サン・サルバドル旅行記(ブログ) 一覧に戻る
俺の旅では珍しく2ヶ月間も腰を降ろしたガテマラを出発したのが朝の8時。<br /><br />ガテマラでの2ヶ月に及ぶスペイン語の勉強で、メキシコでスペイン語にあたふたしていた俺はもういない。<br /><br />目指すは南米!<br />ここから先の中米ではもはや足止めを食う事など何もない!<br /><br />・・・と、思っていた矢先、エルサルバドル入国でつまづいた。<br />

EL SALVADOR(エルサルバドル)の入国と出国と統一教会物語

4いいね!

1997/08/26 - 1997/08/29

52位(同エリア68件中)

0

3

北風

北風さん

俺の旅では珍しく2ヶ月間も腰を降ろしたガテマラを出発したのが朝の8時。

ガテマラでの2ヶ月に及ぶスペイン語の勉強で、メキシコでスペイン語にあたふたしていた俺はもういない。

目指すは南米!
ここから先の中米ではもはや足止めを食う事など何もない!

・・・と、思っていた矢先、エルサルバドル入国でつまづいた。

同行者
一人旅
交通手段
高速・路線バス

PR

  • 旅日記<br />『エルサルバドル入国』<br /><br />1997年8月26日 14:00<br /><br />「ジロリ!」<br />パスポート・コントロールの窓口の奥、偉そうなおっちゃんが睨んでいた。<br />バスドライバーが2度目の催促に駆け込んでくる。<br /><br />俺もできる事ならバスに飛び乗って、首都「サンサルバドル」に向かいたい。<br />が、しかし、肝心のパスポートが戻ってこない。<br />理由は、多分、今日の新聞の3段ぶち抜きで載っていたあの記事のせいだろう。<br /><br />「統一教会(韓国で生まれた宗教)、合同結婚式 in ELSALVADOR」<br /><br />・・全く何を考えてカトリックのこの国で、そんな事をしなきゃならないんだ?おかげで同じアジア人というだけで日本赤軍並みのボディチェックを受けるはめになっている俺の身にもなってくれ!<br /><br />しかし、破れたTシャツ、ボサボサ頭の俺のどこが信仰心に燃えた宗教徒に見えるんだろうか?<br />(もしかして、別の意味で入国を拒否されているのだろうか?)<br /><br />3度目に駆け込んできたドライバーの説得の下、懐かしい俺のパスポートがようやく戻ってきた。<br />ページをめくると、ちゃんと入国スタンプは押されている。そして・・「滞在許可5日」の注意書きが!<br />普通、日本人は1ヶ月許可されるはずだが?<br />まぁ、いい!日本の長野県ぐらいのサイズしかないこの国の縦断には充分だ。<br /><br />1997年8月26日、俺は、エルサルバドルに入国した。

    旅日記
    『エルサルバドル入国』

    1997年8月26日 14:00

    「ジロリ!」
    パスポート・コントロールの窓口の奥、偉そうなおっちゃんが睨んでいた。
    バスドライバーが2度目の催促に駆け込んでくる。

    俺もできる事ならバスに飛び乗って、首都「サンサルバドル」に向かいたい。
    が、しかし、肝心のパスポートが戻ってこない。
    理由は、多分、今日の新聞の3段ぶち抜きで載っていたあの記事のせいだろう。

    「統一教会(韓国で生まれた宗教)、合同結婚式 in ELSALVADOR」

    ・・全く何を考えてカトリックのこの国で、そんな事をしなきゃならないんだ?おかげで同じアジア人というだけで日本赤軍並みのボディチェックを受けるはめになっている俺の身にもなってくれ!

    しかし、破れたTシャツ、ボサボサ頭の俺のどこが信仰心に燃えた宗教徒に見えるんだろうか?
    (もしかして、別の意味で入国を拒否されているのだろうか?)

    3度目に駆け込んできたドライバーの説得の下、懐かしい俺のパスポートがようやく戻ってきた。
    ページをめくると、ちゃんと入国スタンプは押されている。そして・・「滞在許可5日」の注意書きが!
    普通、日本人は1ヶ月許可されるはずだが?
    まぁ、いい!日本の長野県ぐらいのサイズしかないこの国の縦断には充分だ。

    1997年8月26日、俺は、エルサルバドルに入国した。

  • 旅日記<br />『サンサルバドル着』<br /><br />1997年8月26日 16:00<br /><br />バスがエルサルバドルの首都「サンサルバドル」に到着したのは、夕方4時の事だった。<br />朝6時起きでガテマラシティでバスを探し、国境で揉めてた事を考えると、かなり多彩な一日だった気がする。<br /><br />しかし、これで終わりじゃなかった。<br />まず、ここがどこかわからない。<br />そして、国境で揉めていたせいで、両替できなかった。つまり現地の金が1円もない。<br />中心部から遠く離れている事は確かだと思うのだが・・<br />今の状況は、見知らぬ街角に無一文で放り出されているという事か?<br /><br />銀行を探し出すのに30分かかった。<br />それからひたすら通行人に聞きまくりながら安宿を探す。<br />歩く、歩く、歩く!<br />エルサルバドルの人は、陽気で親切だった。<br />皆にこやかに的確に道を教えてくれるので、現在俺が53ブロックにいて、安宿が3ブロックにあることが判明!<br />嘘だろ?つまり、あと、50ブロック歩かなければならないのか?<br /><br />発狂しそうになりながら、歩く。<br />2時間経った。<br />既に汗は塩になってTシャツにへばりついている。<br />バックパックが食い込んだ肩は、擦り切れて血が出そうだ。<br />やりたくもない市内観光を続けるうちに、ガテマラとの違いを思い浮かべる。<br />まず、民族衣装を着ている人間が一人もいない。<br />植民地風の古い建物の変わりに、街がモダンでマクドナルドまであった。<br />そして何といっても活気がある。<br /><br />中米一の働き者の国と言われる由縁が、街の喧騒の中に漂っていた。<br />

    旅日記
    『サンサルバドル着』

    1997年8月26日 16:00

    バスがエルサルバドルの首都「サンサルバドル」に到着したのは、夕方4時の事だった。
    朝6時起きでガテマラシティでバスを探し、国境で揉めてた事を考えると、かなり多彩な一日だった気がする。

    しかし、これで終わりじゃなかった。
    まず、ここがどこかわからない。
    そして、国境で揉めていたせいで、両替できなかった。つまり現地の金が1円もない。
    中心部から遠く離れている事は確かだと思うのだが・・
    今の状況は、見知らぬ街角に無一文で放り出されているという事か?

    銀行を探し出すのに30分かかった。
    それからひたすら通行人に聞きまくりながら安宿を探す。
    歩く、歩く、歩く!
    エルサルバドルの人は、陽気で親切だった。
    皆にこやかに的確に道を教えてくれるので、現在俺が53ブロックにいて、安宿が3ブロックにあることが判明!
    嘘だろ?つまり、あと、50ブロック歩かなければならないのか?

    発狂しそうになりながら、歩く。
    2時間経った。
    既に汗は塩になってTシャツにへばりついている。
    バックパックが食い込んだ肩は、擦り切れて血が出そうだ。
    やりたくもない市内観光を続けるうちに、ガテマラとの違いを思い浮かべる。
    まず、民族衣装を着ている人間が一人もいない。
    植民地風の古い建物の変わりに、街がモダンでマクドナルドまであった。
    そして何といっても活気がある。

    中米一の働き者の国と言われる由縁が、街の喧騒の中に漂っていた。

  • 旅日記<br />『エルサルバドル出国』<br /><br />「田舎のバスわぁぁ、オンボロバスでぇぇ〜」と、まともに口ずさむ事もできない振動、道も悪けりゃ、バスもぼろい!<br />その上バスの中では、籠から逃げ出した鶏が「俺は自由だ!」と叫ばんばかりに飛び回っている。<br />その床の上では、ジャガイモが転げまわっていた。<br /><br />・・本当に俺は国境に向かっているのだろうか?<br /><br />何度目かの村を通り過ぎた後、バスは山間を流れる川沿いの道に出た。<br />遠くに見える橋には、大型トレーラーが列を作っている。<br />バスが急停止したこの場所が最後尾らしい。<br /><br />バスの運ちゃんが叫ぶ。<br />「この川が国境線で、あの橋を渡ればホンジュラスだ。急いでいるなら、ここから歩け!」<br /><br />選択の余地もなく大雨でぬかるんだ泥道を進む事になった。<br />汗だくになりながら、田んぼの中を歩いている様な、「ズボッ、ズボッ」という音と共に一歩一歩足を進める。<br /><br />順番待ちのトレーラーの運ちゃん達の声援が頭上に降り注ぐ。<br />「チーノ、がんばれ!」<br />「チーノ、何処に行くんだ?」<br />「チーノ、この国は どうだった?」<br /><br />・・暖かい声援ありがとう。しかし、俺は「チーノ(中国人)」じゃないっちゅーに!<br />

    旅日記
    『エルサルバドル出国』

    「田舎のバスわぁぁ、オンボロバスでぇぇ〜」と、まともに口ずさむ事もできない振動、道も悪けりゃ、バスもぼろい!
    その上バスの中では、籠から逃げ出した鶏が「俺は自由だ!」と叫ばんばかりに飛び回っている。
    その床の上では、ジャガイモが転げまわっていた。

    ・・本当に俺は国境に向かっているのだろうか?

    何度目かの村を通り過ぎた後、バスは山間を流れる川沿いの道に出た。
    遠くに見える橋には、大型トレーラーが列を作っている。
    バスが急停止したこの場所が最後尾らしい。

    バスの運ちゃんが叫ぶ。
    「この川が国境線で、あの橋を渡ればホンジュラスだ。急いでいるなら、ここから歩け!」

    選択の余地もなく大雨でぬかるんだ泥道を進む事になった。
    汗だくになりながら、田んぼの中を歩いている様な、「ズボッ、ズボッ」という音と共に一歩一歩足を進める。

    順番待ちのトレーラーの運ちゃん達の声援が頭上に降り注ぐ。
    「チーノ、がんばれ!」
    「チーノ、何処に行くんだ?」
    「チーノ、この国は どうだった?」

    ・・暖かい声援ありがとう。しかし、俺は「チーノ(中国人)」じゃないっちゅーに!

この旅行記のタグ

4いいね!

利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。 問題のある投稿を連絡する

コメントを投稿する前に

十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?

サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)

報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。

旅の計画・記録

マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?

エルサルバドルで使うWi-Fiはレンタルしましたか?

フォートラベル GLOBAL WiFiなら
エルサルバドル最安 775円/日~

  • 空港で受取・返却可能
  • お得なポイントがたまる

エルサルバドルの料金プランを見る

フォートラベル公式LINE@

おすすめの旅行記や旬な旅行情報、お得なキャンペーン情報をお届けします!
QRコードが読み取れない場合はID「@4travel」で検索してください。

\その他の公式SNSはこちら/

タグから海外旅行記(ブログ)を探す

PAGE TOP