよいよ出発
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接阻峡まで来た。ここもいい所。ここで折り返す人も多い。温泉もあるし、ここには私も何度か来た。
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尾盛(おもり)駅は大井川鉄道の数ある名物の中でも究極の秘境駅である。
接阻峡までは紅葉の山々(もうほとんど終わっていたが・・・)を眺めながら明るい感じの景色の中を走るのであるが、そこから先は狭い峡谷の中を切り開いて線路を敷いたような深い山の中を走る事になる。災害も多い区間となり、トンネルが多くなって暗い森が多くなった。
いくつか過ぎると放送があり、駅の案内があった。この駅は全国でもかなり珍しいマニア向けの駅だった。それは無人駅であり、周りに何も無いところまではよくありがちなのだが、駅と言う名前だけが存在する不思議な所だった。なんと、道が無いのである。がんばれば駅に降りてそこからどこかへ行ったりこの駅からトロッコに乗るというならまあ当たり前だが、それも無い。かつてここは社員専用の社宅を作ってただそれだけの為に駅が存在した。
鉄道が消えたらここは全くのゴーストという事になるのだ。これは全国どこを探しても無いのではないだろうか?
昔利用しただろう家の跡が辛うじてあった。本当に面白い。 -
尾盛駅の景観。熊注意が奥深さを感じる
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いくつもいくつもこんな感じのトンネルをくぐった。
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子供は運転席が大好きだ。今回も一番前がいいと言って先頭車両に乗ったのだ。
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深い谷間の鉄橋を走る。ここもトロッコ列車の名物区間らしい。案内を受けながらしばらく停車。鉄橋の高さが大井川鉄道の中で最も高い所らしい。結構深い谷だった。
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鉄道はだんだん高度を上げていった。そして再び案内で、ここがよく見える日は山々の重なり合う十二単の美しい景色が眺められる所と言われた。
今回はちょっとかすんでしまっていてそこまで見れなかったが、さぞや美しいのだろう。 -
やがて終点の井川ダムが見えてきた。井川は大体車だ。普段の生活の足や行動、場所的な事を考えてもトロッコは能率が悪すぎる。最悪でもバスが普通。
観光には鉄道はいいのだが・・・。
井川は私は知っているから別に大して感じないが、終点を見てビックリするだろうなぁと思う。 -
終点井川。これで井川トロッコ列車の旅は終わった。
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井川駅。実は降りても何も無い。ハイキング目的かダム見学くらい。その先に進まないと本当の井川を味わう事は出来ないのだ。不便な場所なのである。
車でこの駅はいつも通過するのであるが、よくもまあこんな所に鉄道が・・・と思う。そんな所なのだ。
井川まで乗る人はそんなにいない。観光コースからズレる事もあり、あれ程乗っていた観光客もだいたい接阻峡で降りる。そこから寸又峡温泉に向うのが普通だ。 -
駅にあった昔話の看板。第6話となっていたからあちこちにあるのだろう。
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井川駅からさらに線路が延びているところを見つけた。会社専用路線なのだろうか?それともかつて井川村まで延ばそうとした廃線跡なのだろうか?
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今回時間の関係もあったし途中でやめようか?とも考えたが、終点まで来てよかった。まあおそらくほとんど乗る機会も無いものだし、父との旅行も中途半端はよくないだろうと判断もあった。
帰りはそのまま少し休憩して折り返しのトロッコ列車に乗った。甥っ子は展望車に乗るといってむき出しの車両に乗った。かなり寒いと思うのだが、子供は元気だ。
夕方も遅くなり、帰りは案内や途中停車休憩なども無く、ただひたすら暗くなっていく景色を見ながら千頭へと向った。
父はひたすら寝ていた。疲れたのであろう。千頭駅ではすっかり暗くなっていた。金谷までの電車が待っていた。大井川鉄道の普通列車は関西のお古が使われていてマニアは楽しいみたい。近鉄などの車両が目立つ。
混んでいた駐車場もガラガラ。家族を乗せて千頭を離れ、途中夕食を五味八珍(中華ラーメン屋)で食べて帰途に着いた。
父とはこれが最後の旅になってしまった。出来るだけ父が好きだったもの、食べたかったものを選んできたが、もうそんなに食べれる状態ではなかった。
もう本当に最後なのかも・・・・と思いつつせめて桜のお花見は今の状態を保ちつつ出かけることを夢見ていた。最後に桜を眺めて逝けたのはせめてもの救いだったかもしれない。
〜END〜
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