1995/10/23 - 1995/10/24
92位(同エリア154件中)
北風さん
ローマ時代、シルクロードの中継地点として発達したパルミラは、現代でも中東の3Pとして名高い「パルミラ遺跡」のおかげでシリアの観光収入の稼ぎ頭でもあった。
シリア砂漠のど真ん中に位置するこの街の評判は、長期旅行者の間ではあまり芳しいものではなかった。
世界中、特に裕福な白人ツーリストがわんさか集まるこの街の方々は、非常にツーリストずれしいて、油断をしているとボル!
しかも、アラブ流に激しく強引にボル!
・・・との事。
さて遠い昔、女王ゼノビアの治めたこの街の現実は・・・
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
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パルミラ行きのバスは、もう何時間も砂漠だけの世界を突っ走っていた。
俺の席は、中東の太陽がぎらぎら照りつける窓際!
バスの中ではかん高いアラブミュージックが、フルボリュームでがなりたてている。
唯一の救いは、フロントガラスのどう見ても銃弾の跡にしか見えない割れ目から吹いてくる風だけだった。
(・・熱風だけど)
もうそろそろ、アラーが迎えにきてもおかしくない頃、砂漠の陽炎の彼方に何やら緑が見えてきた。
・・・着いたのか?パルミラ?
砂漠のど真ん中に築かれた歴史の街「パルミラ」。
多分シリアで最も観光収入を稼ぎ出しているこの場所は、旅行者の間では評判が良くなかった。
確かに人はツーリストずれして、油断をしているとボル!
アラブ流に激しく強引にボル!
・・・らしい。 -
タイでよく見かけた3輪タクシー「ツゥクツゥク」もどきが、アラブ流のド派手なデコレーションを身にまとって街中を駆け巡っていた。
-
さて、評判の良くないパルミラだが、何の事はない、インドの100倍過ごしやすかった。
レストランでは、チキン(150円)をオーダーすると、ローストされた奴が丸ごと1羽チャパティに包まれて出てきたし、レストランのおやじは来る毎にチャイをおごってくれる。
いいんじゃないか、ここ! -
昼飯を食べてトコトコと遺跡の方へ向かうと、ロバに山ほど薪を載せて街に向かっている地元の母子に出会った。
この砂漠のど真ん中に街が存在する理由は、ここがオアシス都市、つまり泉があるかららしい。
この砂色の景色の中で、これほど植物が育っているとは! -
旅日記
『アラブ城へ』
パルミラ遺跡の背後の丘にでかい要塞?の様な物がそびえていた。
「パルミラ壊滅後、17世紀にこの近辺の警護の為に建築された城」とガイドブックには記載されている。
さらに、「このパルミラ一帯を一望できるお勧めの場所」との記述も!
テクテクと足が動き出した。
アラビア語のでかいサインボードが立てられているゲートの先に浮かんでいるあの城の方向に。
この遮蔽物が一切存在しない砂色の世界では、多分この道を行けば迷う事無くたどり着けると思う。
問題は、「いつ」・・・だ。 -
1時間近く歩いただろうか?
喉はカラカラだが、おなかの調子がなにやらおかしい。
別段、この砂漠の何処でしゃがんでも誰も文句は言わないだろうが、さすがに誰からも見られるというシチュエーションではどうも落ち着かない。
見渡すと丘の麓に白い小屋が見えた。
あの影で用を足そう。
足は既に全力疾走に入っていた。
ん?小屋が近づくにつれ、明瞭になるあの文字は?
なんと、小屋には輝く「WC」の文字が!
一体誰の為に? -
アラブ城に着いた時は、既に夕暮れが近づいていた。
-
赤く照らされたパルミラの都市とその何倍ものスケールで広がる砂の世界。
悠久の時を経て、未だこの景色の大部分は変わってないんだろうなぁ。
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