フランス南西部　美しい村・ロマネスク寺院をレンタカーで巡る　（7）−　祈りの村　コンク　−

2009/10/09 - 2009/10/09

フランスに行くようになってから、是非、行きたかった村コンク・・
車でないと中々行けないこの地に行くには、もう後がない、という思いで、ここ数年、候補にあがっていたのだが、今回やっと念願を果たして・・
映像で見ていたのと違って、（時期によるのだろうが）山間の静かな、石の美しい村。教会は、人が寄り合い祈りを捧げて・・

エリア コンク(フランス)

尾根沿いの道から、コンクへの表示に従い

下ること数十分、下の方に見える集落・・

あれが、コンクの村！と　ときめく

こんな雑木林の中を、どんどん下りる

対向車の来ないことを願いながら・・

はっきりと眺められるところでストップ

こんな、谷あいに多くの人々を

惹きつける村が・・

夢中でカメラに収めて

九十九折の道は集落をだんだんズームしていく

目線も低くなり、カーブをきるのももどかしい

すっかり、下りきってきたら、

何と目の前は！

こんな、石の橋

「え〜どうするの〜」

「こんな橋わたれないよ〜」

「引き返すったって、また九十九折を上って・・」

「だって、村はここを渡るとあるのに〜」

一応、下りて橋の点検

と、向こうから、一台の車が・・

ぎりぎりながらも通ってくる！

では、ままよ、と挑戦

石畳のため、ましてや両脇は隆起しているので

ハンドルが振られてしまう

二歩進んで一歩後退、の調子でやっと渡りきる

橋の名は「ローマ橋」

サンチャゴ・デ・コンポステラへの

巡礼路にあたるコンクに、おとずれる人々は

この橋を渡って歩いたのでしょうか？

それにしても、グーグルマップのルート検索は

あんなルートもヒットさせるんだぁ、と驚きも。

（三枚の橋の写真は、翌日写したもの）

興奮さめやらぬうちに、念願のコンクの村中に

一本道を上がってくると

目前に、セント・フォア教会

重厚さに加え、整った美しいという印象

今回宿泊のセント・フォアホテル

明かりの所が入口

レストランの下が、ガレージ

もう、オフなのか、

レストランは開いていない　残念！

ホテルの室内

3階で、屋根裏にあたる（日本の4階）

レセプションが１階で、ここまでは階段のみ

その上、２，３階はエレベータあり

石造りのとっても古い古い建物だが、

造りはしっかりしており改装もよくされている

ホテルの窓から、

一つ一つ積まれた石の教会を目の当たりにし、

訪れることが出来たことに感激♪

ホテルに落ち着いたあと、

日が暮れかけた村の散歩、件、夕食

村の方におりていく道らしい

この、石壁、敷石にみとれしばし動けず・・

静寂そのもの！

中世からの村を髣髴とさせる・・

この村も、“フランスの最も美しい村”の一つ

サンジャックの像が立っている

レストラン・バー　＆　ホテル

飲食、土産物やが少なく

観光地化されていない、静かな村

陽が落ちて、つつましいライトアップ

その分格調高く・・

教会内の身廊

夜のミサがはじまる・・

説教の後は、祈る人々があちこちに

上部にオクタゴナルの塔がみえるのは神秘的

トランセプト（翼廊交差部）の一方の翼廊

ライトアップされているので

二階部がよく見える

柱頭飾りまでみえないが・・

受胎告知をアップで

トランセプト（交差廊）の　もう一方の翼廊

（左右がどちらだったか忘れてしまって）

教会内部　身廊、側廊とも外観から

見るほどには余り広くない

ミサの後は、ピアノ演奏　よく聞く

ポピュラーな曲ちょっとちぐはぐな感じ・・

漆黒の闇に凛と浮かぶ教会

（ホテルの部屋の窓から）

朝食前の時間をスケッチに

お父さんと散歩の男の子が・・

“ボンジュール〜”

困った男の子、お父さんを見上げ、

“どうしよう〜〜”って

次は、ワンちゃんとお散歩のおじ（い）さん

え〜、ワンちゃん、引っ張れる？

と、みたら、朝からお買い物のおばあさん

もう、あそこまで歩いていっちゃった〜

両方に杖をもって・・巡礼スタイルだね

毎日の生活だから、坂と石畳大変ですよね・・

さて、手は動かないスケッチを終え、朝食

朝食のフロアーもさすが4星、テーブルウエアも

あらためて、日中の光でタンパンを

ロマネスクのタンパンは、限られた空間に、

いかに物語を押し込めるかというのも、

一つの見もの、と何処かに書いてあったけど・・

右の地獄は、ほんとに押し合いへし合い〜

左は天国をあらわして　整然として〜

中央の審判者としてのキリスト

ロマネスク浮彫で

最高の保存状態といわれるタンパン

かっては、赤や青で彩色されていたという

名残がみられる

手を合わせ、伏せているサント・フォア

神の手が差し伸べられている

文字の読めない人々に、聖書の教えを説いた

このわかり易いタンパンを、数世紀に亘って

どれだけの巡礼者が熱い思いでみつめたことか！

サント・フォア教会裏の巡礼宿

ーーーー
サント・フォア教会は

もともと隠者たちの祈祷所だった所に

９世紀初め、ベネディクト派の修道院が

創設されたそう

バケツを持ってとは！余り絵にならないね〜

ーーーー
９世紀には、アジャンという町の修道院から

殉教した少女フォアの遺骨を盗んでき、おさめる・・

修道院の中庭

ーーーー
その後、次々に奇蹟を顕し、噂はひろまり、

谷間の村は巡礼者でにぎわい、

修道院は豊かになったという

ある時期には、途切れることの無い列をなして

巡礼者がきたという

現在の教会は１１世紀の半ばに建築が始まり、

主なものは１２世紀に。

二つのファサードの塔は１９世紀に造られたという

なる程、

あのタンバンをもつロマネスク教会にしては

上部ファサードに違和感を覚えたわけだ、と納得す

村を散歩して・・

もう、１０時過ぎなのにほとんど人と出会わない

ーーーー
コンクも13世紀以降、貧困による略奪、宗教戦争、

ペスト、フランス革命と受難に見舞われる

が、セント・フォアの聖遺物、財宝は、

村人たちによって守られて19世紀半ばには

セント・フォア信仰・巡礼は復活したという

石作りの家、石の道、そして屋根までが

石で覆われて

村の泉　

きり石が飾りとして、石積みされて美しいこと！　

さぞ、巡礼者の喉を潤したであろう〜

ヨーロッパは石の文化と言われる

長い年月風化こそすれ、災害がない限り

残り続け、いにしえを今に繋げる　　　

村は、どっちを向いても写真（絵）になる、

ひなびた風景

ところどころ、石壁には木組みで補強が・・

こんな所をみると、ず〜と上っていきたくなる

人の影、声さえ聞こえず・・

教会より上のレベルの家並み

屋根はみな灰色で、陽射しのない

この日に溶け込んでいるような・・

上の道からみる教会の裏側

下からは見えなかった、

オクタゴナルの塔（八角形の塔）がバランスよく・・

谷を臨むな家

おぉ〜　面白く可愛らしい〜

村を訪れた人々に、喜んでもらえるだろう

と考えられたのでしょうね・・

旅人を包んでくれる優しさかなぁ

山の木々と灰色の屋根並み

結局、コンクの午前中は、少し青空がみえるも

晴れることはない

故に、よく言われる朝霧に覆われる

ということもなく、ちょっと残念な天候

古い中世からの人里はなれた、コンクでは
、
陽射しのある青空よりも、こんな天候の方が

ふさわしいのかもしれない・・

次ぎに向うサン・シル・ラポピーこそ

青空を願いたいもの！と、コンクをあとにする

この旅行記へのコメント （8）

• sienamamaさん 2010/03/19 00:56:05

  レンタカーの旅

  バルファンさん、初めまして〜♪
  
  今年９月中頃にフランス南西部の美しい村巡りを計画しています。
  フランス大好き友人から、お土産に貰った仏版のフランスの美しい村（読めなくて想像するのみ）、日本版のフランスの美しき村、
  車で全踏破したという殆ど写真集本を見ながら、
  ばるふぁんさん始め４トラの旅行記を参考にルートを検討中です。
  
  まずレンタカーにするかバスにするか決めないとどうにもならないのですが、、、。
  そこでお尋ねします。
  レンタカーはオートマを予約してたのに
  車種が変更されただけでなくマニュアルだったんですか？
  オートマしか運転が出来ないので、私等には大問題なのです。
  （私のこれまでの経験ではオートマがちゃんと用意されていたましたが）
  
  駐車場はどうでしたか？
  独ロマンチック街道沿いの街や村は城壁の外に大きい無料駐車場があったりと楽でしたが、このあたりはどうでしょう？
  車でないと相当不便そうですが、
  レンタカーのときは、町に入るのに一苦労したり、駐車場で困ったりのドタバタ必須なものですからどちらもプラスマイナスありで考慮中です。
  バスだとフィジャクを基地に、外せないコンクなど訪問先を絞って行くしか
  ないですが、、、。
  
  突然、アドバイスをお願いして恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
  旅行記、ざぁーとは見せていただきましたが、
  これからも、また、じっくり訪問させて
  いただきたいと思っています。
  
  sienamama
  

  パルファンさん からの返信 2010/03/19 19:54:45

  RE: レンタカーの旅

  はじめまして、sienamamaさん
  
  9月にフランス南西部の旅を計画されているのですね。
  計画中が一番楽しいですよね。
  どうまわろうか、何処にホテルをとろうか等
  
  レンタカーはなんと言っても自由度があって訪問箇所は増えますよね。
  そう思って旅行を組むと、一ヶ所でじっくりと、というのがおろそかになったり・・
  何に力点を置くかでしょうね。
  美しい村めぐりですと、レンタカーがより効率よいのでは？
  
  レンタカーは、日本から頼んでおいて“オートマコンパクト限定”を強く希望し
  今まで変更されたとかのトラブルはなかったですよ。
  
  駐車場に関しては、“美しい村“ですと、観光に力を入れてますので
  問題なく整備されているかなぁと。村或いは町の中心ではないにしても。
  でも、小さな村が多いですし・・
  
  おっしゃるように、町（都市）に入る時が大変ですよね。
  一方通行はあるし、ホテルが必ずしも駐車場を備えてないし・・
  でも、夜のライトアップを味わいたいと思うと町中にホテルを
  取りたいということもあって・・
  この場合のホテル選びが大変ですが、一方では楽しみでも・・
  どんなホテルと遭遇するか？と。
  
  ご希望するお返事になったかどうかですが、
  お手伝いが必要であれば、知っている範囲でお返事できますが・・
  また、おっしゃってくださいね。
  ミシュラン地図などもありますし、用立ててくださっても・・
  
  また、ドライブする気分を味わえそうで最高です♪＾＾
  
  　　これからもよろしく　　　　パルファン
  
  
  

  sienamamaさん からの返信 2010/03/19 22:55:33

  RE: RE: レンタカーの旅

  パルファンさん
  
  早速のお返事、嬉しいです！
  大変参考になります。
  
  ＞＞ 美しい村めぐりですと、レンタカーがより効率よいのでは？
  やはりバス＋タクシーより気儘にまわれていいようですね、、。
  駐車場にも困らないようですし、、。
  
  小さな町でも、もっとゆっくり街歩き（路地裏歩き）を
  すれば良かったぁ、、、
  次回はそうするぞと、いつも思ってしまいます。
  
  
  ＞＞レンタカーは、日本から頼んでおいて“オートマコンパクト限定”を強く希望し今まで変更されたとかのトラブルはなかったですよ。
  旅行記を見ててオートマが用意されていなかったのかと、私のカン違いだったようです。スミマセン。
  
  地図はもう購入しました。地図を眺めてルート検討しながら仮想旅しています。ご親切、有難うございます！
  
  これからお尋ねしたいことがでてくると思いますが、
  よろしくお願いします。
  
  sienamama
  
  
  
  

• コクリコさん 2009/12/23 23:23:00

  コンク

  パルファンさん、こんばんは。
  
  とうとうコンクに辿りつきましたね。
  コンクで一晩でも過ごすことができたら、過去の悲しい出来事も、悪い行いも(パルファンさんには悪い行いはないと思うけど)、未来が不安でも、「いいよ、いいよ」と全てを包み込んでくれそうな気がします。
  良いですね〜パルファンさん、もう安心です♪
  私はいつか行けるのだろうか。
  
  そうそう、我が家にもミシュランの1970年版が何冊かありました!
  風景や建物が写真ではなく挿絵(スケッチ)なのが本当に良いですね。
  それもかなり精密に描かれて見ていて飽きません。
  パリのなんてボロボロになっていて背表紙にガムテープが貼ってありました(^^;)
  

  パルファンさん からの返信 2009/12/24 18:37:15

  RE: コンク

  コクリコさん、　こんばんは♪〜
  
  コンクへのコメント・投票ありがとうございました。
  
  夕方と朝のいっ時の滞在でしたが、
  セントフォア教会を、ホテルの部屋から眺めた時には
  涙する思いがありました。
  いつかは・・と言っていた夫が、体調を崩し、もう行けないかも
  知れないという思いがありましたので・・・
  “すべてを包みこんでくれる気がする“　ぴったりの表現です！
  
  欲を言えば、朝霧の、陽があがるとともに晴れ渡っていく
  自然の神秘にであえたらよかったのになぁと・・・
  
  コクリコさんも是非一泊は計画にいれ実現してくださいね。
  
  １９７０年代のミシュランあったんですね〜
  スケッチ画をしたくなるでしょう？
  パリのその年代はないのですが、みてみたいなぁ☆〜
  それにしても、ガムテープでの補修とは！
  （もっと体裁よくやってよ！と言ってるコクリコさんが目に浮かぶ・・）
  
  では、また寄ってくださいね。　　　パルファン
  

  コクリコさん からの返信 2009/12/25 22:29:03

  RE: RE: コンク

  今晩は〜
  
  > セントフォア教会を、ホテルの部屋から眺めた時には
  > 涙する思いがありました。
  > いつかは・・と言っていた夫が、体調を崩し、もう行けないかも
  > 知れないという思いがありましたので・・・
  
  そうだったのですか。車での移動は体力的に大変ですものね。
  ご主人さまと共にセントフォアの懐に擁かれて眠ることができて良かったですね♪
  本当に思い立った時に行かなくては・・・と最近いろいろ思い当たることがありとみにそう思うようになりました。
  
  > 欲を言えば、朝霧の、陽があがるとともに晴れ渡っていく
  > 自然の神秘にであえたらよかったのになぁと・・・
  
  おぉ、それはもうそうですね(ヘンな表現ですみません^^;)
  
  > それにしても、ガムテープでの補修とは！
  > （もっと体裁よくやってよ！と言ってるコクリコさんが目に浮かぶ・・）
  
  あら、すっかりお見通し!

• 三昧さん 2009/12/11 23:39:26

  ・・・・

  パルファンさん、はじめまして
  
  パルファンさんの思い入れが、旅行記を見ていると伝わってきました。
  コンク、読者の私にとっては初めて聞く地名ですが、読んでいるうちに　こんな所に行ける人が羨ましく感じられました。

  パルファンさん からの返信 2009/12/12 17:22:45

  RE: ・・・・

  黒鯛釣師さん
  
  はじめまして・・ご訪問ありがとうございます。
  
  旅行記はどっぷり浸からないで、また、感情の押し付けにならないよう
  心がけているのですが・・
  
  国内でも、知らない土地、地名がありますしね。
  
  で、その人の写真・コメントを読みながら自分もいつかは行ってみたい
  と夢をもてるのは、いいですね。
  
  これからも時間がありましたらお寄りくださいね。
  
  パルファン