1997/06/21 - 1997/06/23
62位(同エリア92件中)
北風さん
メキシコ湾の西端、カリブ海リゾートの拠点、新婚さんのメッカ、「カンクン」。
ここは、絶対メキシコじゃなかった。
整備されたモダンな街並み、人工大理石で飾られた店先、着飾った白人の群れ、誰かが「ラスベガスへようこそ!」と歓迎してくれたら、信じたかもしれない。
そして、アメリカ並みなのは街並みだけじゃなく、物価がまたアメリカ並み、飛びぬけて高い!
あれほど質実剛健だったメキシカンも、ここでは商売人の目をしていた。
そう言えば、いつの間にか、人々が英語を話している。
どう見ても、今回の俺の旅には合わないこの街を、俺は2時間で後にして、ヒッピーの楽園と言われる「イスラムへーレス」に向かった。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 船
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カンクンから船で15分、あっという間の船旅だった。
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このビックリするほど透明度の高い海は、世界的な観光リゾートと言われるわりには、それともだからこそ、なのだろうか?
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とにかく、砂とサボテンの国メキシコは、ここから遠い国の話に思えてきた。
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旅日記
『カリブ海に捧ぐ』
一泊90ペソ(通常の安宿は40ペソ)もするビーチに面したホテルのテラスを、夜風が撫でていく。
月に照らされたカリブ海が美しい。
俺はリゾートしていた。
おそらく今回の旅で初めての事だと思う。
英語では「RUSH」と形容される俺の旅は、ほとんど3ヶ月おきに休養が必要だった。
しこたま過労を溜め込んだ身体がねをあげるのが、だいたい3ヶ月毎という事らしい。
今回は、少し前にこじらせた風邪が長引き、とうとうせきが止まらなくなった。
場所はここ、カリブ海に浮かぶ、メキシコ最南端のイスラムへーレス島で。
メキシコ最大のリゾート地「カンクン」を目の前に望むこの島は、保養地としては最適だったかもしれない。(物価を除けば)
何より、カリブ海が美しい。
今まで見てきたどのビーチよりもきれいな白い砂浜、サラサラの白い砂だけのビーチは、エメラルド・グリーンの海と、コバルトブルーの空を際立たせている。
島は沖縄並みに設備が整っていたが、まだまだ自然が豊富で、開発された街の周辺は、熱帯雨林のジャングルで囲まれている。
朝から晩までカリブ海で泳ぎ、椰子の木陰でビールを飲み干す。
キンキンに冷えたテキーラ片手に、ホテルから持ってきた英語の小説のページをめくる。
ウトウトとまどろむと、でかい太陽が真っ赤に染まって水平線の彼方に沈んでいる。
確かに俺はリゾートしている。
これほど空ろな時間は、俺の旅には無かった。
そして、これほどつまらない時間も。
咳もだいぶおさまってきた。
明日、メキシコ出国の街「チェトゥマル」へ旅立つ事にしよう。 -
旅日記
『チェトゥマル到着!』
世界中どこでも国境の街は胡散臭い空気に満ちている。
早速、タクシーの運ちゃんに300円ボラレてたどり着いた街は、カリブ海に面していながら人気の無い観光地「チェトゥマル」(メキシコ版熱海)だった。
絶えずキョロキョロ獲物を探す道端の両替商、わけのわからないお土産売り、確かにここは国境の街だ。
ここから南は、もうメキシコじゃない。
本当に長かった。
この国は本当にでかかった。
メキシコはもう腹一杯だ。
明日、俺はメキシコを後にする。 -
旅日記
『メキシカン・ミュージック回想録』
「ズンタ、ズンタ、ズンタッタ」陽気と騒音の間を綱渡りしながら、時にはその一線を越えながら、跳ね回るリズム。
その向こうから、ちょび髭セニョールと太っちょセニョリータガががなりたてる。
なんともメキシカンミュージックはかしましい。
おまけにこの音楽、飯時、移動時、人の都合なぞおかまいなし。
長旅で疲れ果てたバスの中、心底疲れている俺の横で、薄汚れたカウボーイ・スタイルのおっちゃんがギター片手に出現!
おっちゃん、額に血管を浮かび上がらせながら絶唱し出した。
・・ちょっと待ってくれ!どれぐらい近いと思っているんだ?
視力0.7の俺がギターホールの中でつぶれた蟻を見極められる距離だぞ! -
旅日記
『メキシコとは・・』
メキシコ最初の街「ティファナ」に第一歩をしるしたのが 5月8日。
そして今日メキシコの最後の街「チェトゥマル」にて、タクシーのおっちゃんにボラれた日が 6月23日。
計算するとメキシコに1ヵ月半もいた事になる。
果たしてこれが長いのか短いのか?
日本の5倍の面積を持つこの国を、太平洋岸北西端からカリブ海南東端までジグザグに横断したにしては、けっこういいペースだったかもしれない。
メキシコについて感想といえば「いい国だった」。
アメリカより全然いい!
まず、人が陽気で礼儀正しく親切。
俺の旅の中で出会った民族の中では、イラン人と並ぶAランクにあげられた。
街も異常にきれいで朝から皆で掃除している。
そして、俺にとっては困った事だったが喫煙者が異常に少ない。
タコス1個4ペソの中で、マルボロ1箱10ペソが高いからだろうか?
それともカトリックが98%だからだろうか?
特筆すべき事にメキシコの女の子があげられる。
誰も彼もへそを出さなきゃ法に触れるというぐらいにグラマーなスタイルを、露出度満点の服で包んでいた。
このセクシー・べイビーが何故、巷に溢れている舞の海程のでかいおばちゃんに変貌するのだろう?
おまけにこのおばちゃん達、不気味にフットワークがいい。
スペイン語を全く知らないで飛び込んだメキシコ。
明日出国する現在、旅行中に覚えたスペイン語を数えてみた。
・・・15!
俺はどうやって旅したんだろう?
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