2000/04/09 - 2000/04/11
95位(同エリア174件中)
北風さん
深夜2時、バスは南アフリカ〜ナミビアの国境にさしかかった。
ナミビア国境ゲートを照らし出す強力なスポットライトが寝ぼけ
た目に付き刺さる。
思えば南アフリカ上陸当初、この国に入国する事など考えてもみなかった。
ナミビアの単語で思い出すのは、チリで南極に行こうとしていたナミビア人と飲み明かしたぐらいのものだ。
が、しかし、南アフリカ共和国で仕入れた情報では、このナミブ砂漠は「赤い砂漠」らしい。
その美しさは他の砂漠では見られない程との事。
そして気がつくと、俺は現在ここにいた。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
-
ウィントフックの安宿で早速「ナミブ砂漠ツアー」を申し込んだ。
が、しかし、この時期、意外にも観光客が一杯でツアーは満杯との事。
急遽、臨時ツアーバスを出してもらう事になったが・・
出発して半日、なーんにもない荒野で俺達は立ち往生している。
理由はパンク。
確かにこんな未舗装路を100Km/hでふっ飛ばせば、タイヤにかかる負担も相当なものかもしれない。
が、しかし、この2時間前にバッテリー上がりで車を押した事を考えれば、これはツアーバスに問題がある気がする。
・・・大丈夫なのか?
地平線に夕陽が沈む。俺の不安は徐々に浮かび上がってくる。 -
砂漠の中にフェンスで囲まれたエリアが見えてきた。
どうやら、無事キャンプ場についたらしい。
このキャンプ場、意外と設備が整っていた。
モダンなカウンターを備えたバーもあれば、なんと屋外にはたっぷりの水をたたえたプールもある。
「カラカラに乾いた砂漠のど真ん中で水遊びをする」
・・なんて贅沢な事なんだろう。 -
旅日記
「砂漠の夕暮れ」
キャンプ場が赤く染まる。
砂漠に夜が来る。
このキャンプ場では、テントを張る場所は小さな柵で覆われた所に指定されていた。
有り余るほどの土地の中、こんな小さなエリアに区切る意味が最初はわからなかったが、この柵の中には必ず大きな木が植えてあった。
実はこの大木が砂漠でテントを張る上での必需品らしい。
この大木のおかげで、昼間の強力な陽射しからテントが守られるとの事。
ガイドの説明にうなづくツーリストの中から、妙にかん高い声が聞こえる。しかも、このイントネーションは女言葉じゃないだろうか?
振り向くと、今夜同室になるオランダ人が「やっぱり、意味があったんだぁ」みたいな英語を叫んでいた。
・・昼間の強力な陽射しから守ってくれる大木は、夜間の強力なホモの危険性からも守ってくれるだろうか? -
木々の背後に夕日が迫ってきた。
-
夕日とホモ
-
旅日記
「砂丘に朝が来た」
「起きろ!朝日を見に行くぞ!」
意外と紳士だったホモのオランダ人の安らかな寝息が潜むテント内にガイドのだみ声が響く。
そうだ!確かにツアー2日目には、朝日を見に行くはずだった。
半分眠っている身体を引きずって、ツアーバスに乗り込んだ所までは覚えている。
揺り起こされて、まだ星空の下、黒いシルエットに浮かんだ小山を指差して「登れ!」と言われた事も記憶の片隅にはあった。
完全に眼が覚めたのは、きめの細かい砂の上で一歩進んでは2歩後退するこの山登りが始まってからだ。 -
周りに比べる高さが無いので別に気にとめなかったが、この砂丘、かなりの勾配を持っている。
これが普通の山登りだったらまだましなのだが、この足場、滑るし、崩れる!
あっと言う間に心臓がスポーツモードで動き出した。
身体中を流れるアドレナリンで冬眠中だった脳みそに血がすごい勢いで回り始める。
暖機運転なしでいきなりフル・アクセルで走り出したエンジンもこんな感じなんだろうか?
おまけに俺は高所恐怖症だった!
少しずつだが天空の星もその輝きを潜め、朝に備えているようだ。
星が今も瞬いているのは俺の視界の中だけらしい。 -
うっかり後に倒れようもんなら、そのまま果てしなく転がり続ける砂の稜線。
しかし、身体はもう動くのを拒否していた。
腰を下ろした俺の視界が赤く染まっていく。 -
砂漠に日が昇る。
-
日が昇りきった後は、下山の時間だった。
足首まで砂に埋もれながら、どうにか地上に戻る。
振り返ると、今まで登っていた砂丘が頭上に浮かんでいた。
こんなとんでもない高さを登っていたのか! -
朝日を見ただけでかなり体力を消耗したのだが、今日はこのままメインイベントの「ソスフレイ」に行くとの事。
延々と続く荒野を何台ものツアー・バスが列を成して爆走して行く。
急に我がツアーバスが急ブレーキをかけた!
フロントガラスには、ぬかるんだデコボコ道が現れている。
ドライバー兼ガイドが叫ぶ。
「ソスフレイまであと5kmだ!歩くぞ!」
・・・他のツアーバスが泥を跳ね上げて進む中、俺達のバスが進めない理由は一つ。この臨時ツアーバスは4駆じゃないから。 -
旅日記
「水の足跡」
ぬかるんだ大地の中でも、一際低い場所が延々と蛇の様に身をくねらせながら続いていた。
多分、ここは雨季には川になっていた場所だろう。
粘土状にべたついた土は、魚のうろこの様にひび割れている。
妙に寒々しい光景だった。
刻一刻と水分が大地から逃げていく。 -
ナミブ砂漠は見えていた。
いや、もうずっと前から「赤い砂漠」は目の前にある。
が、着かない!歩けど歩けど砂丘は少しずつ大きく見えてくるだけ。
なんてスケールの大きさだ! -
まるでサウナの中にいるようだった。
身体から水分が抜けていくのがわかる。
どれぐらい歩いたのだろう?
俺は砂漠の端にたどり着いていた。
「サクッ、サクッ、サクッ」と、まるで雪を踏みしめているかのように、足音が変わってきた。 -
砂漠に到着!
そして、今度は砂丘が!
また登るのか! -
またもや目の前がチカチカしてきた。
一息ついて振り返ると、遙か彼方にツアー・バスが見える。 -
まぁ、お約束として・・・
-
砂の稜線を渡る。
一歩足を踏みしめる度に、サラサラと細かい砂が稜線の両側へと流れ落ちていく。 -
通った後には、砂のアートが広がっていた。
-
ナミブの赤い砂漠が、今、・・・
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旅日記
「砂の赤い波」
砂漠に風が吹きぬける。
目の前で砂の波紋が広がっていく。
まるでSF映画を見ているようだった。
風の音と砂の音、それだけがこの灼熱の空間を満たしている。
ナミブ砂漠の赤い波は、インド、チリ、アメリカ、中東の砂漠とは異なる華やかさがあった。 -
風紋 2
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風紋 3
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風紋 4
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風紋 5
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