1997/09/09 - 1997/09/12
132位(同エリア190件中)
北風さん
「世界の十字路」と呼ばれているこの国は、別名「治安が最悪」「物価が高い」という悪評もついてまわっていた。
運河により世界中の船乗りが集まる港町ならば、香港しかり、アムステルダムしかり、まぁ似たような評判はある。
問題は泊まる所だった。
物価が高い国の安宿は、ほとんどが治安の悪い場所にある。
たまには連れ込み宿もかねており、危険な上に騒がしい。
さて、パナマの安宿は・・・
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
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旅日記
『1997年9月7日 北米大陸最南端国、パナマへ』
朝6時、久々の夜行バスでコスタリカのサンホセを後にして、ようやく俺の北米大陸最南端、最終国「パナマ」の国境にたどり着いた!
眠い!
まだ完全に熟睡している脳みそを抱えたまま、いつの間にかコスタリカの出国手続きを終えた俺がいた。
まるで国際逃亡犯のように入出国を繰り返す内に、身体が国境での手続きを覚えてしまったらしい。
さて、次のパナマ入国管理事務所に向かう為、TICAバスに戻ると、
・・・誰もいない!
俺はかなり手続きの列の後方に並んでいたはず、つまり、一番乗りで帰ってきているはずはなかった。
不安が、脳みそをたたき起こす。
暖気運転無しにフル加速で発進した車のエンジンのように、思考がちぐはぐに回りだした。
経験によればこの場合、考えうる事は2つしかない。
朝飯を食っているか、又は・・
バスの窓から、俺の後方に並んでいた人々の群れが、足早に村のほうに歩いていくのが見える。
急いでバスから飛び降りて、その方向へと走る!
50m程先で人々が再び列を作っていた。
パナマ入国管理事務所が朝もやの中浮かび上がる。
うかつだった。
今まで通り抜けてきた中米の国境は、ほとんどが川を隔ててバスで移動するパターンだったので、うっかり不法入国する所だった。 -
入国管理官の黒人のあんちゃんが、ガムを噛み噛み、俺のパスポートをめくっている。
「VISAは、どこだ?」と、一言。
「無い!」と、俺。
パナマに入国する日本人には、事前にVISAの入手が義務ずけられているのは知っていた。
が、ニカラグア同様、国境で賄賂を使って安くスタンプがもらえる話も俺は聞いていた。
ピンク色の唇が、「ちょっと事務所へ来い!」と動く。
すごみを利かせた黒人が、ドスのきいた声で吐く台詞は、俺をドキドキさせるには充分だった。
しかも、出てきた言葉は日本のやくざが半殺しにする時のような台詞だ。
事務所のディスクでは、イグアナを白く塗りたくったような丸々太ったおばちゃんがにこりともせず座っていた。
なかなか嫌な雰囲気になってきた。
俺はどうなるんだろう?
・・「US$5!」
遠くから聞こえてきた言葉が俺を不安の海から引き上げた。
1997年9月7日、俺は遂に北米大陸最終国、「パナマ」に入国した。 -
「パナマ」、「世界の十字路」とも呼ばれ、船乗りなら誰でも知っている大港湾都市。
この都市の首都「パナマ・シティ」は、大きく2つのエリアに分かれていた。
一見、マレーシアのペナン島のようなアジア的な雰囲気を漂わせるエリアは、旧市街と呼ばれている。
このうらぶれた植民地風の建物群の中に、俺が泊まれる安宿が固まっていた。
ヨーロッパを思わせる石畳、迷路のような路地裏、潮風が洗う古い中国語の看板、なかなか風情がある場所だ。
当然、高層ビルが建ち並ぶ新市街に比べて物価もかなり安い。
・・そして、それに比例するように治安が悪かった。 -
旅日記
『パナマの安宿』
旧市街の海の側に、かなり大きく、老朽化の進んだ4階建ての建物があった。
手持ちの旅行ガイドでは、ここが安宿のはずなのだが・・
今にも崩れそうな大きなドアを押し開けると、そこは、舞踏会に使われそうな空間が広がっていた。
上は4階の天井までの吹き抜けだ。
ますます、ここがホテルとは信じられなくなってきた。
歴史ある茶色く鈍く光る板張りの片隅に、ちょこんとカウンターが据えられ、おっちゃんが手招きしている。
これが夜で、薄明かりの中での光景ならば、なかなか心臓を直撃するシーンだったかもしれない。
おっちゃんいわく、「シングル、シャワー付き、ベランダ付きでUS$9」との事。
未だにここがホテルとは信じられない気分で、渡された馬鹿でかい鍵を持って3階までの階段を上がる。
ドアノブに鍵を差込み、またもやそのまま博物館入りしそうな古いドアを押し開けた。
「ギイッ」という音と共に、びっくりするような空間が広がる。
何だ、この広さは!
日本の感覚で言うと、10畳以上の広さの部屋だった。
ダブルサイズのベッドが小さく見えてくる。
しかも、この天井の高さは!
身長3mぐらいの人間でも余裕がありそうだ。
ベトナムで泊まった古い植民地風ホテルを思い出す。
これまた、でかい窓を開けると、通りの向こうの海から潮風が吹きぬけてきた。
この部屋、ものすごく居心地がよさそうな気がするのは
俺だけだろうか? -
ホテルの部屋からの風景
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夕刻、ホテルから海岸沿いに散歩に出ると、湾の向こうに新市街の灯りがキラキラと輝いていた。
まるで、シンガポールにいるみたいだ。
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