![2010年4月。年度が変わってこの忙しい時期に、何かから逃げるように海外へ逃亡した。行先は人生で2度目となる韓国だ。<br /><br />前回はソウル市内の2大世界遺産(昌徳宮、宗廟)を堪能したが、まだまだソウル付近には世界遺産が存在するわけで…。少しだけソウルから足を伸ばし、水原(スウォン)市内の華麗なる遺産・華城(ファソン)を攻略してみよう!](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/10/45/17/650x_10451763.jpg?updated_at=1278254527)
2010/04/03 - 2010/04/03
234位(同エリア485件中)
ごんぶとさん
2010年4月。年度が変わってこの忙しい時期に、何かから逃げるように海外へ逃亡した。行先は人生で2度目となる韓国だ。
前回はソウル市内の2大世界遺産(昌徳宮、宗廟)を堪能したが、まだまだソウル付近には世界遺産が存在するわけで…。少しだけソウルから足を伸ばし、水原(スウォン)市内の華麗なる遺産・華城(ファソン)を攻略してみよう!
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー
- 航空会社
- 大韓航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
-
ソウル市内から水原まで行く手段はいろいろとあるが、一番使い勝手のよさそうな「地下鉄」を利用することにした。ホテル近くの駅「新川(sincheon)」から水原までは1700ウォン。ルートは下記のとおりだ。
新川==[2号線]==>舎堂(sadon)==[4号線]==>衿井(geumjeong)==[1号線]==>水原 -
これが地下鉄の1回用チケット。500ウォンのデポジットがかかるが、使用後に専用の機械を通せば返金される仕組みだ。
券売機は日本語表記を選択できる。行きたい駅をタッチして指示どおりに行動すれば、何も悩むことなく買えてしまうのだ。これはかなり便利。 -
約90分かけて水原駅に到着。乗り換えを間違えずにスムーズにここまで来れたのは、地下鉄の中で流れる英語のアナウンスに全神経を集中させていたからだろう。あ〜、よかった=3
5番出口を出ると、都会的に発展した町並みが広がっていた。かなり田舎な雰囲気を想像していたのでビックリだ。駅ビルのデパートなんか超デケェーの。 -
5番出口のすぐ左手には観光案内所がある。ここでは旅に欠かせない観光パンフレットなどを入手できるので、まずは気軽に立ち寄るべし。
ちなみに、手前に立つ「天下大将軍」&「地下女将軍」の木像は"ジャンスン"と呼ばれ、韓国の伝統的な守護神なのだそう。必ず男女一対で建てられるのだとか。 -
さてさて、さっそく華城探索を…と思ったのだが、気づけばもうランチの時間になっていた。そういえばお腹もけっこう減ってきたな。。。
というわけで、タクシーを10分ほど走らせ「カボジュンカルビ」という老舗焼肉店へ行くことにした。
注文したのは韓牛味付けカルビランチ19000ウォン。中央には主役のカルビが骨付きのままででんと。その周りには韓国料理店ではおなじみの小皿が15品どどどんと。このボリュームはすごい!
カルビは見てのとおり食べごたえ十分。噛めば肉の旨みが口いっぱいに広がる。水原といえばスウォンカルビ。やっぱりカルビ発祥の地だけのことはある。 -
お腹もいっぱいになったところで、本日のメインイベントである世界遺産探索に繰り出した。焼肉店の前で偶然とおりかかったタクシーをつかまえ、一気に八達門へ!
-
おおー!これがガイドブックでよく見る八達門か!
八達門は華城の南を守る門。ここが華城の玄関口といってよいだろう。国宝402号に指定されていて、在りし日の南大門より規模が大きいのだとか。 -
びっくりしたのは、門のすぐ側を車がビュンビュン通行していたこと。八達門の周りをグルリと取り囲むように道路が舗装され、ロータリーのような形状になっているのだ。
「夜中に車が突っ込んだりしたら…」なんて考えないのかな。 -
水原華城は李氏朝鮮時代の22代正祖王が1794年から96年までの2年で完成させた遺構。もともとは正祖王が父の墓を楊州から水原へ移し、その周囲に城壁を築いて防護を固めたことから始まった一大プロジェクトだった。実に37万人の労力が注がれたという。
一時は華城への遷都も計画されたほどの、正祖王の理想とする都市建築だったが、完成直後に王が亡くなったことにより中止された。都を築くほどの場所というだけあり、門や城壁はかなり頑強な造りになっている。 -
●Hwaseong Fortress
登録区分 文化遺産
登録基準 文化遺産(ii), (iii)
登録年 1997年
華城は朝鮮戦争により破損したが、1975年から5年かけて修復工事が行われ現在の姿になった。かつて48あった建築物のうち、41が残存しているという。
なかでもこの八達門は当時の設計から寸分狂わず復旧が行われた貴重なものだ。 -
八達門をあとにし、長くまっすぐ伸びる街道を突き進む。15分ほど歩いただろうか?
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道路標識に「華城行宮」の文字!こういうところに日本語(漢字含む)を書いていてくれるのが良いね。観光者目線が徹底されてて◎。
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標識どおりに左へ進むと…
なんだこのだだっ広い空間は!向こうの方に宮殿らしき建物がうっすら見えるぞ。 -
広場の足元には宮殿内部を示す絵が描かれている。この絵を見ながら奥へ足を進めると…
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鳥居らしきものの奥に韓国様式の建物群。その前には人だかり。あれはまさしく「華城行宮」だ!
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華城行宮は正祖王が父の墓参りをした時に宿泊した臨時宿泊所で、もともとはその地方の行政官が執務する官庁として利用されていたのだとか。(12年間、毎年墓参りに使用したらしい)
李氏朝鮮時代には多くの行宮が建立されたが、その中でも非常に規模が大きく、また使用目的の重要度も高い、大きな意味を持つ建物だといえる。 -
行宮に着いたとき、たまたま綱渡りの韓国伝統芸にお目にかかることができた。(これ昔「ウルルン滞在記」で見たような気がする)
後になって知ったのだが、毎週土曜日だけこの芸を見られるとのこと。こういうところはいつも強運なんだよなァ。 -
おっとっと、おっとっと!
このオッサン、盛り上げ上手なんだから(б゚∀゚)б
やっぱりこういうの生で見ると興奮するね。 -
伝統芸を堪能したところで、1500ウォンを支払い、いざ行宮の中へ。
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建立当時は600ほどの堂があったのだが、日本統治時代にほとんどが壊されてしまっている。現在見ることができる建物は1996年から復元工事が行われたもので、2010年に完成したばかりという代物なのだ。
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18世紀当時の建築を期待していただけに、ちょっとガッカリ。だけど、古いものを復旧させて大切にしようという心意気は好きだ。
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見所は、「李氏朝鮮時代の行宮」であるという世界遺産の側面以外にもある。ここはなんと、あの大ヒットドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」のロケ地でもあるのだ。
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衣装なんかも飾られていたりする。
…いや、正直、チャングムは一度も見たことがないんだが。それは内緒にしておこう。 -
チャングムさんと、「はい、ポーズ♪」。
…いや、すまん、これがチャングムさんなのかすらも分からん。内緒だぜ。 -
これは「長楽堂」という堂。正祖王の母・惠慶宮の寝殿で、母の長寿を願ってこの名を付けたのだとか。
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韓国といえばこの色使いが印象的。陰陽五行の思想に基づいた五色が基本となっていて、青は木、赤は火、黄は土、白は鉄、黒は水を象徴し、韓国では寿福招来の幸せをもたらすシンボルカラーになっているのだ。
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長楽堂は、チャングムでは内医院の建物として使われていたんだってさ。
…はい、正直「内医院」とか言われてもよく分かりませんよ。内緒だけど。 -
色のコントラストがたまりませんな。
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外整理所は、1795年の墓参りの準備をするために1794年12月に設置された臨時機関。
さ、ここから裏手にある小高い丘に出てみよう。 -
結構、急よ。この丘。
これしきで息を切らすとか…年齢を感じるなxxx -
見晴台から眺める水原の町並み!気持ちいい!!
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行宮も上から見るとこんなふうになっているんだな。黒の瓦屋根が象徴的だ。
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今度は急な坂道を下る。
こけないように、そーっと、そーっとね。 -
なんとか帰還に成功し、行宮の中央へとやってきた。
ここ奉壽堂は華城行宮の正殿。華城官庁の執務室でもあった場所だ。さすがに建物自体が一番大きかった。 -
この名前もまた、母の長寿を願ってつけたものなのだとか。
…すばらしき親子愛。ってか、ちょいマザコンか? -
奉壽堂の前には長い回廊が門へと伸びている。ここでは、母の還暦の宴会を盛大に執り行ったのだそう。
あのマザコン王のことだから、すんごい規模で派手にやったのだろうなァ。 -
中陽門は行宮の正殿である奉壽堂を直前で守る内三門。宮殿建築の三門設置形式という手法がとられている。
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華城行宮の正門「新豊樓」。扉には陰陽太極図が青と黄で描かれている。その門の前に当時の衣装をまとったお兄さん(たぶん年下)がいたので、記念写真を撮らせてもらった。
ってか、もうちょいいい顔してよwww -
ということで行宮を後にし、八達門の真逆に位置する「長安門」へと移動。ここまで徒歩で15分くらい。
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華城の北門であり、事実上の正門であるこの「長安門」。正門=南が常識であるが、ここではソウルに通じる北を正門としている。規模は八達門とほぼ同じくらいだ。
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長安門の下をくぐると、こんな龍の絵が描かれていた。ここでも陰陽五行説にのっとった彩色が徹底されている。ゴクリ。
さて、門の外側へと出てみよう! -
八達門にもいえることだが、華城の城壁には石材とレンガが併用されており、アジアの技術だけでは成しえない造りが見てとれる。
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これらの城郭は、中国から西洋築城技術を輸入して完成させたものなのだとか。「東洋と西洋の融合」という個性的なテーマが全面にあらわれている。
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ソウルの他の世界遺産とは一線を画する建築にうっとり…♪
ありがとう、個性さん! -
「華城城役儀軌」という築城記録が残存していたため、ここまで正確に復旧させることができたのだとか。設計図が燃えていたら、世界遺産にもなることはなかっただろう…。
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大きなやぐらなんかもあり、重厚な造り。韓国建築史上、最も独歩的な建築物として評価されるのもうなづける。
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城壁は長く長く連なっている…。その長さは5Kmにも及ぶというから驚きだ。
ほかにも華西門、華虹門、蒼龍門、東将門などなど見所はたくさんあるのだが、そろそろ時間となってしまったので今回はここまで。(西将台は2006年5月に放火によって焼失している。南大門もそうだけど、人類の歴史を語る建築に手を出すのはやめてくれよ!)
こういう個性的な建築物は、ずっと見ていても飽きがくることがないな。ソウル観光もいいけど、ちょっと足をのばして「水原」っていうのもなかなかおつなものだ。
(完)
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