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 その店は、敦煌の路地、小さな飲食店が数軒集まっている中にあった。「敦煌風味鶏湯面(ジータンミェン)」屋だ。敦煌に着いたばかりで、しかも夜なのに、いきなり食べ物屋に突進したのだ。<br /> 入るのをためらった。辺りはとても暗い。街灯がない。店が営業中らしいのは、暖簾が掛かっているので分かった。でも、店内の明かりは、裸電球1個だけで、うちの物置よっか暗い…。お腹が減ってたので、「えいっ!」と入った。客はいない。木のテーブル3つに、木の丸椅子数個だけという小さな店だ。<br /> 店主1人で切り盛りしている。おじさんはとても愛想がいい。メニューには色々あったけど、全然分かんないので、ジータンミェンを頼んでみた。 <br /> 「・・・鶏湯面?」(夫) <br /> 「ジータンミェン、ジータンミェン!」(おじさん) <br /> 「おー、ジータンミェン、ジータンミェン」(妻のワタシ) <br /> 「ジータンミェン、ジータンミェン!あはは。」(おじさん) <br /> 3人でジータンミェンを連呼した。分かった分かったと頷きつつ、おじさんは麺をうち始めた。あー、最初っから作るのかぁと驚いた。とんとんと、麺を切っている。わりと早い。そうこうするうちに出来ちゃった。<br /><br /> 見た目、少し赤っぽい。ものすごく辛いんだろうかとおののきつつ、スープを飲んだ。 <br /> 「・・・あんまり、辛くない。」(夫) <br /> 「美味しいね!」 (妻のワタシ)<br /> 「うん、旨いっ!」(夫) <br /><br /> 新しい味だった。日本にはない味だ。我々の中華料理の概念から外れている味。香菜(シアンツアイ、コリアンダーの葉)がきいているせいかな。スープの赤色は、トマトの色だった。後、細かく刻んだ野菜と、鶏肉が入っている。基本は鶏スープ。麺も美味しい。うち立てでしこしこしていて、うどんに似た感じ。大腕2元(2000年当時、28円くらい。)、小腕1.5元也。 <br /><br /> 「うーん、この地方の料理は、一筋縄ではいかんな!」 <br /> 初日からジャブであった。<br /><br /> そして次の日、明るくなって気が付いたんだけど、この「敦煌風味鶏湯面」屋の向かいに、「天津包子館」があった。パオズだよ。憧れていたんだ。「パオズ、パオズ」と、呪文のように唱えながら、いそいそと入店した。 <br /><br /> お姉さん3人くらいでやっている、小綺麗な店であった。扇風機もあった。木の大きな丸テーブル4つと、木の丸椅子。テーブルには、花柄ビニールのテーブルクロス。 <br /><br /> 壁にあったお品書き、メニューは4つだ。ワタシは、一番上の包子という字を指さしながら、激しく頷いた。だって、発音が分からなかったから。・・・お姉さんは、理解した。それだけでいいのかと言う。(ワタシは、何言ってるのかさっぱり分かってないのに、理解力だけはあるのだ。) <br /> 再び、メニューを見ながら、どうしようどうしようと夫と密談。なんだか分かんないから、一番下のにしちゃえということになった。指さしながら、激しく頷くワタシ。えーっと、これ知ってるんだけどなぁ・・・、そう思ったけど思い出せない。なんだっけ。 <br /><br /> 包子は、蒸籠にのったまますぐ出てきた。見かけは、直径4?くらいの肉まん。小皿にね、赤唐辛子のたれが入っていて、それにつけて食べる。激辛。ちょこっとだけつけて、食べてみる。おいしー。ぽっぺが落ちそう。皮は、日本で言う肉まんなんかより弱々しくって、箸で上手く持たないと崩れちゃう。中身は肉。蒸籠に10個のってて、なんと2元。つまり、1個で3円弱。 <br /><br /> そのうちに、何だか分からなかったメニューの一番下のが出てきた。あーーー、ワンタンだぁ。そっか、思い出した。ワンタンだよ、雲呑。日本と漢字が違うんだ。ホントンだ。醤油味のスープにふわふわのワンタンが入っている。とっても美味しい。やっぱり香菜が入っているよ。大腕3元だ。敦煌のパオズにして15個分である。15敦煌パオズと呼ぼう。 <br /><br /> なんだかんだ言っても、なんでも口に合う夫婦である。この後、次々と怪しい物を食べに行くのであった。

しるくろーど旅遊指南2 天津包子館の巻

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2000/08/12 - 2000/08/18

463位(同エリア508件中)

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しゃーらさん

 その店は、敦煌の路地、小さな飲食店が数軒集まっている中にあった。「敦煌風味鶏湯面(ジータンミェン)」屋だ。敦煌に着いたばかりで、しかも夜なのに、いきなり食べ物屋に突進したのだ。
 入るのをためらった。辺りはとても暗い。街灯がない。店が営業中らしいのは、暖簾が掛かっているので分かった。でも、店内の明かりは、裸電球1個だけで、うちの物置よっか暗い…。お腹が減ってたので、「えいっ!」と入った。客はいない。木のテーブル3つに、木の丸椅子数個だけという小さな店だ。
 店主1人で切り盛りしている。おじさんはとても愛想がいい。メニューには色々あったけど、全然分かんないので、ジータンミェンを頼んでみた。
 「・・・鶏湯面?」(夫)
 「ジータンミェン、ジータンミェン!」(おじさん)
 「おー、ジータンミェン、ジータンミェン」(妻のワタシ)
 「ジータンミェン、ジータンミェン!あはは。」(おじさん)
 3人でジータンミェンを連呼した。分かった分かったと頷きつつ、おじさんは麺をうち始めた。あー、最初っから作るのかぁと驚いた。とんとんと、麺を切っている。わりと早い。そうこうするうちに出来ちゃった。

 見た目、少し赤っぽい。ものすごく辛いんだろうかとおののきつつ、スープを飲んだ。
 「・・・あんまり、辛くない。」(夫)
 「美味しいね!」 (妻のワタシ)
 「うん、旨いっ!」(夫)

 新しい味だった。日本にはない味だ。我々の中華料理の概念から外れている味。香菜(シアンツアイ、コリアンダーの葉)がきいているせいかな。スープの赤色は、トマトの色だった。後、細かく刻んだ野菜と、鶏肉が入っている。基本は鶏スープ。麺も美味しい。うち立てでしこしこしていて、うどんに似た感じ。大腕2元(2000年当時、28円くらい。)、小腕1.5元也。

 「うーん、この地方の料理は、一筋縄ではいかんな!」
 初日からジャブであった。

 そして次の日、明るくなって気が付いたんだけど、この「敦煌風味鶏湯面」屋の向かいに、「天津包子館」があった。パオズだよ。憧れていたんだ。「パオズ、パオズ」と、呪文のように唱えながら、いそいそと入店した。

 お姉さん3人くらいでやっている、小綺麗な店であった。扇風機もあった。木の大きな丸テーブル4つと、木の丸椅子。テーブルには、花柄ビニールのテーブルクロス。

 壁にあったお品書き、メニューは4つだ。ワタシは、一番上の包子という字を指さしながら、激しく頷いた。だって、発音が分からなかったから。・・・お姉さんは、理解した。それだけでいいのかと言う。(ワタシは、何言ってるのかさっぱり分かってないのに、理解力だけはあるのだ。)
 再び、メニューを見ながら、どうしようどうしようと夫と密談。なんだか分かんないから、一番下のにしちゃえということになった。指さしながら、激しく頷くワタシ。えーっと、これ知ってるんだけどなぁ・・・、そう思ったけど思い出せない。なんだっけ。

 包子は、蒸籠にのったまますぐ出てきた。見かけは、直径4?くらいの肉まん。小皿にね、赤唐辛子のたれが入っていて、それにつけて食べる。激辛。ちょこっとだけつけて、食べてみる。おいしー。ぽっぺが落ちそう。皮は、日本で言う肉まんなんかより弱々しくって、箸で上手く持たないと崩れちゃう。中身は肉。蒸籠に10個のってて、なんと2元。つまり、1個で3円弱。

 そのうちに、何だか分からなかったメニューの一番下のが出てきた。あーーー、ワンタンだぁ。そっか、思い出した。ワンタンだよ、雲呑。日本と漢字が違うんだ。ホントンだ。醤油味のスープにふわふわのワンタンが入っている。とっても美味しい。やっぱり香菜が入っているよ。大腕3元だ。敦煌のパオズにして15個分である。15敦煌パオズと呼ぼう。

 なんだかんだ言っても、なんでも口に合う夫婦である。この後、次々と怪しい物を食べに行くのであった。

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