1995/10/31 - 1995/11/01
275位(同エリア375件中)
北風さん
どうにかAMMAN(アンマン)にたどり着いた。
次はぺトラ行きのバスを探すだけだった。
・・・南半球に生息する陽気でいいかげんなオーストラリアンに会うまでは・・
悪魔がささやく
「これからぺトラに行くんだろう?キングスハイウェイを通って行かないか? ものすごい景色が見れるみたいだぜ」
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- ヒッチハイク
-
ホテルで知り合った、オーストラリア人のティムと一緒に飯を食いに行った。
腹いっぱい食べて、2人ともタバコを取り出そうとすると、店の親父が指を横に振っていた。これは西洋流の否定のサインに思える。(おっちゃん、007の映画でも見て覚えたんだろう)
親父が取り出してきたのは、アラブの水ギセルだった。レンタルで1回、1時間はもつらしい。
これの100分の1モデルで、マリファナをたしなんだ事はあったが、本格的なものはこれが最初だ。
親父が、タバコの葉を引き伸ばしてロール状に巻いた物を、おもむろにキセルに詰め込む。
確かにこの大きさだと1時間は吸えるだろう。が、しかし、大丈夫なのか?直径10cmはあるニコチンの塊みたいに思えるのだが?
とりあえず、ティムがチャレンジするのを見守る。「ゴボゴボ」と静まり返った店内に、気泡の音が響く。
5分経っても、ティムが死なないので、俺も1つレンタルしてみる。
「ゴボゴボゴボ」、、、なんと味はほのかなりんご風味だった。しかも水を通しているので、ぜんぜんいがらっぽくない!
「ゴボゴボ」
「ゴボゴボ」
ひとしきり2人でゴボゴボやった後、ティムが、
「これからぺトラに行くんだろう?キングスハイウェイを通って行かないか?」と誘ってきた。
「キングスハイウェイ」とは、昔トルコの王が通った道らしい。ガイドブックによると、現在は交通の便が悪く、ヒッチハイクに頼らざるを得ないとの事。
確かにすごく壮大な風景らしいが、俺は、全く計画が立たない上に、結局無駄遣いをしてしまうヒッチハイクは好きじゃない。
「ティム、行きたいけど俺はヒッチが苦手なんだ。」
と、一応断ると久々に聞くオーストラリアン・イングリッシュ
「No Worry Mate!(兄弟、心配要らないぜ)」
が出た!
オーストラリアンのヒッチ技術には定評がある。おまけに押しの強さにも定評がある。
苦手なヒッチも、アラーのご加護以上のオーストラリアンのご加護がついていれば、、、、、、、 -
確かにティムの技術はすごかった。
猛スピードで飛ばすアラビアン神風トラックを発見!
ティムがいきなり笑いながら両腕を上げて(そして、両親指は立てていた)飛び出した!
急ブレーキを踏むトラック、
ティムが横っ飛びでバンパーを避けて2回転、
そして、ドライバーめがけて猛ダッシュ!
俺はアクション映画を観ているんだろうか?
しかし、これはどう見てもジャンキーの身投げにしか見えない。
当然の如くドライバーは怒鳴り声を上げた。
しかし、ティムはにこやかに笑いかける。
俺は何がなんだかわからない。
・・・気がつくと、トラックの荷台に乗っている俺がいた。
このオーストラリアンは、アラー以上の奇跡を起こすらしい。 -
3時間ぐらいは走っただろうか?目の前には地理の教科書にでも出てきそうな程、見事な地層を浮かべた岩山が連なる。これは素晴らしい!
-
と、トラックのかん高いブレーキ音が響く。
ドライバーが、ここで降りろと合図をよこした。
現在午後3時、ここは、ぺトラからは程遠い「カラック」という、未知の町。家が崖にへばりついている。
・・・どうする?ティム? -
車は止まらなかった!
いや、正確に言うと、3時間に3台しか通らなかった。
陽が沈みかける。
車が一台も通らなくなった。
アラーも今日は仕事納めらしい。
「ティム、泊まる所を探そう!」と切り出した。ティムがさすがに疲れた顔で「YES」とうなずく。
アラーはもう使い切ったから、日本の仏陀に祈る。どうか、この普通の田舎町に、ホテルらしきところがあるように!
ホテルが見つかったのは、夜7時を過ぎた頃だった。
2人とももう、口を利く気も無い。
明朝、もう、ヒッチハイクもティムの身投げもいやだった。例え、アラーが連帯保証人になったって、車が止まってくれるような所じゃない!
町ではぺトラまでは行かないが、途中の町まで行くバスが何とか見つかった。
はやる心で急いで乗り込む。後ろでもたもたしているオーストラリアンが気を変えないうちに。 -
アスファルトのど真ん中に大きな穴が開いている素晴らしい道路を、小型バスは、まるで水澄ましのようにひょいひょいと避けながら加速する。
中東の太陽はまだ寝ぼけまなこで、それほど熱い視線を投げかけてはこない。
快適だ!最初からバスにのっときゃ、、、なんて考えるのはよそう。とにかく1歩また1歩と目的地への距離を詰めていくこの充実感!今日はアラブミュージックも耳に心地よい!
「バン!キャキャキャキャー、ゴトゴトゴト」と音がした。ドライバーの手がハンドルの上を、めまぐるしく動く!
いやな予感がした。ティムも横で何が起こったかわかった様で、「Fuck」とつぶやく。
皆、バスから降ろされた。
ドライバーがしゃがんでいる先には、パンクしたタイヤが土煙を上げていた。
もしかして、俺の相棒はオーストラリア産の疫病神なのか?
さて、俺たちが目的地に着ける事を、どの神様に祈ろう?
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