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ぺトラの街に着いたのは、結局3時過ぎだった。<br />アンマンから2日かかった計算になる。<br />(もし、キングスハイウェイを通らないバスルートなら6時間で着けるらしい)<br />しかし、まぁ、あのキングスハイウェイの絶景を楽しめたのだからよしとしよう。<br /><br />さて、とうとう明日は「中東の3P」の最後の一つ、世界遺産「ぺトラ」観光だ!<br />居心地のいい安宿のソファでガイドブックを広げていると、あの南半球産の悪魔がまたささやきかけて来た。<br /><br />だめだ!<br />妙に人の好奇心を煽って旅人を遭難させる、このオーストラリア産のセイレーンの言葉に耳を傾けては・・・

JORDAN/PETRA(ヨルダン・ぺトラ)で世界遺産に 「SNAKE IN 」?

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1995/11/01 - 1995/11/02

503位(同エリア605件中)

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北風

北風さん

ぺトラの街に着いたのは、結局3時過ぎだった。
アンマンから2日かかった計算になる。
(もし、キングスハイウェイを通らないバスルートなら6時間で着けるらしい)
しかし、まぁ、あのキングスハイウェイの絶景を楽しめたのだからよしとしよう。

さて、とうとう明日は「中東の3P」の最後の一つ、世界遺産「ぺトラ」観光だ!
居心地のいい安宿のソファでガイドブックを広げていると、あの南半球産の悪魔がまたささやきかけて来た。

だめだ!
妙に人の好奇心を煽って旅人を遭難させる、このオーストラリア産のセイレーンの言葉に耳を傾けては・・・

同行者
一人旅
交通手段
高速・路線バス ヒッチハイク
  • 旅日記<br />『南半球産のセイレーンがささやく、SNAKE IN 』<br /><br />世界遺産「ぺトラ遺跡」を抱えるヨルダン一の観光都市のわりには、ぺトラの町は岩山の中に埋もてしまいそうな静かな所だった。<br /><br />しかし、さすが観光地!<br />安宿は結構モダンなつくりで居心地のいいロビーまであった。<br />当然ティムは、我が物顔にソファにふんぞり返りビールをがぶ飲みしているところだ。<br /><br />予想だにしなかったハードなヒッチハイクの疲労とビールのアルコールに目蓋が重くなって来た頃、赤ら顔のティムが左45度からささやきかけてきた。<br />いやーな予感がする。<br />「ぺトラ遺跡の入場料はUS$30だぜ。たかが遺跡の入場料なのにクレイジーだ!『SNAKE IN(スネーク・イン)』しようぜ!」<br /><br />・・・「スネーク・イン」?<br />・・・蛇のようにクネクネと曲がりくねって侵入する事?<br />・・・つまり、岩山の影からこっそり遺跡に入る事?<br /><br />ちょうど、この宿にある観光客が記した情報ノートを広げていた所だった。<br />しかも、ぺトラに無料で入る方法のページを開いていた。<br />(このオーストラリアンは、実は日本語がわかるんじゃないのか?)<br /><br />つまり俺の良心は、「目前の無料入場の手引書」、「耳元の既存の観光では満足できないセイレーンのささやき」という波状攻撃を受けているらしい。<br /><br />明日考えようと、どうにかその場を切り抜けた。<br /><br />「問題を先送りにする事は、だいたいにおいて深みにはまることを意味する」と、誰かの言葉がよみがえる。<br /><br />

    旅日記
    『南半球産のセイレーンがささやく、SNAKE IN 』

    世界遺産「ぺトラ遺跡」を抱えるヨルダン一の観光都市のわりには、ぺトラの町は岩山の中に埋もてしまいそうな静かな所だった。

    しかし、さすが観光地!
    安宿は結構モダンなつくりで居心地のいいロビーまであった。
    当然ティムは、我が物顔にソファにふんぞり返りビールをがぶ飲みしているところだ。

    予想だにしなかったハードなヒッチハイクの疲労とビールのアルコールに目蓋が重くなって来た頃、赤ら顔のティムが左45度からささやきかけてきた。
    いやーな予感がする。
    「ぺトラ遺跡の入場料はUS$30だぜ。たかが遺跡の入場料なのにクレイジーだ!『SNAKE IN(スネーク・イン)』しようぜ!」

    ・・・「スネーク・イン」?
    ・・・蛇のようにクネクネと曲がりくねって侵入する事?
    ・・・つまり、岩山の影からこっそり遺跡に入る事?

    ちょうど、この宿にある観光客が記した情報ノートを広げていた所だった。
    しかも、ぺトラに無料で入る方法のページを開いていた。
    (このオーストラリアンは、実は日本語がわかるんじゃないのか?)

    つまり俺の良心は、「目前の無料入場の手引書」、「耳元の既存の観光では満足できないセイレーンのささやき」という波状攻撃を受けているらしい。

    明日考えようと、どうにかその場を切り抜けた。

    「問題を先送りにする事は、だいたいにおいて深みにはまることを意味する」と、誰かの言葉がよみがえる。

  • 旅日記 <br />『スネーク・イン!』<br /><br />早朝、ティムにたたき起こされた。<br />「とりあえず、スネークインの可能性を探りに行こう!」と悪魔がささやきかける。<br />とりあえずのわりには、奴のバックはパンパンに膨れていた。<br />・・・ティム、なにゆえ、完全装備?<br /><br />ティムは、岩と砂だけの世界を一目散に進んで行く。<br />昨日のうちに地図を頭の中に叩き込んでいたらしい。<br />この悪魔、冒険好きのわりには計画性がある。<br />無いのは確実性だけなのか?<br />

    旅日記 
    『スネーク・イン!』

    早朝、ティムにたたき起こされた。
    「とりあえず、スネークインの可能性を探りに行こう!」と悪魔がささやきかける。
    とりあえずのわりには、奴のバックはパンパンに膨れていた。
    ・・・ティム、なにゆえ、完全装備?

    ティムは、岩と砂だけの世界を一目散に進んで行く。
    昨日のうちに地図を頭の中に叩き込んでいたらしい。
    この悪魔、冒険好きのわりには計画性がある。
    無いのは確実性だけなのか?

  • かれこれ2時間もさまよっただろうか?<br /><br />「あそこから、、、」<br />「いや、あっちのほうが」<br />「そこは崖だ」<br />「じゃぁ、もう少し先へ」<br /><br />などと、相変わらずの会話が続く。

    かれこれ2時間もさまよっただろうか?

    「あそこから、、、」
    「いや、あっちのほうが」
    「そこは崖だ」
    「じゃぁ、もう少し先へ」

    などと、相変わらずの会話が続く。

  • 遺跡は確かに遠く見え隠れしているのだが、肝心の抜け道はなかなか見つからない。<br /><br />可能性がある所は全て観光局が道を塞いでいた。

    遺跡は確かに遠く見え隠れしているのだが、肝心の抜け道はなかなか見つからない。

    可能性がある所は全て観光局が道を塞いでいた。

  • この遺跡、とてつもない広さを誇る為、当然金網フェンスなどで囲まれているわけではない。<br />だが、もともと古代の要塞として築かれているので、自然の障害物を実にうまく取り入れている。<br /><br />何千年かの時を経て、この要塞に忍び入ろうとした泥棒の苦労を味わっている気がするのは俺だけか?

    この遺跡、とてつもない広さを誇る為、当然金網フェンスなどで囲まれているわけではない。
    だが、もともと古代の要塞として築かれているので、自然の障害物を実にうまく取り入れている。

    何千年かの時を経て、この要塞に忍び入ろうとした泥棒の苦労を味わっている気がするのは俺だけか?

  • と、ティムが叫んだ!<br />「見つけたぞ!ここだ!」<br /><br />指差す先には、確かにそれらしき道が遺跡へと続いていた。

    と、ティムが叫んだ!
    「見つけたぞ!ここだ!」

    指差す先には、確かにそれらしき道が遺跡へと続いていた。

  • 岩山をティムが転がるように駆け下る!<br />起伏が激しい地形の中、遺跡への道は見え隠れしながら近づいてくる!<br /><br />前方をまるで怒り狂ったイノシシのように驀進するティムの姿に、もはや下見をするという計画性は見当たらなかった。<br />誰かあいつを止めてくれ!<br />イノシシほどスネークインに情熱を燃やさない東洋人の方は、奴の残した足跡をたどりながらトコトコと自分のペースで進む事にした。<br /><br />と、前方でイノが停止していた。<br />視線はまき拾いに遠出してきたであろう村の女の子に注がれている。<br />どうやら、このイノにも無料入場を試みるうしろめたさが、どこかに残っていたらしい。<br />なんともぎこちない笑顔を浮かべて「Hi!」と呼びかけている。<br /><br />途端、女の子が「POLICE!」と叫ぶ!<br />まぁ、村の観光資源である遺跡入場料を、踏み倒そうとしている人間を見たら当然の反応かもしれない。<br />振り返る俺たちの視線の先に、遠い岩山に立ち尽くすツーリストポリスが!<br /><br />回れ右をして走り出すティム。<br />今度は、俺もイノの仲間入りを果たし岩山を2人で駆け上る!<br /><br />恥ずかしい!<br />俺は非常に恥ずかしい!<br />こんな日本の裏側みたいな地で俺は一体何をやっているんだ!<br /><br />数分前、俺達は「冒険者」だった。<br />そして現在「逃亡者」になった。

    岩山をティムが転がるように駆け下る!
    起伏が激しい地形の中、遺跡への道は見え隠れしながら近づいてくる!

    前方をまるで怒り狂ったイノシシのように驀進するティムの姿に、もはや下見をするという計画性は見当たらなかった。
    誰かあいつを止めてくれ!
    イノシシほどスネークインに情熱を燃やさない東洋人の方は、奴の残した足跡をたどりながらトコトコと自分のペースで進む事にした。

    と、前方でイノが停止していた。
    視線はまき拾いに遠出してきたであろう村の女の子に注がれている。
    どうやら、このイノにも無料入場を試みるうしろめたさが、どこかに残っていたらしい。
    なんともぎこちない笑顔を浮かべて「Hi!」と呼びかけている。

    途端、女の子が「POLICE!」と叫ぶ!
    まぁ、村の観光資源である遺跡入場料を、踏み倒そうとしている人間を見たら当然の反応かもしれない。
    振り返る俺たちの視線の先に、遠い岩山に立ち尽くすツーリストポリスが!

    回れ右をして走り出すティム。
    今度は、俺もイノの仲間入りを果たし岩山を2人で駆け上る!

    恥ずかしい!
    俺は非常に恥ずかしい!
    こんな日本の裏側みたいな地で俺は一体何をやっているんだ!

    数分前、俺達は「冒険者」だった。
    そして現在「逃亡者」になった。

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