1997/09/12 - 1997/09/15
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北風さん
1997年9月12日、南米へ!
思えば、長い長い旅だった。
北米大陸に上陸してから早4ヶ月!
気がつけば、限りなく広大なこの大陸をジグザグに南下して、とうとう北米最南端国パナマにたどり着いた。
ここから南は、南米大陸が広がっている。
情熱的なラテンの国、攻撃的なゲリラの国、魅惑的な古代遺跡の国、南米だ!
・・・だが、ここまで陸路で来たからにはと、道路を探すが南米への道路は、南米名物ゲリラが占拠しており封鎖状態。
俺を乗せたパナマ航空の銀翼は南へと飛び立った。
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- 交通手段
- 高速・路線バス
-
旅日記
『北米回想録』
コロンビア行きの飛行機は、近くのスーパーへ醤油でも買いに行く様な気軽さであっという間に飛び立った。
旅慣れた者にとって、飛行機で最も優先する事項は快適性。つまり、トイレに行く事を考えれば窓際の席は一番避けねばならない場所だったのだが・・・
現在、俺はエンジン音と振動が誰よりも体感できる特等席、翼の上の窓際に座っている。
理由は、飛行機初体験のパナマのおばちゃんが涙ながらに席を代わってくれる様にお願いしてきたから。
(おばちゃん、初めて自分が高所恐怖症だと気づいたらしい)
隣でギュッと目をつぶり、十字架を指の間に挟みながら肘掛をギュウウッと握っているおばちゃんを見てても仕方ないので、網棚に挟まっている飛行機会社のパンフレットに手を伸ばした。
最初のページに北米の地図が載っていた。
このA4サイズの絵の中には、4ヶ月間の俺の時間がギュウギュウに詰まっている。
気がつけば、限りなく広大なこの大陸をジグザグに南下して、とうとう北米最南端国パナマにたどり着いたわけだ。
うーん、胸が熱くなる。
エアポケットに入った飛行機がガクンと瞬間的に落下した。
パニクッたおばちゃんの右手がいきなり俺の胸の辺りに水平チョップをくらわした!
おばちゃんの指に挟まった十字架が心臓の辺りにめり込んでいる。
うーん、本当に胸が熱くなってきたような。 -
1997年9月12日
一瞬、国内線か?と思えるぐらいの飛行時間でパナマから南米上陸!
上陸地コロンビアは、
「南米麻薬の集散地」、
「中南米の3Cに入る美人の産地」、
「コロンビア・コーヒー」
で有名!
さぁ、エキサイティングな大陸にいざ! -
旅日記
『1997年9月12日 南米上陸!』
パナマ・シティからわずか1時間、南米大陸最初の都市コロンビア、カルタヘナの国際空港では、アジア並みの湿度をおんぼろの扇風機がかき回していた。
麻薬、ゲリラ、内戦で有名なこの国は、国際空港にエアコンを入れる暇もないらしい。
(ここは、カンボジアか?)
空港からのローカルバスは、カリブ海に面した海岸線に沿って街へ向かっている。
10分程走っただろうか?
行く手にパナマ並みの高層ビルが見えてきた。
歴史上、パナマとコロンビアは一つの国だっただけあって、どうもあちこちの風景が見覚えがある気がする。
しかし、道路の左手にそびえるイスラエルのエルサレム並みの城壁は見たことも無かった。
何処の国でも安宿があるエリアの雰囲気は、どことなく胡散臭い。
この街でも、俺の選んだ宿の周りは、とても落ち着いて出歩けそうにはなかった。
朽ちかけた木造のドアを押し開けると、植民地風の中庭から差し込んだ日差しが薄暗い受付をぼんやりと照らし出している。
3人ぐらいはその中庭に埋めてそうな人相をしたホテルの親父は意外な台詞を投げかけた。
「着いたばっかりじゃ、両替もしてないんだろ。金は明日でいいぞ。まぁ、コーラでも飲め!」
イランしかり、国の国際的評価と人の良さは反比例しているものらしい。
夕方、スーパーマーケットに行ってみた。
品数といい、巨大さといい、全くアメリカと変わらない。
唯一の違いは食料品売り場の片隅にその場で挽いてくれるコーヒースタンドがあった事だ。
面白い事に、ワンショット・サイズの一口売りらしい。
香り立つ湯気の向こうに、コロンビアに上陸したという現実が漂いだした。 -
長さ4kmに及ぶ城壁が旧市街を取り囲んでいた。
-
観光客が忙しく出入りしているこのゲートが、「時計門」だろうか?
アミューズメント・パークに入る様な気持ちになってきた。 -
旅日記
『城壁の中』
街の中心、城壁の中は、まるで中世ヨーロッパの街並みを再現したアトラクション会場だった。
石造りの重厚な建築物の隣には、ピカピカのリノリウムに飾られたショーウィンドウが軒を連ねている。
カメラを首からぶら下げた白人観光客、流行の服を身にまとったアメリカン。
城壁の外のむせかえるような人々の喧騒など、ここには無かった。
静寂の中、時たま聞こえる笑い声が響く。
ボロボロの服を着た地元のおじちゃんが、無言でリヤカーを押していた。 -
観光客でごったがえすメインストリートを離れると、ビックリするほど静寂が支配する街並みに迷い込んだ。
東南アジアの植民地風の建物に似ているなぁ。 -
旅日記
「城壁の外」
まるで暴動でもあった様なすごい風景が路上に広がっている。
あちこちに放置されたゴミの山、足早に行き交う混血の人々。
ありとあるゆる物が軒先に並べられ、人々は値段交渉に声を張り上げている。
しかし、この景色に緊迫感が無いのは、街を覆う不思議な陽気さだろうか?
中南米よりも濃いラテンの空気がこの大陸にはあるのかもしれない。 -
旅日記
『コインが決めた南米ルート』
照りつける強烈な日差しから逃れる様に、城壁の影に身を寄せる人々。
ひとしきりカルタヘナの街も見て回った身体を休める為に俺もごつごつとした壁に背を預けて休む事にした。
今日やらなければならない事がもう一つある。
それは、南米周遊ルート。
さて、南米をどう回ろう?
ここコロンビアの北部からなら、
「ベネズエラ経由の東海岸周り」
「エクアドル経由の西海岸周り」
の2者択一しかないのだが・・・
一般的には、観光に力を入れている西海岸周りのほうが旅はし易いだろう。
が、しかし、ベネズエラ経由ならばエンジェル・フォールという世界一の高さを誇る滝もある。
しかも、その南は秘境アマゾンだ。
どちらにしても迷うだけならばと、いつものようにコインの裏表で決める事にした。
紺色に近い深いブルーの空に目がけて弾かれたコインが、キラキラと弧を描いて石畳に落ちていく。
少しだけ、「俺ってクールじゃん」などと酔いしれてみた。
石畳を転がるコインが裏になって倒れていく様子がスローモーションのように見えた。
そして、視界の右端から薄汚れた服を着た子供が前傾姿勢で出現し、輝くコインを左手でキャッチして左端へ消えていく姿もスローモーションのように・・・
まるでジャガーのハンティングのような敏捷さだった。
俺ができる事といえば、「裏だったよな・・・」とつぶやく事ぐらいだった。 -
旅日記
『マイカオなる地へ』
昨日、指で弾いたコインは、俺の2m先の路上で裏側を示してキラリと光った。
・・・光ったと思う。
(その瞬間、乞食の子供がひったくって行ったので確実ではないが・・・)
つまり、俺の南米旅行ルートは東海岸伝いに南下するルートになったらしい。
早速、東の国ベネズエラ行きのバスを探していると、どうやらこの国の東端にあるマイカオなる街まで行かなければならないとの事。
朝7時、ローカルバスに30分も揺られてたどり着いた中央バスターミナルは、空港より遠い街外れに空港よりも立派なビルになってそびえていた。
窓口の親父に「マイカオまで」と告げる。
すぐさま返答が来た。
「21000ペソ」
・・・コロンビアに着いてまだ3日、5桁の値段が天文学的な料金に思えた。
しかし、よくよく計算してみるとUS$21だ。
しかし、たかだか8時間の行程でこの値段は高すぎないか?
この国の移動費が高いとは良く聞いていたが、まさかこれ程とは!
多分、ローカルバスを乗り継いでいけば、この1/3の値段で行けるのだろうが、そうすりゃ時間も3倍かかりそうだ。
バスは、快適だった。
US$21もするだけあって、アメリカのグレイハウンドなど比べ物にもならない。
ふかふかのシートに、エアコンががんがん仕事をしている。
中米のTICAバスと同じように、窓の外では薄汚れた村々が飛び去っていく。
この国の貧富の差もかなりのものらしい。 -
旅日記
『1997年9月15日 マイカオからべネズエラヘ』
夕方7時、マイカオ到着!
そして、バスを降りると、そこは被爆地だった。
道路という道路はゴミの山、ほとんどの店のシャッターは降ろされ、街角にはどう良く見てもコカインの売人にしか見えない奴らがたむろっている。
しかも、やぶれたTシャツ、埃だらけのでかいバックパック、漁師にしか見えない程、日焼けした東洋人顔を貼り付けた俺はかなり浮いているみたいだ。
ただそこに立っているだけで、周り中から熱い視線が突き刺さってくる。
こんな状況で、これほど目立つわけにはいかないのだが・・・
どうする?
俺はこの街の地図一枚すら持っていないのだが・・・
あぁ、日が沈んでいく。
ホテルを探して夕暮れの街をさ迷い歩いていると、街角にたむろしているあんちゃん達が群れをなして近づいてきた。
ゴミ処理場と変わらないほど散らかっている道路に、混血の人相の悪いあんちゃん達の靴音が響く。
ここでナレーションが入るとしたら、「ヤバイ!」以外の文章は思い浮かばないだろう。
疲れきった脳みそは、今朝投げ入れたナイフの場所を、必死で思い出そうとしている。
肌の色だけは黒人と変わらないリーダー風の男が口を開いた。
「何をしているんだ?」
「日本から来た。この街で安いホテルを探している」
返答している俺の声は、既に攻撃態勢に入っていた。
(俺が猫だったら、完全に耳が伏せられていただろう)
意外な言葉が返ってきた。
「それなら、あそこはどうだ?その前にコーラでも飲まないか?」
・・・コロンビア、いいぞ!この国は!
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