フィリピン / マニラ　マラカニアン宮殿とスラム街と・・・

1988/07/22 - 1988/07/23

昔フィリピンに立ち寄った時の写真が出てきました。

たまたまボルネオ島から帰る時の経由地だったのだけど、乗り継ぎ便に間に合わず、急遽宿泊するハメに・・・。


何の情報も持たないまま街に出てみたら、ホテルへ向かうタクシーに、ものすごい数の人が群がってくるのにビックリ！Σ（◎◎;）
スピードを緩めたり信号で止まったりしたら、ブワーッと取り囲まれて窓から車の中に手を突っ込んでくる。
新聞を買ってくれ、水を買ってくれ、小銭をくれ、いろんなことを言ってくる。勝手にタクシーのフロントグラスを汚い布で拭き出して料金を請求してくるやつもいる。
メチャメチャ怖くなって、クーラーなんてもちろん無い炎天下だけど、窓を閉め切って走るしかなかった。


ちょうどこの２年ほど前に、汚職まみれのマルコス大統領が失脚して財産ゴッソリ持ったまま亡命した後で、彼らが持ちきれなくて残していった物がそのまま残るマラカニアン宮殿が、一般に公開され始めたばかりだったので行ってみました。

エリア マニラ(フィリピン)

中は撮影禁止だったけど、広い宮殿内には、置き去りにされた品々がたくさん・・・。

とにかくビックリしたのは何千足もありそうなイメルダの靴！
全部高そうでイロイロなデザインがあるけど、ひとつの形で１０色くらいがずらーーっと並んでて、そこらの靴屋がハダシで逃げ出しそうな光景。

マルコスの部屋は、健康器具とか並んでて宮殿にはふさわしくないと思えるような拍子抜けするほど質素な感じの部屋だったけど、イメルダのとこはゴージャスな装飾で、超巨大なやたらと美しく描かれたイメルダご本人の肖像画がどの壁をも埋め尽くすようにたくさん飾られてて、自己顕示欲の強さがよく出ていた。


どんだけ庶民から搾取してんだよ・・・・・、そりゃクーデターも起こるわ、と思った。


呆れながら宮殿を出た後、宮殿の裏手に回りこんだら、見渡す限り山積みのゴミ。
視界一面がグレー色。

「え？こんな宮殿のすぐ横になんでゴミ集積場？」と思ったら、たくさんの人がいて、そこがゴミ集積場ではなく、簡易テントみたいになってて人が住んでるスラム街だと理解した。


・・・・・・・・・こんな底辺の暮らししてる人がこんなにたくさん、こんなにすぐそばで困っているのに、何の手も差し伸べないで贅沢の限りを尽くしていたマルコスとイメルダに強い憤りを覚えた。