6年の歳月、モスクワの変化を感ず（３）

2009/07 - 2009/09

■治安

　ここ数年は治安の大きな変化はないように思いますが、観光地、地下鉄など人が集まるところを中心に、外で見かける警察官の数が相当増えたような印象があります。

　相変わらず止むことはないテロへの対策にはやはり万全を期している雰囲気を感じました。私は3ヶ月の間で一度も通りを歩いているときに警察官から声をかけられることはありませんでしたが、観察していると中央アジア、中東系の方がパスポートチェックを受けている場面に遭遇しました。警察官が2列30人くらいで旧アルバート通りの道の真ん中を歩いていたのはとても印象的でした。

エリア モスクワ(ロシア)

■通信

　数年前にロシアで登場した携帯電話もすっかり市民権を得て、今や老若男女問わず使用している様子が見られます。野菜などを道ばたで売っているおばあちゃんが携帯で話している姿も決してめずらしくありません。

　長期で日本を離れると国際電話の機会も増えますが、国際電話カードを使ってかけるのが得なので、もっぱらそちらを利用します。街中のカード屋さんで購入し、カード会社の番号にかけて自動音声に従ってそのカードに書かれている数字とかけたい電話番号をプッシュするというとても簡単なものです。私が使っていたカードは500ルーブル（約1500円）のもので、日本の携帯番号で1時間、固定電話では3時間話すことができました。

　日本の生活では欠かせないインターネットですが、モスクワにおいてもここ数年で高速回線が通り、非常に便利になりました。スカイプも問題なく使えますので、ユーザー同士での無料テレビ電話も可能な時代となりました。もちろん動画もスムーズに見られます。私は毎朝動画配信された日本のニュースを見ながら朝食をとっていました。

■終わりに

　このように文章にして3ヶ月を振り返ると、モスクワは変わったという事実を自分の肌で感じてきたのだな、と改めて実感させられます。

　過去の姿を知る方にとっては今のモスクワを見ると驚きでもあり、どこか寂しさも感じられるのではないかと思いますし、またこれから初めて生のモスクワを見る方には、現在持っているイメージとの違いに新鮮な驚きを感じることも少なくないように思います。ロシアといえば、寒い、広い、ウォッカ、あの毛皮の帽子。依然として、まだまだ日本で報道される情報も限られ、よくわからない、知らない隣国の本当の姿を、目でも見て体感すること、お勧めしたいと思います。

＜　終　＞